【動画】ダム建設にゆれる集落で、96歳が伝統の「ホタルかご」作りを若い世代に教えた=吉本美奈子撮影 夏、石木川を中心にホタルが舞う自然豊かな長崎県川棚町の川原(こうばる)集落。6月末、麦わらで作るホタルかごの作り方を、96歳の松本マツさんが5人の女性に教えた。マツさんは集落に住み、石木ダム建設に反対する13世帯の住民の最年長。途絶えるかもしれない手仕事を、若い世代に教える様子を見せてもらった。 ホタルかごは、麦わらで作られた高さ20センチほどの民芸品。麦わらを差し込みながらつないでいき、底の部分から編み始める。上に向かって、らせん状の筒部分を作り、最後に持ち手を仕上げる。昔はふた付きもあり、子どもがホタルを入れていたという。東京の民芸品店で販売されたこともある。 マツさんは30分ほどで編み上げるが、参加者の中には、なかなか進まない人も。助けを求める声に、マツさんは穏やかに「最初に戻ったらいいよ」と助言した。 かご作りを呼びかけたのは… この記事は有料記事です。残り1059文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
やりたいこと、ぼちぼち探そう 元お笑い芸人、実体験から学ぶ塾運営
「今日のテーマは、パティシエ! お菓子を作る人、知ってる?」 神戸市内の小さなビルの一室で、塾講師の高橋惇さん(33)が小学1~3年生の6人に呼びかけた。パソコンを使ってテンポ良く説明する高橋さんは、元お笑い芸人だ。 「聞いたことある」「何作るの?」とみんなこれから始まることに興味津々の様子だ。 高橋さんは2017年に、小中学生向けの塾「イドミィ」を開いた。国語算数など学校での科目も教えるが、「実体験こそ最大の学び」が理念のアクティブラーニングスクールとうたっている。 売りの一つが、小学生対象の「テーマ探究」のコースだ。今年のテーマは「子ども社長」。ラジオDJ、ファッションデザイナー、農業など12の仕事を「インターン」として経験し、働くこと、お金について学んでいる。 この日はパティシエの仕事を教室で説明した後、フルーツゼリー作りにチャレンジ。1人200円の予算で、近所のスーパーで材料を買い、「イチゴは高い」「消費税が別にある」など気づいたことをメモした。 「テーマごとにみんなで協力して考えたり伝え合ったりしながら、自分がどんなことに関心があるのか、どんな大人になりたいのかを見つけていくのが目的です」と高橋さんは話す。 高橋さんがこの塾を始めた背景には、芸人としての挫折がある。 休み時間に漫才で笑いを取る… この記事は有料記事です。残り1117文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中学受験、本格化の夏 親子関係のプロが語る「絶対避けるべきこと」
首都圏で高まる中学受験熱。元小学校教員で教育評論家の親野智可等(おやのちから)さんは、夏期講習が始まり受験勉強が本格化するこれからの季節、親が特に避けなければならないことがあるといいます。親が口にしがちな「暴言」の例や、その危険性について、親野さんに聞きました。親子関係の専門家がみる、中学受験に潜むリスクとは。 ――中学受験に向け、親子関係で注意すべきことは。 「何度言ったらわかるんだ」とか、「全然だめ」とか、子どもを否定するような言葉を言ってしまうおそれはないか、自問してみてください。こうした言葉はひとたび口にすれば子どもの自己肯定感を損ない、親への不信感につながります。親子関係は人間関係の第一歩。そこでつまずくと人間不信につながりかねません。 ――「自分に限ってあり得ない」と思う保護者も少なくないのでは。 中学受験は塾代などの膨大な費用と、宿題の採点などの手間が必要で、親に様々な負担がかかります。 そんななかで、本当に感情的にならずにいられるか。よくあるのは例えばこんなケースです。親子で私立校の説明会に行って、子が自ら「ここに行きたいから勉強する」と決意表明する。でも、しばらくすると意欲がなくなってゲームばかり。問題を解く際に同じ間違いを何度もする。そんな様子を見て冷静でいられるでしょうか。リアルに想像してみてください。 ――実例はありますか。 評論家として教育に携わるなかで、保護者から様々な相談を受けてきました。 ある家庭で、塾に通わせて家庭教師もつけたのに、小6の夏を過ぎても成績が上がらなかった子がいました。危機感を覚えた父が何度もしかりつけましたが、子の意欲はあがらず、父は怒りにまかせて殴ってしまいました。受験には落ち、父との関係は修復不可能になったそうです。 極端な例かもしれませんが、同じ状況になるかもしれない。子どもに中学受験をさせる保護者の皆さんに、考慮してもらいたいですね。 ◇ おやの・ちから 1958年生まれ。本名、杉山桂一。公立小の教員時代からペンネームで活動し、退職後、教育評論家に。著書に「子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集」(ダイヤモンド社)など。(高浜行人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
伊藤博文故郷の資料館に初の女性館長 「歴女」になった元バスガイド
初代首相・伊藤博文の生まれ故郷にある伊藤公資料館の毛利美友紀さん(40)は、9代目にして初の女性館長だ。伊藤は子どものころ萩に移り住み松下村塾で学んだことから萩出身と誤解されることもしばしばあるが、光市束荷の出身だ。山口県内の主要観光ルートから外れ、コロナ禍も相まって来館者は伸び悩むが、光出身の認知向上や、来館者増に取り組んでいきたいという。 「この服は伊藤公が着ていた公爵大礼服です」 毛利さんが良く通る声で、下関市から来館した夫婦に館内の展示を説明した。夫婦は、萩市の松下村塾と、近くにある伊藤の旧宅や別邸には行ったことがあるが、ここにはたまたま立ち寄ったという。夫(71)は「こういう資料館があるとは知らなかった。分かりやすくていいですね」と満足げだった。 毛利さんは下松市出身。子どものころから「歴女」だったわけではない。高校を卒業後、2002年に防長交通(周南市)に就職。バスガイドとして4年間、団体旅行客や修学旅行客らを秋吉台、関門海峡といった観光地に引率した。その一つが、伊藤や高杉晋作ら志士たちが吉田松陰の薫陶を受けた松下村塾だった。 「自分と同世代の人たちが、国をどうにかしなければいけないという思いを持ち行動していたことに引かれました」。幕末維新に興味を持ったことが縁で徳山毛利家14代当主の就慶(なりよし)さん(50)と知り合い、結婚を機に退社した。 育児をしつつ、幕末維新の歴史に携わる仕事をしたいと思い立ち、11年から玉川大学教育学部で学び、博物館教育を専攻して学芸員資格を取得。防府市教育委員会で遺跡発掘に携わった。幕末維新の歴史への思いは捨てがたく、21年から光市教委で働き、館の仕事にも関与。公募に手を挙げ、今年4月に館長に就任した。 就任前からの仕事では、所蔵資料を文化庁の文化遺産オンラインに登録し、全国の人が閲覧しやすいようにした。「明治150年」の18年度は8248人だった来館者は、コロナ禍に伴い、21年度には過去最低の4105人に半減。インバウンド観光客の取り込みをはかろうと、近くにある旧伊藤博文邸(県指定有形文化財)に英語案内のQRコード付き看板を置いた。 現在、明治天皇から下賜(かし)された銀杯など、伊藤の子の真一の子孫から寄贈された資料を紹介する特別展(8月27日~11月26日)の準備を進めている。 伊藤や盟友の井上馨ら、後に「長州ファイブ」と称される若き俊英5人が志を持って渡英してから160年の今年、女性で初めて館長になった。「志とやる気があったので採用していただいたと思います。伊藤公が光出身ということを発信していきたいです」(大室一也) ◇ 〈伊藤公資料館〉1997年、大和町(当時)が初代首相の伊藤博文生誕150年記念事業として、伊藤公記念公園内に約2億8千万円をかけて整備した。鉄骨平屋建て、広さは約534平方メートルあり、外観はれんが造りの明治風建築。伊藤の肖像が印刷された旧千円札第1号券、神奈川県大磯町にあった「滄浪閣(そうろうかく)」で使っていた家具、公爵大礼服など981点を所蔵し、うち110点を展示している。伊藤以降の歴代首相の書も収集し、一部を公開。月曜休館。公園内には旧伊藤博文邸(県指定有形文化財)、復元された伊藤の生家、産湯に使ったとされる井戸などもある。 ◆yabは25日午後5時33分からの「Jチャンやまぐち」で放送予定です。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
今も夜の教壇に立ち続ける89歳 「教え子助けられたか」自らに問い
部活動の生徒たちが下校したころ、北九州市立城南中学校の敷地内にあるプレハブ棟に、明かりがともる。 「こんばんは」 「はい、こんばんは」 机や椅子が並ぶ教室の真ん中で、10人ほどの生徒たちに囲まれ談笑する男性の姿があった。 元教員の林静一路(せいいちろ)さん(89)。城南中学「夜間学級」が設立された1998年から運営に関わる1人だ。今もボランティアとして、変わらず数学の授業を受け持つ。白髪交じりの生徒たちの中でも、一番の高齢になった。 米寿を超えても、教壇に立ち続ける理由がある。 ビリビリに破られた学級目標 林さんは55年、当時の小倉市の中学校教諭として新規採用された。戦前の教育が色濃く残る時代。精神論が身にしみていた。生徒たちに示した学級目標は「努力に勝る天才なし」。「勉強がわからないのは、お前が勉強しないからだ」。そんな言葉を生徒たちにぶつけることもあった。 2カ所目の赴任校で中学3年の担任になり、同じ目標を書いた紙を教室に掲げた翌日、ある男子生徒にビリビリに破られた。 「俺たちは、努力してもできないことがあるんだ」 その生徒は被差別部落出身の生徒だった。 「恥ずかしながら、それまで… この記事は有料記事です。残り1734文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
勤務中に高齢者重傷ひき逃げ容疑、タクシー運転手逮捕 東京都中央区
福冨旅史2023年7月24日 13時10分 勤務中に高齢者をひき逃げして重傷を負わせたとして、警視庁は、タクシー運転手の男(72)=東京都江戸川区北葛西1丁目=を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕し、24日発表した。「その道は通っていません」と容疑を否認しているという。 中央署によると、男は7月11日午後4時50分ごろ、東京都中央区日本橋小伝馬町の信号機のある交差点を右折する際、横断歩道を横断中の中央区の男性(73)に接触。右足首の骨折など3カ月の重傷を負わせ、そのまま逃げた疑いがある。目撃者から110番通報があり、捜査していた。(福冨旅史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Shohei Ohtani connects on 36th home run as Angels beat Pirates
Anaheim, California – Shohei Ohtani crushed his MLB-leading 36th homer in the first inning to spark the Los Angeles Angels’ offense in a 7-5 win over the Pittsburgh Pirates on Sunday. The two-way superstar had gone four games without a home run before sending Mitch Keller’s 3-2 cutter 410 feet […]
牛舎にいた100頭超の犬「虐待」の指摘に、飼い主「良いことした」
【動画】北海道の牧場で起きた多頭飼育崩壊。100頭以上の犬が飼われていた=神村正史撮影、どうぶつ基金提供 北海道東部の佐呂間町にある牧場で、100頭以上の犬が飼われていた。犬が暮らす牛舎は糞尿(ふんにょう)にまみれ、多くの犬はやせ細っていた。「多頭飼育崩壊」と判断した町やボランティア団体が対応に動き出したが、なぜこれまで放置されてきたのだろうか。 始まりは15年以上前、牧場近くに捨てられた5、6頭を「殺したくない」と保護したことがそもそもの発端だった。 ところが、牧場で飼われた犬は不妊や去勢手術が行われることなく、牧場主の男性(74)が1人で世話のできる次元をとうに超えてしまった。 男性は今年2月、札幌市に拠点を置くボランティア団体「犬のM基金」に支援を求めた。 団体のスタッフらは飼育現場を確認し、保護できる一部の犬については引き取りを始めた。現場の状況を町に報告した上で、犬や猫の不妊・去勢手術を行っている公益財団法人「どうぶつ基金」(兵庫県芦屋市)を紹介した。 「どうぶつ基金」の佐上邦久理事長によると、牧場で飼われていた犬は2月時点では160頭ほど。5月18日の時点でも多くが牛舎の中に残っていた。 エサをまともに与えられていない様子で、同居する乳牛の飼料を横から盗み食いして生きている状態だった。死にかかっている犬もいたという。 雪の下に10頭以上の死体 「既に死んで屍(しかばね)… この記事は有料記事です。残り1734文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東農大ボクシング部員を逮捕、寮で大麻所持の疑い 部員逮捕は2人目
東京農業大(東京都世田谷区)のボクシング部員ら2人が7月、大麻取締法違反(営利目的所持)の疑いで逮捕された事件で、警視庁は24日、同大の学生寮で他の大麻を所持したとして、別の部員の男子学生(19)を同容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。容疑を認めているという。 捜査関係者によると、部員は7月初旬、世田谷区にある東農大の学生寮で、乾燥大麻を販売目的で所持した疑いがある。同庁が7月4~6日に寮を家宅捜索し、大麻を発見した。量が多いといい、同庁は他の部員の関与の有無も調べる。 他の部員の関与の有無も捜査 同部を巡っては、いずれも19歳の部員の男子学生=山梨県=と、職業不詳の少年=埼玉県=が共謀して7月4日午前2時ごろ、世田谷区の車内で乾燥大麻約7・87グラムを営利目的で所持した疑いで12日に逮捕されていた。 同大ボクシング部は全日本大学王座を8度制した強豪。世界4階級を制した井岡一翔(中退)らが在籍し、現在の部員は18人。8日に出場予定だった関東大学ボクシングリーグ戦を辞退していた。(御船紗子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「広島、長崎にしかできないことがある」 高村薫さんが語る希望
ロシアのウクライナ侵攻の長期化で核兵器使用に対する懸念が高まる中、今年5月には広島でG7サミットが開かれ、被爆地に世界の目が注がれました。核戦争を起こさないためには何をすべきか。7月29日に広島市の広島国際会議場で開かれる国際平和シンポジウム2023「核兵器廃絶への道」で登壇し、「特別トーク」をする作家の高村薫さんに聞きました。 ――G7広島サミットでは参加国や招待国の首脳らが広島平和記念資料館(原爆資料館)を訪れました。 「首脳たちの肉声が伝わらなかった。せっかく資料館に行ったのに何を見たのか、見て何を感じたのか、それがまったく外に伝わらないというのは行っても意味がないんじゃないかと思いました」 「もうひとつ驚いたのは資料館の視察内容で米国と最後までもめたということ。日本の資料館なのだから、ここにはこういうものがありますと見てもらえばいいものを、米国から注文がつくということ自体が非常に驚いたし、日本人として不本意でした」 広島でのシンポでは核兵器禁止条約の国連会議で議長を務めた元コスタリカ大使のエレイン・ホワイトさんの基調講演や被爆者と若い世代の対話などがあります。入場無料。ネットでライブ配信(http://t.asahi.com/isp2023)します。 ――せっかくの貴重な機会なのに、その意味が損なわれたということですか。 「いちばん理想的な形というのは、首脳たちが報道陣も交えたオープンな形で資料館に入り、そこで正直な印象を語る。展示を見た後で考えたことや、資料館に行ったことを踏まえてなにがしかの新しい核軍縮の方向性というのが見えてくれば、そこで初めて『広島の原爆資料館に行った』意味が出てくる。今回はそうした肉声がまったく伝わってこなかった」 ――「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」に核抑止政策を肯定する内容が盛り込まれたことに、被爆者や国内外のNPOから失望や落胆の声があがりました。 「あくまで核抑止を前提にして、その中で核の管理に道筋をつけるという話で終わってしまった。核兵器を禁止するという流れとは程遠いし、そのような考えはハナからない。広島で見たものが何も実を結んでいない。非常に残念なサミットだったと思いますが、もともと分かっていたことです。核兵器を保有し、核抑止の先頭に立っている首脳たちが、口が裂けても核抑止に反するようなことを語れるわけがない」 ――岸田文雄首相はサミット後の記者会見で「夢想と理想は違います。理想には手が届くのです。(中略)一歩一歩、現実的な歩みを進めていきましょう」と述べました。「現実的な歩み」をどうみますか。 「米国の『核の傘』にいると… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル