ラグビー・ワールドカップ(W杯)フランス大会で日本は8日、アルゼンチンと対戦した。惜しくも敗れたが、2大会連続のベスト8をかけた一戦に各地でファンが声援を送った。 ラグビーの聖地、花園ラグビー場(大阪府東大阪市)であったパブリックビューイング。寒風が吹き付け、手がかじかむほどだったが、日本がトライを決めるたびに、地鳴りのような歓声が沸き上がった。 友人に会うため宮城県東松島市から訪れていた南井駿さん(35)は、レメキ・ロマノラバ選手など同世代の選手たちに励まされてきたという。「30歳を過ぎた選手は次の大会はもう見られないのかな、と考えてしまう。でも、みんなまだ頑張っている」と話し、試合を見つめた。 東大阪市の吉井勇毅さん(42)は、小学4年の長男大晴(たいせい)さん(10)と一緒に訪れた。中学と高校でラグビー部だった勇毅さんは「守って守って一つでもトライできたら」。 ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会のアルゼンチン戦があった8日夜、多くの日本代表を輩出してきた福岡からも、大一番に臨んだ選手たちに熱いエールが送られた。 日本代表の試合を盛り上げようと、福岡県は福岡市博多区のスポーツ施設の一角にパブリックビューイングの会場を設置。試合開始前には、日本代表と同じ赤と白のユニホーム姿のファンら約300人が集まり、会場は熱気に包まれた。 強豪国を相手にトライを決めて追い上げた場面では、「よっしゃー」と大歓声が上がった。緊迫した展開となり、会場の緊張と興奮も高まった。 「斎藤選手のトライ かっこよかった」 福岡県春日市から両親らと訪れた福井伸弥さん(7)は4歳からラグビーを習っているという。試合は敗れたものの、好ゲームを見て「斎藤直人選手のトライがとくにかっこよかった。自分も将来、日本代表で活躍したい」と目を輝かせた。 4年前のW杯日本大会で試合会場の一つとなった豊田スタジアム(愛知県豊田市)では、市が用意したパブリックビューイング(PV)に約2千人が集まった。 ラグビー・リーグワン所属の地元チーム「トヨタヴェルブリッツ」には、日本代表の主将を務める姫野和樹選手ら3人の代表メンバーがいる。試合開始前には、日本代表のチームソング「ビクトリーロード」を大合唱して気勢を上げた。 試合開始早々、アルゼンチンが先制し、観客席には「あー」と悲鳴が上がったが、前半終了間際、日本が二つめのトライを決めると総立ちのお祭り騒ぎに。 「80分動けるのが日本!」 前回大会で知り合ったという関東から関西まで20人超のグループをまとめる愛知県高浜市の会社員、小島貴志さん(55)は「後半は相手の足が止まる。80分動けるのが日本!」と雄たけびを上げた。 互いにトライの応酬が続くも、なかなか追いつけない展開。試合終了のホイッスルが鳴ると、じわりと拍手が広がった。「真ん中も外からも、相手の攻撃が厳しかったが、いい試合だった。胸を張って帰ってきて」。 奈良県斑鳩町から来た主婦、松長友佳子さんは「トライが三つ取れたのは良かった。若い選手が多いから4年後のベスト4を期待します」と話した。 ■日本代表初代監督の娘 「ラ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
放課後の居場所は? 埼玉の虐待禁止条例改正案「子どもも息苦しい」
有料記事 聞き手・田渕紫織2023年10月8日 18時00分 子どもを自宅や車内などに放置することを禁止する埼玉県虐待禁止条例改正案が6日、県議会の委員会で可決された。 条例改正案は、自民党県議団が提出。成人の「養護者」が小3以下の子どもを放置することを禁じ、小4~6については努力義務としている。罰則は設けないが、県民には通報を義務づける。 改正案に示された禁止行為は「住居その他の場所に残したまま外出することその他の放置」で、具体的に記されていない。ただ、議会での質疑や取材で県議団が示した見解によると、小学生以下の子どもを自宅で留守番させる(100メートル先の近所の家に回覧板を届けるための一時外出も含む)▽子どもだけで公園で遊ばせる、登下校させる、おつかいに行かせる▽車内に子どもを残して買い物にいく――などを禁止行為に想定している。 SNS上では、改正案に対し、保護者にとっての負担を懸念する声が多くあがる。一方、子どもにとっての影響はどうなのか。東洋大の森田明美名誉教授(児童福祉)に聞いた。 「保護」だけでは成長しない 今年度からこども基本法が施行され、国が「こどもまんなか社会」を訴え、子どもの意見表明と参加による子どもの権利を基盤にした社会を作ろうとしている時に、なぜこのような逆行する政策を展開しようとするのか、意図がよく分かりません。 この条例の通りにしようとすれば、ただでさえ過密さが指摘される学童保育にさらに子どもを詰め込んだり、学校への送迎者を探したり、家庭で親やシッターが常時見ていなければならなくなったりします。子ども自身は、放課後や登下校の道草や遊びなどの時間への大人の監視を、どう考えるでしょうか。 少しの時間も目を離してはい… この記事は有料記事です。残り1119文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
岐阜・高山のトレイルイベントで42人がハチに刺され、3人が入院
岐阜県高山市一之宮町で8日に開かれた「飛驒位山トレイル」に参加していた選手たちが、次々にハチに刺された。主催者の発表によると、愛知県や東京都などの42人がキイロスズメバチに刺され、3人が市内の病院に入院した。いずれも命に別条はないという。 登山道などを駆け抜ける大会で、地元の有志でつくる実行委員会が主催。高山市などが共催している。 発表によると、8日正午すぎ、ロングコースとミドルコースに参加した選手がスズメバチの大群に襲われた。10カ所ほど刺された人もいたという。救急車などで11人が搬送され、31人が大会で待機していた看護師らの手当てを受けるなどした。 コース付近にハチの巣があったとみられるが、実行委は「コース点検では気づかなかった」と説明している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
短時間の留守番も虐待? 埼玉の条例改正案、虐待の専門家が見ると
子どもを自宅や車内などに放置することを禁止する埼玉県虐待禁止条例改正案が6日、県議会の委員会で可決された。成人の「養護者」が小3以下の子どもを放置することを禁じ、小4~6については努力義務とする。罰則は設けないが、県民には通報を義務づける内容だ。 「虐待」の範囲を大きく広げる改正案を、児童虐待に詳しい関西大の山縣文治教授(子ども家庭福祉論)はどう見るのか。 具体的な禁止行為には反対 ――今回の埼玉県虐待禁止条例改正案を、どう見ますか。 子どもを大切にし、子どもの安全を守るという理念としては大きな問題はないと考えます。 ただ、罰則はないと言うものの、具体的な行為をここまで規制する必要はないと思います。 ――改正案に具体的な禁止行為は書かれていないものの、案を出した自民党県議団からは、小学生以下の子どもを自宅で留守番させる(100メートル先の近所の家に回覧板を届けるための一時外出も含む)▽子どもだけで公園で遊ばせる▽登下校させる▽おつかいに行かせ▽車内に子どもを残して買い物にいく――などの具体的な禁止行為が示されています。 車内の置き去りによる死亡が相次いだ今、特に暑い夏は、車内に子どもだけを残すことは危険であることは一定理解します。 しかし、それ以外にあげられている禁止事項については、小学生に関してはいかがなものかと思います。 実態ともずれています。例えば登下校も子どもだけでしてはいけないとなると、これだけ外で働く親が増えた今、保護者がずっとついているのは不可能ですから、学校が人を手配しなければいけません。そこまで考えられているのでしょうか。 ――保護者にとっての影響も大きそうです。 保護者の生活も左右されます。この条例改正案を受けてニュースで「働けなくなる」と話している親の映像を見ましたが、不安はもっともだと思います。 とりわけ交代要員のいない母子家庭・父子家庭のことは考えられているでしょうか。本来やるべき改正だとは思いませんが、やるにしても、無料でシッターを頼めるようにするなどしないと、ひとり親家庭の生活が壊れてしまいます。 それからこの政策は議員提案のようですが、この禁止事項を守ろうとすると、子育て中の人が議員になりづらくなる可能性が高まりませんか。選挙運動を制限し、多様な背景の議員が生まれることを阻む気もします。 ――国による統計では、子どもから少し目を離した隙にベランダから転落して亡くなったといった事故も、広い意味でのネグレクトとして「虐待死」に分類されていますね。 虐待を減らす目的に対して、この政策の効果は?議論で引き合いに出されている海外事例は適切?児童虐待の第一人者に聞いたロングインタビューです 私も検証に(虐待死を検証す… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】天皇、皇后両陛下 サツマイモ見学、鹿児島訪問で
鹿児島県を訪問している天皇、皇后両陛下は8日、鹿児島市から垂水市へ移動し、特別国民体育大会のフェンシング競技を観戦しました。 間近で繰り広げられるスピーディーな剣さばきを披露する選手たちを驚いた様子で見ていました。 午後には、サツマイモの生産・加工会社を視察。干し芋などの製菓用として加工される「紅はるか」を前に、若手社員と懇談しました。 2日間の鹿児島訪問を写真で振り返ります。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
放課後の居場所は? 埼玉の虐待防止条例改正案「子どもも息苦しい」
有料記事 聞き手・田渕紫織2023年10月8日 18時00分 子どもを自宅や車内などに放置することを禁止する埼玉県虐待防止条例改正案が6日、県議会の委員会で可決された。 条例改正案は、自民党県議団が提出。成人の「養護者」が小3以下の子どもを放置することを禁じ、小4~6については努力義務としている。罰則は設けないが、県民には通報を義務づける。 改正案に示された禁止行為は「住居その他の場所に残したまま外出することその他の放置」で、具体的に記されていない。ただ、議会での質疑や取材で県議団が示した見解によると、小学生以下の子どもを自宅で留守番させる(100メートル先の近所の家に回覧板を届けるための一時外出も含む)▽子どもだけで公園で遊ばせる、登下校させる、おつかいに行かせる▽車内に子どもを残して買い物にいく――などを禁止行為に想定している。 SNS上では、改正案に対し、保護者にとっての負担を懸念する声が多くあがる。一方、子どもにとっての影響はどうなのか。東洋大の森田明美名誉教授(児童福祉)に聞いた。 「保護」だけでは成長しない 今年度からこども基本法が施行され、国が「こどもまんなか社会」を訴え、子どもの意見表明と参加による子どもの権利を基盤にした社会を作ろうとしている時に、なぜこのような逆行する政策を展開しようとするのか、意図がよく分かりません。 この条例の通りにしようとすれば、ただでさえ過密さが指摘される学童保育にさらに子どもを詰め込んだり、学校への送迎者を探したり、家庭で親やシッターが常時見ていなければならなくなったりします。子ども自身は、放課後や登下校の道草や遊びなどの時間への大人の監視を、どう考えるでしょうか。 少しの時間も目を離してはい… この記事は有料記事です。残り1119文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
投稿された「ないしょのおねがい」 昭和の雑誌は乙女の相談室
スマホもインターネットもSNSもない昭和の時代、少女たちの悩みに答える役割を少女雑誌が担っていた。 スターになった時のことを考えすぎてしまう。 顔がまんまるでどの髪形も似合わない。 おならの回数が多い原因を知りたい……。 少女雑誌に寄せられた昭和の乙女たちの様々な悩みと、それに対する助言を紹介する企画展が、熊本県の菊陽町図書館で開かれている。美容に恋愛、友人関係……。雑誌に残る数十年前の少女たちのお悩みと、それに対する回答とは――。 「私は中学一年のときに勉強が過ぎて頭をわるくしてしまいました」。 企画展は、こんな内容の相談のパネルから始まる。 相談は「今は少しの勉強も頭にこたえ、一週間に一、二度休まなくてはからだがもちません」「病院という病院にはほとんどいってみたのですが成績もずんずん下がるばかりです」と続く。 昭和31(1956)年7月号の「女学生の友」に寄せられた相談だ。回答者は真剣に答えた。 「神経衰弱か、一種のノイロ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「言葉で命救えなかった無力感」 津波伝えた武田アナ、被災地で話す
元NHKアナウンサーの武田(たけた)真一さん(56)が7日、宮城県名取市閖上を訪れ、講演をした。閖上は12年前の3月11日、東京のスタジオから、街が津波にのみこまれる様を実況で伝えた場所だ。約200人を前に、あの日からの思いを語った。 武田さんは、地震発生の約1時間後からニュースを担当した。直後、名取川を遡上(そじょう)する津波をとらえたヘリ映像が入ってきた。 「黒い波が住宅や畑をのみこんでいます。車が」と言いかけて、言葉に詰まった。道路を走る車に、津波が追いつこうとしていた。目の前の人を助けられない――。「言葉や放送は、なんて無力なんだと思った」と振り返った。 津波で多くの犠牲者が出た閖上には、罪の思いからなかなか足を運ぶことはできなかった。転機は2018年。同僚の案内で閖上の人たちと初めて会った。 「役立たず」との非難を覚悟したが、違った。逆に多くの人が震災のこと、震災前のことを語ろうとしていることに驚いたという。それ以来、穏やかな交流が続く。来るたびに心落ち着く場所になった。 今年2月にNHKを辞めフリーになった。今、こう考えるという。 「報道を離れ、単に1人の人間として大好きな閖上の皆さんに会いに来たい。こうやって『未災地』の者が被災地とつながり、喜びや楽しさを共有することが大事なのではないか」 講演後、津波で夫と息子を亡くした女性が、武田さんに「もう自分を責めないでくださいね」と、声をかける場面もあった。 講演は震災伝承団体「閖上の記憶」が主催した。(編集委員・石橋英昭) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
土から「突き出る」赤い猛毒キノコ 4年前から現れ始め…今年もまた
触れると皮膚がただれ、食べると死ぬこともある猛毒のキノコ「カエンタケ」が今年もまた、蒜山高原の自然公園で見つかった。この公園内でカエンタケが初めて確認されたのは2019年。これ以降は毎年9月に発生しているという。 土の中から人の指が突き出ているような独特の形状。地元の岡山県真庭市はキノコ狩りや山歩きの人たちに「絶対に触らないように」と注意を呼びかけている。 発生する場所に、理由が カエンタケが見つかったのは、旭川の源流にある広さ約16ヘクタールの自然公園「津黒いきものふれあいの里」(真庭市蒜山下和)。国の特別天然記念物オオサンショウウオなど貴重な動植物と触れ合える場所だ。 カエンタケは9月13日、遊歩道沿いにある枯れたコナラの根元周辺で今季初めて確認された。公園の自然観察専門員でもある、園内施設「ネイチャーセンターささゆり館」の雪江祥貴(よしたか)館長が見つけ、21日までに園内5カ所で発生が確認されている。 雪江館長によると、カエンタ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
花總まりさんが気づいた舞台の力 日常を忘れ、笑い、解き放つ時間
気品ある演技で魅了する俳優の花總(はなふさ)まりさん。マリー・アントワネットやエリザベス1世など様々なヒロインを演じてきた。まさにミュージカル界の女王と呼びたくなる。 宝塚歌劇団で1991年に初舞台を踏んだ。トップ娘役を12年3カ月務めるという最長記録の持ち主。希代の娘役だった。 朝日地球会議2023への参加申し込みはこちらから 花總まりさんが登壇する「朝日地球会議2023」は10月9~12日、リアルとオンラインのハイブリッドで開催します。9~11日は東京・有楽町朝日ホールに読者の皆様を招待し、同時にライブ配信。12日はオンライン配信のみです。参加費は無料。事前登録が必要です。 代表作はなんといってもウィーン発ミュージカル「エリザベート」のタイトルロール。自らの意志を貫き、自由を求めて生きたハプスブルク帝国の皇后である。96年の宝塚歌劇の日本初演から、退団後の東宝版と何度も演じてきた。優雅な立ち姿と力強く澄んだ歌唱で観客の胸にせまる。 「私の舞台人生の中で演じる回数がダントツ多い役です。でも初演の時は、まさかこの年になるまでエリザベートを演じることになるとは思ってもみませんでした」と笑顔で語る。 全公演の中止 心に穴があいたように 東宝版20周年となる2020年にも再演が予定されていた。だが、コロナ禍に襲われた。「稽古が終盤にさしかかったころでした。まさかまさかと思ううちに、稽古が中止になって。状況がよくわからず、あっけにとられました」 この公演は東京・帝国劇場か… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル