和歌山市の選挙演説会場で岸田文雄首相らに爆発物が投げられた事件で、木村隆二容疑者(24)が殺人未遂などの罪で起訴された。選挙制度に不満があったとみられるが、黙秘を続け、動機の核心部分は謎のままだ。 マンガ本、洋服、パソコン……。和歌山県警の捜査員が家宅捜索した部屋は床や机に乱雑に物が置かれ、銅線や金属製のパイプ、薬品名が書かれた粉末入りの袋も散らばっていたという。 兵庫県川西市の閑静な住宅街にある2階建て住宅のこの自室で、木村容疑者は「パイプ爆弾」や火薬を自作したとされる。捜査関係者によると、材料はインターネットや店舗で購入。パソコンやスマートフォンの解析からは、爆発物だけでなく、銃の造り方を調べたような形跡も見つかったという。 ■母は爆弾製造を疑っていた… この記事は有料記事です。残り1131文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
仏自動車部品メーカーから1.1億円横領容疑 日本支店元代表を逮捕
勤務先だった仏自動車部品メーカーの銀行口座から1億円超を横領したとして、警視庁は同社日本支店元代表の男(57)=埼玉県ふじみ野市=を業務上横領の疑いで逮捕し、6日に発表した。「会社の経費や自分の退職金だった」と容疑を否認しているという。 渋谷署によると、メーカーはフランスに本社を置く「LIDテクノロジーズ」で、東京都渋谷区に支店がある。男は支店代表を務めていた2021年1~12月ごろ、100回以上にわたって会社の口座から現金計約1億1千万円を引き出し、自身の口座に入金した疑いがある。経理などを担当していたという。 調べにこれらの金の使い道について、「ほとんど競馬と競艇に使った」と説明。男と連絡をとれなくなったとして本社が21年12月、代表を解任した。同社は22年10月、渋谷署へ刑事告訴した。(御船紗子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
4歳児の腹を圧迫し死なせた疑い 母親の交際相手を逮捕 奈良・橿原
2023年9月6日 13時09分 交際相手の子どもに暴行を加えて死なせたとして、奈良県警は6日、大阪府門真市下馬伏町の建設作業員山下翔也容疑者(27)を傷害致死の疑いで逮捕し、発表した。調べに対し「全く身に覚えはありません」と話しているという。 捜査1課によると、山下容疑者は6月18日午前2時7分~6時半ごろ、奈良県橿原市曽我町の田川星華さん(当時4)に腹を圧迫する暴行を加え、19日に死亡させた疑いがある。死因は十二指腸に穴が開き、腹膜炎が生じたというものだった。 山下容疑者は田川さんの母親の交際相手。SNSで知り合ったという。 搬送先の病院から橿原署に「虐待が疑われる女児の検視をお願いする」と連絡があり、発覚したという。 山下容疑者と田川さん、母親の3人は18日、3人で大和郡山市内のコンビニにいるところが防犯カメラに映っており、その後の犯行の可能性があるという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
10年で不適切支出26億円 建設会社「ヤマウラ」子会社で 長野県
長野県駒ケ根市の建設会社「ヤマウラ」の子会社で不適切な支出が繰り返されていた問題で、問題を調査したヤマウラの第三者委員会が最終報告書をまとめ、不適切支出は約10年間で約26億3885万円に上ることを明らかにした。子会社の経理責任者だったヤマウラ社員1人が関与し、自身の長男側に多額の送金をしていたとした。同社はこの社員を8月25日付で懲戒解雇処分とした。 1日に公表された調査報告書によると、分譲マンション販売の子会社「ヤマウラ企画開発」(東京)での不適切支出は2013年に始まり、今年4月まで続いた。同社の通帳や印鑑を、ヤマウラで経理課長職を務めていたこの社員が管理していたという。 社員は20年12月までは主に預金口座から現金で下ろし、19年10月から次第に、長男の個人口座や長男が代表を務める会社などの口座に、1千万円を超えるまとまった額を振り込むようになったという。不適切支出は20年4月~23年3月の3年間だけで全体の大半の25億円を占めることがすでに明らかになっている。 社員は調査に対し、「小口の支出は上司から依頼があって渡した裏金。長男絡みの支出は長男への貸し付け」と説明しているという。第三者委は調査報告書で「刑事上は業務上横領罪に該当する」と指摘。ヤマウラは6月、業務上横領容疑で駒ケ根署に被害届を提出している。 調査報告書がまとまったことを受け、ヤマウラは「皆様に多大なご心配とご迷惑をお掛けしたことを深くおわび申し上げる」とするコメントを出した。(佐藤仁彦) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夢は民間初の月面探査 ものづくりの街で挑むリアル「下町ロケット」
テレビドラマ「下町ロケット」さながらの取り組みに、東京都大田区の地元企業が挑んでいる。月などの有人探査を目指す米国主導の「アルテミス計画」の一端で、区内の宇宙ベンチャーが超小型の月面探査車を開発。その部品となるネジを老舗の町工場が作った。子どもたちが体験で手がけたネジも含まれるといい、ものづくりが盛んな街から、はるか月面を目指す。 8月24日、大田区の特殊精密部品メーカー「桂川精螺(せいら)製作所」。区内在住・在学の小学4~6年生24人がネジ作りを体験していた。大田区は高度な専門技術を持つ町工場が集まる地域。地元の技術を知ってもらおうと、区などが催した。 体験後、同区内の宇宙ベンチャー「ダイモン」の社長、中島紳一郎さん(57)が子どもたちに告げた。「今日は皆に『月面宇宙ネジ』を作ってもらいました。今年中に月面に行こうとしています」 超小型の月探査車、「今年中に」目指す 同社が開発した月面探査車「YAOKI(ヤオキ)」に、この日作ったネジの一部を使うという。宇宙の環境に耐えられるかなどをテストし、最終的には製作所側が細部を調整した上で使ってもらう。参加した小学5年の神谷知果さん(10)は「本当に宇宙に行ったらうれしい。楽しみです」と笑顔を見せた。 ヤオキは全長全幅ともに15… この記事は有料記事です。残り1005文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
免許更新手続きなど10月からキャッシュレス決済 埼玉、証紙廃止で
西田有里2023年9月6日 8時18分 埼玉県は10月2日から運転免許証の更新やパスポートの交付など、約550の手続きにかかる手数料について県の収入証紙での支払いに代わるキャッシュレス決済を始める。大野元裕知事が5日の定例会見で発表した。 県が進めるDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環。証紙は12月末に販売が終わり、来年4月から使えなくなる。購入済みの証紙は2028年12月末まで還付を受け付ける。 対象は、県の手続きのうち証紙で手数料を徴収していたもので、5日現在で544ある。申請窓口で、クレジットカードやデビットカードのほか、交通系ICカードなどの電子マネー、ペイペイなどのQRコード決済が利用できる。 来庁せずにオンラインで手続きし、クレジットカードか電子決済サービス「ペイジー」で支払う電子申請の導入も進める。これについては既に一部で始まっており、運転免許証の更新など対面での手続きが必要なものを除き、来年度末までに544の手続きのうち約8割で導入の予定。(西田有里) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
母親刺した疑い、14歳女子中学生を逮捕 母親は死亡 愛知・大治町
2023年9月6日 8時51分 同居する母親(40)の腹を包丁で刺したとして、愛知県警は6日、同県大治町の女子中学生(14)を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕し、発表した。その後、母親は死亡が確認された。県警は、容疑を殺人に切り替えて調べる方針。 津島署によると、少女は6日午前1時10分ごろ、大治町内の集合住宅の一室で母親の下腹部を文化包丁で刺した疑いがある。その約5分後に母親とみられる女性の声で「腹を刺された」と119番通報があった。母親は病院へ搬送されたが、約4時間後に死亡が確認された。死因は外傷性出血性ショックだという。 母を刺したかどうか署に問われると、少女は無言でうなずいたという。署は動機を含めて事情を聴いている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
カンムリワシ生息地に巨大リゾート 石垣島、環境団体「時代に逆行」
沖縄・石垣島で、大規模なゴルフ場付きリゾート計画が進んでいる。予定地は、国特別天然記念物のカンムリワシが生息する生物多様性が極めて高いエリア。環境影響評価(アセスメント)の手続きは終わっているが、沖縄県が求めた調査や保全策に事業者が一部応じておらず、全国規模の環境保護団体が生物調査のやり直しや計画の見直しを求めている。 ゴルフ場、ホテル4棟、地下水700トンくみ上げも 計画では、森林や牧草地などが広がる島の南西部・前勢(まえせ)岳ふもとで、東京ドーム約27個分(約127ヘクタール)の区域に18ホールのゴルフ場と5~10階建てのホテル4棟、5階建てレジデンス2棟、戸建てビラ58棟の計519室を建設する。リゾート開発会社ユニマットプレシャス(東京)が2015年10月に発表し、17年1月から県条例に基づいて環境アセスの手続きを始めた。 予定地はカンムリワシの繁殖地である可能性が指摘されている。国内では石垣島と西表島だけで繁殖する絶滅危惧種で、種の保存法で捕獲や損傷が原則禁止される国内希少野生動植物種にも指定。石垣島での推定生息数は12年の環境省調査で約110羽。アセスの調査では営巣は未確認だが、予定地では13羽の生息が確認されている。 石垣島で計画されている大規模なゴルフリゾート。環境影響調査は終わり、行政の許認可が下りれば工事が始まる状況です。環境保護団体は懸念を示していますが、開発業者や自治体はどう受け止めているのでしょうか。取材しました。 専門家によると、島内では営… この記事は有料記事です。残り1302文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
モナ・リザにスプレーした米津知子さん 引き裂かれる女性と障害者
名画「モナ・リザ」に向けて赤色のスプレーを噴射する――。今から49年前、米津知子さん(74)はそんな行為をしてメディアからの非難を浴びた。噴射は、障害者を排除しようとする社会への抗議の行動だった。女性差別と障害者差別。二つの差別の間で引き裂かれた半生から見えたものは。 49年前の「抗議」行動 排除への怒りだった ――1974年、東京国立博物館で開かれた展覧会で「モナ・リザ」の保護ガラスに向けて赤いスプレーを噴射したとき、25歳でしたね。逮捕され、軽犯罪法違反として、科料3千円の判決が確定しています。 「モナ・リザの件を語るのは私にとって今でもとてもハードルが高いことで、緊張します」 ――「モナ・リザ展」主催者である文化庁は、会場が混雑するからとして車いすの障害者やベビーカーの入場を事実上、禁じようとしました。スプレーはそれへの抗議だったのですね? 「そうです。障害者だけでなく子連れの母親なども排除した。いくらなんでもひどすぎないかと怒りを感じました」 ――米津さんにも幼いころから障害があったと聞きます。 「2歳のときポリオにかかって右脚にマヒが残り、足を引きずらなければ歩けなくなりました。当初は『ひとと違う』という意識はなかったのですが、外に出ることでその意識が強まっていきました。じろじろと私を見る視線に出会ったのです。かわいそうな人を見ちゃったというまなざしであり、私が見返すとスーッとそれていく目でもありました。私の顔をきちんと見てはくれないのです」 「小学校の体力テストでは担任から『教室に残っていなさい。あなたがいるとクラスの平均値が下がっちゃうから』と言われました。さみしい気持ちでした。自分は他の子とは違う扱いを受けるのだということがはっきり分かってしまった」 「自分は親に負担をかける子どもだ」 ――中でも一番イヤだと感じていたことは何でしたか。 「横にいる親が同じ視線を受… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
無住の被災地、1人で農業続ける男性 「ビジネス」と語る理由
最大震度7を観測し、44人が死亡した北海道胆振(いぶり)東部地震から6日で5年を迎えた。山から崩れ落ちた土砂が集落を押し流し、13世帯34人のうち19人が亡くなった厚真(あつま)町吉野地区。だれも住まなくなった地区に通い、1人で農業を続ける男性がいる。 8月下旬、地震から5回目の秋を迎えた吉野地区では、黄金色の稲穂がこうべを垂れていた。 「神社の鳥居は(40~50メートル先の)あの田んぼのあたりまで流されました」。早坂信一さん(58)は自らの田の前で、道内から視察に訪れた農家や行政職員ら約30人に語りかけた。 2018年9月6日午前3時7分。父・清さん(当時81)と母・艶子さん(同80)は就寝中に家ごと土砂に流され、押しつぶされた家の中から変わり果てた姿で見つかった。早坂さんは、地震の前からコメ作りのリーダー的存在だった清さんの後を継いだ。 地震で土砂の流入を免れた田では、稲刈りが9月下旬に迫っていた。農業を続ける気持ちが折れかけたが、被災で失った農機の調達などに奔走するうちに不安は消えていった。「ずっと農業をやってきた。今さら何の仕事ができるんだって思い直した」 早坂さんは翌年の町主催の追悼式で遺族を代表してこうあいさつした。「亡くなった人たちは、残された家族がいつまでも泣いているのは見たくない。なので、できるだけ無理にでも笑おうとしている。同じような災害で、同じように悲しい思いをする人がいないよう、一日も早い復旧と普通の生活に戻ることを願う」 北海道による土砂の撤去や整地といった農地の復旧は、地震から2年で完了した。しかし、同地区の農家は亡くなったり移住したりして、早坂さんだけになった。 早坂さんは担い手がいなくなった農地を借り受けた。高齢化や後継ぎ不足で耕作できなくなった農地も借り、経営する農地を30ヘクタールにまで広げた。 1人になっても吉野地区で農業を続ける理由について、早坂さんは「ビジネスになるから。30ヘクタールあれば十分食べていける」と語り、農法も工夫する。同じ作物を作り続けることで生育不良になり収量が減る「連作障害」を防ぐため、コメだけでなく、大豆や小麦を順繰りに植え付けている。 両親や先人たちへの思いを強調することはない。「コメで生計を立ててきた地域。遺族や旧住民の土地や田んぼへの思い入れや、コメを育ててほしいと願う気持ちはわかっている」と語り、農家として前を向く。 町内でコメ農家を続ける男性は、早坂さんが孤軍奮闘する姿に「農業生産王国の北海道に生まれ、日本の食糧事情を安定させるという農業者としてのプライドがそうさせるのではないか」と推測する。 復旧のかじ取りをしてきた宮坂尚市朗町長も「独自の考えや方法で、ファンがつくような農産物を作るという気持ちが強いと感じている」と早坂さんを評価する。 早坂さんはあぜ道の草を刈りながら、ようやく草木が生え始めた山肌を見渡し、収穫後の小麦畑に目をやった。「本当の再生までどれくらいかかるだろうか。麦の収穫量はあと1、2割上がればいいんだけどな」(松本英仁) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル