西田慎介2023年8月16日 21時30分 福岡県筑後市とみやま市にある船小屋鉱泉足湯でスタンプラリーが開かれている。8月の土日限定。 真夏の温泉は暑くて敬遠されそうだが、3カ所の泉温は19度、21度、30度。炭酸を含んだシュワシュワで、利用者には「ひんやりして気持ちいい」と好評だ。 炭酸泉を楽しんでもらおうと、地元有志でつくる保存会が2012年に手弁当で始めた。足湯は冷たくとも、郷土愛は熱く、さめない。(西田慎介) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ビッグモーター、東京都内9店で除草剤成分 散布と伐採認め都に謝罪
太田原奈都乃2023年8月16日 21時44分 中古車販売大手・ビッグモーターの店舗前で街路樹が枯れるなどした問題で、東京都は16日、土壌調査を行った14カ所のうち、9カ所で除草剤の成分が検出されたと発表した。また、同社役員がこの日都庁を訪れ、除草剤の散布や伐採の事実を認め、謝罪したという。都は今後、同社に原状回復を求めるほか、警察に被害届の提出を相談する。 土壌調査は今月上旬、都道沿いの14店舗付近で行った。その結果、9カ所から「グリホサート」など計3種類の除草剤成分を検出した。ほかに確認されたのは、「ブロマシル」「カルブチレート」。 このうち1カ所は、7月の都の調査で、20本が根元から折れるなど故意に伐採されたとみられていた多摩店(多摩市)。樹木に異常がなかった3店舗からも今回、除草剤が検出された。 都によると、この日午後に同社役員が都庁を訪れ、各店舗への聞き取り状況を報告した。除草剤が検出された9カ所のうち、5カ所で従業員による散布や伐採が確認できたとして謝罪。「都の指示に従い、原状回復に努める」との意向を示した。一方、散布や伐採の理由や時期、本社の指示の有無などについて言及はなかったという。 都は今後、原状回復を求めて同社と協議を進める。土壌調査費などの損害賠償請求については未定という。(太田原奈都乃) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
無資格の警備員を派遣か 300万円の詐欺容疑で会社社長ら再逮捕
華野優気 高井里佳子2023年8月16日 18時29分 国家資格を持っていない警備員を工事現場に派遣し、警備費をだまし取ったとして、大阪府警は16日、大阪市中央区の警備会社「ジャスト・ワン」社長の小田進(56)と役員の池田昌弘(63)の両容疑者ら4人を詐欺容疑で再逮捕し、発表した。23~58歳の同社社員ら男女7人も同容疑で新たに逮捕。小田容疑者は容疑を否認し、池田容疑者は認めているという。 発表では、11人は共謀して昨年7月~今年1月、兵庫県道の補修工事の現場に、国家資格「交通誘導警備業務2級」を持っていない無資格の警備員を派遣。神戸市から工事を受注していた同市の建設会社から、延べ165人分の警備費計約300万円をだまし取った疑いがある。 生活安全特別捜査隊によると、現場には「2級」の資格者2人の配置が必要で、有資格者の日当は無資格者より3千円高かった。ジャスト・ワンは、現場に有資格者を全く派遣しなかったこともあり、無資格者に口止め料として1回の派遣ごとに1千円を支払っていたという。 府警は7月、「2級」の合格証を偽造したとして、小田容疑者らを有印公文書偽造・同行使の疑いで逮捕。社内では偽造合格証を「なんちゃって2級」と呼んでいたといい、府警は同社が近畿圏の22社から1千万円以上を詐取したとみている。(華野優気、高井里佳子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
直前まで父娘で準備か 返り血防ぐため?レインコートは父が購入
新谷千布美2023年8月16日 19時00分 札幌市の繁華街・すすきののホテルの一室で北海道内の会社員男性(62)が殺害されて頭部が持ち去られた事件は、殺人容疑で再逮捕された親子が事件直前まで様々な道具を購入して、準備をしていたことが道警の捜査で明らかになってきた。 道警によると、無職田村瑠奈容疑者(29)は父で医師の修容疑者(59)、母でパート従業員の浩子容疑者(60)=いずれも札幌市厚別区=と共謀し、7月1日深夜から2日未明にかけて、ホテルの浴室で男性を刃物で突き刺して殺害し、首を切断した疑いがある。 捜査関係者によると、瑠奈容疑者と男性は1日午後10時35分ごろ、すすきのの路上で落ち合い、約15分後にホテルに入った。この約2時間半前の午後8時ごろ、瑠奈容疑者と修容疑者は自宅近くの量販店でノコギリを購入したという。 父娘はそれ以前にも複数回に分けてこの店を訪れて、別のノコギリやナイフなどを買いそろえていたことが判明している。道警は、瑠奈容疑者がこれらの道具を使って殺害と首の切断を実行した可能性があるとみている。 さらに修容疑者は1人で別の店を訪れ、レインコートを買っていたという。親子宅から血痕のようなものが付着した状態のレインコートが押収され、道警は瑠奈容疑者が襲撃時に返り血を避けるために着たとみている。 修容疑者は瑠奈容疑者をホテル周辺まで車で送迎しており、道警は計画段階から深く関わったとみて調べている。(新谷千布美) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
いま・ここからの想像力 哲学者・永井玲衣さんが問う「せんそう」
Re:Ron連載「問いでつながる」第2回 「小隊長どの…(中略)…一体我々はなにしにこんなところで戦うのでしょうか」 「そいつあわしにも分らんなあ」 (水木しげる『総員玉砕せよ!新装完全版』講談社文庫、2022年、213ページ) ―――――――― 戦争では、あまりに簡単にひとが死ぬ。水木しげるが描く戦場の日常は、のんきに会話をしていたかと思えば、次の瞬間に誰かがばらばらになる。だが、ドラマチックに泣いたりはしない。「それにしてもくせえなあ」と言いながら、死体を洗ったりする。 ふと問いがもちあがる。自分たちはなぜここにいるのだろう。かれらがいるのは、南方戦線ニューブリテン島バイエン。なぜこんなところで戦うのだろう。そもそも、なんでこんなことになったんだっけ。誰にもわからない。きっと戦争をはじめたひとにも、わからないのだろう。 ひとりの兵隊が、小隊長にたずねる。これからどうなりますか。なにしにこんなところで戦うのでしょうか。かれらはおなかがすいている。兵隊の問いに「分らんなあ」とぼんやり答えた小隊長は「まあ すし食う夢でもみて寝てくれ」と言う。それを聞いた兵隊たちは、お茶づけやアンパン、ヨウカンなど、いろいろな味を思い出して、力なく笑う。太平洋戦争における日本人戦没者の過半数は餓死であるとされる。 その頃、かれらのすぐ近くでは、大隊長が「玉砕あるのみ」と意気込んでいる。多くの人間の命を吹き飛ばすことを命令できる立場である彼は、まだたったの27歳だった。27歳だったとき、あなたは何を考えていただろうか。27歳になるとき、あなたは何をしているだろうか。 ―――――――― 「ああ」「みんなこんな気持で死んで行ったんだなあ」「誰にみられることもなく」「誰に語ることもできず……ただわすれ去られるだけ……」(同上、354ページ) ―――――――― 玉砕命令が下された兵隊たちは「突撃」を試みる。わたしたちの隣にいるようなごく普通のひとが、なんだかよくわからないままにそこにいる。撃つひとも、撃たれるひとも、数年前までは、ただ一人の人間として暮らしていた。ふざけたり、好物を食べたり、夢を見たり、気持ちよく寝転んだりして、生きていた。 あなたは知っているだろうか。日本人戦没者の90%以上が、太平洋戦争末期に亡くなっているとされていること。餓死だけでなく、高熱に悶(もだ)え苦しむ病死、35万人を超える水没死、強いられる自決、無理な玉砕命令、終戦を迎えたとしても、日常を喰(く)い破っていく被ばくによる苦しみ、シベリア抑留での過酷な日々のこと。 だが「知っている」とは何だろう。わたしたちはむしろ、知ることができない。顔を撃ち抜かれた兵士が「みんなこんな気持で死んで行ったんだなあ」と思ったことを。おなかがすいて、すいて、すいて、すいてたまらないことを。腕のケロイドを静かに隠すときの、感情の痙攣(けいれん)を。血を流す人びとでひしめき合うガマで、死体をよけながらすすり飲んだ溜(た)まり水の味を。 ―――――――― ぼく自身の経験でいいますと、ぼくは『ヒロシマ・ノート』という本を書きましたが、それについてまことにいろいろな批判がありました。ぼくはとくに広島の現地からの反論がほとんどつねに正しいと考えています。そしてそれがあってはじめてぼくの本にいくらかの意味が生じてきていると思うのです。 とくに被爆者からの批判の正しさということがあります。それはたいていの被爆者のかたがこういうふうに批判してくださったのでした。すなわち、自分たちはもっとおそろしい目にあった。ああいうきれい事じゃない、という批判です。ぼくはそれはまことにほんとうだろうと思うのです。(大江健三郎『核時代の想像力』新潮選書、1970年、200ページ) ―――――――― たとえカメラですべてを記録していたとしても、同じように人びとは言うだろう。そのように言わざるをえない、原爆によって攻撃されるとはそういう経験なのだと大江健三郎は結んでいる。戦争は、わたしたちのあらゆる想像力を超えている。理解を超え、描きうる光景を超え、これまでに人間がつくりあげてきたイメージを超えている。 しかしそこで、あっけなく想像力を手放していいのだろうか。おそろしさのあまりに、わかりやすさに逃げ込んだり、「悲惨な経験」というラベルをつけて、奥の引き出しに隠したりしてしまう、そのような“戦後”でよいのだろうか。 2022年の3月、新宿駅南口の反戦集会でわたしは、ふるえる声で「戦争反対」と言った。ロシアによるウクライナ侵攻が、もう取り返しのつかないところまで進んでいた。わたしのちいさな声をマイクが拾って、あたりいっぱいに響き渡らせた。マスクで覆われた人びとは、黙ってそれを聞いていた。楽器を鳴らして怒りを表現する音楽家たちがいた。プラカードをかざしているひとがいた。ほとんどのひとが混乱していた。「戦争」という言葉を前にして、どうしたらいいかわからなくなっていた。 恐怖と不安は、わたしたちを… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ドラァグクイーンの母は「ママ」になる 従順な妻が選んだ刺激的な場
有料記事 緒方江美/アフリーダ・オー・ブラート2023年8月16日 16時00分 映画「ステージ・マザー」は、ゲイの息子を持った母親が、自分らしく生きる場を切り開く物語です。 【連載】VIVA LA VIDA! 昼は展覧会などの進行を担うアートマネジャー、深夜0時からはドラァグクイーン。二つの顔を持つ緒方江美/アフリーダ・オー・ブラートさんが、現代美術やクラブカルチャー、社会の多様性についてつづります。 米国テキサス州の田舎町で夫と暮らすメイベリンは、従順な妻であり、聖歌隊でコーラスを教える女性です。ゲイでドラァグクイーンであった息子とは、絶縁状態。ある日、サンフランシスコに住む息子の死を告げられます。 息子の恋人から「母親が認めるまで結婚はしない約束だった。親族でなければ、共同経営していた店も相続できない」と責められ、やむなく経営難のゲイバーを相続することに。まばらな客席に、覇気の無いドラァグショーを見て、彼女は奮起します。 観光客を呼び込む経営戦略を… この記事は有料記事です。残り821文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
視覚障害者も触って分かる「ミニ建長寺」 母の9年越しの願いを形に
歴史的建造物のミニチュア模型を目の不自由な人に触ってもらい、その素晴らしさを実感してもらいたい――。そんなプロジェクトを、神奈川県葉山町に住む大下利栄子さん(63)が進めている。いま制作しているのは鎌倉五山の一つ建長寺(鎌倉市)の仏殿。実物の前に設置し、最終的には視覚障害者だけでなく誰でも触って思いを分かち合えるようにしたいという。 大下さんは視覚障害者も楽しめる透明の点字シートの付いた絵本を手作りする私設図書館「ユニリーフ」(葉山町)の代表を務めている。 次女(27)が幼いころに病気で失明。一緒に旅行しても観光地では感動をその場で共有するのが難しく、一抹の寂しさを感じていたという。 きっかけは「ベレンの塔」の模型 2014年、大下さんはたま… この記事は有料記事です。残り976文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ダイビング客ら20人乗せた船が転覆、全員救助 沖縄・下地島沖
棚橋咲月2023年8月16日 16時08分 16日午後0時40分ごろ、沖縄県宮古島市の下地島の沖合で「船が転覆している」と第11管区海上保安本部に118番通報があった。 宮古島海上保安部によると、ダイビング客ら20人(男性13人、女性7人)を乗せた「クリスタルM」(4・8トン)が転覆。午後1時20分ごろ、宮古島海上保安部の巡視船などが全員を救助した。うち1人が体調不良を訴えて病院に搬送された。意識はあるという。 宮古島海上保安部が転覆の原因などを調べている。(棚橋咲月) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
初めて知った支援学級の濃密な世界 先生たちが舞台に「理屈でなく」
神奈川県茅ケ崎市と寒川町の小学校の先生らでつくる演劇サークル「茅小演」が19、20日、同市民文化会館で4年ぶりに公演する。教えるばかりでなく、学び続けたいと願う先生たちの体当たりの舞台で、今回は小学校の特別支援学級がテーマだ。 茅小演は1988年、演劇の手法を授業に採り入れようと有志の研究会として発足。やがて「子どもにやらせるだけでなく、自分たちもやってみて、失敗しながら成長しよう」と、長期休みなどを利用して稽古を重ね、数年に一度のペースで公演をしている。 今回の演目は「なかよし~支援級の一年~」。メンバーの馬場健秀さん(61)が、2年前の異動で初めて担当した支援級での日々をオリジナルの脚本に書き下ろした。 「同じ校舎にいながら、初めて知る世界があった。子どもたちとの関わりが濃密で、目を見開かされた毎日の一端を共有できれば」と話す。 定年を迎えた教員コクブは、異動先で初めて支援級を担当し、話すのが苦手な小6のトオルと、ひたすらサッカーボールを蹴り合うことで心を通わせる。 トオルは学校が大好きで、毎日「明日、学校?」と聞き、喜ぶ。子どもたちの純真さに心打たれるコクブだが、一方で、複雑な家庭環境や、ストレスを抱える現実も見えてくる。 通常級の授業や給食に「交流」として参加する際、ほかの子どもたちの言葉に傷ついたり、遠慮したりする支援級の子たちの様子も描かれ、コクブがはっとさせられる。 コクブは「通常級の担任だった頃は、交流に来る子たちがこんなに緊張して、こんなに勇気を振り絞って来ているなんて考えもしませんでした」と吐露する。 コクブを演じるのは、茅ケ崎市立香川小学校で「通知表をやめた校長」として知られる国分一哉さん(61)。実は国分さんも今春の定年後に非常勤となり、初の支援級を担当している。「馬場さんは、この年になって新鮮に感じたことを純粋に見てもらい、支援級の日々を理屈でなく体験してほしいのだと思う」と話す。 メンバーも議論を重ね、模索しながら臨む舞台だが、「教え子たちが見て楽しめるように」と笑いあふれる演出になっている。 19日は午後2時と6時、20日は午前10時と午後2時からの各日2回公演。入場無料。問い合わせは府川さん(080・3176・7308)。(足立朋子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大空襲「二度と」 あれから78年、88歳語り部のバトンは渡された
78年前の1945年8月2日、富山大空襲は終戦の2週前だった。その語り部で富山市の佐藤進さん(88)の娘と孫が今年、活動を受け継ぐ準備を始めた。戦争の体験者が減るなか、3世代でバトンをつなぐ。 空襲の時、佐藤さんは10歳。父は兵隊に取られ、一家は母と兄、妹。警報で自宅庭の防空壕(ごう)に入ったが、「危ない」と田んぼへ。さらに近くの小川に兄と飛び込んだ。母と妹も続いた直後、焼夷(しょうい)弾で辺りは火の海に。「数秒遅れたら助からなかった」。焦土の街で、黒こげの犠牲者や無残な光景を多く見た。 2001年、近所の中学生に頼まれて体験を語った。以後、学校などでの出前講座は約260回。聞いた人は、今月で延べ2万人に達する。 バトン受け継ぐきっかけは…… 佐藤さんがバトンを託すのは、次女の西田亜希代さん(53)と孫娘の七虹(ななこ)さん(15)=富山市立芝園中学3年=だ。 富山大空襲 1945年8月2日未明、米軍のB29爆撃機170機以上が約2時間にわたり、大量の焼夷弾を富山市に投下。一夜にして目標の99.5%を破壊した。死者は推定3千人。同じ時期に新潟県長岡市、東京都八王子市、水戸市も空襲された。 きっかけは、佐藤さんが数年… この記事は有料記事です。残り1499文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル