福冨旅史2023年8月17日 16時43分 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の入居者から現金を盗んだとして、警視庁は17日、このサ高住の元施設長の男(27)=東京都東村山市青葉町2丁目=を窃盗容疑で逮捕し、発表した。「現金を引き出したことは間違いありません」と容疑を認めているという。 捜査2課によると、男は不正に入手した入居者の高齢女性のキャッシュカードを使い、2021年8月下旬~22年3月上旬に計7回、口座から現金計300万円を引き出した疑いがある。 女性は22年3月に死亡。同課は、男が女性の生前や死後、逮捕容疑も含めて計約17回、合計約800万円を不正に引き出したとみている。遺族側が不審に思い、警視庁に相談して発覚。男は22年9月、施設の運営会社を懲戒解雇されていた。 同課によると、施設では入居時にキャッシュカードを預かり、入居者の承諾があれば施設側が生活費などを自由に引き出せるシステムだったという。同課は、盗まれた現金は男が私的に使ったとみている。(福冨旅史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「まさに今、墓の危機」 育児・介護は支援あるが…遅れる弔いの対応
有料記事 聞き手・小川聡仁 鈴木春香2023年8月17日 17時00分 墓じまいが続き、管理の手間がかからない合葬墓などが広がる。シリーズ「墓 新時代」で紹介してきた弔いを巡る新たな動きは、偶然に起きているわけではない。識者はその構造を指摘するとともに、この先数年で墓の危機が顕在化すると話す。 連載「墓・新時代」 「墓」のかたちが変わりつつあります。少子高齢化による継承者の不在や「自分らしさ」の選択など、時代の変化を背景に、従来とは異なる弔いのスタイルが広がっています。現場を取材し、識者に聞きました。 墓のあり方は、子育てや介護の問題と似ている。家族内や地域の助け合いで維持されてきたが、人口減や人間関係の希薄化でそれができなくなり、行政が担う必要が出てきた。 子育てをしやすくするために育休の制度が広がり、介護保険制度も導入された。墓の問題は、支援する制度整備が進んでいない。プライベートなつながりに依存したままだ。 そうした状況で団塊の世代が… この記事は有料記事です。残り1278文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「動物にも生きる権利がある」漁に反対しドローン撮影 SNSで拡散
1月上旬の朝。畠尻湾の近くで、ひとりの男性が双眼鏡を手に海をながめていた。 NGO代表のヤブキ レンさん(50)。 コロナ禍がはじまった2020年から、海外の団体にかわって日々の追い込み漁を撮影している。 海上にドローンを飛ばす。漁師たちが群れを追い込む畠尻湾のとなりの高台から、漁師たちの動きを英語と日本語の両方で発信する。 「動物にも人間と同じように生きる権利がある」。ヤブキさんの信念だ。 クジラやイルカは家族で群れ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
1日に900人が訪れる市街地の防空壕 戦争の実相伝える別荘跡
かつて戦争があったことを、その遺構を通じて知ってもらおうという取り組みが、愛知県大府市で続いている。個人の別荘地跡に残された防空壕(ごう)への見学だ。ロシア軍によるウクライナ侵攻の影響もあってか、来訪者が増えるなど関心が高まっているという。 JR大府駅から1キロ弱、大倉公園にある木造平屋の休憩棟。16段の階段を下りていくとひんやりとした冷気に包まれる。コンクリートの壁に囲まれた地下室。水がしみ出て、湿っぽくカビの臭いが鼻につく。 高さ2・45メートルで、9平方メートルと大人10人以上は入れる広さがある。厚みが30センチはある壁には鉄筋が入っている。案内してくれた市歴史民俗資料館の鷹羽望学芸員(35)は「個人宅の防空壕自体が珍しいが、物資不足の時代にこれだけのものをよく造れたものだ」と説明する。 広さ1・7ヘクタールの大倉公園は大正期に、日本陶器(現ノリタケカンパニーリミテド)初代社長の大倉和親が建てた別荘があった。1945(昭和20)年2月に名機製作所の初代社長、加治慶之助が譲り受けた。加治は空襲にさらされていた名古屋から疎開しており、別荘の離れの下に防空壕を造った。 市は75年に別荘地跡を購入し、公園にした。別荘の離れ(休憩棟)と茅葺門(かやぶきもん)は2015年、国の有形文化財に登録されている。防空壕は管理の問題から埋め立てる話も持ち上がったが、免れた。ただ市民の目に触れるようになったのは最近のことだ。 「こんな立派な造りのものが残っていたとは……」。加納邦郎さん(77)は2014年に初めて防空壕に入った際、思わず声が出た。 結成されたばかりの地元のボランティア「ふるさとガイドおおぶ」の一員となったころ。市職員から、「見学コースの一つにならないか?」と打診され、初めて訪れた。 翌年2月、たまった地下水を仲間と2時間かけてバケツでくみ出し、最初の見学者を迎え入れた。後に市は、階段の手すりや地下水をくみ出すポンプをつけた。 今年4月下旬、加納さんらガイドは終日、休憩棟の玄関前に立って説明を続けた。この日だけで過去最多の882人が中へ入った。 名古屋の南部に位置する大府… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ヒロシマから半世紀を経て連作 核廃絶へ「体が動く限り描き続ける」
15歳の時、山形県鶴岡市の洋画家三浦恒祺(つねき)さん(93)は広島市で被爆した。忘れられない惨禍と平和への願い――。それが、被爆の実相を伝え、核兵器廃絶を訴える連作「原爆の形象」につながっている。 《父の転勤で1935年から広島市で暮らし、被爆当時は旧制広陵中学(現広陵高校)2年生。45年8月6日、勤労奉仕で陸軍糧秣支廠(りょうまつししょう)の事務用品を郊外に運ぶ作業を命じられ、朝早くから同級生とトラックで移動し、爆心地から4キロ北で荷物を下ろしていた時だった》 突然、青白い閃光(せんこう)に包まれました。地の底から湧き出るようなドーンという爆音とともに地面が揺れ、爆風も吹いて。音のした方角を見ると、市中心部から不気味なキノコ雲が青空へ膨れあがり、雲の下に赤い炎が立ち上った。朝はそこを通っていたので、出発が遅ければ命はなかった。 《作業を終え、トラックで糧秣支廠や学校がある市南部へ。途中からはがれきで道路が通れず、歩いた》 炎と煙が渦巻き、建物は焼け落ちているなかで、生き地獄を見たのです。 あげられなかった一滴、後悔の念いまも 頭から足の先まで全身が赤黒く焼けただれた人たちが、郊外へ避難する列が延々と続いていました。地面をはうようにうごめいている人や、黒こげで亡くなっている人もいました。「水をください」と言われましたが水筒もなく、断るしかなかった。せめて一滴でもあげたらどんなにか喜ばれたろうと、今でも頭から離れないのです。 《爆心地の南約2キロにあっ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「風船爆弾」の元基地から平和の気球 負の歴史を見据え職人技いかす
第2次世界大戦末期、米本土攻撃のため本州太平洋沿岸から日本軍が放った気球「風船爆弾」。その材料に使われた和紙の産地の一つで「放球基地」もあった福島県いわき市で、この夏、和紙を使って気球を作る人たちがいる。「郷土の負の歴史を平和の象徴に」と、ウクライナから来た留学生らに平和のメッセージを書いてもらうイベントを企画している。 「こんなに大きいのは久しぶりだな」。同市遠野町根岸でかごなどを作る竹細工職人の男性(62)が、上遠野(かとうの)仁さん(72)に声をかけた。男性は、長さ約4メートルの真竹を幅1・5センチほどに縦に切り、なたを使って表面と内側を同じ厚さにはいで、直径約1メートルの球形の骨組みを組んでいた。 作っているのは風船爆弾の10分の1ほどのオブジェだ。竹の骨組みに、地元で漉(す)いた和紙を貼り、内装用の和のりで塗り固める。当時の風船爆弾は直径約10メートル、和紙をコンニャクのりで固めて貼り合わせた球体に水素ガスを入れた。高度保持装置や爆弾などをつり下げ、1944~45年春に約9300個を放った。偏西風に乗って1割ほどが米本土に到達したとされ、子どもら米国の民間人が爆弾の犠牲になった。 全国に3カ所あった陸軍の放球基地のうち、1カ所がいわき市の勿来にあった。球皮の材料には同市の「遠野和紙」も使われた。郷土史に詳しい知人から聞かされ、戦後生まれの上遠野さんは衝撃を受けた。 「子どもを殺していたのか」… この記事は有料記事です。残り955文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
校長の印鑑購入→修学旅行の見積書偽造→出発遅れる 中学の職員処分
鈴木芳美2023年8月17日 10時19分 高知県教育委員会は16日、自ら購入した校長の印を勝手に旅行命令簿に押すなど、計27件の公文書や資料などの偽造を行ったとして、黒潮町立大方中学校の事務職員(27)を同日付で停職12カ月の懲戒処分とし、発表した。修学旅行の出発が遅れるなど、生徒にも実害が出たという。 県教委などによると、事務職員は2022年度に、校長の決裁を受けるべき赴任旅費や旅行命令簿など18件に自分で購入した校長と同姓の印を押すなどした。また、備品や、生徒集金で購入予定だった理科や数学の副教材の未発注などの不適切な処理も見つかった。 文書偽造には、修学旅行関連の資料3件が含まれていた。業者に修学旅行の見積もり依頼を行わないまま、前年度の文書の日付を打ち換えた見積書を偽造するなどしていた。その後、今年5月に予定されていた修学旅行の契約ができていないことが教員の指摘で発覚し、修学旅行の出発が5日遅れた。この影響でソフトテニス部員が大会に参加できなくなった。事務職員は、事務処理が滞ったことを隠すために偽造を繰り返したと釈明したという。黒潮町教委は公文書偽造について県警に相談している。 また、県教委は16日付で、知人から銀行のローンカードや500万円をだまし取ったとして詐欺罪で起訴された県立高知東高校の教諭(56)と、酒気帯び運転の疑いで7月に検挙された県立四万十高校の会計年度任用職員(69)を懲戒免職処分にし、発表した。(鈴木芳美) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
猛暑日に座り込むおばあちゃん 車で見かけた小学生は見過ごさす声を
手代木慶2023年8月17日 10時26分 35度超えの猛暑日、路上に座り込む女性(77)を救ったのは、9歳の男児と母親の連係プレーだった。 7月27日午後3時ごろ、横浜市栄区の小学4年後藤奏介さん(9)は母・早紀さん(39)の車で買い物へ。しばらく走ると、歩道に座り込んで手を振るようなしぐさを見せる高齢の女性が2人の目にとまった。 「おばあちゃんを助けてあげよう」。奏介さんの一言で早紀さんは引き返し、「どうしましたか。具合悪くないですか」と声をかけた。だが、会話がかみ合わない。「認知症かな」と思った早紀さんが女性を見守り、「熱中症かも」と奏介さんが水を買いに走った。 女性は午後2時ごろ、鎌倉市の高齢者施設から姿を消し、大船署が40人態勢で捜索していた。施設から直線で2キロ以上離れた路上で奏介さんたちが声をかけ、午後3時半に近くの栄署に送り届けられた。 「高齢女性を放っておけば、熱中症になる可能性があった。見て見ぬふりをしてしまう人が多い中、すばらしい行動だった」。野沢茂・大船署長は9日、2人に感謝状を手渡した。高齢者施設からも「暑い中、早期に見つけて下さり、ありがとうございました。おばあちゃんは元気です」と感謝の言葉があったという。 早紀さんは「奏介の『介』は、人を助けるという意味を込めてつけた。困っている人がいたら助けてねと小さいときから言っていた」。奏介さんは「助けてよかったなと思った。またこういうことがあったら助けてあげたい」。(手代木慶) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「夏休み限定」の学童、企業に続々 働き方に合わせた柔軟さも売りに
小学校が夏休みの間、働く親は子どもたちを日中、どこへ預ければいいのか。不安解消の一策として活用されているのが、企業内に設けられた期間限定の「学童保育」だ。 「次は宿題やらないと!」「お昼のあとは、何して遊ぶ?」 8月上旬、東京都港区にある人材サービス大手・パソナグループの本社ビルの一室に、子どもたちの声が響いていた。いずれも親が同社で働く小学生だ。 1日留守番…は不安 子どもを1人にする時間が普段は放課後の数時間だけなのに、夏休みは日中ずっと――。こうした状況を不安に思う社員の声を受け、2018年から夏休みなどの期間に限定し、社内の一室に学童保育を開設した。 利用料は昼食付きで1日1千円。指導員が宿題をサポートするほか、音楽やプログラミングなどの時間もある。今年の夏休み期間は、のべ300人ほどの利用が見込まれているという。 サービスを活用する同社の内山千穂さんは「子どもと近くにいられるので安心。仕事の様子を知ってもらえるメリットもあった」と話す。小学校3年生の長女も、利用を楽しみにしているという。 社外にも展開 このサービスが好評だったた… この記事は有料記事です。残り231文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東海道新幹線、17日も始発から一部運休 東京駅などで列車ホテルも
本多由佳2023年8月17日 7時38分 東海地方の大雨で16日に運転の見合わせなどが生じ、多くの乗客に影響のあった東海道・山陽新幹線について、JR東海などは17日、同日も始発から運休や遅れが生じたと発表した。 ホームページによると、同日午前7時現在、上下線で計19本が運休となった。JR東海は「前日の運転見合わせの影響で、乗務員や車両の手配など列車の準備に遅れが生じているため」と説明している。 また同社は16日夜から17日朝にかけて、帰宅できなくなった乗客を対象に東京駅で2本、新大阪駅で3本の車両を「列車ホテル」として開放したという。新大阪駅では車内で休憩する乗客らに非常食を配るなどの対応を取ったという。 16日は一時、東京―新大阪間の全線で運転を見合わせた。直通する山陽新幹線も東海道区間の影響で博多―新大阪間で一時運転を見合わせた。(本多由佳) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル