創建80年を迎えた福岡県護国神社(福岡市中央区)で、大鳥居の大規模改修が始まっている。日本最大級の木造鳥居といわれ、解体を伴う改修は初めてとなる。 神社によると、大鳥居は高さ13メートルで、ヒノキの原木を使った鳥居としては日本一とされる。 神社が創建された1943年、日本の統治下だった台湾からヒノキ材を輸入し、福岡城趾(じょうし)の南側に建てられた。 陸揚げの際、あまりの巨木のため車両での運搬は難しく、3キロほど離れた博多港から道に丸太を並べ、それを「コロ」にして住民らが運んだ、という逸話が残る。 福岡市が焼け野原となった1945年6月の福岡大空襲では、社殿はほぼ焼失したものの、この鳥居は無事だった。 ただ、建造から80年が過ぎ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
キリマンジャロ登頂の11歳 夢は南極最高峰の「見たことない景色」
アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロの頂上に立ちたい――。4年前からそんな夢を抱いてきた小学6年の女子が今月、5895メートルの頂に挑戦し、成功した。 6歳で富士山を含む山梨百名山を踏破したキャリアを持つ。帰国した11歳の「猛者」が口にしたのは、支援者への感謝の言葉だった。 標高5895メートルの頂をめざして キリマンジャロ登頂を果たしたのは、甲府市立千塚小学校6年の伴野嶺(ばんのれい)さん。 母親の直美さん(49)とともに、タンザニアの山麓(さんろく)から3日に登り始め、現地ガイドのサポートを受けながら高度を上げていった。 山頂へのアタックは標高約4700メートルの山小屋から。 ヘッドライトを頼りに真夜中の岩山を登り続ける。高山病の危険もあってゆっくり進まなければならず、「暗いし眠気にも襲われて、心細くなった」。 それでも着実に歩みを進め、7日午前7時半ごろ頂上に立った。 「見たことのない景色。今まで生きてきた中で一番うれしかった。夢がかなったんだ。いろいろな人に助けてもらったなあって思い返していました」 山は公園そして遊び場 本格的に登山を始めたのは4… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「工藤会の鉄の結束、弱まっている」 県警元幹部が見る控訴審の行方
四つの市民襲撃事件で殺人罪などに問われ、一審で死刑判決が出た特定危険指定暴力団・工藤会のトップで総裁の野村悟被告(76)らの控訴審が始まった。27日の被告人質問に合わせ、工藤会幹部を摘発する「頂上作戦」を指揮した県警OBの尾上芳信氏(62)に、工藤会との攻防の歴史や控訴審の位置づけを聞いた。 ――かつての工藤会は北九州の街にどのような影響を与えていたのでしょう。 建設業からは上納金、飲食店や風俗店からはみかじめ料を取りたてていた。一般市民にも「金払わんかったら、拳銃で撃つ、刃物で刺す、あるいは殺す」みたいな繰り返しで、警察は捕まえきれない。逆らえば自分たちも狙われるのではないかという恐ろしさがあった。市民による暴力団排除が進まなかったのは、今振り返ると致し方なかった。市民も警察と工藤会の力関係を見ていて、どちらの言うことを聞くべきか見極めている。 ――そうした状況で2014年の頂上作戦は重要だったと。 (野村被告の関与を示す直接証拠がないなか)当初は、県警内にも「本当にできるのか」と懐疑的な見方があって、ゼロからのスタートだった。ただ、元漁協組合長射殺事件(1998年)では、実行犯らがすでに殺人罪などで判決が確定しており、それまでの取り調べや公判で幹部とつながる(間接的な)証拠は出ていた。 工藤会の呪縛を解いてもいいのでは ――事件着手に向けて、どん… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アドレナリン使用なら「救命の可能性」 接種後死亡、夫が悔しさ訴え
新型コロナウイルスワクチンの接種直後に死亡した愛西市の飯岡綾乃さん(当時42)について市の医療事故調査委員会は26日、最終報告書を公表し、アナフィラキシーの対応などがされなかった集団接種会場の医療体制について「改良の余地がある」と指摘した。遺族は悔しさをにじませた。 「家の中で一人になって、すごくつらくて。寂しさには慣れません……」 夫の英治さん(45)はこの日、苦しい胸の内を明かした。「なぜ妻が亡くなったのか」。死に至る経緯や理由を求めてきた。 看護師はアドレナリンの注射を準備したが… 公表された最終報告書によると、飯岡さんの直接の死因は「急性呼吸不全及び急性循環不全」。検査結果をふまえ、これらの発症にアナフィラキシーが関与していた可能性があったと指摘された。 現場では当時、アナフィラキ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
都内公立小の教員、140人欠員 春から60人増え「努力しても…」
全国的に教員不足が問題となっているなか、東京都内の公立小学校(1270校)では夏休み明けの9月1日時点で、約140人の欠員が生じていることが26日、分かった。都議会代表質問で、都側が白石民男氏(共産)の質問に答えた。浜佳葉子教育長は、「随時、(非正規の)臨時的任用教員を確保し、補充している」と答弁した。 都教育委員会によると、年度初めの4月7日時点では約80人だったが、病欠や退職などで欠員がさらに増えたという。昨年度の年度初めは約50人で、夏休み明けは約130人だった。 年度初めの欠員は、学級数が想定より増えたことなども要因に含まれるが、年度途中に生じた欠員は、病欠や退職によるものがほとんどという。欠員を埋めるのは「臨時的任用教員」で、欠員が生じるとリスト登録者に声をかけるしくみだが、学校と登録者のマッチングがうまくいかないなど補充しきれていない。 登録者を増やすため、都教委は昨年ごろから、民間企業に交じって転職フェアにブースを出したり、求人サイトに広告を出したりもしているが、「努力しても埋めきれない」(都教委担当者)のが実情だ。今年度からは、公立小の全新規採用教員に臨床心理士らによる面談を受けてもらうなど、退職を減らす取り組みにも力を入れているという。(本多由佳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東工大、来春から奨学金に「女子学生枠」 女性比率向上を後押し
東京工業大学は26日、同大独自の給付型奨学金制度に女子学生枠を設けると発表した。学部の4年間が対象だが、大学院修士課程に進学後も条件が合えば継続し、月5万円を支給する。同大は来春の入学者向けの総合型選抜で「女子枠」の新設を決めており、経済的な面でも女子学生の比率向上を後押しするという。 奨学金制度は2018年度、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典・同大栄誉教授からの寄付をもとに、多様な背景を持つ学生の受け入れを目指して設けられた。当初は、1都3県以外の高校出身で自宅通学が困難な人が対象の地方枠のみだったが、20年度に親が4年制大学卒ではない学生向けの「ファーストジェネレーション枠」を作り、来春に女子学生枠を追加する。 対象は三つの枠で計30人程度。条件は日本国籍か永住の在留資格があり、高校3年間の全履修科目の評定平均が一定以上で、税込み年収の合計が給与所得世帯であれば800万円未満、それ以外の世帯は337万円未満の女性。総合型以外の選抜の出願者も対象となる。日本学生支援機構以外の給付型奨学金とは併用できない。10月~11月末に募集し、12月下旬~1月上旬に内定を伝える。 公式サイト(https://www.titech.ac.jp/student-support/students/tuition/ohsumi-scholarship)に詳細を掲載している。(上野創) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ワクチン接種後死亡の女性、調査委「アナフィラキシーの可能性高い」
新型コロナウイルスワクチン接種直後に死亡した女性(当時42)について愛知県愛西市が設置した医療事故調査委員会は26日、強いアレルギー反応のアナフィラキシーを発症した可能性が高いとする最終報告書をまとめた。現場では当時、アナフィラキシーの対応がされておらず、「救命できた可能性を否定できない」などと結論づけた。 調査委員長の長尾能雅・名古屋大医学部付属病院副院長らが記者会見で調査結果を報告した。 同市在住の飯岡綾乃さんは昨年11月5日、市の集団接種会場でワクチン接種直後に容体が急変し、亡くなった。基礎疾患があったという。 調査委は死因について、肺水腫による急性呼吸不全、急性循環不全を指摘した。接種数分後にせきや呼吸苦を訴えた経過から、「接種によってアナフィラキシーを起こし、肺水腫を併発した可能性が高い」とした。 市の集団接種会場では、アドレナリンの筋肉注射などアナフィラキシーの対応はされていなかった。現場の医師は、接種前から飯岡さんが体調不良があったようだと報告を受け、典型的な症状もなかったことからアナフィラキシーの可能性は低いと判断したという。 調査委はこれらの対応について「標準的ではない」と指摘した。患者が呼吸苦の場合、アナフィラキシーを想定して筋肉注射を打つよう提言した。「早期にアドレナリンが投与されていれば救命できた可能性を否定できない」と結論づけた。 現場では、医師と看護師との事前の打ち合わせや、アナフィラキシーが起きた場合を想定した訓練などがされていなかった。こうした医療体制について「改良の余地がある」とも指摘した。 調査委は再発防止に向け、全国の自治体や医療従事者らに対し、アナフィラキシーへの認識を新たにし、対応訓練をするよう注意喚起している。 厚生労働省の専門家部会は今年3月、飯岡さんの死亡とワクチン接種との因果関係は「否定できない」と評価している。 夫の英治さん(45)は「安全にできる環境を整備してほしい。調査委の提言を有効に役立てて同じような目にあう人を増やさないでほしい」と話した。(高絢実、上山浩也) 飯岡綾乃さんが亡くなった経緯とその後の対応 2022年11月5日 飯岡さんが愛西市内の集団接種会場でワクチンを接種し、6分後にせき込むなどした。救護室へ移動したが、泡状の赤やピンク色の分泌物を大量に吐いた後に心停止。約1時間半後に病院で死亡確認 11月中旬 愛知県医師会が医療安全対策委員会を開き、「その場でアドレナリンの筋肉注射をすべきで、体制に問題があった」とする検証結果を公表 11月下旬 日永貴章市長が「現場での対応は適切だった」と定例会見で言及 12月29日 外部有識者による市の医療事故調査委員会が初めて開かれる 23年3月10日 厚生労働省の専門家部会が、ワクチン接種と死亡との因果関係を「否定できない」と評価 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
都営地下鉄ホームドア、来年2月に設置完了 半導体不足をばん回
東京都営地下鉄の駅に整備している安全対策用のホームドアについて、都は26日、来年2月に全4路線計106駅で設置が完了すると明らかにした。都議会代表質問で、久我英男交通局長が、菅野弘一氏(自民)の質問に答えた。 都営地下鉄のホームドアは、三田線が2000年度、大江戸線が13年度、新宿線が19年度にそれぞれ全駅で設置完了。未設置の駅が残っていた浅草線については、世界的な半導体不足でドアの製造が最大10カ月遅れた影響で、一部駅で設置が遅れたケースもあるという。 全駅での設置完了を後ろ倒ししないため、工事や確認作業を効率化させることで工程を大幅に圧縮。これにより、都交通局が管理する駅は11月までに、京成電鉄が管理する押上駅は来年2月までに、それぞれ設置が完了することになったという。 久我局長は「今後も安全対策に積極的に取り組み、誰もが安心して利用できる都営地下鉄を実現していく」と述べた。(本多由佳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アスベスト問題を未来の世代にもわかりやすく 写真や文芸に賞を創設
アスベストによる健康被害の問題などに取り組む「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」(東京都)は26日、兵庫県尼崎市で会見し、「アスベストセンター賞」を創設すると発表した。対象は写真とエッセー、文芸、研究の4部門。未来の世代へこの問題を伝え、闘病する人やその家族、研究者らの励みとなることを目指す。 「生命を見つめるフォト賞」は主に患者や家族、関連する業務などの様々なシーンをとらえたものが対象で、被写体は人物、自然、アスベストなど自由。未発表の作品に限る。 エッセー賞は2千字以内で、アスベストにまつわるエピソードを募る。文芸賞はすでに雑誌や書籍、ウェブサイトなどに掲載されたものが対象。研究奨励賞もこれまでに発表されたもののなかから選び、今後のさらなる研究をうながす。賞金は各40万~20万円。 賞は2018年にスタートした同センターの「歴史をつなぎ未来を拓くプロジェクト」の一環として企画された。賞金の原資には寄付金を活用。27年度までの5年間の予定で実施する。 市役所で会見した同センターの尾形海子・事務局次長(47)は「未来の人たちに分かりやすく伝えるにはどうしたらいいのか。検討を重ねるなかで賞の創設となった。アスベスト問題は非常に息の長い取り組みが必要であり、被害の突出した尼崎の地であえて発表させてもらった。多くの地元の人たちにこの賞の存在が届いてほしい」と話した。 会見には、同市在住で「アス… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「人を殺そうと思った」 商業施設で切りつけ、容疑で逮捕の男子高生
新潟県長岡市千秋2丁目の商業施設で男女3人が切りつけられた事件で、うち1人に対する殺人未遂容疑で現行犯逮捕された男子高校生(18)が県警の調べに、「人を殺そうと思った」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。県警は26日、高校生を同容疑で送検。買い物客らを無差別に狙ったとみて事件に至る経緯の解明を本格化させる。 長岡署によると、事件は25日午前11時20分ごろ、施設内のスーパーの鮮魚売り場で発生。買い物中だった60代と40代の女性が相次いで首を切りつけられて軽傷を負い、続いて襲われた従業員の40代男性も右脇腹に軽傷を負った。その場で高校生が取り押さえられた。 逮捕容疑は、40代男性を殺害しようと右脇腹に文化包丁(刃渡り約17センチ)で切りつけたというもの。県警は、高校生が女性2人にも殺意を持って切りつけたとみている。高校生と3人の間に面識は確認されていないという。 捜査関係者によると、高校生は事件の直前、同じ施設内で凶器の包丁を購入していたという。これまでの調べに対し「言い訳することはない」と述べ、逮捕容疑について関与を認めているという。(井上充昌) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル