東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出をきっかけに、日中間の亀裂が深まっている。中国から日本への苦情や嫌がらせ電話は東電だけでも6千件にのぼり、日本人学校に石や卵も投げ込まれる事態に。外務省は27日、中国に渡航・滞在する人に注意を呼びかけた。相手国に対するお互いの国民感情がさらに悪化しかねない状況だ。 「適当に東京に電話してみよう」。Tシャツ姿の若者が中国のぶっかけご飯を片手でつつきながら、スマホの地図アプリで無作為に選んだ番号に電話をかけた。若者は「モシモシ」と話しかけ、「なぜ核汚染水を海に流すんだ」と中国語で一方的にまくし立てた。そんな動画が中国のSNSで出回っている。 中国のネット上では、参議院受付とみられる場所にかけ、中国語を話した途端にすぐに切れた様子の動画なども拡散している。 福島県では、旅館や飲食店、道の駅などに中国からとみられる迷惑電話が相次ぎ、「非常に状況を憂慮している」(内堀雅雄知事)。電話は病院や薬局などへも相次ぎ、業務に支障が出ているという。 東京電力は28日、処理水の海洋放出を始めた24日からの4日間で、中国の国番号「86」が表示される番号から6千件以上の電話を受けていると明らかにした。放出への抗議や苦情とみられる。東電は「類似案件を喚起する可能性があるので、電話の内容の説明は差し控える」としている。 片言の日本語「なぜ汚染水を…」 録音音声も 東京都千代田区役所の代表電… この記事は有料記事です。残り1699文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道の花咲港、サンマの水揚げが本格化「量少なく、燃料代高い」
山本智之2023年8月28日 19時00分 北海道根室市の花咲港でサンマの水揚げ作業が本格的に始まった。28日早朝には、サンマ漁の主力となる大型の棒受け網漁船が34隻入港。大口のばら積み用だけで約380トンのサンマを水揚げした。 岸壁に横付けされた棒受け網漁船からは、大きなたも網にぎっしりと詰まったサンマが次々に陸揚げされ、岸壁で待ち受けるトラックの水槽に積み込まれた。 にぎやかな水揚げ風景が繰り広げられる一方で、漁業関係者の表情は厳しい。花咲港の岸壁へ水揚げの様子を見に来たサンマ大型船の船主、木根繁さん(86)は「予想通りサンマの量は少なく、魚体も小さめ。去年と同様の厳しい状況だ。燃料代もとても高くなり、頭が痛い」と話した。(山本智之) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
話題の阿波踊り20万円プレミアム席、実は建築基準法違反状態だった
東孝司2023年8月28日 19時00分 徳島市の阿波踊りを主催する「阿波おどり未来へつなぐ実行委員会」は28日、1席20万円の価格設定が話題を呼んだ今夏の「プレミアム桟敷席」について、建築基準法を満たさない構造だったことを明らかにし、公式ホームページにおわび文を掲載した。 プレミアム桟敷席は、踊りの列を正面の高い位置から見渡せる特等席で、通常の桟敷(ひな壇)とは別に新たに設置された。 実行委事務局の市にぎわい交流課や建築確認を担当する市建築指導課によると、高さ2・5メートルの位置にある観覧席へ上り下りする「外付け階段」について、通路幅90センチ以上、手すりの高さ110センチ以上が必要だったが、それぞれ10センチ不足していた。県条例で別に定める「階段の出入り口の幅は1メートル以上」という規格も満たしていなかった。 開幕前日の11日、建築指導課職員が完成した構造物を確認。観覧席部分に問題はなかったものの、外付け階段が基準を満たしていないことから「検査済み証」を発行せず、事務局や工事関係者へ改善点を伝え、完了の報告を求めた。 これを受けて実行委側は手すりの改善はしたが、通路幅はそのままにし、警備スタッフの増員などの対応にとどめたという。建築指導課への報告もせず、検査済み証のないまま、12~14日に観客を受け入れた。 7月28日に実行委が出した建築確認の申請書の設計図面の段階では、階段の構造は基準を満たしていたという。にぎわい交流課の担当者は「なぜ図面通りにならなかったのか、なぜ指摘通りに直さなかったのか、企画会社や施工業者を含めて経緯の確認をしている」と話した。建築指導課は、改善完了を確認しなかったことを「当然、直して使っているものと思い込んでいた」としている。 実行委はおわび文で、プレミアム桟敷席の利用者に対して「ご不安をおかけいたしましたこと、深くお詫(わ)び申し上げます」と謝罪したうえで、経緯や原因を確認し、近日中に改めて報告するとしている。(東孝司) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「期待したものでない」学校働き方改革の緊急提言、現役教員から批判
文部科学相の諮問機関、中央教育審議会の特別部会が28日、教員の働き方の改善に向けて国などが直ちに取り組むべき施策をまとめた「緊急提言」を出した。これを受け、同日、現役教員らが記者会見し、「期待していたものではない」などと批判した。 記者会見を開いたのは、公立学校教員に残業代を支払わないと定めた「教員給与特措法」(給特法)の抜本改善を求める「給特法のこれからを考える有志の会」の呼びかけ人や賛同人ら。 岐阜県立高校教諭の西村祐二さんは、緊急提言が教員業務支援員や副校長マネジメント支援員の配置など、予算が必要な対策を盛り込んだ点について「お金をつけようとしているのは評価できる」とした。一方、2019年度に中教審が出した緊急提言のような、タイムカードの導入など学校がすぐに取り組めるような提案がなかったとして、「希望が持てるものではない」と評した。 中教審が4年前に打ち出した、教員の業務を「学校以外が担うべき業務」「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」などに分けて外部化を進める「3分類」の徹底を提言が求めたことについては、「奨学金の窓口業務やPTA会費の徴収など、教員がやらなくてもいい業務がまだ山ほどある」と指摘した。 4年間、進まなかった3分類 「行政の怠慢」 労働問題に詳しい嶋崎量(ちから)弁護士は、4年前に中教審が示した3分類で「学校以外が担う」とされた「学校徴収金の管理・徴収」について、教員が関与しない方法で行う自治体が22年度の文科省調査で36・5%にとどまったことをあげ、「4年以上たってもできないのは行政の怠慢。緊急提言はこの反省から入るべきだった」と批判した。「労働法的な労働時間抑制が必要だ」として、給特法を改正して残業代を支払うよう求めた。 緊急提言は、学習指導要領で… この記事は有料記事です。残り367文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
正体わからないまま数十年 ナゾの卵は、深海に住むサメの新種だった
深海にすむサメの新種を、日本やオーストラリアなどの共同研究チームが発見した。きっかけとなったのは、奇妙な形をした「ナゾの卵」。見つかってからずっと正体がわからなかったが、ある発見をきっかけに、卵から新種と判明したという。 発見したのはヘラザメ属の一種で、北海道大学の仲谷一宏・名誉教授や、オーストラリア連邦科学産業研究機構のウィリアム・T・ホワイト博士らの研究で新種と確認された。魚類に関する専門誌「ジャーナル・オブ・フィッシュ・バイオロジー」に論文が掲載された。 一般的に魚の新種を報告する際には、まず標本となる魚の体のつくりなどを既知の魚と比較する。 突破口はオーストラリア沖に ところが、今回新種とわかっ… この記事は有料記事です。残り657文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
耐震化の「完成」は近づいたのか 大震災100年の節目に届いた手紙
現場へ! もっと地震に強く① 昨年末から2度、記者あてに同じ差出人から手紙が届いた。 「私は阪神大震災にて自宅が倒壊し大被害を受け、何とか地震被害が無くならないかと取り組んでいるものです」 手紙には、建物の種類ごとの耐震化の進み具合の資料が添えられ、国による補助対象の拡大の必要性を訴えていた。 「補助の無い多数の施設は自主性に任されており、遅々として進んでいません」「地震に対して最も効果のある耐震化が、本気で取り組まれていない」 差出人は兵庫県西宮市の稲毛政信さん(77)。1級建築士の資格を持つ元神戸市職員で、住宅の耐震診断や設計を手がけ、講演などを通じて普及に携わってきた。本人を訪ねると、「耐震改修の完成」が視野に入ってきたのに、その見通しが立たないもどかしさを口にした。 「もう少し頑張れば、大地震でも建物にいて大丈夫ですよ、と言えるようになるのに」 建物の耐震化が社会課題になったのは、6434人の死者を出した1995年の阪神大震災がきっかけだ。81年以前の旧耐震基準で建った建物の倒壊が相次ぎ、圧死が8割を占めた。 阪神大震災の教訓「耐震性の有無で全然違う」 稲毛さんの長男(当時高校2年生)も、その一人だった。戦後すぐに建った木造住宅。1階南側の壁が少なく、2階が崩れ落ちて屋根の下敷きになった。近所の人と柱や梁(はり)をどかし、病院に運んだものの助からなかった。 隣の新しい住宅は無事で、近所で被害が出たのは古い住宅ばかりだった。「耐震性のある家とない家では全然違う。建築を学びながら、こんなひどいことになるとは思っていなかった」 28年が経ち、学校はほぼ100%になるなど、公共施設や大型施設の耐震化は進んできた。補助制度のある住宅は、2008年の79%が18年には87%に。一方、店舗やホテル、事務所など中小の民間建物、寺社などの伝統的建築物は取り残されているという。 早朝の発生だった阪神大震災は住宅の被害が注目された。しかし、日中に地震が起きれば職場や訪問先で被害に遭うおそれがある。命が助かっても、建物が使えなければ仕事を続けられない。地域の景観や観光にとって大切な建物も失われる。 これらも補助対象にし、不特定多数が使う建物は特に手厚くして10年以内の「完成」を目指すべきだと稲毛さんは言う。 何らかの指定がある伝統的建築物とともに7、8割の高い補助率に。そのほかの建物も4、5割の補助を出し、地域の危険度に応じて上乗せする仕組みにしてはどうかというのが、稲毛さんが寄せた提案だ。教育施設は、手厚い補助が耐震化を後押しした。 「耐震化で被害が大きく減ることは明らかで、復興費用に比べれば費用も少ない。そもそも基準が低かったのだから、国は責任を持って取り組む必要があります」 住宅の耐震改修「安くできる方法はある」 耐震化率が上がったとはいえ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
制服があっても私服で過ごす「特別な日」 生徒自ら装い主体性を育む
制服がありながら、私服で過ごせる日を設けている学校がある。生徒が自らを装う服を選ぶことを通じて、主体性を育もうとしている。 自由な格好で登校できる「カジュアルデー」。長野県佐久市にある私立の佐久長聖中学・高校で月1~2回、実施している。 「明日どうする~?」「どうしよう、ガチで迷う!」 前日の夜、女子サッカー部が暮らす寮では、部員たちがクローゼットから私服を取り出しては、コーディネートをチェックし合っていた。 山下琴遥(こはる)さん(18)は迷った末、赤の半袖カーディガンに部員から借りた白のデニムパンツを合わせて「夏らしさ」を演出。「かわいい!」「ありだね!」自室で仲間にお披露目すると褒める声が上がった。 生徒たちが待ちわびる特別な日だが、7年前に導入する際には、反発の声もあった。 校長「登校するのが楽しくなる日を」 「制服があるのになぜ?」… この記事は有料記事です。残り740文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Le Japon et la Corée du Sud tiraillés entre menaces chinoises, pressions américaines et poids de l’histoire coloniale
La consolidation des relations sécuritaires entre les Etats-Unis, la Corée du Sud et le Japon, décidée vendredi 18 août à Camp David (Maryland, Etats-Unis), a donné lieu à beaucoup d’effets d’annonce sur le nouveau pôle géostratégique en formation en Asie du Nord-Est. Ce rapprochement est facilité par un contexte international dégradé, […]
10代から大麻 永山絢斗被告「許されるなら表現の仕事をしたい」
田中恭太2023年8月28日 10時04分(2023年8月28日 11時21分更新) 自宅で大麻を所持したとして、大麻取締法違反(所持)の罪に問われた俳優の永山絢斗(けんと)被告(34)の初公判が28日、東京地裁であり、永山被告は起訴内容を認めた。検察側は「依存性、常習性が認められる」として、懲役6カ月を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求めて結審した。判決は9月1日午後3時半に言い渡される。 永山被告はこの日、黒のスーツに白いマスク姿で出廷。裁判官からの名前の確認などに落ち着いた様子で応じ、職業を聞かれると「俳優です」と答えた。検察官が朗読した起訴状の内容に間違いがないか問われ、「ないです」と述べた。 起訴状によると、永山被告は6月15日、東京都目黒区の自宅で、大麻を含む約1・7グラムの乾燥植物片を所持したとされる。 情報提供を受けた警視庁が同日夜に自宅を捜索し、翌16日に逮捕した。7月6日に起訴され、翌7日、保釈保証金300万円を納付して保釈された。 検察側の冒頭陳述などによると、永山被告は中学2年の夏ごろの音楽イベントで、地元の先輩に勧められて初めて大麻を使用。当時は気持ちが悪くなったが、18歳か19歳の頃、知人に勧められて再開して以来、継続的に使用していたという。 「リラックスした気持ちに」 永山被告は被告人質問で、大麻使用を続けた理由について「リラックスした気持ちになり、寝られた。まさか自分が逮捕されると思っていなかったこともある」と話した。今後については、母親との同居を続けつつ、「許されるのであれば表現の仕事をしたい」と話した。 閉廷前、裁判官に最後に述べたいことがあるかを問われた永山被告は「自分の甘さ、弱さで大変多くの人に迷惑をかけた。本当に申し訳ありませんでした」などと話した。 永山被告は俳優の永山瑛太さん(40)の弟。2007年にテレビドラマで俳優デビューし、NHKの連続テレビ小説や大河ドラマに出演した。公開中の映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 ―決戦―」にも出演している。(田中恭太) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ミラコレで伝える友情の輪と世界平和 頑張りすぎた3人が挑むショー
白いシャツやパーカを着た、体格も国籍もさまざまなモデルたちが、ランウェーを歩く。服には地球が描かれていたり、カラフルな絵の具の中から漢字が浮き出ていたり。 9月24日、イタリアのミラノでこんなファッションショーが開かれる。時代の先端にいる世界のデザイナーが集う「ミラノ・コレクション」、その公式ショーの一つとして。 企画の中心を担うのは、後給鈴菜(ごきゅうすずな)さん(32)。「SUZU」の名で、パリ・コレクションやミラノ・コレクションのランウェーを歩くモデルだ。 広島出身。高校時代、バレーボールに打ち込んだ。ケガをしたときリハビリを助けてくれた理学療法士たちの献身ぶりにあこがれ、大学で療法の勉強にのめりこむ。 〈私、がんばらな、がんばらな……〉 完璧を追い求め、自分を追い込み過ぎた。大学に行けなくなる。重度のうつとパニック障がい、と診断された。 大学3年の春。過呼吸になりながら大学に行き、教授に言われた。 「ああしなきゃ、こうしなきゃと思ってやっていることを、全部やめなさい。自分のしたいことを書いて、1日1個、やってみなさい」 後給さんが書いた一つ目は、「スーパーでギョーザを買う」。家を出る。スーパーが近づくにつれ、呼吸が荒くなる。はうようにして売り場へ。ギョーザを手にレジに並ぶ。 私、買えた! 食べながら涙が止まらなかった。 アイスを買う、美容室に行く… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル