記者コラム 「多事奏論」 編集委員・長沢美津子 なるべくなら買いものや飲食は、個人店を選ぶことにしている。その方がおもしろいからだ。知らない土地では日常に一歩踏み込む好奇心、ご近所には顔のわかる安心のテリトリーがほしいのだと思う。面倒な時もあるし、失敗もする。ヒマがあるねと言われればその通りだけれど、自転車を先まで走らせてしまう。 商店街を見回してわかる通り、個人店は減った。けれど消えたわけではない。「喫茶店のディスクール」(誠光社)には、個人の「いい店」が生き残るヒントが詰まっている。小さな商いを成立させる方法論を読みながら、サービスを求める一方の消費者と、店を育てる客の違いを考えることにもなった。 著者は京都、倉敷、和歌山の白浜と三つの街で喫茶店を営む焙煎(ばいせん)家のオオヤミノルさんだ。1967年生まれ。コーヒーの世界では、ネルドリップと深煎りの技術が知られている。 ディスクールとは言説。喫茶… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】レンズがとらえた2023年10月
ラグビーの第10回ワールドカップ(W杯)フランス大会は8日、1次リーグD組最終戦がナントであり、日本はアルゼンチンに27―39で敗れた。日本は1次リーグ2勝2敗で、イングランド、アルゼンチンに次ぐD組3位となり、2019年日本大会に続く2大会連続の決勝トーナメント進出はならなかった。 将棋の藤井聡太名人・竜王(21)が史上初の「八冠独占」を達成した。11日、第71期王座戦五番勝負第4局で永瀬拓矢王座に勝ち、シリーズ成績を3勝1敗とし、王座のタイトルを奪取。名人・竜王・王位・叡王・棋王・王将・棋聖という保持していた七つのタイトルと合わせ、八冠となった。 この1カ月を写真で振り返ります。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
畳の上にゴロン、見上げると満天の星 愛知・豊橋のプラネタリウム
プラネタリウムを畳に寝転んで楽しめる「お座敷シート」が、愛知県豊橋市大岩町の市視聴覚教育センター(とよはしプラネタリウム)に設置された。11月1日から利用できる。 1989年まで大型の投影機が設置されていた場所に設けた。4畳のスペースに畳が敷かれており、親子連れが一緒に寝転んで頭上に輝く満天の星を楽しむことができる。 大人もプラネタリウムを訪れたくなるようにしよう、と企画した。天文学担当の杉浦裕紀学芸員は「眠ってしまうほどの心地よさを体験してほしい」。 お座敷シートとは別に、リクライニングできる総本革張り高級チェアで楽しめる「プレミアムシート」も設けた。 観覧料大人300円、小中学生100円のほかに、「お座敷シート」「プレミアムシート」は、いずれも1席700円の座席使用料が必要になる。(戸村登) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
陸自性暴力事件、3被告に懲役2年求刑 五ノ井さん「厳しい判決を」
陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県郡山市)に勤務していた元自衛官の五ノ井里奈さん(24)への強制わいせつ罪に問われた元自衛官3人=懲戒免職=の公判が30日、福島地裁であった。検察側は「宴会を盛り上げたいという自己中心的で身勝手な動機で犯行に及んだ」として3人に懲役2年を求刑した。弁護側は改めて無罪を主張し、結審した。判決は12月12日。 渋谷修太郎(30)、関根亮斗(29)、木目沢佑輔(29)の3被告は2021年8月、北海道別海町の陸自演習場の建物で飲食中、格闘技の技を使って五ノ井さんを押し倒し、何度も腰を押しつけるなどのわいせつ行為をしたとして起訴された。 検察側は論告で「性行為のまねごとをするだけでなく、着衣越しとはいえ、陰部を当てており、性的性質が強い。性的羞恥(しゅうち)心を大きく害する行為で、卑劣で悪質だ」と主張した。 一方、弁護側は、現場にいた元同僚らの証言について「変遷し、信用性がない」と反論。被害を告白した五ノ井さんの証言も「過大に評価すべきではない」として、いずれも無罪を求めた。 五ノ井さん「今もフラッシュバックに襲われる」 五ノ井さんは論告を前に意見陳述し、「今も被害のフラッシュバックに襲われます」と述べた。その上で、「夢や希望を持っている人が同じような被害に遭わないよう、厳しい判決を望みます」と求めた。(滝口信之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日大が検証結果を報告 違法薬物問題の対応をめぐり 31日に会見
日本大学は30日、アメリカンフットボール部の違法薬物問題をめぐる大学側の対応の検証結果をまとめた報告書を文部科学省に提出した。31日午後、検証を行った第三者委員会が会見する。 薬物問題をめぐる日大の対応について、文科省はガバナンス(組織統治)の点を問題視し、対応の検証とその報告をするよう、8月に通知を出した。通知では「公共性の高い学校法人としての信頼性を損なう事態が生じている」と指摘していた。 報告を求めたのは、昨年11月に大麻使用の申し出がアメフト部員からあった際、所轄の警察署に相談しなかった理由や、学生の処分決定過程とその適切性▽今年7月にアメフト部学生寮で見つかった、大麻と思われる植物片の取り扱いの意思決定の過程や、理事長や警視庁への報告が遅れた理由とその適切性▽薬物使用の実態が十分に解明されていない中で、8月10日にアメフト部の無期限活動停止処分解除の判断をした理由や意思決定過程▽広報の内容や時期などの適切性――など。 日大は8月に第三者委員会を設置し、検証を行ってきた。アメフト部学生寮へ2度目の家宅捜索が入ったことなどを受け、検証の対象が拡大したとして、9月15日だった提出期限を延期していた。 薬物問題への対応をめぐっては、ガバナンス不全を理由として、国の補助金である私学助成の今年度の交付が、全額不支給となることが決まっている。(山本知佳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
子どもの自殺、詳細調査の実施「20人に1人」 遺族、国に改善要望
自殺した子どもの20人に1人しか詳細な要因調査の対象になっていない――。文部科学省の調査でそんな実態が明らかになり、遺族のグループが30日、改善を求める要望書を文科省に提出した。 同省が今月公表した問題行動・不登校調査によると、2022年度に自殺した児童生徒411人のうち、国のガイドラインが定める詳細調査が行われたのは4・6%(19人)にとどまった。 詳細調査は再発防止策を打ち出すことを目指すもので、ガイドラインは「全事案について心理の専門家などを加えた調査組織で詳細調査を行うことが望まれる」と明記。遺族の要望があった場合は行うべきだとする。 そもそも説明を受けていない遺族も ただ、遺族の40・6%はそもそも詳細調査という仕組みの説明を受けていないことも今回の文科省調査で明らかになった。仕組みを知らなければ要望することができず、詳細調査の実施率が高まらないうえ、再発防止策が不十分な内容にとどまるおそれもある。 ガイドラインの運用上の課題… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
核のごみ処分地「日本に適地はない」 地質学者ら300人が声明公表
原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処分地選びをめぐり、地球科学の専門家有志が30日、「日本に適地はない」とする声明を公表した。地殻変動の激しい日本では、廃棄物を10万年にわたって地下に閉じ込められる場所を選ぶのは不可能と指摘。処分の抜本的な見直しを求めた。 声明には、日本地質学会の会長経験者を含む研究者、教育関係者や地質コンサルタントら300人あまりが名を連ねた。 核のごみの処分手続きを定めた最終処分法は、場所を探せば、地下への「地層処分」ができる前提で2000年に成立した。 声明は「日本列島は複数のプレートが収束する火山・地震の活発な変動帯」と指摘。先行する北欧と同列に扱い、封じ込めの技術で安全性が保証されるとみなすのは「論外」と批判した。 岩盤が不均質で亀裂も多いうえ、活断層が未確認の場所でも地震が発生。地下水の流れが変化し、亀裂や断層を伝って放射性物質が漏れ出す可能性があり、10万年にわたり影響を受けない場所を選ぶのは「現状では不可能」と主張。最終処分法を廃止し、地上での暫定保管も含め、中立的な第三者機関を設けて再検討するよう求めている。 核のごみの処分地選びでは、北海道寿都町と神恵内村で、3段階の調査の第1段階にあたる文献調査が大詰めを迎えている。長崎県対馬市でも文献調査の受け入れを求める動きが表面化した。 声明呼びかけ人の一人、赤井純治・新潟大名誉教授は記者会見で「科学的な議論にふたをし、地層処分ありきで進められてきた。科学的な議論にもう一度、立ち返る必要がある」と話した。(佐々木英輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
1泊6万円以上 米マリオットが鳥取砂丘にホテル、26年開業予定
清野貴幸2023年10月30日 19時50分 鳥取砂丘近くに米大手マリオット・インターナショナルのリゾートホテルを建設することで合意した鳥取市と開発業者、マリオットの関係者らが30日、市役所で会見を開き、ホテルの概要を明らかにした。宿泊費は1室1泊6万~10万円を想定。2026年に開業予定で、市によると、山陰初の五つ星クラスホテルの誕生になるという。 開発業者グループ代表のdhp都市開発(大阪市)とマリオットによると、ホテルは4階建て(1階は半地下)の100~110室で、全室から砂丘越しの日本海が眺められるという。 最上階に温泉とプールを備え、提供する料理の食材には地元産を中心に使う。総事業費は150億円前後を見込んでいる。地元から従業員180人前後を雇用予定で、市は事業費の一部補助を検討している。 マリオットは世界各国でさまざまなホテルを経営していて、今回建設されるのは高級ブランドの「ラグジュアリーコレクション」。具体的なホテル名は未定で、着工は来春の見通し。 マリオット・インターナショナル日本・グアム担当エリアヴァイスプレジデントのカール・ハドソン氏は会見で、「マリオットにとって日本は非常に重要。アジア・太平洋地域で最も好まれる旅行先になっている」と語った。 訪日が2度目となる外国人客の4割が、鳥取のような地方を旅行先として希望しているとするデータも示し、外国人客を主なターゲットとする考えを説明した。外国人客の平均滞在日数は2・0~2・2泊という。ハドソン氏は「人の温かいもてなしが、もう一度来たいという気持ちを起こさせる。鳥取の人々のにこにこした笑顔は大都市にないもので、魅力が十分ある」とも述べた。 建設場所は砂丘西側エリア(鳥取市浜坂)で、近くには「チュウブ鳥取砂丘こどもの国」がある。敷地は約1万8千平方メートルあり、元は市有地で市が誘致した。深沢義彦市長は27日の定例会見で、地域経済の活性化や観光振興などの観点から事業費の一部を支援する方針を示し、「補助や融資制度の活用で、できるだけの支援をしていきたい」と語っていた。(清野貴幸) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 【紙面ビューアー機能も使える】プレミアムコースが2カ月間無料!お得なキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
妄想が事件に与えた影響は 鑑定医2人、分かれる判断 京アニ裁判
36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第15回公判が30日、京都地裁であった。最大の争点である刑事責任能力を巡り、青葉被告の精神鑑定をした医師2人が出廷し、裁判員らの質問に答えた。 青葉被告は起訴の前後に精神鑑定を受け、その結果が分かれた。検察側の請求で起訴前に鑑定した大阪赤十字病院の和田央医師は「妄想が犯行に与えた影響は限定的」と指摘。弁護側の請求で起訴後に鑑定した東京医科歯科大大学院の岡田幸之教授は「重度の妄想性障害で、妄想が犯行動機を形成し、犯行の背景に影響した」と説明した。 この日も両氏の見解がぶつかった。和田医師は、青葉被告の妄想について一貫性はなく、「その時の感情がその時の妄想に影響している」と述べた。一方、岡田教授は「京アニの女性監督に好かれている」「闇の組織とつながっている」といった妄想には相互に関係性があると指摘。「被愛(ひあい)妄想」「誇大妄想」と呼ばれるといい、青葉被告には「強固で、(自らでは)訂正できない思い込みが認められる」と証言した。 裁判員の一人は、岡田教授が… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
愛されたワゴン販売終了 押し続けたパーサーの忘れられない思い出
東海道新幹線の車内から、10月いっぱいでワゴン販売が姿を消す。ワゴンが来るとついチラッと見てしまう、あの「アイコンタクト」ともお別れ。人々の思い出とともに歴史に幕を閉じる。 この道20年のベテラン販売員(パーサー)の川尻真富果(まどか)さんには忘れられない出来事がいくつもある。 昨年、車内で70歳ほどの男性客に出会った。1人きりなのに弁当もお茶も二つずつ。コーヒーも2杯注文されたとき、隣の席に夫婦の写真があるのに気付いた。 「去年他界した妻です。結婚… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル