有料記事 徳山徹 福井万穂2023年9月14日 5時30分 田川市郡8市町村が共同で整備する広域ごみ処理施設に関する情報公開請求をめぐる問題は、田川市が永原譲二・大任町長を強要未遂容疑で告訴するという異例の展開となった。田川市議7人も13日、永原町長を刑事告発し、「市民生活を脅かす行為だ」などと訴えた。これに対し、永原町長は司法の場で争う意向を示した。 「ごみ処理という暮らしに不可欠な行政サービスを盾にした明らかな強要行為」「永原氏の発言は市民に向けられたものと等しく看過できない」。県庁で同日、記者会見を開いた田川市議たちはこう訴えた。 告訴内容は今年6月、永原町長が田川市の村上卓哉市長に対し、市が保管する公文書を開示しないよう要求。さらに、「ごみ処理施設から出て行き自分たちで建てろ」「ごみ処理は受け付けない」などと発言したというものだ。 激化する対立、町長は持論を展開 会見には、市と市議の代理人… この記事は有料記事です。残り812文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
阪神優勝王手、雑踏事故や祝賀ダイブ警戒 大阪府警、1300人態勢
プロ野球・阪神タイガースが18年ぶりのセ・リーグ制覇に王手をかけた。優勝マジック1で巨人戦を迎える14日、優勝の可能性に備え、大阪府警が約1300人態勢で雑踏警備にあたる。過去の優勝時には大勢のファンが道頓堀川に飛び込んだり、繁華街で飲食店のオブジェが破壊されたりした。今回18年ぶりの「アレ」だけに熱狂的な盛り上がりも想定され、府警は警戒を強めている。 「飛込み危険」。阪神が優勝マジックを3に減らした翌日の9月13日、グリコの看板で知られる大阪市中央区の戎(えびす)橋周辺には数メートルおきに黄色い注意書きが貼られていた。日本語に加え、英語、中国語、韓国語の4カ国語で、府警南署と市建設局が作製した。 府警などが警戒するのが、道頓堀川への「祝賀ダイブ」だ。2003年のリーグ優勝時には約5300人が飛び込んだほか、死亡事案も起きた。05年のリーグ優勝では戎橋周辺にダイブ防止用の壁が設けられたが、55人が飛び込んだ。 ファンや見物客が道頓堀周辺に殺到すれば、雑踏事故の恐れもある。昨年10月には韓国ソウルの梨泰院(イテウォン)で狭い路地に人が流入し、日本人を含む150人以上が死亡した。 「DJポリス」も配置 府警は阪神が春先から好調だったことを受け、5月の大型連休明けから警備計画の検討を開始。優勝の可能性があるマジック2以下になったら、戎橋のあるミナミの繁華街やJR大阪駅周辺に約1300人の警察官を配置することにした。 特に戎橋周辺では、人の流れを誘導する「DJポリス」を5カ所に配置する。また、混雑状況に応じ、ロープで片側通行にするなどの通行規制をしたり、滞留を防ぐよう積極誘導をしたりするほか、戎橋両側の川岸につながるスロープや川沿いの遊歩道を一時的に通行禁止にする。 さらに、道頓堀橋の東側に幕を張って戎橋の方向を見えなくして、ギャラリーがダイブをあおったり滞留したりするのを防ぐことも予定している。 府警はこれまでの阪神の優勝時、03年は公然わいせつ容疑などで7人、05年は公務執行妨害容疑などで13人を摘発した。今年も「悪質な行為には厳正に対処する」としている。 道頓堀川周辺の店舗なども対… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
控訴審で示された「アナザーストーリー」 工藤会死刑判決への影響は
四つの市民襲撃事件で殺人罪などに問われた特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)のトップで総裁の野村悟被告(76)=一審死刑判決=と、ナンバー2で会長の田上(たのうえ)不美夫被告(67)=同無期懲役判決=の控訴審第1回公判が13日、福岡高裁(市川太志裁判長)であった。弁護側は「直接証拠が全くないにもかかわらず、『推認』に『推認』を重ねた」と一審判決を批判、検察側は「一審判決は工藤会の実態に即し、合理的だ」として控訴棄却を求めた。 両被告は黒のスーツを着て出廷。それぞれ裁判長から名前を聞かれ、はっきりとした声で答えた。 起訴状などによると、両被告は1998年の元漁協組合長射殺事件、2012年の元福岡県警警部銃撃事件、13年の看護師刺傷事件と14年の歯科医師刺傷事件に関与したとされる。 野村被告側は、一審に続き、すべての事件で無罪を主張した。弁護側は、射殺事件について工藤会の別の組員らが首謀したと指摘。両被告に動機はなく、関与もしていないとした。元警部の事件についても、当時ナンバー3の男が独断で首謀したとした。 一方、二つの刺傷事件について、田上被告が一審から一転して関与を認めた。弁護側は「野村被告を巻き込まないよう相談せず独断で指示した」とし、「野村被告の意思決定によるものと推認できる」とした一審判決が誤りであると主張した。 検察側は、「厳格な統制がなされていた暴力団組織の中で、両被告の共謀によって犯行が遂行されたと認定した一審の判断に不合理な点はない」などと反論。田上被告の主張変更は「トップの刑事責任を免れさせようとする強い動機があり、信用できない」とした。 弁護側は、約150点の証拠の取り調べと両被告をのぞく34人の証人尋問を請求し、高裁はこのうち3点の書証と1人の証人尋問を採用した。次回期日は27日で、両被告の被告人質問が予定されている。 「推認」多用で死刑判決、割れる評価 四つの市民襲撃事件で一審の… この記事は有料記事です。残り666文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
文科省への報告、15日の期限を延長 日大、薬物問題めぐり
山本知佳2023年9月13日 20時21分 日本大学アメリカンフットボール部の学生寮(東京都中野区)から大麻と覚醒剤が見つかった事件で、日大が、15日までとなっていた文部科学省への報告期限を延長することが13日、分かった。新しい報告期限は、日大と文科省の間で調整中という。 日大は、アメフト部寮内の部員の部屋から7月6日に大麻とみられる植物片を見つけたが、担当副学長が林真理子理事長に伝えたのは7日後、警視庁に報告したのは12日後だった。また、昨秋に部員が「大麻と思われるものを吸った」と申告したが、担当副学長への報告はなかった。 文科省はこうした点をガバナンス(組織統治)の点から問題視。8月22日、日大に対し、理事長への報告時期の適切性など10項目について、9月15日までの報告を求める通知を出した。日大は8月24日付で第三者委員会を設置し、検証を進めている。(山本知佳) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神宮外苑再開発に東京都が「ハードル」 その意図は、今後の影響は
多数の樹木の伐採計画に批判が強い明治神宮外苑地区(東京都)の再開発を巡り、都が従来より一歩踏み込んだ対応を見せた。12日、樹木保全の具体策を高木の伐採開始前に示すよう事業者に求めた。今月中にも始まる予定だった伐採が、計画より遅れる可能性がある。ただ、さらに強い措置は難しいようだ。 都は、再開発事業者の三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事に、樹木保全の具体的な見直し案を示すよう要請した。示されるはずのものが示されていない、という認識からだ。 再開発は、事業者4者による民間事業。明治以降に植えられた樹木が生い茂る外苑地区で、神宮球場や秩父宮ラグビー場を建て替え、高さ200メートル超の超高層ビル2棟も新築する。837本を植樹する一方、700本以上の高木を伐採する計画となっている。 施設設計の工夫などで樹木保全に努めるよう求める都に対し、事業者は昨年8月、「環境・樹木保全への配慮を確実に遂行する」とした。さらに、今年1月に公示された事業の環境影響評価(アセスメント)の評価書にも、新築するラグビー場について「設計、施工の両面からの工夫により、樹木伐採を可能な限り回避し、保存や移植を検討」と記載した。 「樹木保全の具体案を」東京都の要請の意味は しかし、具体的な樹木の保全策が示されていないとして、事業者に求めたのが今回の要請だ。そして、「新ラグビー場敷地の既存樹木の伐採に着手する前までに」という時期も示した。 この理由について都幹部は「自分たちがアセスで『やる』と言っていたものが示されていない。そうした姿勢で伐採に踏み切るのはいかがなものかと問題視した」と話す。ラグビー場以外の施設の建設区域についても同様に求めた。 ラグビー場が予定される神宮第2球場の解体工事は3月に始まっており、現地の高さ3メートル以上の木の伐採許可は、地元の新宿区から出されている。事業者は「9月以降にも伐採を始める」としていた。 しかし、再開発を巡っては… この記事は有料記事です。残り668文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
トイレで産み落とし、技能実習生に有罪判決 「帰国させられると」
兵庫県丹波篠山市で5月、死産した男児の遺体を遺棄したとして、死体遺棄の罪に問われたベトナム国籍の元技能実習生、チャン・トゥ・フォン被告(22)の判決公判が13日、神戸地裁であった。金川誠裁判官は、懲役1年6カ月執行猶予4年(求刑懲役1年6カ月)を言い渡した。 判決によると、技能実習生だった被告は5月18日、市内にある社員寮の共同トイレで、死産した男児の遺体をそのまま下水道に流して遺棄した。 初公判で起訴内容を認めた被告。検察側の冒頭陳述によると、昨年10月に入国し、市内の工場で働いていた。今年5月、市販の検査薬で妊娠を確認。当時は出産を望んでいたという。 被告人質問で被告は、事件に至った経緯について、SNSで「技能実習生が妊娠したら帰国させられる」という情報を目にした、と説明した。 「確かな情報はあったのか」との弁護人の質問には「インターネットでしか見ていない」と答えた。日本で働くため100万円ほどの借金をしていて「母親を失望させたくなかった」。 誰にも相談することなくSNS経由で中絶薬を手に入れ、5月15日ごろに服用。18日に死産し、男児を遺棄した。検察の質問に対し、当時のことを「正直、どうすればいいのかわからなかった。考える余裕がなかった」と述べた。 金川裁判官は「(服用した中絶薬の)効果をしばらく感じなかったことで、改めて産もうと考え始めた矢先に死産し、犯行に及ぶこととなった」と指摘。一方、「死産した子を弔う言葉を述べて反省していることなど、くむべき事情が認められる」とも述べた。(杉山あかり) 監理団体「ずっと悩んでいます」 妊娠や出産を理由にした解雇は男女雇用機会均等法で禁止されていて、技能実習生も対象だ。強制的に帰国させられることもない。 実習を中断して産休などを取得した場合も、仕事に復帰し、残りの実習期間分働くことができる。 だが実習生が孤立出産の末… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
TOKIO城島さん「ノウフクアンバサダー」活動見合わせへ 農水省
加藤裕則2023年9月13日 20時30分 農林水産省は13日、同省の「ノウフクアンバサダー」に任命している人気グループ「TOKIO」の城島茂さんの活動を見合わせることを明らかにした。TOKIOはジャニーズグループの関連会社として活動しており、農水省は同事務所に性加害問題について説明を求めたが、明確な回答がないためという。 農水省は、城島さんが農業と福祉の連携に関する活動をしていたことなどから2021年10月にアンバサダーに任命。農福連携の表彰式などに参加してもらっていたという。 12日に農水省の担当者がジャニーズ事務所に出向き、事実関係と今後の対応を聞いたという。担当者は「城島さんはアンバサダーにふさわしいと考えているが、事務所の人権を尊重する姿勢なども考慮する必要がある」と説明している。(加藤裕則) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
常総学院中学校で異臭、生徒13人が搬送 いずれも軽症 茨城・土浦
谷口哲雄2023年9月13日 20時36分 13日午後3時25分ごろ、茨城県土浦市中村西根の常総学院中学校から、「オイル臭がして、体調不良の生徒が13人いる」と119番通報があった。せきこみや気分が悪いなどの症状を訴えた2年生13人が病院に搬送されたが、いずれも症状は軽く、自力で歩ける状態だったという。 土浦署によると、同日午後1時半ごろから、2階の通常教室で授業中だった2年生のクラスで、生徒らが体調不良を訴えだしたという。他のクラスや周辺住民からは異臭の訴えはないといい、署で原因を調べている。(谷口哲雄) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧統一教会側と接点の閣僚4人 政府高官「目をつぶるしかなかった」
改造内閣では、朝日新聞が昨年実施したアンケートや自民党の点検で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点を認めた議員が4人入閣した。 いずれも初入閣の鈴木淳司総務相▽盛山正仁文部科学相▽伊藤信太郎環境相▽木原稔防衛相。朝日アンケートや自民点検によると、教団側のイベントに会費を支出していたのが鈴木氏と伊藤氏で、鈴木氏は祝電も送っていた。盛山氏と木原氏は、教団関連団体の会合に出席していた。 盛山氏は宗教法人を所管する文科省のトップとして、教団への解散命令請求を視野に入れた手続きを担うことになる。この日、盛山氏の事務所は取材に「昨年3月に関連団体の行事に一度出席しただけで教団と関係はなく、仕事の判断に影響はない」と回答した。 首相官邸は閣僚候補について教団側と接点がないかどうか事前に調査したが、「うわさレベルの話をどこまで真に受けるか。目をつぶるしかなかった」(政府高官)という。官邸幹部は「大事なのは今は関係が切れていること、今後もつきあわないならセーフとするしかない」とした。 自民党の役員人事では、教団との接点を認めてきた萩生田光一氏が、政調会長に留任した。萩生田氏は、昨年の参院選前に立候補予定者と地元の教団施設を訪問したことが明らかになり「猛省をしなくては」と謝罪した。教団側との具体的な関係について説明不足との指摘もあるが、この日の会見で萩生田氏は「現段階で何か説明不足だという指摘はあたらないんじゃないか」と語った。 これまで萩生田氏の選挙で電話かけなどの支援をしてきたという現役信者は「我々が助けてきた萩生田氏が要職にいる自民党政権に(教団を)解散しろと言われるのは許せない」と話した。 教団の元2世信者の女性は「… この記事は有料記事です。残り385文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ヒグマ被害の朱鞠内湖でイトウ釣り再開、クマ撃退スプレー、鈴必携に
今春、釣り人の男性がヒグマ襲われて死亡した北海道北部の朱鞠内湖(幌加内町)で13日、イトウ釣りが再開した。湖を管理するNPO法人シュマリナイ湖ワールドセンターなどが専門家の意見や知床などの先進事例を参考に約4カ月かけて独自ルールを作成。安全に絶対はないが、ヒグマ撃退スプレーの携帯など「可能な限りの対策」を施した。 男性が襲われたのは湖北東部の「ナマコ沢」の入り江。同センターのボートで上陸し、1人で湖岸で釣りをしている時に背後から襲われたとみられている。何度もイトウ釣りに訪れており、土地勘もあった。ただヒグマ撃退スプレーは見つかっておらず、携帯していなかった可能性もある。 新たなルールでは、ヒグマ撃退スプレー、クマ鈴、トラブル発生時用のホイッスルや発煙筒、緊急連絡やGPSアプリによる所在確認のためのスマホなどを携行必須の装備品とした。スマホ以外はレンタルを用意。撃退スプレーは飛行機に持ち込めないため、道外のリピーターには買ったスプレーを預かれるようにもした。 ヒグマを寄せ付けないために、カップラーメンも含めて限られた場所以外での調理を禁止した。釣れた魚についても、岸辺に魚のにおいを残してヒグマを誘引しないよう、湖内での撮影やリリースを定めた。「湖内から出さないことでイトウへのダメージも少なくなる」という。 朱鞠内湖のイトウ釣りは大自然に包まれながらさおを振るのが醍醐(だいご)味だが、前浜やキャンプ場以外での単独での釣りを原則禁止とした。夜明けや日没前後の「朝まずめ」「夕まずめ」は釣果が上がるが、この時間帯はヒグマも活動する時間帯。釣り人同士が適切な距離を保ち、互いに死角となる背後を確認しあうことがヒグマ対策につながる。 この日は平日で朝方にかけて雨が降ったが、夜明けを待ちかねたように釣り人が訪れ、さおを振っていた。代休を取って来た近隣の男性(37)は「朝の気温が20度ではイトウも深みでじっとしていますよ。釣果なし。わかっていても初日だから。新ルールは煩わしさはあるけど安全を考えればやむを得ないですね」と話していた。 朱鞠内湖のイトウ釣りは10月からが後半戦。同センター理事長で朱鞠内湖淡水漁協の組合長代理も務める中野信之さん(48)は「ヒグマはどこにでもおり、安全に絶対はないが、十分な対策とルールの順守が釣り人の命を守ることであり、朱鞠内湖という貴重なフィールドを守ることになる」と理解を求めている。(奈良山雅俊) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル