真言宗寺院の明王院(みょうおういん、広島県福山市草戸町)は19日、国宝の五重塔にまつられている本尊「木造弥勒菩薩坐像(もくぞうみろくぼさつざぞう)」(県重文)の頭の中から、折り畳まれた和紙のような紙の束が見つかったと発表した。何かが墨書されており、今後、慎重に取り出して内容を調べるという。 五重塔は南北朝時代の1348年に建立されており、坐像も同時期に造られたとみられる。一部で劣化が進んでいたため、県と福山市などの補助を受け、6月から、高さ52・7センチの寄せ木造りの坐像を解体修理する作業を進めていた。 市文化振興課によると、坐像の後頭部に接合面があり、取り外すと、直径10センチほどの空間に、変色した紙の束が入っていた。制作時に納めた「納入品」とみられる。専門家の助言を受けながら取り出して、今年度中に何が書かれているのか分析したいという。 明王院近くでは、中世の集落跡「草戸千軒町遺跡」が見つかっており、周辺は港町として栄えた。五重塔は当時、民衆の寄進で建てられたと伝わっている。明王院は今回の紙の束に、建立の経緯や仏師の名などが記されているかもしれないと期待しており、片山悦子事務長は「675年前の状況が分かれば、タイムカプセルのように時空を超えてそれを伝えてくれる貴重な資料だ」と話している。(西本秀) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
2度の被災、ただでは起きない 400年続く窯元が向き合う自然
頻発する災害に対応しながら、伝統を守っていく――。この6年で2度、大雨の被害に遭った福岡県東峰村の窯元が、そんな道を探っている。「ただでは起きない」という覚悟のもと、工夫を重ねながら復旧作業に向き合っている。 約400年の歴史がある高取焼宗家。初代八山が1600年に開き、2代目が窯を東峰村小石原鼓に移したとされる。釉薬(ゆうやく)の調合法などを一子相伝でつなぎ、今は13代目高取八山さん(62)と長男の春慶さん(33)がろくろを回す。 しかし今年7月、激しい雨で裏山が崩れ、川沿いにある登り窯の土台が壊れた。川の護岸も崩れ、そこを修復しないと土台を直せないが、護岸は村の担当だ。修復を待つ間も雨によって被害が広がり、いまにも屋根が落ちそうになっている。 「毎日、現在進行形でじわじわと壊れていく。見ていると拷問のようです」。八山さんの妻、七絵さん(60)は話す。 アカマツの大木をくりぬいて… この記事は有料記事です。残り718文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】秋篠宮ご夫妻、ベトナムへ 海外訪問の歩みを振り返る
2023年9月19日 20時00分 秋篠宮ご夫妻は20日から25日まで、ベトナムを公式訪問します。日本とベトナムの外交関係樹立50周年関連行事などに出席します。 宮内庁によると、政府専用機で首都ハノイに入り、歓迎式典などに臨みます。23日にはダナンへ移動し、かつて日本人町があったホイアン旧市街を訪れる予定です。 代替わり後にご夫妻が外国を公式に訪問するのは、2019年のポーランド・フィンランド、今年5月の英国に続き3回目です。 ご夫妻のこれまでの海外訪問の歩みを写真で振り返ります。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
南三陸のさけます増殖協会で不適切会計 漁協職員が「遺書」残し死亡
山浦正敬2023年9月20日 10時58分 宮城県南三陸町の志津川湾水系さけます増殖協会(会長・行場博文・県漁協志津川支所運営委員長)で、不適切な会計処理があったことが19日、わかった。協会や町などが調べたところ、通帳に出金記録があるのに、対応する支払伝票がないものがあるなど、不適切な会計処理の額は、約1200万円に上る可能性があるという。 協会や町などによると、会計を担当していた地元漁協の30代の男性職員が7月下旬、不正を告白するメールを協会に送信し、翌日に死亡した状態で見つかった。「遺書」と書かれた封書には、「横領した」「私的に使った」などと書かれており、協会が調査したところ、不適切な会計処理が発覚したという。 委託先の地元漁協の職員は2人で、死亡した男性職員は2016年度から会計事務を担っていた。22年度(22年8月~23年7月)の協会の事業費は約650万円で、不適切な会計処理は複数年にわたる可能性があるとみられる。 協会は、県漁協支部や地元漁協、漁業者、町などで構成。毎秋に総会を開き、年度ごとに決算を承認しているが、監査では複数ある通帳の残高を直接確認していなかったため、不適切な会計が発覚しなかった可能性があるという。 協会と町は今後、詳しい調査を進めるとともに再発防止策を検討する。(山浦正敬) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
町職員をセクハラで懲戒免職 仮眠中の女性職員に覆いかぶさる 香川
増田洋一2023年9月20日 11時18分 香川県綾川町は19日、特定の女性職員にセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を数年間にわたり繰り返したとして、町職員の看護師男性(45)を同日付で懲戒免職処分とし、発表した。 町によると、男性は介護老人保健施設あやがわに在職中、仮眠中の女性職員に複数回、覆いかぶさったり、ひわいな言葉や性的に侮辱する言葉を発し、体に触ったりするセクハラを繰り返していた。女性職員に覆いかぶさった行為については、昨年2月、高松簡裁から暴行罪で罰金の略式命令を受けたという。 男性は町が認定したセクハラの一部は認めていないという。町は管理監督責任を問い、あやがわの事務長を戒告、事務次長を訓告の処分とした。(増田洋一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鉄骨落下は5本で計48トン 作業員は20m下に 東京駅前の事故
19日午前9時20分ごろ、東京都中央区八重洲1丁目の東京駅八重洲中央口に近い再開発工事現場で、「3階部分に鉄骨とともに人が転落した」と119番通報があった。警視庁によると、作業員の33歳と43歳の男性2人が鉄骨の下敷きになって死亡し、別の40代の男性が重傷を負い、20代の男性2人がけがをした。警視庁は業務上過失致死傷の疑いで調べる。 事故が起きたのは、2021年に着工し、25年度に完成予定の地上51階建て地下4階の商業ビルの建設現場。ともに大手ゼネコンの大林組と大成建設の共同企業体が工事を請け負っている。 警視庁中央署によると、亡くなったのは埼玉県朝霞市の原裕一郎さん(33)と千葉県市川市の花田大和さん(43)。大林組によると、2人を含めた5人は同じ下請け会社の社員という。 同署によると5人は事故当時、7階部分にいて、クレーンのワイヤにつるされた鉄骨の梁(はり)を取り付ける作業をしていた。この鉄骨がワイヤから外れ、その際に7階部分にすでに設置してあった別の鉄骨も落下したという。 亡くなった男性2人は鉄骨と命綱で結ばれていたといい、鉄骨と一緒に落下し、3階部分で下敷きになったとみられる。ほかの3人も7階部分から3階部分に落下したという。 鉄骨は長さ30メートル、幅30センチ、重さ15トンぐらいで、警視庁はクレーンのワイヤに不具合があったとみている。 大林組によると、落下した鉄骨は計5本で、長さはそれぞれ13~18メートル。重量は計約48トンあった。3階部分から7階部分までの高さは約20メートルで、7階部分で作業していた5人は全員命綱をしていたという。 5人とは別に、3階部分で作業していた1人にも飛散物が頭に当たり、病院で治療中という。 警視庁は今後、現場の状況を詳しく調べるとともに、共同企業体の安全管理責任者から事情を聴く方針だ。(福冨旅史、御船紗子) 51階建てビルに800人収容の劇場、バスターミナル JR東京駅八重洲口近くにある51階建てビルの建設現場で19日午前、作業員2人が転落して死亡した。大規模再開発が続く東京の玄関口で何が起きたのか。 「悲惨でかわいそうで見てい… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
しずちゃん、飲酒運転ぶち抜く ボクシング「戦友」に呼ばれ一日署長
茶井祐輝2023年9月19日 20時30分 お笑いタレント「しずちゃん」こと山崎静代さん(44)が19日、滋賀県警近江八幡署の一日署長に就任した。秋の全国交通安全運動の一環。啓発活動に出かける警察官らの出動式に、女性警察官の制服姿で現れた。 「新婚なのに夫を置いてきてしまいました」 昨年末に結婚した山崎さん。滋賀県に来たのは、五輪の日本代表を目指して打ち込んでいたボクシングがきっかけだ。 11年前、山崎さんは全日本女子選手権ミドル級で優勝。同じ大会のバンタム級で優勝した藤野ちなせさんが、いまは同署で巡査長になっていた。「戦友に呼ばれ、いてもたってもいられず」駆けつけたという。 出動式では、ミットを持つ藤野さん相手にパンチを披露。飲酒運転を描いたパネルを強烈な左でぶち抜いた。山崎さんは事故の原因になるとして「飲酒運転、あかんでえ」と呼びかけた。(茶井祐輝) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
戦争体験者の生の声聞ける「最後の世代」 高校生記者が感じる使命
原爆投下、無数の焼夷(しょうい)弾による空襲。78年前の戦争を高校生が取材する意義を広島、長崎と富山の新聞部員が18日、オンラインで語り合った。彼らが口をそろえる「最後の世代」とは何をさすのか――。 「平和について伝え、語り継ぐ意義を私たち当事者で深めたい」。富山県小矢部(おやべ)市の県立石動(いするぎ)高校で、中田彩音さん(2年)が口火を切った。崇徳(そうとく、広島市西区)、県立長崎南(長崎市)の2校と画面でつなぐ。 石動が7月から鹿児島県であった全国高校総合文化祭で、被爆地の2校に声をかけた。富山は地方都市で最大級の空襲被害があったが、詳しく知る人は多くない。5月のG7広島サミットに先立つ教育大臣会合も取材した。ウクライナなど国際情勢や平和に関心が高まり、被爆地の新聞部と情報を共有し、活動に役立てたいと考えた。 3校が取材の取り組みを順に報告した。 石動は、教育大臣会合をきっ… この記事は有料記事です。残り1018文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
駅弁で体調不良、40自治体100人症状訴え 駅弁フェアなどで販売
鵜沼照都2023年9月19日 20時45分 青森県八戸市保健所は19日、八戸市の駅弁販売業「吉田屋」が製造した弁当を食べた人が、嘔吐(おうと)や下痢などの体調不良を訴えていると発表した。弁当は「駅弁フェア」などを通じて、北海道から九州まで販売されており、症状を訴えている人はこの日午前までに、東日本を中心に約40自治体で計約100人にのぼり、今後増える見通しという。 同保健所が、食べないよう注意を呼びかけているのは、同社が15~16日に製造した「函館わっぱめし海鮮ミックス弁当」や「海女のうに弁当」など、11種計約2万食の駅弁。出荷されたあと、商社を通じて各地のスーパーで開かれた「駅弁フェア」などで16~17日に販売されたため、最終的な販売経路や個数は把握できていないという。 16日になって、同社に「ご飯が糸を引いている」などと苦情が寄せられたほか、福島県や埼玉県で体調不良を訴える人が複数が出た。調べたところ、原因の特定には至っていないものの、共通して同社が15~16日に製造した駅弁を食べていたという。 同保健所は、同社の弁当を食べ、体調不良などになった場合、同保健所(0178・38・0720)に連絡するよう求めている。(鵜沼照都) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「福岡→福島の系列校」転勤命令に無効判決 「権利乱用」と地裁支部
解雇を告げられたが無効の判決が出た明治学園中学高校(北九州市)の教諭が、運営元の学校法人(福島市)による福島市の系列校への転勤命令は不当と訴えた訴訟の判決が19日、福岡地裁小倉支部であり、寺垣孝彦裁判長は「命令は(使用者の)権利を乱用したもの」などとして無効とした。 訴状などによると、原告の永井隆司教諭(52)は1994年から数学教諭として勤務。2017年8月、法人から職務能力の欠如を理由に解雇を命じられたが、20年8月の福岡高裁判決で無効とされ、21年1月に確定した。その後も、復職を認められず自宅待機とされ、同10月に福島市の学校への転勤を命じられた。 判決では、解雇無効の確定後に敷地内への立ち入りが禁止された点などを踏まえ、「配転命令が業務上の必要性とは異なる、不当な動機・目的をもってなされたことが強く疑われる」と指摘した。 永井教諭は判決後、「この人事はおかしいと思い戦ってきた。復帰するまでがゴール」と話した。明治学園は「判決文が入手できていないのでコメントできない」としている。(興津洋樹) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル