ジャニーズ事務所の創業者、故ジャニー喜多川氏(2019年死去)の性加害問題をめぐって、来日中の国連人権理事会「ビジネスと人権」作業部会のメンバーが被害者の救済を確保する必要性などに言及した声明を発表したのを受け、4日夕、被害を訴える元ジャニーズJr.らも日本記者クラブで会見を開き、思いを語った。 会見に参加したのは「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の7人。 代表の平本淳也さん(57)は「僕たちのメッセージがすごくストレートに(国連側に)伝わった。受け止めてもらった」と語った。別室で国連作業部会の会見を聞きながら、感極まって涙が出たという。 副代表の石丸志門さん(55)は「人類史上最悪の性虐待事件がようやく明るみに出た。日本のエンターテインメント業界、芸能業界、携わるすべての企業が救済措置をとる責任がある、と作業部会が言ってくれた」として、作業部会の声明を評価した。 さらに「(性被害は)過去に… この記事は有料記事です。残り395文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
整体店の女性客に不同意性行容疑 自称経営者を逮捕 警視庁が初適用
2023年8月4日 15時54分 同意を得ずに客に性的暴行を加えたとして、警視庁は、自称整体店経営の男(61)=東京都千代田区=を不同意性交容疑で逮捕し、4日発表した。7月13日の改正刑法の施行後、同容疑による警視庁の摘発が明らかになるのは初めて。 麴町署によると、逮捕容疑は8月上旬、自身が経営する千代田区内の整体店で、客の20代女性に性的な暴行を加えたというもの。男は正当な施術だとした上で、「同意があったと思っていた」と否認。女性は「驚きと恐怖で拒否することができなかった」と話しているという。 不同意性交罪は強制性交罪と準強制性交罪を統合したもの。暴行・脅迫や地位の利用など、被害者が同意しない意思を示すことを難しくさせた状態に乗じ、性的暴行を加えた場合に成立する。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国連人権理「被害者の実効的救済を」 ジャニー氏の性加害問題で声明
来日中の国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会のメンバーが4日、日本政府と企業の人権をめぐる義務や責任についての調査を終えたとして日本記者クラブで会見した。 ジャニーズ事務所の創業者、故ジャニー喜多川氏(2019年死去)の性加害問題について被害を訴える元ジャニーズJr.や事務所関係者らから聞き取りをしたことを明らかにし、「政府が主な義務を担う主体として透明な捜査を確保し、謝罪であれ金銭的な補償であれ、被害者の実効的救済を確保する必要性」があることなどを示唆する声明を公表した。 会見に臨んだのは、先月24日から日本を公式訪問していた作業部会の議長のダミロラ・オラウィ氏と委員のピチャモン・イェオパントン氏。 声明では、喜多川氏の性加害問題をめぐっては、被害を告白する人たちとの面談で「ジャニーズ事務所のタレント数百人が性的搾取と虐待に巻き込まれるという、深く憂慮すべき疑惑が明らかになった」と記述。「日本のメディア企業は数十年にもわたり、この不祥事のもみ消しに加担したと伝えられている」とした。 さらに事務所の特別チームによる調査については「証言によると、透明性と正当性に疑問が残っている」と指摘。「あらゆるメディア・エンターテインメント企業が救済へのアクセスに便宜を図り、正当かつ透明な苦情処理メカニズムを確保するとともに、調査について明快かつ予測可能な時間軸を設けなければならない」とし、日本の全企業に対して、虐待に対処するよう強く促すと訴えた。 作業部会メンバーの日本訪問は、日本政府と企業がそれぞれ人権上の義務と責任を果たすためにどのような取り組みをしているかを調査するのが目的だった。 2人は東京や大阪、愛知、北海道、福島などを訪れ、省庁や地方自治体、市民団体、労働組合、人権活動家、企業、業界団体代表などと会談。企業による人権侵害を防ぐための国の法制化に向けた取り組みのほか、技能実習生を含む労働者全般の搾取の問題や救済の仕組みなどについて聞いた。 喜多川氏の性加害問題は、その中の一つという位置づけで、被害を訴える元Jr.やジャニーズ事務所などの関係者らから話を聞いたという。 作業部会は来年6月に人権理事会に報告書を提出する予定。(編集委員・大久保真紀) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「むこうも生き物だから…」牛襲うヒグマ「OSO18」、見えぬ動き
【動画】北海道東部地域の標茶町と厚岸町では、牛を襲い続ける「OSO18」が猛威をふるう=古畑航希 一頭のヒグマが、今年もその姿を現した。牛を襲い続ける通称「OSO18(オソ)」。被害のあった北海道東部を訪ね回ると、オソが捕まらない背景が見えてきた。 牛を襲い続けるヒグマ「OSO18」。数年にわたって被害が出続けているのに、なぜ捕獲されず、実像すらつかみきれないのか。被害を受けた酪農家の話とともに、記事後半では専門家の見立てを詳しく載せています。 「むこうも生き物だから、しょうがないんだけどな」 標茶町上茶安別で酪農を営む男性(72)はそう言うと、悲しそうな表情を見せた。男性が牛を預ける牧場では6月24日午前9時過ぎ、放牧中の乳牛1頭が死んでいるのが見つかった。オソによる今年初めての被害だった。 これまでも、牧場でクマの姿や足跡を何度も目にしてきた。「うちらはヒグマと共存できてきた」。そんな自負があるだけに、被害を受けて複雑な思いを抱える。 標茶町と隣接する厚岸町の両町では、オソによる被害がこれまで66件確認された。死んだ牛は32頭にのぼり、畜産被害だけでも約2千万円を超える。 始まりは2019年7月16日。標茶町オソツベツ地区で、放牧中の牛が襲われ死んでいるのが発見されたことだ。8月に入ると、数日おきに牛が襲われた。 牛襲うヒグマ「聞いてことがない」 被害にあった牛は、9月18… この記事は有料記事です。残り2329文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【毎日更新】母の具合悪く家族の夕食を私が 1945年の今日、広島
学校でのできごと、友だちのこと、家族のこと、将来のこと――。 広島、長崎に住む10代の若者3人が、それぞれの何げない日常をしたためた日記があります。 1945年8月、「あの日」までの日々。毎日、1日分ずつ紹介していく予定です。 ■■■1945年8月4日(土)■■■ 暑い中の農園作業、母の代わりに家事、映画鑑賞…それぞれの土曜日を過ごします。 今日も、農園の作業であった。昨日と同じように暑かったが、我慢して一生懸命にやった。 帰宅途中、桟橋で帽子を海に飛ばした。目の前で揺れているのだが、とれなかった。折角(せっかく)、母が買って下さったのにと思うと、残念でならない。どうも気持ちが面白くない。 母が義勇隊の勤務奉仕に行くので、私も早く起きて手伝いをし、出て行かれた後の整理をして学校に行った。 Pさんはじょうだんばかり言って、人を怒らせては笑っておられた。私とはどうも性が合わないらしい。 悲しいかな、私の親友、姉となって導いてくれるお友達は一人もいない。私は悲しい。私は姉があって、私を少し叱って下さったら、もっともっとよい子供になれるのではなかったろうか。 母はいないので寂しいなと思って家にかえると、祖父が「お母さんは具合が悪くてかえったよ」とおっしゃったので、すぐ行って見ると、ねておられた。少し不安な気がした。そのうちに産婆さんを呼んで体をみてもらっておられた。私はいそがしくていそがしくてたまらない。夕食は完全に私がこしらえた。母はおいしいおいしいといって下さったので、うれしかった。 昨日に続く悪天候だ。今日も9時から校内清掃作業だった。余などの分隊は薬専の倒壊電柱の復旧に当たる。3時に終わって帰った。 天候が明るかったところが早速途中で空襲警報がでた。先日の被爆ですっかり慌ててしまって市中待避にごった返している。こんなことでは駄目だ。まだ始まったばかりなのに。 夜、富士館に「東海水滸伝」を見に行った。面白かった。帰途警戒警報が出た。ちょうどすんだ後でよかった。 記事の後半では、冒頭の日記を書いた森脇瑤子さんのスナップを、研究者の協力を得てカラー化した写真の数々を紹介しています。 この日の広島・長崎 広島 最高気温30.5度… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「平和は足元から」 川沿いに花を植え始めた男性の思い、花開いた
夏の日差しが照りつける7月下旬の土曜日。長崎市を流れる浦上川のほとりに、大人から子どもまで、約70人が集まった。おしゃべりをしながら、色とりどりのマリーゴールドを植えていく。活動は1人の男性から始まり、約10年間続いている。 県営野球場そばの河川敷。花を植え始めたのは池田早苗さん(故人)だ。78年前の8月9日、同市西郷(現・江里町)の自宅から5キロほど西に離れた福田村手熊郷(現・長崎市手熊町)へ買い出しに出かけ、爆心地から2キロほどの距離で被爆した。 自宅に戻ると、6歳の妹は真っ黒焦げになっていた。弟2人と妹、姉も被爆後相次いで亡くなり、きょうだいで生き残ったのは自分だけだった。脱毛や原因不明の体調不良に悩まされた母や、父も約10年後に亡くなった。 原爆への怒りを原動力に、平和活動に取り組んだ。長崎原爆被災者協議会(被災協)では長年理事を務め、2001年には平和祈念式典で「平和への誓い」を読み上げる被爆者代表に選ばれた。「戦争が憎い、原爆が憎い、核兵器が憎い」。家族を奪われた怒りを、そう強く訴えた。 それから13年後、池田さんは1人で花を植え始めた。あの日、水が見えないほど死体でいっぱいだった浦上川。「平和なところにしか花は咲かない。平和は足元から」。娘の佐藤直子さん(59)にそう話していたという。 活動は被災協を通じて広がり、恒例行事になった。池田さんは自宅で花の株を増やし、19年5月に86歳で亡くなる数年前まで毎日川沿いに通った。近くの高校の生徒や県外の被爆2世にも広がり、今年は過去最多の約70人が集まった。 佐藤さんも毎年参加している。「一般市民の方や学生の方も参加してくれる、この思いが平和につながっていくのかなと思う。父の思いが広がっていることを感じています」 浦上川のほとりには今年も、池田さんが大好きだった花が鮮やかに咲いている。(寺島笑花) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ガンダムのマンホール、シャア専用の赤ではなく…「琵琶湖に合う青」
鈴木洋和2023年8月4日 13時06分 【滋賀】人気アニメ「機動戦士ガンダム」のマンホールが3日、大津市に登場した。人気キャラクターが、市の名産品などと一緒にデザインされている。市は「ぜひ訪れて、大津の魅力とともにSNSで発信してほしい」と期待する。 市がバンダイナムコグループの「ガンダムマンホールプロジェクト」に応募し、2枚が寄贈された。近畿では初めて。 1枚は江戸時代から親しまれる大津絵が、ガンダムの隣に描かれた。もう1枚、水陸両用モビルスーツ・ズゴックの背景は「びわ湖大花火大会」だ。 この日、2枚とも大津湖岸なぎさ公園内に設置された。佐藤健司市長は「初めてつくったガンプラがズゴックなので、個人的にもうれしい。シャア専用の赤ではなく青なのは、琵琶湖のブルーに合っている」と目を細めていた。(鈴木洋和) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「カッと体が熱くなった」 忘れられない、先輩にもらったチョコの味
梅田和子さん(92)=大阪府高槻市=は、一つのチョコレートの味が忘れられない。 長さ15センチほどの筒状で、「菊の御紋」のマークが入っていた。 「一口食べるとカッと体が熱くなりました」 何だろう。何か入っている。 通学中も防空壕へ潜る日々 「戦争だけはしたらあかん。アメリカと戦争したら日本は終わりや」 それが父の口癖だった。 弁護士だった父を訪ねて、新聞記者や軍人がいつも家にいた。日米開戦反対派として知られた野村吉三郎元海軍大将とも交流があった。 小学5年生の時、第2次世界大戦が始まった。 町中での暮らしは危険だと判断した父は、梅田さんと祖母を大阪市から現在の高槻市に疎開させた。一家での疎開は当時、「非国民」とみられていたからだ。 高槻市から毎日、大阪市内の学校へ通った。国民学校を卒業すると、大阪城近くの府立大手前高等女学校へ進んだ。 米軍による空襲が激しくなると、通学中に何度も防空壕(ごう)へと身を潜める日々が続いた。 学校の周辺には、東洋一の兵器工場と言われた陸軍砲兵工廠(こうしょう)があり、中部軍管区司令部などもおかれていた。 「こんな危ないところには通わせん」 「兵隊さんに送るチョコレート」 当時は転校が難しかったが… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
河瀬直美さんと安藤桃子さん、映画作りのノウハウを中高生らに指導
伊藤誠2023年8月4日 9時30分 古都奈良で自由な発想を形にしてもらおうと、NPO法人・なら国際映画祭が「ユース映画制作ワークショップ」を奈良市で開いている。6回目となる今年は、奈良の発信に取り組んでいる河瀬直美監督のほか、高知県を拠点に活動する安藤桃子監督が特別講師として中高生らの指導にあたっている。 「なら国際映画祭for Youth2023」(9月16~18日)の一環。今年は県内外から参加した中高生ら11人が初参加5人と経験者6人の2チームに分かれて7月30日から今月6日まで、それぞれが企画、台本作り、ロケハン、撮影などに取り組んでいる。 安藤監督が提案した映画のテーマは「羅針盤」。制作する映画は15分ほどの短編だ。同市高畑町の「ホテル尾花」を拠点に2チームが議論を重ね、両監督のアドバイスを受けながら企画を練り上げていった。 3日は、いよいよ撮影前のロケハン。出発前、同ホテルで安藤監督は「一番大切なのは、『伝えたい』というハートだということを忘れないで」と全員に声をかけた。初参加チームには河瀬監督が同行し、県立高円芸術高校(同市)などへ出かけた。 同高では、教室や屋上、駐輪場などを巡って撮影場所を決め、河瀬監督が撮影方法などを指導。「みんな、どんどん発言するようになって、私自身も刺激を受けています」 最年少で参加した中学2年、上村紳太郎さん(13)=奈良市=は動画の撮影や編集が大好きで、母親から参加を勧められた。「1対1で教えてもらってうれしい。将来の仕事の選択肢が増えた」と笑顔で語った。 6日まで撮影や編集を行い、同日午後6時半から春日大社大宿所(同市餅飯殿〈もちいどの〉町)で試写会(予約制、無料)がある。予約はホームページ(https://nara-iff.jp/news/2626/)から。(伊藤誠) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
豪雨で浸水した家、掃除の盲点は「壁」 被災経験した学者が助言
毎年、全国のどこかを突然襲うかもしれない豪雨災害。浸水家屋の復旧作業は大変だ。家具と床上、床下の土砂を掃除して、乾燥させ、一安心。「そう思っていたら取り返しのつかないことになる場合がある」と、信州大学工学部で建築環境工学を専攻する中谷岳史助教(44)は注意を促す。盲点は「壁」だ。 7月末、中谷さんは秋田市内で被災した友人の佐々木順子さん(43)宅を訪ねた。15日の豪雨で、新築してまだ6年の家が床上50センチまで浸水。床や床下の掃除にやっと先が見えてきた頃だ。中谷さんは、汚れが拭き取られてきれいになった室内壁の石膏(せっこう)ボードの一部はがして中を調べた。 2週間経っているのに、グラスウール製の断熱材はたっぷり雨水を含み、柱や床板、土台と家をつなぐボルトなどをぬらしていた。絞るとジャーっと水が流れ出た。 「このまま放置すると、建物の構造で重要な部分が腐食して菌類が繁殖しますよ」 家の傷みが広がる前に すでに階段下付近の壁はカビ… この記事は有料記事です。残り942文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル