「なあ雁部(がんべ)、俺たちっていつまで『被災者』でいさせられるんだ?」 今年の正月、東北大大学院生の雁部那由多(なゆた)さん(24)は、小学校時代の同級生5人で、久しぶりに集まった。お酒が入った流れで、そんな話になる。 東日本大震災では、みな住まいが壊れたり、家族を亡くしたりした。12年がたち、地元・宮城県東松島市で就職した友だちもいれば、東京に出たやつもいる。 「必死でがんばってきて、もう忘れて前を向こうとしているのにな」 言葉は、震災のことを人前で語り続けている雁部さんに、向けられていた。 「まあ、お前のやり方でがんばれ。でも俺たちまで巻き込むなよ」 あとはそれぞれの近況報告が続き、夜遅くお開きになった。 雁部さんが語ってきたことを、まず聞こう。 2011年3月、大曲小で5年生の3学期だった。 強い地震の後、靴を履き替えようと、校舎1階の昇降口に下りた。避難してきた大人の男性5人が、校庭をこちらに向かってきている。雁部さんはドアを開け、彼らを待っていた。 突然、鉄砲水のような勢いで、津波がどっと入ってくる。 封印した記憶、語り消化できた 目の前で5人がのみこまれた… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
隠し階段に隠し扉、バカラ賭博店を摘発 経営者や客ら計31人を逮捕
バカラ賭博店を開いたとして、大阪府警は1日、自称経営者の男(41)=大阪市浪速区=と20~36歳の従業員の男女18人を賭博開帳図利の疑いで逮捕したと発表した。客の男女12人も単純賭博の疑いで逮捕した。経営者の男は容疑を認め、従業員の多くは「賭博には関係していない」などと容疑を否認しているという。 発表では、男は1月下旬から8月上旬まで、大阪市中央区日本橋1丁目のビル内で客にバカラ賭博をさせ、利益を得た疑いがある。 保安課によると、店は24時間営業で、客たちからは「麒麟(きりん)」や「リアン」などの名前で呼ばれていた。客の賭け金の5%などを手数料として徴収。看板は掲げておらず、店内には隠し階段や隠し部屋があり、賭博に使う道具などが隠されていたという。(三浦淳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
四谷大塚盗撮、別の元講師も逮捕 法人を個人情報保護法違反で立件へ
教え子の女子児童への強制わいせつ容疑などで逮捕された大手中学受験塾「四谷大塚」の元講師の森崇翔(そうしょう)容疑者(24)=東京都日野市=が、同僚の男と共謀して別の児童を盗撮したとして、警視庁は2人を性的姿態撮影等処罰法違反の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。 逮捕は9月30日。森容疑者は塾の女子児童の個人情報を、SNSのグループチャットに投稿して参加者が見られる状態にしており、警視庁は個人情報保護法違反にあたると判断。情報の管理が不十分だったとして、森容疑者に加え、法人としての四谷大塚を同法違反容疑で近く書類送検する。 捜査関係者によると、森容疑者は講師だった8月上旬、同じく講師だった男(26)=東京都あきる野市=と共謀し、四谷大塚の都内の教室で、教え子の女子児童(当時7)の下着が見える状態の写真を隠し撮りした疑いがある。男は児童と1対1で授業中、休憩を装って森容疑者と交代していた。任意聴取に森容疑者は容疑を認め、男は否認していたという。 元講師「妄想しやすくするために個人情報載せた」 児童の教室で主に講師を務め… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
全国3万社の総本宮 「千本灯籠」はじまる 京都・伏見稲荷大社
全国に3万社あるとされる稲荷神社の総本宮・伏見稲荷大社(京都市伏見区)で、境内の千本鳥居を灯籠(とうろう)で照らし出す「千本灯籠」が始まった。10月9日まで。 千本鳥居を含む約400メートルの参道に、350基ほどの灯籠が置かれている。灯籠のあかりはオレンジや、黄色、赤色などで、赤い鳥居が足元からほのかに照らし出されていた。幻想的な雰囲気を、多くの外国人観光客らも楽しんだ。 灯籠の点灯は、午後6時から8時半まで。(新井義顕) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「JRの公共性が問われる」ローカル線の存廃議論、広島県知事の視点
赤字ローカル線の将来像を、国や沿線自治体、鉄道事業者らが話し合う「再構築協議会」の仕組みが10月から動き出します。最初に一部区間の存廃の議論が本格化すると見られるのが広島・岡山を走る芸備線。議論にどう向き合っていくのか。湯崎英彦・広島県知事に聞きました。 シリーズ 線路は続くか ローカル鉄道の問題を現場から考えます。国交相やJR西の関係者らへのインタビューもお伝えしていきます。 ――再構築協議会に、どう臨みますか。 協議会への参加を決める前に、JRがどういう趣旨で設置を要請するのか、国は何を議論していくのかを把握して、沿線自治体と検討することになる。 特定区間の議論に入る前提として、ネットワークのあり方をどう考えるか、基本的な哲学を押さえるべきだ。芸備線は山陽線や福塩線につながり、木次線などを経由して山陰につながるネットワークの一部。個別の区間が大量輸送に合致していないという理由で打ち切っていいのか。その議論がほとんどされていない。 ――国が協議に関与する新制度の意義とは。 鉄道事業者が届け出れば廃止ができる仕組みのなかに協議会の議論を挟む制度ができた。国の参加や財政的関与も規定され、評価している。国には、百数十年にわたって構築してきた日本の鉄道ネットワークをどう考えるのか哲学を示してほしい。ローカル線の沿線住民だけの問題ではない。 「本当に持続可能ではないのか、JRに問う」 ――この間、JR西に収支開示を求めてきました。 JR西は元々、コロナ禍で収… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
知人男性の遺体を切断し埋めた疑い、31歳の男を逮捕 広島県警
知人男性の遺体を刃物で切断し、一部を地中に埋めるなどしたとして、広島県警は1日、広島市佐伯区皆賀3丁目、パート従業員渡部大地容疑者(31)を死体損壊と死体遺棄の疑いで逮捕し、発表した。渡部容疑者は「間違いありません」と容疑を認めているという。 捜査1課によると、渡部容疑者は2021年10月29~30日、広島市佐伯区千同3丁目の親族宅で、警備員の植木秀俊さん(当時70)=同区藤の木1丁目=の遺体を刃物などを使って切断し、一部をこの住宅敷地内に埋めたり、近くの沿岸に投棄したりした疑いがある。渡部容疑者と植木さんは、この親族宅に出入りしていたという。県警は、植木さんは殺害された可能性もあるとみて、殺人容疑でも調べる。 今年4月、佐伯区の海岸で「人骨のようなものが打ち上げられている」と通行人から通報があり、県警が捜査していた。植木さんは職場に出勤せず、連絡が取れなくなっていたことから行方不明の届けが出ていた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ようこそ北陸新幹線 新区間6駅で市民が歓迎 W7系、一般に初公開
ようこそ、新幹線――来年3月16日の金沢―敦賀間の開業を控え、同区間の各駅で1日、歓迎セレモニーがあった。9月末から同区間で試験走行を始めたJR西日本の営業用車両「W7系」が一般向けに公開されるのはこの日が初めてで、抽選で選ばれた参加者は喜びを見せていた。 新しく停車する石川県の2駅(小松、加賀温泉)と福井県の4駅(芦原温泉、福井、越前たけふ、敦賀)であった。 小松駅と加賀温泉駅では、約4倍の倍率から選ばれた各500人が参加。まっさらの駅構内をうれしそうに歩いた。2駅の間の移動中には、田畑に車を止めて撮影する住民の姿も至る所で見られた。 小松駅では午前10時33分、ヘッドライトをつけたW7系が入ると、カメラを構える人垣ができた。セレモニーでは馳浩知事が祝福の言葉を述べ、「これまで苦労された方々がいることを忘れず、南加賀の振興に一生懸命取り組んでいきたい」などとあいさつ。出迎えた小松市立芦城小6年の明正いこいさんは「観光客にいっぱい来てもらって、加賀の良さを知ってほしい」と述べた。 駅の位置決定や予算取りなど… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
伊藤詩織さんが見たジャニーズ問題 「被害者に負わせない社会に」
ジャニーズ事務所の創業者・故ジャニー喜多川氏による元少年たちへの性加害問題が浮き彫りにしたのは、被害者が声を上げることの困難さでもあった。 自身も性被害を受けたジャーナリストの伊藤詩織さんは、誹謗(ひぼう)や脅迫にさらされながら、性暴力の問題を追及してきた。被害者の声を封じないためにはどうすればいいのか。被害者の救済とは。伊藤さんに話を聞いた。 ――今回のジャニーズ事務所における性加害問題や事務所の対応について、どう見られましたか。 「芸能界だけでなく、教育機関、会社でも、ハラスメントや暴力は、組織におけるパワーのバランスの崩れから起きると思います。では、ゆがんだ権力構造に、どうやってメスを入れていくか。その意味では、ジャニーズ事務所の新社長に東山紀之さんが就任されましたが、かつてハラスメントをした疑いについて質問され、『自分は覚えていない』というような人物を組織のトップに置くことは、真摯(しんし)な対応とは思えませんでした」 ――今回の性加害問題では、多くの被害者が長く声を上げられず、声を上げた後も報じたメディアは多くありませんでした。これは、伊藤さん自身も経験されたことです。 「私が自分の性被害について記者会見をした2017年と、23年の今では、性暴力に対する目線やメディアの対応は変わったところもあると思います。私が最初に会見をしたときは、なぜ被害を受けた人間が顔と名前を出して話をするのかと、好奇の目を向ける記者もいました。私の服装について書いた新聞もあったのです」 「会見をしたのは、『#MeToo』運動が世界的なうねりになる直前のことでした。知り合いの記者に話を聞くと、編集局の男性デスクの理解が得られず記事を出せなかった、と。性暴力は重大な犯罪であり、人の心や体を傷つけるものであるにもかかわらず、軽く見られていたのではないかと考えています」 「ジャニー氏による性加害問題についても、これまで様々なチャンスがあったにもかかわらず沈黙を保ち、英BBCが今年3月に問題を報じた後も、すぐ後追いをしようとしなかった。日本の大手メディアの大きな組織的問題だと思います」 ――構造的な問題がある、と。 「背景にあるのは、記者クラ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
やまぬ高速道路への誤進入、年間3千件超 ナビアプリ誤設定などで
各地の高速道路で原付きバイクや自転車、歩行者による誤進入が後を絶たない。9月には首都高で、誤進入した自転車の男性が死亡する事故も起きた。近年は原因として、スマートフォンのナビアプリの設定を誤ったケースが目立つ。都市部の高速道路で起きやすいとの指摘もある。 神奈川県警高速隊によると、死亡事故は9月25日午前3時15分ごろ、横浜市西区の首都高横羽線下りで起きた。走行中の乗用車が、右側からの合流車線から出てきた自転車と衝突。自転車の男性が骨盤を骨折するなどし、死亡した。乗用車を運転していた会社役員の男性(34)も頭を切るけがをした。「自転車が目の前に急に現れて止まりきれなかった」と話しているという。 県警は、事故現場から約2・4キロの三ツ沢入り口から自転車が進入した可能性が高いとみている。 工事作業員が止めたその直後 事故現場の手前で、道路工事… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
落雷で5人けが 北海道北見市の公園、高校の伝統行事中に
1日午後3時45分ごろ、北海道北見市常盤町6丁目の公園で、「立ち木に雷が落ちてけが人がいる」と近くにいた人から119番通報があった。消防によると、公園にいた40代から50代の5人が病院に運ばれたが、いずれも軽傷だという。 1日は北見北斗高の伝統行事である「強行遠足」が行われており、落雷に遭った公園はゴール地点だった。けが人に高校生は含まれていない模様だ。同高によると、強行遠足には全日制、定時制合わせて全校生徒約730人の多くが参加。最も長い距離を歩く全日制の男子生徒は、北見市内や訓子府町などの約71キロを走破する予定で、午前4時に北見市内の同高を出発していた。 強行遠足は1932年から続く今年で91回目を数える伝統行事で、落雷を受けて同高は強行遠足を中止した。(堀篭俊材) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル