有料記事 植松敬 川嶋かえ 横山輝 末崎毅2023年7月27日 21時51分 五輪談合事件で、広告最大手「電通」側の公判が27日始まった。検察側は、電通が大会組織委員会元次長の「相棒」として受注調整を手伝い、自社にも有利な状況を作ったと指摘した。 検察側の冒頭陳述などによると、スポーツイベントの運営経験が豊富な電通は2016年10月ごろ、テスト大会の準備の遅れに焦った大会組織委員会の大会運営局元次長・森泰夫被告(56)から協力を依頼された。 電通の元スポーツ局長補・逸見(へんみ)晃治被告(55)らは、組織委にイベント運営経験のある人材がほとんどいないことから、森元次長が「相棒」として協力を求めてきたと受け止めたという。 逸見元局長補、電通から組織委への出向者、森元次長らは、「定例会」を開き、協議を行うようになった。17年12月ごろには、手分けして各社の担当者と面談し、希望する競技や会場を確認。受注予定業者を一覧形式にした「割り振りリスト」を作り、更新しながら定例会で共有したという。 検察側は各社との面談の様子も一部明らかにした。 出向者が価格漏らす 電通社員は広告大手「東急エ… この記事は有料記事です。残り903文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「不起訴におわせ、検事が供述誘導」 取り調べ録音の元市議側訴え
2019年の参院選をめぐる買収事件で、河井克行元法相(60)=公職選挙法違反罪で実刑確定=から現金30万円を受け取ったとして、同法違反(被買収)の罪に問われた元広島市議の木戸経康被告(67)の初公判が27日、広島地裁であった。元市議は「受け取ったものが現金との認識はなく、買収報酬の趣旨との認識もなかった」と無罪を主張した。 元市議側は、東京地検特捜部の検事に任意聴取を受けた際の録音データが存在すると明かしている。検事が不起訴処分を示唆した上で、現金は買収目的と認めるよう促すやりとりがあるといい、元市議側はこの日の初公判で「不起訴の可能性をにおわせながら供述を誘導した」と改めて訴え、公訴棄却を求めた。 弁護側は冒頭陳述で、元市議が現職だった20年3月、ホテルの一室で初めて聴取を受けた際、検事から「検察につくのか、河井さんにつくのか。はっきりしてくれ」と迫られたと主張した。 初公判後、弁護人の田上剛弁護士は記者会見を開き、元市議を聴取した検事の証人尋問を申請したと明かした。採否の判断は留保されているという。元市議は欠席した。 録音データの存在は、田上弁護士が21日に明らかにした。20年3~6月に計9回、検事の聴取を受けたうちの計約7時間分で、買収資金との認識を否定する元市議に対し、検事が「認識がないというのは否認になる」「できれば議員を続けてほしい」と言及。元市議が容疑を認める調書に署名した後に否定しようとすると、「全面的に認めて反省していることを出してもらい、不起訴や、なるべく軽い処分にという風にしたい」と言われたとした。 検察側は当初、元市議の「自白調書」を証拠提出する方針だったが、弁護側が録音データがあると伝えたところ、請求しなかったという。 元市議の起訴内容は、19年4月3日ごろ、元法相の妻の案里氏(49)=同法違反の罪で有罪確定=の選挙運動の報酬と知りながら、同市内で元法相から封筒に入った現金30万円を受け取ったというもの。 「検察が不起訴示唆」訴え相次ぐ 元法相の公職選挙法違反事件は、別事件の捜索で見つかった「買収リスト」が端緒とされる。 検察当局は2020年1月、車上運動員に法定上限を超える報酬を支払った疑いで、河井夫妻の自宅などを捜索。パソコンからデータを復元すると、夫妻がいつ、誰に、どれだけ現金を渡したかを記したとみられるリストがあったという。 検察は違法報酬事件を終えると、リストに名前がある地元政治家らの聴取に着手した。中心を担ったのが、東京地検特捜部から派遣された10人ほどの検事だった。 複数の議員が、長時間の聴取が何度も続いたと証言する。そうした議員から、検察が不起訴を示唆して「自白」を誘導したとの訴えが相次ぐ。 元広島市議の谷口修氏(76)=公判中=は、検事から「河井氏をあげるためで、あなたには迷惑をかけないから協力してくれ」と言われたと主張。元同市議の伊藤昭善氏(72)=同=も「(過去の事件で)情報をくれた者は起訴しない取引をした」と説明されたと証言した。「起訴しないという誓約書を書いて欲しい」と求めると、「それは書けない。検事を信じてもらうしかない」との話があったと訴えている。このほか、朝日新聞の取材に対し、河井氏の逮捕前から「不起訴を示唆された」と話す議員が複数いた。 一連の捜査・公判を経て、元法相は地元政治家ら100人に計約2900万円の買収資金を提供したと認定された。検察は当初、被買収側は全員不起訴としたが、検察審査会が起訴相当と議決した35人について、9人を在宅起訴、25人を略式起訴に。略式起訴のうち3人が正式裁判を求めた。 正式裁判となった12人中6人には地裁判決が出ており、いずれも現金を受け取った時期や状況などから有罪となった。 繰り返し聴取を受けた元県議が不当捜査と訴えた国賠訴訟でも、検事の「誘導」や「脅迫」が争点になったが、地裁判決は「自白を強要するための利益誘導とは評価できない」などと退けた。 検察内「組織的指示は、ない」、問題視する声も 今回の問題の主な焦点は、利益誘導による違法な取り調べがあったのかや、上司の指示といった組織性の有無となる。 関係者によると、録音データには「不起訴で終わるとの約束はできない」などという検事の発言も残っていた。法務・検察内では「個々の文言にまったく問題がないとは言えないが、全体をみれば明確な利益誘導とまではいえない」との見方がある。不起訴を約束して自白を引き出すようにという組織的な指示は「ない」としている。 一方、被買収側が客観証拠から相次いで有罪になっている中、「当時の調べは依然として自白への依存度が高く、無理をした。利益誘導と疑われかねない」と問題視する声もある。「買収リスト」に沿った供述が必要というプレッシャーを現場の検事らが感じていた可能性もあり、「問われるべきは一検事ではなく、特捜部のやり方」との指摘も出ている。 公職選挙法違反の罪は、捜査協力の見返りに刑を減免する「司法取引」制度の対象外だが、河井元法相側は「違法な裏取引をした」と訴えてきた。最高検は、元市議らへの判決を踏まえて調査し、「適切に対応する」としている。 元東京高裁部総括判事の門野博弁護士は「裁判では、捜査当局が得た供述の任意性を争う例が絶えない」と指摘。現在は逮捕・勾留中に限定されている取り調べの録音・録画の範囲を「任意聴取にまで広げることも検討すべきだ」と話した。 検察の取り調べを巡る地元政治家らの主張 木戸経康・元広島市議 「全面的に認めて反省していることを出してもらい、不起訴やなるべく軽い処分にという風にしたい」と言われた=公判中 伊藤昭善・元同市議 「地方議員を追い込むことが目的ではない」と言われた=同 谷口修・元同市議 「あなたには迷惑をかけないから協力をしてくれ」と言われた=同 藤田博之・元同市議 公訴権の乱用があったと主張=同 木山徳和・同市議 「陣中見舞い(との趣旨)を認めるので協力してほしい」と言われた=同 三宅正明・同市議 「協力してくれれば正直者が馬鹿をみることは絶対にない」と言われた=同 渡辺典子・広島県議「このまま(否認)だと河井さんと沈んでいく」と言われた=一審有罪、控訴 矢立孝彦・安芸太田町議 「ターゲットは河井夫妻。あなたは大丈夫です」と言われた=一審、二審とも有罪 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
口に入れたスプーン、そのまま容器に 迷惑動画投稿容疑で2人逮捕
高橋淳2023年7月27日 22時44分 飲食店チェーン「ラーメン山岡家」の宇都宮市内にある店舗で、卓上のおろしニンニクを容器に備え付けのスプーンで口に入れそのまま戻す動画をSNSに投稿したなどとして、栃木県警宇都宮中央署は27日、男2人を威力業務妨害の疑いで逮捕し、発表した。 逮捕されたのは益子町益子の風俗店店長(31)と上三川町上三川の飲食店従業員(22)。店長の男は「業務を妨害するつもりはなかった」と容疑を一部否認し、飲食店従業員の男は「間違いありません」と認めているという。 発表によると、2人は2021年10月1日から22年10月31日までの間、市内の店舗でおろしニンニクの容器に備え付けられたスプーンを直接口に入れて戻すなどの動画を撮影し、今年3月までインスタグラムに投稿して店の業務を妨害した疑いがある。(高橋淳) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「虹のカーテン」抜けた先には? 標高600メートル、山の上に設置
金居達朗2023年7月27日 19時30分 琵琶湖を望む滋賀県高島市の箱館山スキー場に、地元特産の「高島ちぢみ」で織られた「虹のカーテン」が設置されている。27日は、全国914地点のうち251地点で今年最多を更新するなど全国的に猛暑日となった。標高600メートルを超える箱館山は平地より気温が数度低く、訪れた観光客らは風に揺れるカーテンがもたらす涼感を楽しんでいた。 「虹のカーテン」は2019年から始まった取り組みで、虹色と白色に染めたちぢみ195枚がつるされている。カーテンを抜けると、琵琶湖を見下ろす景色が一望できる。 「虹のカーテン」に向かう小道には、882個の虹色の風鈴が飾られている。場内ではピンク色の花を咲かせるペチュニアが見頃を迎えている。ジップラインなどのアクティビティーも楽しめる。 虹のカーテンの設置は、夏季シーズンの営業が終わる11月12日まで。入園料は大人2500円、小学生以下1200円、駐車場千円。問い合わせはスキー場(0740・22・2486)。(金居達朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元ジャニーズJr.、政府の緊急対策に「はがゆさ」 国会内の会合で
ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川氏(2019年に死去)からの性被害を告白した元ジャニーズJr.の中村一也さん(36)らが27日、立憲民主党が国会内で開いた会合に出席した。 子どもや若者の性被害に対応するため、政府が26日にまとめた緊急対策パッケージでは男性や男児対象の電話相談窓口を設けることが示された。中村さんは被害に遭ってから20年以上、公にできなかったとし「子どもが被害を訴え、声をあげること自体がとても難しい。実情をわかってもらえていないはがゆさを感じる」。虐待の加害者を保護者に限っている児童虐待防止法の改正などを改めて訴えた。 ビジネスと人権に詳しい蔵元左近弁護士も出席し、パッケージがまとめられたことを評価しつつ「性加害が事実であれば、常軌を逸している問題で、人権問題としても重大性は甚だしい。その問題の事実を把握しないままに、政策立案されることは残念」と話した。 中村さんは13歳だった01… この記事は有料記事です。残り300文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
強制不妊訴訟、原告が「顔出し」で初出廷 「勇気持って訴えたい」
高橋俊成2023年7月27日 19時49分 旧優生保護法の下で不妊手術を強いられたことの違憲性が争われた国賠訴訟の弁論が27日、名古屋地裁であり、聴覚障害のある原告の70代夫婦が傍聴席から顔が見える形で出廷した。これまでは顔が見えないよう遮蔽(しゃへい)措置がとられていた。 閉廷後の会見で夫婦は顔出しを決意した理由について、同種訴訟で顔を出して戦う原告がいることを知り、「私たちも勇気を持って顔を出して訴えたいと思った」と話した。 これまでは顔を出すことで身元が特定されて「裁判は金目的だ」と批判されたり、自宅を割り出されたりするとの懸念があったと明かした。 この訴訟では昨年12月の第1回弁論以降、傍聴席から夫婦の顔が見えないよう法廷についたてが設置されてきた。この日はついたてはなく、弁護士と並んで原告席に座る夫婦の表情を傍聴席からみることができた。(高橋俊成) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
« N’oublions pas que des moines zen allèrent jusqu’à poser avec les Jeunesses hitlériennes »
Des moines bouddhistes se heurtent à la police antiémeute lors d’une manifestation devant l’ambassade du Vietnam à Phnom Penh, le 17 décembre 2007. TANG CHHIN SOTHY / AFP Le Français Clément Sans est récemment devenu moine zen, ordonné sous le nom de Tozan (« la montagne du pêcher »). Chaque mois, il nous […]
大阪刑務所に人権侵害を警告 視覚障害の受刑者のルーペ使用認めず
2023年7月27日 13時34分 視覚障害のある受刑者に対し、ルーペの使用を認めなかったのは著しい人権侵害にあたるとして、大阪弁護士会は27日、大阪刑務所に適切な対応を強く求める「警告」を行ったと発表した。警告は25日付。 警告書によると、使用が認められなかったのは40代の男性受刑者。視力が0・01以下の重度の弱視だったが、2021年11月、私物のルーペの使用を刑務所が認めず、人権救済を申し立てた。同弁護士会は刑務所の対応について、憲法が保障する「健康で文化的な最低限度の生活を送る権利」などの不当な侵害で、障害者に対する差別的な取り扱いにも当たると指摘した。男性はすでに出所している。 刑務所側は不許可とした理由として、ルーペに付いた金属を使った自傷行為や、レンズに太陽光を当てて発火させる危険性などを挙げたが、警告書は「使用場所や時間を管理すれば避けられる」とし、認めるよう求めた。 男性受刑者は15年にもルーペの使用が認められず、同弁護士会は17年12月、大阪刑務所に改善を求める勧告を出しており、今回はより厳しい警告となったという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
歓楽街のはずれで商店街が崩落、大木が建物貫く 行政が悩む権利問題
ネオンが輝く繁華街のはずれ。 風俗店が並ぶ通りを過ぎると、さびついたトタン屋根が約10メートルにわたって崩れ落ちている。 その奥では、古びた建物を大木が突き抜け、屋上で深緑の葉を生い茂らせる。 宮崎県内最大の歓楽街「ニシタチ」の一角にある商店街「青空ショッピングセンター」の姿だ。 商店街といっても、屋根が一体化した長屋形式の一つの木造の建物で、小さく区切られた商店の壁と軒先が互いを支え合っている。 宮崎市や地元の住民によると、この建物が建てられたのは70年以上前のこと。 最盛期には精肉店や鮮魚店、青果店など約40の店舗が入り、買い物客でにぎわったという。「年末は上野のアメ横のような人出だった」という人もいるほどだ。 地元の人に親しまれていたが、1970年代ごろからスーパーやデパートが市内に進出すると、徐々に客足が遠のいていく。空き店舗も目立ち、建物の傷みも進んだ。 いまは食料品店など5、6店舗が細々と営業を続けているだけという。 大部分を占める空き店舗はガラスが割れ、びっしりと落書きされた壁にひびがはいっている。 裏通りに面した建物は、全体が大きく傾く。アーケードの屋根に張られたトタン板はさびてところどころで穴があき、青空が見える。 宮崎市は何度も説明会を開いてきたが… すでにひどく荒廃した状態だったが、激しい雨が降った7月上旬、建物の一部がさらに大きく崩れた。 その部分はいま、近寄れないように規制されているが、そもそもなぜ、荒れたまま放置されてきたのか。 この一角で砂糖と豆類を販売… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪府枚方市で39.8度を観測 全国の今年最高気温を更新
2023年7月27日 15時07分 台湾付近を北上している台風5号の影響で日本付近の高気圧が強まり、27日も各地で気温が上がっている。大阪府枚方市では同日午後、今年の全国の最高気温となる39・8度を観測した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル