広島、長崎の街を一瞬にして破壊し、多くの命を奪った原爆。その恐ろしさを絵画にしようと、芸術学部の大学生3人が、被爆者から聞いた体験を絵に描いた。半年にわたる制作を通して、若者たちは戦争の悲惨さを自らの実感に変えていった。 絵を描いたのは、九州産業大学芸術学部の池田菜々香さん(20)、菅原舞花さん(20)、宮迫若葉さん(21)。福岡市原爆被害者の会が「戦争、原爆の悲惨さを伝えるため、写真では伝わらない感覚を絵画に込めてほしい」と大学に依頼し、3人が手をあげた。 語り部3人から話を聞き始めたのは昨年11月。それぞれが担当する人を決めた。 「一瞬を描いてほしい」 池田さんは、長崎で7歳の時に被爆した開(ひらき)勇さん(85)を受け持った。爆心地から約4キロの場所でビワの木に登っていた時に被爆した開さんは、強烈な「光」の記憶を語った。「赤いドロドロとしたひものような光が見え、次の瞬間に紫色の閃光(せんこう)が長崎の街全体に走った」 池田さんはまず、図案となる絵を4枚描いた。暗めの背景にオレンジの光、周りに白い線が巻き付いた原子爆弾「ファットマン」など、精いっぱい想像を膨らませたつもりだった。 だが、今年3月に図案を見せると、開さんは首を振った。 「全然違う。一瞬を描いてほ… この記事は有料記事です。残り825文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山陽新幹線、台風で9日から10日に計画運休の可能性 新大阪―博多間
瀬戸口和秀2023年8月7日 15時08分 台風6号の接近に伴い、JR西日本は7日、山陽新幹線の新大阪―博多間と博多南線について、9日夜から10日午前にかけて計画運休を実施する可能性があると発表した。 今後の台風の進路などで、運転を取りやめる日時や影響の範囲が変わることがあるとしている。中国地方の在来線で9日以降、列車の運転を取りやめる可能性もあるという。(瀬戸口和秀) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
琵琶湖で10歳くらいの男児おぼれ死亡 二十数人のグループで遊泳中
鈴木洋和2023年8月7日 15時43分 7日午後0時40分ごろ、大津市北比良の琵琶湖で「小学生の男児が湖に浮いているのを発見し、引き上げたが意識がない」と近所の人から110番通報があった。大津北署によると、おぼれたのは10歳くらいの男児で、病院に運ばれたが死亡が確認された。 同署によると、男児は二十数人の子供と2人の大人で琵琶湖を訪れ、泳いでいた。1人がいなくなり、捜したところ、湖上に浮いていたという。(鈴木洋和) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
世界の商人が集う中古重機オークション 会場で見えた活気と国際情勢
有料記事 マハール有仁州 鳥尾祐太2023年8月7日 12時00分 【動画】世界各国から商人が訪れる重機の中古オークション=鳥尾祐太撮影 成田空港から南に約10キロ、畑や田んぼが広がる一角に、重機が並んでいた。重油の匂いが漂い、スパイスの香ばしさも運ばれてくる。日本人に加えて東南アジアや南アジアの人たちも集まり、ビジネスの話をしていた。 6月下旬、千葉県山武市の「SOGOオークション」。パワーショベルやクレーン車など約600台の重機が3日間、競りにかけられる。競り人が軽快なテンポで金額を読み上げていた。 「ワンミリオ~ン、ワンミリオ~ン、ワンミリオ~ン、ひゃっくま~んいぇ~ん」 繰り広げられる争奪戦 会場で札が上がると、前方の… この記事は有料記事です。残り2985文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ニンジャ」見えるかな? 苦境の氷店、5代目の発想米国でヒット中
グラスにお酒が注がれると、たちまち姿を消す「ニンジャアイス」。そんな異名をとる氷が米国で人々の心をつかんでいる。手がけるのは金沢市の小さな製氷会社。そこには氷を溶かすほどの熱い思いが込められている。 「温度差があるとひび割れるので、少し待ちます」。クラモト氷業の5代目、専務の蔵本和彦さん(38)が用意してくれたのは、3センチ角、ペン1本ほどの長さのスティックアイス。グラスに入れて3分待ち、溶けた水は捨てる。そこへウイスキーやソーダ水をゆっくり注ぐと、ハイボールのなかで氷は透明になった。 【動画】消える氷「ニンジャアイス」 ハイボールの作り方=波絵理子撮影 冷凍スポドリと原理はおんなじ 秘密は氷の純度。ミネラルなどの不純物があると氷は白くにごる。ペットボトルのスポーツドリンクを凍らせると、先に溶けた液は味が濃く、後になるほど水のように薄い。蔵本さんによると、あれは味の濃い部分と純粋な水では凍る温度が異なり、水が最初に凍るからだ。後から凍った不純な部分から先に溶け出して味が濃くなるという。 「ニンジャ」も同じ原理を利… この記事は有料記事です。残り1256文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
台風6号、北上して9日にも九州接近 大雨災害に厳重警戒呼びかけ
2023年8月7日 12時18分 台風6号は7日午前、鹿児島県奄美市の東南東約160キロをゆっくり北北東に向かって進んでいる。奄美地方や九州南部では8日午前中にかけて局地的豪雨をもたらす線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まる可能性がある。気象庁が厳重に警戒するよう呼びかけている。 台風6号の中心気圧は970ヘクトパスカルで中心付近の最大風速は30メートル、最大瞬間風速は40メートル。今後、進路を次第に北向きに変え、やや発達しながら、9日には九州にかなり接近するおそれがあるという。 台風の影響により、沖縄や奄美地方、九州南部、四国地方、近畿地方、東海地方では、雷を伴った非常に激しい雨が降る場所もありそうだ。 8日午前6時までの24時間の予想雨量は、多い所で、奄美地方、九州南部で300ミリ、四国や東海地方で250ミリに達する見通し。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「お坊さんになったらお母さんに会える?」 孤児の少年が生きた先に
原爆で、数千人とも言われる子どもが孤児になった。 そんな子どもたちを実の家族のように育てた人。そして、その支えを受けて、人生を全うした子どもがいる。 広島に原爆が投下された時、僧侶の山下義信(ぎしん)さん(当時51)は長崎・五島列島の陸軍の部隊にいた。 広島市には妻と6人の子が残っていた。13歳の次男が亡くなった。1945年9月に復員後、再会した家族から知らされた。 焼け野原で目にしたのは、劣悪な環境で暮らす孤児たちだった。 「何はさておいても『親を与え』『家庭を与える』ということが急務中の急務」。そう考えて県知事に直接かけ合った。現在の広島市佐伯区にあった県の土地と建物を借り、父親や自身の家も売り払って資金を作り、12月に「広島戦災児育成所」を開いた。 まず受け入れたのは、疎開中に原爆で家族を失った国民学校(現在の小学校)の児童ら80人余りだった。 髪が抜け、下痢が続く子。 親恋しさと空腹で泣きやまない子。 山下さんは、子どもたちの栄養や教育に気を配った。 「どうしたらお母さんに会える?」 尋ねる子に答えた ある日のこと。 「お母さんに会いたい」 一人の男の子が、空を眺めながら泣き出した。 大工の父親は早くに病死し、髪結いの母親と妹は原爆で亡くなった。遺骨は見つからずじまいだった。 男の子は、通りかかった祖父のように慕う山下さんに尋ねた。 「どうしたらお母さんに会え… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
電車ハイビーム、撮り鉄の敵? 「仕返し」の妨害容疑で高校生を逮捕
有料記事 大山稜 細沢礼輝 江戸川夏樹2023年8月7日 8時00分 JR埼京線の電車内で、乗客の乗り降りを妨害した疑いで高校生が逮捕された。 高校生はこう供述したという。「運転士がライトをハイビームにして撮影をしにくくした。その仕返し」。運転士がハイビームで撮影を邪魔することはあるのだろうか? 警視庁によると、逮捕されたのは私立高校の2年生(17)。 1月10日、りんかい線直通のJR埼京線、恵比寿―大崎間で車両のドアに鍵をかけて、乗客の乗り降りを妨害し、遅延させた疑いがある。鉄道会社に対する威力業務妨害の疑いで逮捕された。 鉄道グッズの店で特殊な列車用の鍵を購入。同級生2人と共謀して、1車両に四つある扉のうち三つに鍵をかけた疑いがある。 高校生は、電車の写真を撮るのが趣味の「撮り鉄」。「運転士がハイビーム(上向き)にしたことで撮影ができなかった」と話しているという。 ハイビームの電車は撮影できないのか。 撮り鉄が「撮影しにくい」と話す電車のハイビーム。どのような時に切り替えるのでしょうか。鉄道会社と撮り鉄に生まれてしまう対立の原因を考えます。 東京駅で電車を撮影していた… この記事は有料記事です。残り1252文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ヒグマが市街地に迷いこまないように… 草刈りで侵入&遭遇リスク減
原知恵子2023年8月7日 9時00分 【動画】ヒグマ対策の草刈りで見晴らしは一変…ビフォーアフター=原知恵子撮影 北海道の市街地でヒグマの出没が相次ぐなか、豊平川河畔林(札幌市南区)で6日、地域住民や大学生ら約50人が草刈りをして対策した。 協力した酪農学園大学の佐藤喜和教授らによると、ヒグマは、生息地から河畔林などの緑地をつたって市街地に迷いこんでしまうことがある。 ヒグマが隠れられる下草や低木を刈ることで通り道をなくし、人の生活圏への侵入を防ぐ。また、見晴らしをよくすることで出没しても人が気付きやすくなり、至近距離での遭遇リスク低減につなげる狙いがあるという。 付近は過去にヒグマが出没した場所でもあり、草刈りは10年目になる。参加した近隣住民の広瀬俊一さん(74)は「クマのことを知り、出没しにくい環境を作ることが大事」。谷口卓三さん(82)は「地域の力になれたらと毎年参加している」と話していた。(原知恵子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
残るガラスの傷、がれき下の記憶 あの日4歳だった女性が伝える思い
広島市に原爆が投下されて6日で78年が経った。名古屋市中区の「愛知・名古屋 戦争に関する資料館」でこの日、4歳の時に被爆した女性が自らの体験を語った。「記憶のある被爆者が少なくなっている。若い人たちにも広島、長崎で起きたことを知ってほしい」。女性はそんな願いをこめて訴えた。 約20人を前に語ったのは、愛知県春日井市の水野秋恵(ときえ)さん(82)。1945年8月6日、爆心地から1・2キロの広島市水主(かこ)町(現・同市中区)で被爆した。 あの日はよく晴れた暑い日だった。二つ下の弟と近所の家にお菓子をもらいに行ったとき、「真っ暗になってパーッと光が入ってきた」。気付いた時はがれきの下敷きになっていた。近くにいた軍人が引っ張り出してくれたことは覚えているが、記憶は断片的だ。 飛び散ったガラスが顔や腕に刺さり、血まみれになった。30代後半で手術をして取り除くまで、左ほおにはガラスが埋まっていた。 母、弟、祖母と逃げる途中… この記事は有料記事です。残り958文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル