編集委員・中島隆2023年8月9日 19時18分 神戸、関西、大阪(伊丹)の3空港のあり方を自治体や経済界が議論する関西3空港懇談会で兵庫県・淡路島上空を通る新たな飛行ルート案が示されたことを受け、島民らでつくる「淡路の空を守る会」が9日、「淡路の空の問題を考える意見交換会」を兵庫県洲本市で開いた。地元市議や役場職員らも含めた島民約30人が参加した。 会合では国の方針に対し、「経済界の意向が反映され、人口の少ないところにしわ寄せが来てしまう」「これを認めると、いくらでも拡大されてしまう」などの反対意見が相次いだ。 関西3空港懇談会などが「住民の意見を聞く」としていることにも反発が強く、「住民の意見を聞いてからルート案を考えるべきじゃないのか」といった疑問の声が相次いだ。「情報を知って市民が声をあげよう」という声もあった。 「守る会」の安藤眞一事務局長は「15人ぐらい集まればと思っていたので、驚いた。それだけ関心が高い。これから3空港懇談会などに要望・注文をしていく」と話していた。(編集委員・中島隆) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
秋篠宮ご夫妻、9月下旬にベトナム訪問へ 外交関係樹立50周年で
多田晃子2023年8月9日 19時21分 宮内庁は9日、秋篠宮ご夫妻が9月下旬にベトナムを公式訪問する予定と発表した。今年は日本とベトナムの外交関係樹立50周年にあたり、今月初旬に招請状が届いた。訪問は1週間弱を想定しており、今後、閣議了解を経て正式に決まる。 代替わり後のご夫妻の外国公式訪問は、2019年のポーランド・フィンランド、今年5月の英チャールズ国王の戴冠(たいかん)式参列のための英国訪問に続いて3回目となる。訪問日程や地方都市への訪問の可能性などを勘案し、民間機ではなく、政府専用機を使用する。 ご夫妻でのベトナム公式訪問は1999年以来。秋篠宮さまは2012年に旅行で訪れている。ベトナムには09年に皇太子時代の天皇陛下が、また退位前の最後の外国訪問として両陛下時代の上皇ご夫妻が17年にそれぞれ公式訪問している。(多田晃子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警視庁が日大呼び調査要求、直後に薬物発見 大学側と認識食い違いも
日本大学アメリカンフットボール部員の薬物事件で、日大が大麻のようなものを見つけたとする7月6日に、警視庁が日大担当者を同庁本部に呼び、調査の徹底を求めていたことが複数の捜査関係者への取材でわかった。日大はこの面会直後に薬物らしきものを見つけたとするが、警視庁への報告は12日後だった。 日大は8月8日の記者会見で、7月6日の面会の際に警視庁側から「自首させて欲しいと言われた」と説明した。だが捜査関係者によると、この発言はなかったといい、会見内容と警視庁の認識に食い違いが出ている。 日大の会見では、酒井健夫学長や沢田康広副学長が警視庁側とのやりとりなどを説明した。酒井学長によると、2022年11月下旬に部員の一人から「大麻と思われるものを22年7月ごろに吸った」と申告があり、アメフト部が「警察関係者」に相談。物的証拠がなく4カ月経過しており、大麻かどうか確認できず「立証は困難」と回答があった、という。 捜査関係者によると、相談を受けたのは警視庁にいる日大OBの警察官で、相談は個人的関係に伴うものだった。この警察官は薬物捜査が専門ではなく、「立証は困難」との発言はしておらず、警察署へ相談するよう伝えたという。 警視庁から「自首させて欲しい」との発言はあったのか 沢田副学長の説明では、今年… この記事は有料記事です。残り577文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
送迎バスの置き去り熱中症死めぐる賠償訴訟、父母と保育園側が和解
福岡県中間市の双葉保育園で2021年7月、園児の倉掛冬生(とうま)ちゃん(当時5)が送迎バス内に取り残され熱中症で死亡した事件で、母親と父親が園を運営する社会福祉法人「新星会」などを相手取り計約1億円の損害賠償を求めていた訴訟は9日、福岡地裁小倉支部で和解が成立した。園側がそれぞれに賠償金を支払う内容で、賠償額については明らかにされていない。 母親側の訴状によると、当時の園長は園児全員の安全を管理する注意義務があったにもかかわらず、確認が不十分なままドアを施錠して立ち去った過失があると指摘。法人には使用者責任があると主張していた。 死去から2年、一つの区切り 中間市の双葉保育園で送迎バ… この記事は有料記事です。残り359文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ケンドーコバヤシさんら広報大使に 警視庁、特殊詐欺防止に動画公開
2023年8月9日 21時00分 お笑い芸人のケンドーコバヤシさんら4人が9日、警視庁の「ブロック!詐欺」広報大使に就任した。特殊詐欺の被害防止に向けた広報活動を担う。コバヤシさんは「詐欺はどこまでいってもなくならないもどかしさがあるが、戦い続ける」と話した。 警視庁によると、特殊詐欺の入り口は8~9割が自宅の固定電話。同庁は9日、4人が「留守電モード」「知らない番号無視」などと呼びかける啓発動画を公開。今後、ユーチューブ広告などで拡散する。 今年1~6月に同庁が認知した特殊詐欺被害は1402件で、前年同期比で30件減った。一方で被害額は約11億円増え、総額約38億円だった。池田克史副総監は「4人は様々な媒体で活躍し、様々な年齢の方に大人気。高齢者の子どもや孫の世代にもアピールしてもらいたい」と話した。 広報大使に就任したのはコバヤシさんのほか、ゆりやんレトリィバァさん、おかずクラブのオカリナさんとゆいPさん。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
相次ぐ家族のがん、「記憶伝える最後の世代」 85歳は問い続ける
1945年8月9日午前11時2分。長崎上空で炸裂(さくれつ)した、たった1発の原爆で、7万人を超える多くの命が奪われた。あれから78年の平和祈念式典。原爆の影響はいまも続いている――。被爆者代表の工藤武子さん(85)=熊本市=は亡くなった家族への思いを胸に、「平和への誓い」を読み上げた。「祈りは、次の世代に受け継がれていく」。そう信じて。 台風接近の影響で、平和公園ではなく長崎市内の屋内施設で行われた平和祈念式典。工藤さんはまっすぐに前を見据え、かみ締めるように語り始めた。 《78年前の8月9日、7歳の私は爆心地から約3キロの片淵町の自宅で母や姉、弟2人の5人で食卓を囲んでいました》 あの瞬間。稲妻が部屋中に満ちたような強烈な光に覆われた。反射的に防空壕(ごう)へ。「ガーッ」という衝撃の後、音が消えた。壕を出ると、家のガラスは全部割れ、畳が跳ね上がっていた。 家族にけがはなかった。工藤… この記事は有料記事です。残り1344文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【詳報】被爆78年、祈りに包まれた長崎 受け継がれる平和への思い
1945年8月9日、長崎に落とされた一発の原子爆弾が、7万3884人もの命を奪いました(45年末時点)。日常が一瞬で奪われた、あの日から78年。「長崎を最後の被爆地に」との願いを次の世代につなげるための平和祈念式典が今年も開かれます。台風接近のため、屋内開催となりましたが、この日が持つ意味は変わりません。8日から9日にかけての出来事を速報していきます。 ■■■8月9日(日本時間)■■■ 16:00 「水ばかけてくれんですか、そして平和を祈って」 継がれる思い 長崎市の平和公園にある「長崎の鐘」では、鐘の下に一枚のイラスト入りの紙が貼られてあった。〈水ばかけてくれんですか。そして平和を祈ってください〉 原爆の語り部として長年活動し、4月に亡くなった被爆者の早崎猪之助さん(享年92)の活動を紹介する貼り紙だ。早崎さんは14歳の時、爆心地から約1・1キロで被爆し奇跡的に助かった。早崎さんは「生き残った側の務め」として、退職後、自宅から約2キロの平和公園に度々通い、水をまいていた。公園の来訪者には「どうか水ば与えてやって下さい。7万人の命が眠っています」と語った。 早崎さんが亡くなって初めての8月9日。水をかける必要のない雨天となったが、さいたま市から平和公園を訪れた会社員、醍醐伸子さん(54)は「平和の尊さや何げない日常のありがたさを深く考える機会になりました」と話した。 14:45 「原爆の日」毎年無料の資料館 20年通い続ける人も 長崎原爆資料館(長崎市平野町)は毎年8月9日を無料開放日としている。千葉県成田市の尼僧の矢向由季さん(47)は約20年、8月9日に同館を訪れる。「長崎でいろんなものを見聞きする度に、人間はいくらでも残酷になれるんだなと思います。そうならないよう、過去に学ぼうと毎年ここへ来ています」 この日、同館は台風のため、早めの午後3時で閉館に。横浜市の中学校に通う平沢凜(りん)さん(13)は「20分くらいしか見ることができなかった。まだ見ていない展示がたくさんある。また来たい」と話した。 14:00 被爆者が残した言葉や映像、「活用を」 市長は宣言に引用 長崎市長が平和祈念式典で読み上げた「平和宣言」に、長崎の被爆者・谷口稜曄さん(2017年死去)の演説が引用された。「忘却が新しい原爆肯定へと流れていくことを恐れます」などの言葉だ。 谷口さんの長男・英夫さん(63)は台風の影響で式典に参列できなかったため、自宅のテレビで宣言を聞いた。朝日新聞の取材に、「父の言葉を宣言に使っていただけてありがたい」と話し、「被爆者の言葉や体験には重みがあると改めて感じた。被爆者が直接訴える機会は少なくなるが、残された言葉や映像・書籍を活用しつづけてほしい」と訴えた。 13:30 医科大生の日記、記入は前日まで 保管する姪「悲劇二度と」 長崎医科大(現・長崎大医学部)に通い、医師を志していた秋口明海さんも78年前、長崎に投下された原爆の犠牲になった。秋口さんは亡くなる前日まで日記をつけていた。日記は秋口さんの兄の故・秀二さんが引き継ぎ、大切に保管してきた。 秀二さんの娘の黒田庸子さんはこの日、秋口さんの母校である旧制県立瓊浦(けいほ)中の原爆犠牲者追悼慰霊祭に参列予定だったが、台風で中止に。自宅で式典の中継を見た。秀二さんが弟を思い、毎年墓参りをしていた姿を思い出したという。「核兵器の恐ろしさを改めて思った。悲劇が二度と起こらないように祈りました」と話した。 11:50 工藤武子さん 「平和への誓い」訴え終え、ほっとした表情 「平和への誓い」を読み上げた工藤武子さん(85)は平和祈念式典終了後、「台風の中でも、なんとか誓いを述べることができてよかった」とほっとした表情で話した。市関係者のみでの式典となったため、被爆者を代表して献花もした。「被爆者のみなさんの願いは核兵器廃絶と平和な世界の実現。これが一番大切だと思って参列した」 工藤さんは被爆者の平均年齢と同じ85歳。誓いでは、次世代への継承にも触れた。「これからは、後継者に伝えることに特に力を入れて頑張っていきたい」と笑顔を見せた。 11:50 工藤武子さんの夫「妻の言葉、みなさんに伝われば」 式典後、被爆者代表として「平和への誓い」を読み上げた工藤武子さん(85)の夫・勇二さん(82)が報道陣の取材に応じた。 勇二さんは、武子さんが子どものころの家族写真を手にしながら誓いを聞いた。「お墓に入った妻の家族にも聞かせようと思って」と勇二さん。「自分の欲を優先するばかりでなく、他人のことを考えれば原爆なんてなかったはず。平和でありたいです。(妻の)言葉がみなさんに伝わるといい」と話した。 11:50 ブラジルの姉妹都市から招待の学生「悲惨な歴史伝えたい」 祈念式典には長崎市の姉妹都市であるブラジルのサントス市から学生が招待された。サントス市の大学に通うラモス・ジュリアさん(23)は「被爆者の方の話を聞いて胸が動かされた」と話す。 元々日本文化には興味があったが、長崎の被爆の歴史については詳しく知らなかったという。今回、長崎に来て原爆資料館を回るなどし見識を深めた。「サントスに帰って、長崎市であった悲惨な歴史を現地の小学生や中学生に伝えたい」 11:30 ビデオ出演の長崎知事 世界の指導者に向け「被爆の実相に触れて」 長崎県の大石賢吾知事がビデ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
関東大震災100年の朝鮮人追悼会、総連が小池知事の追悼文を要請
関東大震災の際の朝鮮人虐殺犠牲者の追悼会を開いている在日朝鮮人らが9日、追悼文を送るよう小池百合子東京都知事に求める要請文を提出した。都庁の担当職員は「要請は知事と関係部署に伝える」と答えた。 東京都墨田区の横網町公園にある朝鮮人追悼碑前では毎年、大震災が起きた9月1日に午前中は日本人中心の日朝協会などによる追悼式典、午後には在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)など在日朝鮮人による「同胞追悼会」が開かれる。いずれも震災時の「朝鮮人が暴動を起こした」などの流言をきっかけに自警団や軍、警察に殺害された朝鮮人らを追悼している。 小池知事は2017年以降、それまで午前の式典に送ってきた追悼文について、「犠牲となったすべての方々に哀悼の意を表しており、個々の行事へは控える」として送らなくなった。一方、午後の追悼会は1974年に始めて以来、都知事による追悼文はなく、要請するのも震災から100年となる今回が初めてという。 要請書は朝鮮総連東京都本部… この記事は有料記事です。残り133文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
近ツー社長、過大請求問題で辞任へ 法令順守軽視の「企業風土」指摘
新型コロナワクチン接種のコールセンター業務で近畿日本ツーリストが委託費を過大請求した事件で、親会社のKNT―CTホールディングス(HD)は9日、近ツーの高浦雅彦社長が責任をとって31日付で辞任すると発表した。同日に公表された第三者調査委員会の報告書は、利益最優先の方針で、コンプライアンス(法令や社会規範の順守)を軽視する企業風土が原因だと結論づけた。 近ツーは自治体から委託されたコールセンター業務を別会社に再委託。二つの支店がオペレーターの人数を水増しして請求し、だまし取っていた。過大請求は最大50自治体の事業、計約9億円に上るとしている。 報告書によると、自治体からの受託事業は、コロナ禍で旅行事業の売り上げが激減する中で事業の柱となった。 支社の上層部からのメールに… この記事は有料記事です。残り559文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪・関西万博の「テーマ館」、全て建設業者が決定 3回目の入札で
松岡大将2023年8月9日 20時00分 日本国際博覧会協会は9日、2025年の大阪・関西万博で放送作家・小山薫堂氏が手がけるパビリオン(展示館)の建設工事について、12・6億円で落札されたと発表した。これまで2回の入札が不調に終わり、3回目だった。これで、入札が難航していた「テーマ館」の全てで建設業者が決まった。 落札したのは、ゼネコン大手の大成建設と隈研吾建築都市設計事務所が組んだ団体。他に応札者はなく、この団体が落札した。予定価格を9・8億円としていた昨年の初回入札、予定価格を約1・3倍の12・6億円に引き上げて要件も緩和した2回目の入札でも応札者がいなかった。3回目の入札では、デザインの簡素化でコストダウンを図るなどしていた。協会の担当者は工期への懸念について「業者が決まったということは、お金と工期で業者と合意が出来たということ。工期的なところはストライクゾーンに入ったと理解している」と語った。 テーマ館は、映画監督の河瀬直美氏やメディアアーティストの落合陽一氏ら、8人の著名人がプロデュースし、万博のメーンテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に沿った展示をする中心的な施設となる。 しかし協賛で業者が決まった2館を除き、6館は入札の不成立が続いた。計63・5億円だった当初の予定価格は、落札時には79・6億円に膨らんだ。費用は国・大阪府市・経済界が負担する会場建設費などで賄う。だが、拠出額の上限は決まっており、協会は上振れへの影響を否定した。プロデューサーが協賛企業から資金を募るなどして集めるという。(松岡大将) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル