福岡県内で今年、飲酒運転の検挙が増えている。県警によると、9月末までの検挙数は1113件(前年同期比109件増)、飲酒死亡事故も4件(同3件増)だ。アルコール依存症の人たちが集まる「断酒会」の場で、飲酒運転がなぜなくならないのかを聞いた。(鈴木優香) 福岡県粕屋町のコミュニティセンター。午後7時、断酒会に約20人が集まった。 「初めて来ました~」と明るい声が響く。「酒への後悔を語る場」という記者の事前のイメージとは正反対だ。東福岡断酒友の会の中村密幸会長は、「依存症自体が犯罪ではない。参加者は前に向かう人ばかり」と話した。同会は来年発足45周年を迎え、県内でも歴史の長い会の一つという。 「私たちは酒に対して無力であり、自分ひとりの力だけではどうにもならなかったことを認めます」。こんな六つの断酒の誓いを読み上げ、会合が始まった。 運転しながら飲んでいたことも 「いけないとわかっているが…」 この日のテーマは、記者がお願いした①なぜ飲酒運転をするのか②なぜなくならないのか③減らすにはどうすればいいか。一人ひとりがそれぞれの飲酒運転体験を率直に語り始めた。 1人の女性が「運転しながら… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ガザ地区に伝わる刺繡、日本で販売 難民女性へ「日常を取り戻して」
パレスチナ自治区ガザ地区に、伝統の刺繡(ししゅう)で生計を立てる女性が数百人いる。フランスの老舗刺繡糸メーカーDMCの糸を使用し、ポーチにするときのファスナーはYKK。高品質で日本の百貨店でも扱われ、貴重な収入源となっている。「貧しさや悲しみから立ち直るための糧になっている」と携わる女性は語る。 日本でガザの刺繡を販売するオンライン店「パレスチナ・アマル」(大津市)の代表、北村記世実さん。 1999年、ボランティアでガザを訪ねた。ある家庭は、貧しいのに親戚からお金を工面したのか、米を使ったパレスチナの家庭料理「マクルーバ」を振る舞ってくれた。忘れられないスパイシーな味だった。 もう一つ忘れられなかったのが、刺繡だ。「素敵でしょう」と言いながら、刺繡を施した伝統衣装を着させてくれた。パレスチナでは刺繡の縫い方を母から娘へ伝えるのが伝統になっている。「この刺繡が、彼女たちの誇りなんだ」 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、パレスチナ難民を支援するため、ガザやヨルダン川西岸地区などで活動している。ウェブサイトによると、刺繡製品をつくる「スラファ刺繡センター」を1950年に設立した。 織り手は難民の女性で、夫に… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
岸壁で釣り、海中転落を防ぐには もし車水没したら脱出ハンマー必須
海中の乗用車内から父子5人の遺体が見つかった三重県南伊勢町周辺の海岸は、アジやタイなどを目当てに多くの人が訪れる釣りスポットだ。岸壁で夜釣りを楽しむ人も少なくない。海に転落しないためにはどんな注意が必要なのだろうか。もし車が水没したら脱出にはどうすれば良いのか。 愛知、三重の沿岸を管轄する第4管区海上保安本部(名古屋市)によると、2018年~22年、釣りで海中転落した人は全国で77人(死亡・行方不明は24人)で、うち岸壁からの転落は24人(同3人)。コロナ禍で「密」を避けるレジャーとして人気を集め始めた21年が最も多かった。 海保関係者は、岸壁から車の転落事故が絶えないのは、車止めが小さい場合が多く、簡単に乗り越えられ、すき間もあるためと話す。「(海に向かって)バックで車を止めない」「岸壁と水平方向に止める」といった注意が必要で、「そもそも危険なので海の近くに車を止めない方がいい」と指摘する。 JAF(日本自動車連盟)は、車が水没した際、何を使えば窓ガラスを割って脱出できるか、検証する動画をユーチューブで公開している。シートのヘッドレストやスマホといった車内にありそうなもの5点と脱出用ハンマー3点を使って実験したが、実際に割ることができたのはハンマーだけだった。 JAF愛知支部の担当者は「水没車内からの脱出にはハンマーが必須」と話す。自動車用品店ではキーホルダー程度の大きさのものも入手可能で、グローブボックスなど手が届く範囲に備え付けた方がいいという。(臼井昭仁、前川浩之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
知床の魅力はヒグマだけじゃないぞ 秋まったりのカフェ巡る企画開催
世界自然遺産・知床の秋と言えば、ヒグマがサケをくわえている姿を思い浮かべる人が多いはず。でも、秋の知床の魅力はヒグマだけじゃないぞ。 オホーツク海を冷たい風が吹き始めると、知床の山々は、ダケカンバやカエデの黄色を基調とした紅葉に染まる。その絶景を楽しみながらまったり過ごすカフェ巡りはいかがだろうか。 知床にある北海道斜里町では、厳しい冬を前にカフェにスポットを当てた企画「秋の知床カフェ巡り」が実施されている。 この町には、店の中央に暖炉があって、冬にはパチパチとまきのはぜる音が店内に響く「喫茶年輪」や、「北海道の土を北海道の薪で焼く」という信念で陶器を作り続ける斜里窯に併設された「陶房caf(●(eに´(鋭アクセント)付き),e) こひきや」など、一度は訪れてみたい個性的なカフェがいくつもある。 その魅力を広く知ってもらうのが企画の狙いだ。町内の施設を利用してスタンプを集める「知床トコさんスタンプラリー」の一環として行われている。 まずラリーで使う公式スタン… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「もうやめた方が楽かな」 紅葉の名所のみこんだ水害、支えた客の声
今年も平年通りの11月末から紅葉の見ごろを迎える見込みの、千葉県市原市と大多喜町にまたがる名所「養老渓谷」。この地でキャンプ場「奥養老ヴィレッジ」を運営する三瓶貴司さん(48)は、昨年までとは違った心境でこの紅葉シーズンを迎えようとしている。 「もうやめた方が楽かなと思った」 9月上旬の台風13号の影響で、千葉県では線状降水帯が発生し、記録的な大雨となった。養老渓谷を流れる「養老川」があふれ、三瓶さんのキャンプ場と駐車場をつなぐ橋が流された。これまでも河川が増水することは何度もあったが、橋が壊れたのは初めてだという。 宿泊施設や管理事務所は無事だったが、予約はすべてキャンセルしてもらった。「パニックになって、笑うしかなかった」 被災1週間で規模縮小し、再開 キャンプ場はもともと小湊鉄… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
発生から6年くすぶった火災、やっと終息 原因は炭鉱に由来
佐賀県多久市で発生し、6年にわたってくすぶり続けていた火災について、市がようやく終息を宣言した。火元は、石炭採掘のときに出る低品質の石炭(ボタ)を積み上げた「ボタ山」。なぜ、終息までこれほど時間がかかったのか。 火災があった多久市北多久町の「正院谷ボタ山」は、近くの山犬原炭鉱から出た石炭くずを10メートルほど積み上げたもので、2017年5月に地権者が伐採した木を焼いていたところ、地面に燃え移ったという。 地元の消防署が放水するなどの消火活動にあたったが、地中の石炭くずがくすぶり続け、煙が立ち上ったり、異臭が立ちこめたりしていた。このため20年12月まで定期的に放水を続け、消火や監視のために現場に出動した回数は、今年10月までに738回にのぼったという。 一方、市も19年3月からは週に1度、21年1月からは2週に1度の割合で、においの確認や水質の測定、硫化水素などの有害物質が出ていないことを確かめる大気測定などを続けてきた。同月以降、においや煙の発生はなくなり、今月10日に開かれた経済産業省と県、市の対策会議で終息を判断。16日に終息宣言をした。 九州北部は明治期以降、炭鉱… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧ジャニーズ出演、日テレ番組「都立公園で森づくり」 都に苦情
東京都立公園を整備するテレビ番組の企画に、旧ジャニーズ事務所(現・SMILE―UP.)所属タレントが出演することが、明らかになった。都は一連の性加害問題を受け、都の事業で同事務所タレントの新規起用を見送る方針を示したばかり。「出演を決めたのは(事業委託した)事業者側」と説明するが、都関係者は「(番組放送後に)都へ苦情が多数寄せられた」と明かした。 事業は、国立競技場近くの都立明治公園を整備・運営するもの。15日放送の日本テレビ系「ザ!鉄腕!DASH!!」で、アイドルグループ「Sexy Zone」の松島聡さんや「Travis Japan」の松田元太さんらが、「大都会の真ん中に100年続く森をつくれるか」と題して同公園で植樹する様子などが放送された。詳細は今後、番組内で明らかにするという。かつて同事務所所属だったTOKIOの国分太一さんも出演した。 都によると、同公園の整備・管理事業は、都市公園の整備や管理を民間に任せる公募設置管理制度(Park-PFI)という手法を採用。都の公募により、2021年に、日テレ関連会社「日テレ アックスオン」を含む6社からなる企業グループが事業者に決まった。ほかの5社は東京建物、三井物産、日本工営、西武造園、読売広告社。公園は、今月末に一部が、来年1月に全体がそれぞれ供用開始される。 「都が起用したと誤解されないように」 繰り返し要望 都によると、都は番組企画を… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市役所係長は元なでしこGK 引退後に悩み選んだ地元への「恩返し」
サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)のGKとして活躍し、五輪やワールドカップ(W杯)に出場――。輝かしい経歴を持つ小野寺志保さん(49)は今、地方公務員の立場で女子サッカーの発展に尽力している。勤務先は神奈川県大和市役所。サッカーや地域への「恩返し」を掲げ、今年からは障害者サッカーにも携わるようになった。 女子サッカーの黎明(れいめい)期を支えた小野寺さんは、2011年に入庁し、現在はスポーツ課スポーツのまち推進係長。「女子サッカーのまち」をうたう同市での仕事について「サッカーで交流する人たちの笑顔を見ると、この仕事につけてよかった」と感じている。 高1でクラブ入り、W杯も五輪も経験 昨年までは日本女子(なでしこ)リーグに所属する地元の大和シルフィードのGKコーチをボランティアで務めた。今年5月からは七つの団体がある障害者サッカーの一つ、CP(脳性まひ)サッカーの日本女子代表のコーチに就任した。 大和市で幼少期から育った。もともと野球が好きで、小学4年のときに入った地元のサッカーチームでは「ボールを取るのが楽しい」とGKを選んだ。中学ではソフトボール部に入ったが、高校1年から読売サッカークラブ女子・ベレーザ(現在の日テレ・東京ヴェルディベレーザ)に入り、その年の日本女子サッカーリーグで早くもベンチ入り。高校2年のときに公式戦初出場を果たした。 日本代表では1995年の世界選手権(現W杯)でメンバー入りし、96年アトランタ五輪、99年世界選手権、2003年W杯、04年アテネ五輪に出場。08年限りで一度引退した。 最初の試験は「不採用」も一念発起 現役時代、大和市では五輪出… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
杉田水脈氏の投稿を法務省が「人権侵犯」と認定 関連のネット記事も
自民党の杉田水脈(みお)衆院議員のブログへの投稿で人種差別を受けたとして、大阪府の在日コリアンの女性ら3人が法務省に救済を申し立てた問題で、同省が杉田氏の投稿3件を「人権侵犯」と認定したことがわかった。同省から18日に説明を受けた女性側が、朝日新聞の取材に明らかにした。 女性らは2016年の国連会議に参加した際、杉田氏は自身のブログに女性らの写真とともに、「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場」「存在だけで日本国の恥晒(さら)し」などと投稿し、その後撤回した。 女性側によると、同じ趣旨の投稿がフェイスブックやツイッター(現X)にもされ、同省はこの3件を人権侵犯と認定し、杉田氏に人権を尊重するよう啓発したと説明したという。同省は杉田氏の投稿を取り上げた複数のネット記事も人権侵犯と判断し、プロバイダーに削除を要請した。 杉田氏の投稿を巡っては、札幌法務局も人権侵犯と認定。杉田氏はその後、党の環境部会長代理に起用されている。 申立人の女性の一人は「人権侵犯と認められたことは安心したが、党の要職に置く自民党の判断は問題だ」と批判。代理人の金英哲弁護士は「票集めのためにヘイトスピーチに近い発言をする議員もいる。今回の同省による認定が一定の歯止めになるのではないか」と話した。(山本逸生) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
揺れる穂波、夕日に照らされ黄金色 奈良・曽爾高原でススキ見頃
奈良県曽爾(そに)村の曽爾高原では、穂を開き始めたススキが夕日に照らされ、黄金色に輝く風景が広がっている。 曽爾高原は標高約700メートル、広さ約38ヘクタールで、中央の池を取り囲む山肌にススキが群生する。村観光協会によると、10月末から11月中旬に見頃となる。 一方、近年はススキの生育不良が目立ち、2019年から村は「曽爾高原再生プロジェクト」を始めた。高原の景観を守るため、ふるさと納税の寄付金などを財源に、害獣ネットの設置、肥料の散布や株の植え替え、山焼きの時期変更などで、生育は徐々に改善しているという。(林敏行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル