大型で非常に強い台風6号は1日午前8時、暴風域を伴ったまま日本の南を時速15キロの速さで西北西に進んでいる。気象庁によると、台風は発達しながら2日にかけて沖縄本島や鹿児島・奄美地方に接近する見通しで、航空各社は沖縄方面を発着するすべての便の欠航を決めた。 同庁によると、台風の中心気圧は935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は65メートルで、中心から半径220キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっている。同庁は1日午前、沖縄本島などに暴風警報などを発表した。 空の便では欠航が相次ぎ、日本航空は那覇、鹿児島などを発着する95便の全便を欠航。2日も97便すべてを欠航する。全日空も1~2日に沖縄本島や宮古島、石垣島を発着する124便全便を欠航する。 台風は発達しながら沖縄、奄… この記事は有料記事です。残り157文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
イノシシへのワクチン散布を演習 畜産王国九州、「豚熱」侵入に備え
豚やイノシシの伝染病「豚熱」の感染が全国で広がっている。九州ではまだ例がないが、全国屈指の畜産地帯として警戒が強まる。宮崎県は7月26日、農林水産省や大分、鹿児島、熊本各県の担当者も招き、野生のイノシシに対するワクチン散布演習を九州で初めて実施した。 農水省などによると、豚熱は感染した豚などに高熱や下痢などの症状が表れ、高い確率で死ぬため、家畜伝染病に指定されている。 2018年9月に国内で26年ぶりに発生。以来、7月26日現在で19都県の農場や34都府県の野生イノシシで感染が確認されている。22日には兵庫県南あわじ市の農場で感染が確認され、豚約650頭が殺処分されることになった。 糞尿(ふんにょう)や唾液(だえき)からウイルスが排出され、接触などで感染が広がる。感染拡大の原因に考えられるのが、人や車などの移動と野生のイノシシだ。 家畜の豚は殺処分でウイルスの排出が止まるが、野生のイノシシを探し出して完全に駆除することはできない。 そのため、イノシシに食べさ… この記事は有料記事です。残り638文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名前を取り戻す闘いの始まり ビジュアル系バンドは法廷に向かった
「FEST VAINQUEUR(フェスト ヴァンクール)事件」――。近年出た知的財産法の解説書にこんな名前の裁判が紹介されている。事件名になったのはビジュアル系ロックバンド。所属事務所からの独立を機に、長年使ってきたバンド名を名乗れなくなった。彼らが法律を武器に名前を取り戻すまでのストーリーを追った。 発端は契約解除 2019年4月、メンバー4人は、バンドとして約9年間所属した事務所に、専属契約の解除を求めた。 後に裁判所で言い渡された判決によると、ほどなくして、メンバーの1人は、代表の男性にこう言われたという。 「やり方がおかしいんじゃないか。全て契約違反に触れる」 「エゴでくるんだったら俺もエゴでつぶすぞって話」 「俺が回答するんだったら『つぶす』で終わる」 長い戦いはここから始まった。 芸能事務所と所属アーティストらが独立や移籍をめぐって対立した裁判で、アーティスト側を保護する内容の司法判断が相次いでいます。第1~3回では、ビジュアル系バンドが起こした裁判をバンド側の視点から追い、元事務所側の受け止めや詳しい主張は第4回で紹介します。第5回はその他の裁判例、第6回は芸能専門弁護士の見方を紹介します。 2010年結成のビジュアル系バンド フェスト ヴァンクールは、10年に大阪で結成した。現在は、リーダーでベースのHIRO(ヒロ)、ボーカルのHAL(ハル)、ギターのGAKU(ガク)、I’LL(アイル)の4人で活動する。 ルーツは「X JAPAN」や「LUNA SEA」に代表される1980~90年代のビジュアル系ロック(V系ロック)だ。ステージでは、あでやかな衣装とメイクをまとう。 4人は全員がソングライター。洋楽のヘビーメタルや日本のポップスにも影響を受け、持ち曲は130曲以上に上る。 強みにしてきたのはライブパフォーマンスだ。会場には熱烈なファンが列をなし、曲に合わせてヘッドバンギングなどの「振り」で一体になる。 ダークな雰囲気を演出するバンドも多いVロック界において、ポップスに根ざした明るい曲調も多い。時にはサンバのリズムまで採り入れ、曲間は関西弁のトークで笑いを誘う。 ドイツ語とフランス語を組み合わせ、「勝利者の宴」との意味が込められたバンド名は、そんなポジティブ路線の象徴だ。 「事務所と契約」にメリット メンバーによると、事務所の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
天然サケ回帰予報は震災前の1% 資源保護のカギは稚魚の「強靱化」
岩手県水産技術センターは31日、今年度の県内沿岸への秋サケ回帰予報を発表した。重量と匹数は、それぞれ東日本大震災前5年間の平均値の約1%まで落ち込むと予測する。 発表によると、予測される重量は前年度実績の約67%の298トン、匹数も同59%の10万匹。前年度のサケの回帰率を年齢別に調べ、最も回帰する4歳魚は1年前の3歳魚の回帰率を参考にするなどした。いずれも稚魚放流が本格化する前の1960年代並みという。 同センターによると、岩手県のサケの資源保護は江戸時代から始まり、明治時代には人工孵化(ふか)場が設けられた。昭和中・後期からはそれぞれの漁協が稚魚の放流数を急増させ、震災前までは4億匹に及んだ。 しかし、最近は水温や海流の変化などで回帰するサケが激減。今秋回帰してくる4歳魚は、稚魚として放流した時期の水温が特に高く、成長に適した水温期間も短かったため、生存率が低いとみている。この傾向は数年続くという。 同センターでは、生存率を高めるため、昨年度から稚魚を大きくさせたり、速い流れにも進んでいけるトレーニングをしたりして「強靱(きょうじん)化」に取り組んでおり、研究員は「2025年度ごろから成果が出るのでは」と期待している。 一方、県内のサケ・マス類の海面養殖事業は、毎年拡大している。現時点で養殖している沿岸5カ所の地元自治体や漁協に朝日新聞社が取材したところ、今年の養殖の水揚げ量は7月末現在で計約1800トンと過去最高を記録。各漁協や水産会社はさらに増産を予定する。天然サケが減り、養殖サケが増える状況は、今後も続きそうだ。(東野真和) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル