東京都内の公立小中学校で不登校の児童・生徒数が2022年度、都道府県別の公表を始めた08年度以降で過去最多となった。都教育委員会が4日、発表した。 データは文部科学省が全国の学校を対象に毎年行う「児童生徒の問題行動・不登校調査」によるもので、同年度の不登校の児童・生徒数は全国でも過去最多だった。都教委は、都内の公立学校分をとりまとめて公表。不登校の児童・生徒は計2万6912人で、21年度より約2割増えた。また、いじめの認知件数も増え、コロナ禍前を上回った。 不登校は、小学校で1万695人(21年度比2756人増)、中学校で1万6217人(同2620人増)。新型コロナが本格的に流行する前の19年度と比べると、小学校で約2・1倍、中学校で約1・5倍に増えた。学校内外の専門的な窓口に相談したかを尋ねると、小学校で24%、中学で29・6%の子どもが、いずれの機関でも「相談・指導を受けていない」とされた。 この調査では、年度内に30日以上登校しなかった児童・生徒を「長期欠席者」と定義。このうち心理的、身体的な要因などで登校しない場合などを「不登校」に分類している。 いじめの認知件数はコロナ前の水準に 一方、不登校を含む長期欠席… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「報告書に不明点」 ふるさと納税で違反の洲本市、百条委を設置へ
ふるさと納税の返礼品でルール違反があったとして兵庫県洲本市が制度から除外された問題で、市議会の議会運営委員会は4日、地方自治法100条に基づく調査特別委員会(百条委員会)を設置する方針を決めた。19日の本会議で正式に決める予定。 同法によると、百条委は調査対象の関係者に出頭や証言を求められる。関係者は正当な理由なく拒んだり、虚偽の発言をしたりした場合は罰金や禁錮を科せられることがある。 市は昨年9月に第三者による調査委員会を設置。今年9月には市長らのコンプライアンス意識の低さや、担当の元課長への過度な権限の集中などが原因だったとする報告書をまとめた。 一方、議運の木戸隆一郎委員長によると、報告書が指摘した元課長の問題で不明瞭な点があり、各会派から調査すべきだとの声が上がり、百条委の設置が決まった。今後、調査の詳細を決めていく。 同問題では総務省が昨年5月、温泉利用券の調達費が寄付額の3割以下に収める国のルールを超えていたとして洲本市を制度から除外。その責任を取って今年3月、上崎勝規市長は給料を6カ月半減し、元課長は停職6カ月の懲戒処分になっている。(天野剛志) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高額海外視察めぐり「観光旅行」 発言取り消しを香川県議会が命じる
香川県議の訪問団が11月、北南米を巡る海外視察計画について、立憲系会派の議員が9月定例県議会の代表質問で「北米観光旅行」と発言したのは「県民に誤解を与える不穏当な発言」として、最大会派・自民党県政会の議員は4日、発言の取り消しを求める動議を本会議で出した。動議は賛成多数で可決され、新田耕造議長(自民党県政会)が発言の取り消しを命じた。 発言していたのは、立憲・市民派ネットの植田真紀県議。9月19日の代表質問では、県議団とともに訪問する池田豊人知事に対し、南米では県人会の周年行事がある一方、北米では式典がないことをふまえ、「今からでも北米観光旅行は取りやめて、南米の交流に専念すべきではないか」と質問していた。 これに対し、県議の訪問団6人のうち4人が所属する自民党県政会から、谷久浩一県議が発言の取り消しを求める動議を出した。高松市の栗林公園と姉妹庭園提携を結んでいる米ロサンゼルスのハンティントン財団庭園から招待を受けているとし、「招待に応じることは国際的儀礼にかなうもので、南米式典の時期にあわせて訪問するのは経費の削減に資する。(植田氏の発言は)事実誤認で当を得ない」と主張した。 植田県議は議場で「行く必要があるのかとの県民の声を背負い、信念を持って発言した」「絶対に取り消すことはできない」などと述べ、自らの取り消しを拒否。その後に採決された。 立憲・市民派ネットの会長で、海外視察に参加する森裕行県議は、動議の採決で起立して賛成しようとしたが座り直した。 取材に対し、「観光旅行ではないとの認識で、会派として本人に取り消しを求めたが応じられなかった。動議には賛成するつもりだったが、具体にどの部分を削除するかの言及が議長になかったため、やめた」と話した。 発言の取り消しを求められた植田県議は、高松市議から今春の県議選で初当選した。市民オンブズ香川の元代表で、県議の政務活動費や海外視察に関する住民訴訟を起こすなど、「市民派」の政治家として活動。現在もオンブズに所属し、高額な旅費の見積もりに批判が集まっていた海外視察についても、費用対効果の観点などから厳しく追及していた。 記事後半では、動議が出された経緯や県議会での議論の様子について詳報します。 動議の対象となった「北米観光旅行」発言も、県議の海外視察を巡る訴訟で、合理性の認められない日程について「単なる観光で違法」と指摘し、旅費返還を知事に命じた2021年の高松地裁判決を踏まえた発言だった。 一方、動議の提案者がいる自… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
皇室献上詐欺、茨城でもトマト詐取か 自称「宮内庁関係者」を再逮捕
「宮内庁関係者」を名乗る男が、皇室に献上すると持ちかけて福島市内の農家から桃をだまし取ったとされる事件で、茨城県警は4日、同県内でも同様の手口で農産物を詐取したとして、東京都練馬区大泉学園町2丁目の農業園芸コンサルタント加藤正夫容疑者(75)=詐欺罪などで起訴=を詐欺の疑いで再逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。 逮捕容疑は今年3月、結城市の50代の農業男性に対し、皇室への献上品選定や納品の権限があるように装い、「検査したい」「成分検査をやっておいた方が良い」などとうその話を持ちかけて、トマトなどの農産物(計約1万2千円相当)をだまし取ったというもの。 加藤容疑者は7~9月、福島市内の農家に対する詐欺容疑などでも逮捕・起訴されていた。(宮廻潤子、原田悠自) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
2年ぶりの公判、愛知知事リコール署名偽造事件 13日に名古屋地裁
2019年の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展に端を発した大村秀章・愛知県知事へのリコール署名偽造事件で、地方自治法違反(署名偽造)罪に問われたリコール運動団体事務局長の田中孝博被告(62)の第2回公判が13日に名古屋地裁で開かれることが決まった。21年9月の初公判以来、約2年ぶりに審理が行われる。 初公判後、証拠や争点を整理する期日間整理手続きが進められていた。公判は来年1月に結審する見通し。この事件に関係するほかの被告の刑事裁判は全て終結しており、真相解明の最後の場となる。 田中被告は21年6月に起訴され、同年9月の初公判で起訴内容の認否を留保。弁護側は検察側が取り調べを求めた証拠の採否について意見を述べなかった。一方、検察側は冒頭陳述で、被告はリコール運動全般を取り仕切る立場で、署名が思うように集まらないことから署名の偽造を企てたと指摘していた。 被告は、次男(31)と広告関連会社元社長(40)=いずれも地方自治法違反罪で有罪確定=と共謀し、20年10月下旬、佐賀市でアルバイト3人に愛知県内の有権者計71人の氏名を署名簿に書き写させ、偽造したとして起訴された。 問題となったのは「あいちトリエンナーレ」の企画展の内容を問題視した運動団体が、実行委員会の会長だった大村知事の責任を問うために集めた署名。県選挙管理委員会の調査で一部に偽造された疑いが浮上して事件化した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジャニーズ事務所会見前「NG」リスト 特定の記者避ける意図は否定
故ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐってジャニーズ事務所が2日に開いた記者会見の前に、取材する側の「NG」リストが作られていたことが、事務所への取材でわかった。事務所は、会見2日前のPR会社との会議でリストを示されたと説明している。特定の記者からの質問を避けるためのリストだった可能性がある。会見では挙手しているのに指名されないことに一部の記者らが反発し、一時騒然となる場面もあった。 事務所によると、この会議で、ジャニーズJr.を養成するジャニーズアイランドの井ノ原快彦社長がNGについて「これどういう意味ですか? 絶対当てないとダメですよ」と指摘したところ、PR会社側が「前半ではなく後半で当てるようにします」と答えたと説明している。事務所は取材に「弊社は誰か特定の人を当てないで欲しいなどという失礼なお願いはしておりません」と回答している。 会見は2日午後2時から東京都内のホテルで約2時間と指定して開かれた。東山紀之社長と井ノ原氏、弁護士2人の事務所側計4人に対し、記者やフリージャーナリストら約300人が参加した。 会見では、東山氏らが約30分間、社名変更などについて説明した後、質疑応答に移った。司会者が「一社一問」と説明し、挙手した記者らを指名する形で進められた。 会見では、繰り返し質問をする記者の発言を司会者がさえぎったり、指名されていない記者が質問したりするなど混乱する場面もあった。司会者が「一社一問でお願いしている。お願いします」と訴えたほか、井ノ原氏が「会見の場は全国に生放送で伝わっている。被害者に、自分たちのことでこんなにもめているのかという姿を僕は見せたくない。ルールを守っていく大人たちの姿をこの会見では見せていきたいと思っている。どうか落ち着いて」などと呼びかけたりした。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ため息が出るほどの男社会」神奈川県警に公安委員が異例の「苦言」
村上潤治2023年10月4日 20時42分 「必要以上の秘密主義。落胆のため息が出るほどの男社会」。神奈川県警の定例署長会議が4日、県警本部(横浜市中区)で開かれ、冒頭で県公安委員の岡田優子氏(元横浜市教育長)が組織のあり方に苦言を呈し、「いま変わらなければ組織の発展はない」と話した。公安委員会委員の訓示でこうした指摘は異例という。 岡田氏は「公安委員になり神奈川県警はぜひ女性の活躍できる場であってほしいと願いながら、組織のありようを見てきた」とあいさつ。現在、神奈川県警の女性警察官は約11%、警察官10人の1人以上が女性であり、警部以上に占める女性警察官の割合は1・6%と指摘し、「女性のロールモデルが非常に少ない。なぜ神奈川では女性幹部が育たなかったのか、育てなかったのか、ぜひ考えていただきたい」と呼びかけた。 交番などの施設整備も遅れているといい、「トイレや更衣室、『いまどき』と驚く。職場の環境整備を急いでほしいが、なぜか、どの部署も反応が悪い」と指摘。「自分たちの仲間のことなのに。もっと真剣に考えて」と訴えた。 「県民の半分が女性、被害者の多くが女性。県民の安全を守るための対応方針を決める立場に女性がいないのは実におかしい」「長い時間をかけて培われてきた組織ルールは何もしなければ変わらず、変わらなければ信頼は育たない」と述べた。 会議は直江利克・本部長や本部の各部長、54署長ら幹部職員137人が参加した。女性は運転免許本部長、栄署長、装備課長ら3人だった。(村上潤治) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
3頭のヒグマが現れたのは「住宅街のど真ん中」札幌市、学校近くにも
札幌市西区の市街地で、親子とみられる3頭のヒグマの出没が相次いでいる。住宅街や学校に近い場所で目撃され、市や警察などは注意を呼びかけている。 道警によると、トラックを運転していた50代男性が3日深夜、同区福井6丁目の道道で、3頭のヒグマが連なって道路を横断する様子を目撃したという。4日夕にも、近くの公園脇の道路から山へ入るヒグマ1頭を目撃したと男子高校生から通報があった。道警は今後、周辺の小中学校での登下校時の見回りをする。 市によると、同じ個体とみられるヒグマの出没は9月25日以降、6回確認された。出没した付近では、クルミの食べ痕やふんもあったという。 3日の出没場所について、市の担当者は「住宅街のど真ん中に出ている」と危機感を示す。これまで夜間の出没が多いことも踏まえ、夜間の外出の警戒を促すとともに、「夜のうちからごみを出さないなど、ヒグマに人のごみをエサだと認識させないように注意していただきたい」と呼びかける。(古畑航希) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「期限と言われると追い詰められる」玉城知事 民意と最高裁の板挟み
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、玉城デニー知事は4日、設計変更を承認するよう求めた国の「指示」の期限までに承認を行うことは困難だと回答した。移設に反対する民意と、承認を迫る最高裁判決との板挟みになり、判断は揺れた。今後の焦点は、国が県に代わって承認する「代執行」をめぐる訴訟に移る。 玉城氏は4日朝の登庁時から再三にわたる記者団の問いかけに、無言だった。午後5時過ぎ、数十人の記者団の前に険しい表情で現れると、「今日の段階では承認する、しないという判断には至っていない」と語った。 9月4日の最高裁判決から1カ月。最終判断を保留した理由として、「知事として承服できないような、様々な事柄がある。他方で、行政の長としては最高裁の判決を受け止める必要がある」と説明した。国が5日にも起こす代執行訴訟への対応については「国がすることなので、回答は控えたい」と述べた。 玉城氏は今月上旬、国土交通相による承認の「指示」期限を目前に控えるなか、承認するか否かで揺れる心中を周囲にこう漏らした。「期限、期限と言われると余計に追い詰められるんだよ」 複数の関係者によると、県の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
刑事裁判の音声を生配信、大学生を偽計業務妨害容疑で書類送検 岡山
岡山地裁の法廷内から、公判の音声を無断でネット上に生配信したとして、岡山中央署は4日、横浜市の大学2年の男(20)を偽計業務妨害の疑いで岡山地検に書類送検し、発表した。容疑を認めているという。 署によると、男は7月5日午後4時から午後5時5分まで、法廷内でスマートフォンを使って公判の音声を生配信し、地裁の職員に配信者が誰かを探させるなどして業務を妨害した疑いがある。 配信されたのは、運転免許証を偽造してレンタカーを借りたとして有印公文書偽造の罪などに問われた被告の公判の音声。男と被告は趣味の鉄道を通じた知人関係だった。ツイッター(現X)の音声生配信機能「スペース」を使って配信したという。 地裁職員はスマホを持つ傍聴者に声をかけて探したが、配信者を特定できず、地裁が8月に署に告訴状を提出していた。 男は調べに対し「録音禁止はわかっており、配信すれば裁判所に迷惑がかかると思っていたが、裁判に来られない人が内容を知ることができるし、面白いと思ってやった」と供述しているという。(上山崎雅泰) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル