堅島敢太郎 増田勇介2023年10月3日 8時35分 知的障害や行動障害のある人の支援施設を運営する社会福祉法人「同愛会」(横浜市保土ケ谷区)の作業所で職員が利用者を暴行したとして、横浜市が2件を虐待と認定していたことがわかった。同愛会は、虐待事案が発覚した県直営の障害者施設「中井やまゆり園」(中井町)の改革に職員が携わっている。 市や同愛会によると、昨年11月、市内の作業所で40代の男性職員が、暴力を振るった利用者を制止しようと、床に押し倒して首の付近を腕で圧迫し、「手を出すな」と暴言を発したという。 また、今年8月には別の作業所で、段ボール箱を破ろうとした利用者を40代の男性職員が押し倒し、馬乗り状態で頭や背中を複数回ひざ蹴りしたという。いずれも利用者にけがはなかったという。市は聞き取り調査や実地指導をしたという。 今年5月には同愛会が運営する入所施設で入所者の所持金数十万円がなくなり、警察に被害届を出したという。 同愛会は横浜市や川崎市、東京都などで知的障害者らの入所施設や作業所約120カ所を運営。2016年に殺傷事件が起きた県立障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市)の利用者を受け入れ、今年4月からは県立「芹が谷やまゆり園」(横浜市港南区)の指定管理者を務めている。 同愛会は利用者や職員にアンケートを実施し、他に虐待がなかったか調べているという。取材に「被害にあった利用者には申し訳ない気持ち。職員教育を含めて、法人内の事業所を利用する当事者らと話し合いながら、改善に努めていく」とコメントした。(堅島敢太郎、増田勇介) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本学術会議の新会長に光石衛・東大名誉教授 課題山積の中
日本学術会議は2日、総会を開いて会長選を行い、独立行政法人・大学改革支援・学位授与機構理事で東京大名誉教授の光石衛氏(67)=機械工学=を新会長に選んだ。3日に副会長ら新執行部の顔ぶれが決まる。学術会議の「あり方」や任命拒否問題など課題が山積するなか、難しいかじ取りを迫られる。 今回の会長選は、梶田隆章・前会長の任期が先月末に切れたことを受けたもの。午前中に政府から辞令を受けた新会員105人を含む203人の会員のうち、出席した160人が投票した。 1回目の投票で光石氏が最多票だったものの、過半数に及ばなかった。2回目の投票で光石氏が半数を上回る83票を得た後、本人が新会長に就任することを受諾した。任期は3年。 光石氏は岡山県の生まれ。専門はロボット工学で、最先端のロボット技術を医療に応用し、各種の手術支援ロボットなどの開発に力を注いだ。東京大では工学部長、副学長を歴任した。 学術会議をめぐっては3年前… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
プロレス技で「詐欺はこりごり」? 警視庁久松署が特殊詐欺防止劇
特殊詐欺の手口を知って警戒してもらおうと、警視庁久松署は2日、地域の高齢者に手口を説明する「プロレス劇」を上演した。 東京都中央区が拠点のプロレス団体「OSW」に所属するレスラーが出演。息子をかたる特殊詐欺グループのメンバー役が「会社の大切な書類を無くした」と母親役に助けを求めると、母親は現金を「会社の後輩」という人物に渡してしまう。偶然通りかかった息子役がプロレス技で犯人を撃退し、「もう詐欺はこりごりだぁ~!」。技が決まると、観客約20人が拍手を送った。 署によると8月末時点の都内の特殊詐欺被害総額は約50億円で、昨年を上回る勢いという。黒木泰介署長は「少しでもおかしいと思ったら警察へ相談を」と呼びかけた。(御船紗子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
女児の住所投稿「リアルに感じて」 元講師盗撮、四谷大塚は閲覧権限
大手中学受験塾「四谷大塚」の元講師が教え子の女子児童への強制わいせつ容疑などで逮捕された事件で、警視庁は別の教え子を盗撮したとして森崇翔(そうしょう)容疑者(24)=東京都日野市=を性的姿態撮影等処罰法違反の疑いで再逮捕し、共謀容疑で元同僚の男で元講師の中村成美(なるみ)容疑者(26)=東京都あきる野市=を逮捕した。2日に発表した。 森容疑者は、盗撮した教え子の画像などを住所や名前、保護者の携帯電話番号と共にSNSのグループチャットに投稿していた。女児に興味がある人物ら十数人が参加しており、森容疑者は女児に危害を加えることを誘うような書き込みをすることもあったという。投稿について、「よりリアルに感じてもらい妄想コメントが欲しいと思った」と説明したという。 セキュリティー研修「まじめに視聴していなかった」 少年育成課は、こうした行為… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「信じられない」記録ずくめの暑い9月 真夏日はのべ1万地点超え
平均気温が観測史上最高となった9月について、1カ月間の真夏日(30度以上)の観測地点数も、のべ1万地点を超えたことが気象庁のまとめで分かった。同庁気候情報課の池田友紀子・予報班長は「予報を大きく超えた信じられないような高温。日本全体で記録的な暑さになったのも非常に珍しい」と話した。 2日の同庁の発表によると、都市化の影響が少ない全国15の観測地点を基準に1991~2020年の9月の平均気温と今年を比べると、東日本で3・1度、西日本で2・3度高く、ともに過去最高だった。北日本では3・1度高く、過去2番目の暑さだ。 9月1~30日に全国914地点で観測した真夏日は、のべ1万1801地点で前年の2倍弱になった。 他にも記録ずくめだ。鹿児島市で30日間すべてが真夏日となったのも観測史上初で、東京都心では今年の真夏日が90回目に達し、記録更新中だ。 気象庁は、10月は中旬にかけておおむね平年並みの過ごしやすい気温に落ち着くとみている。(大山稜) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
広島の強殺未遂事件を指示した疑い 詐欺グループ幹部3人を再逮捕へ
増山祐史 遠藤美波 長妻昭明2023年10月3日 0時00分 全国で相次いだ強盗事件のうち、昨年12月に広島市西区の店舗兼住宅で男性が意識不明になった事件を指示したとして、警視庁は3日にも、フィリピン拠点の特殊詐欺グループトップの渡辺優樹被告(39)=強盗予備罪などで起訴=ら幹部3人を強盗殺人未遂と住居侵入の疑いで再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。 他に再逮捕されるのは「ルフィ」などと名乗っていた今村磨人(きよと)(39)=強盗致傷罪などで起訴=、藤田聖也(としや)(39)=強盗予備罪などで起訴=の両被告。今年1月に東京都狛江市の住宅で女性が死亡した事件で、3被告は強盗殺人などの疑いで9月に再逮捕された。 捜査関係者によると、3被告は実行犯らと共謀して昨年12月21日午後7時半ごろ、広島市西区の店舗兼住宅に宅配業者を装って侵入し、住人の50~80代の男女3人に暴行を加え、現金約250万円や腕時計など(時価2439万円相当)を強奪。うち50代男性には殺意を持って工具で頭を殴り、脳挫傷などの大けがを負わせた疑いがある。 3被告は事件時、フィリピンの収容所におり、スマートフォンなどを通じ現場に指示を出したと警視庁はみている。広島県警はこれまでに実行役ら男9人を逮捕した。狛江事件の実行役として逮捕・起訴された永田陸人被告(22)=強盗殺人未遂などの罪で起訴=らも含まれている。 警視庁によると、一連の広域強盗では、指示役が「ルフィ」や「キム」などと名乗っていた。 捜査関係者によると、永田被告は広島の事件で「ミツハシ」や「キム」と名乗る人物からイヤホンなどを通じて指示を受けていたという。事件で使われたレンタカーを広島駅で借りた30代の男2人=いずれも強盗傷人罪などで起訴=は、「ルフィ」と名乗る人物から指示を受けていた。警視庁は、渡辺被告や今村被告らが「キム」「ルフィ」などと名乗って指示したとみている。(増山祐史、遠藤美波、長妻昭明) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
人工衛星が「1等星」に 太陽を反射して輝く光跡、天文学に悪影響も
昨年打ち上げられた米企業の人工衛星が、夜空で最も明るい「天体」の一つになったと、米国やチリなどの研究者が英科学誌ネイチャーに発表した(https://doi.org/10.1038/s41586-023-06672-7)。「1等星」と同じ明るさで太陽光を反射しているといい、地上の望遠鏡観測などの邪魔になる恐れがあると懸念を示している。 地球を周回する人工衛星は、太陽光を反射して明るく見えることがあるが、これまで最大でも2等星ほどの明るさだった。 今回の人工衛星は、昨年9月に高度約500キロに打ち上げられた「ブルーウォーカー3」。米企業ASTスペースモバイルが、携帯電話の通信基地局網をつくるためのテストとして打ち上げた。約64平方メートルの巨大アンテナを持ち、低軌道を周回する人工衛星としては最大級の大きさを誇る。 チリや米国、メキシコ、ニュージーランドなどの望遠鏡が昨秋~今春、この人工衛星を観測したところ、明るさは最大で0・4等級だった。 「冬の大三角」を構成するプロキオン(こいぬ座)やアケルナル(エリダヌス座)といった1等星と同じ明るさで、肉眼でもはっきり見える。全天で21個ある1等星の中では、最も明るいシリウスから数えて9番目くらいにあたる。 ■明るすぎる衛星「肉眼で太陽… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
埼玉県営プールでの水着撮影会、有識者の検討会設立 氏名など非公表
埼玉県営3公園のプールを使った「水着撮影会」の新しいルールづくりのため、県公園緑地協会は2日、有識者5人による検討会を設立したと発表した。「表現の自由」「公共の福祉」などの観点を踏まえ、水着やポーズ、モデルの年齢制限のあり方などについて提言してもらう狙い。会議は原則非公開。「委員の保護、率直な意見交換」のため、有識者の氏名や所属も公表しないという。 同協会は3公園の指定管理者。検討会は9月15日付で設立し、初回の会議は10月2日にさいたま市内で開いたという。 協会によると委員は5人で、大学教授と経済団体役員、弁護士、広告代理店社員、埼玉県庁元職員が務めている。 検討する主な項目は、水着や… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
スタジオの防火対策に「法の不備なし」 消防局員や京アニ社長が証言
36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第11回公判が2日、京都地裁であった。京都市消防局員と京アニの八田英明社長の証人尋問が行われ、現場の京アニ第1スタジオの構造や防火対策を説明した。 消防局員は事件後の21年4月、建物に消防法上の違反がないかなどを確認する部署に係長として配属され、消防局の保管資料を読んだ記憶を元に証言した。 検察側の質問に対し、局員は、第1スタジオには消火器や非常警報設備が正しく設置され、消防法や建築基準法上の「不備はなかった」とし、京アニによる半年に一度の点検も行われていたとした。青葉被告がガソリンに放火した点を強調し、「揮発性が高く、すぐに着火しやすく、燃え広がりやすい危険性が高いものだ」と指摘した。 消防訓練も事件の直近では18年11月、京アニ社員約70人が参加して実施されたと説明。訓練は、スタジオ3階の炊事場で出火したという想定だったとし、「1~2階は火の気が出るようなところがない。屋内階段を使って1階から屋外に逃げる訓練だった」とした。 弁護側は、青葉被告が有罪だとしても、スタジオの構造が被害拡大に影響を与えた可能性を訴えている。尋問では「スタジオ屋上の出入り口の扉は開いていなかった」という消防隊員や、「扉には二つ鍵がついており、開け方がややこしかった」「屋上に向かう階段に段ボールが積まれ、人が1人通る幅しかなかった」という被害者の供述調書を読み上げた上で尋ねた。 消防局員は段ボールについて「物はない方が良いに決まっている」と述べたが、「階下へ避難するのが基本で(屋上への階段は)避難経路として通常は見ない」と指摘。消防から京アニに是正指導をした記録も残っていないとし、問題はないとの認識を示した。火の回りを早めたとの指摘がある3階まで吹き抜けのらせん階段については「縦方向に行く煙や炎は速い。影響はなかったとは言えないと思う」と述べた。 八田社長への尋問でも、構造の質問があった。八田社長によると07年につくり、「法令に準じている」と述べた。設計で意識したのは「人に優しい、目に優しいということ。アニメーターは部屋の中で仕事をするので、木をふんだんに使った」と説明。らせん階段を設けた理由について「アニメを作るにはコミュニケーションが大事。(各階が)同じ雰囲気になるように意識し、効率性も大事にした」と述べた。 京アニ社長「人のアイデアを盗む会社ではない」 自身の社員を「人は宝です」と表現し、青葉被告が主張する盗用に関しては「当社は人様のアイデアを盗んだりできる会社ではない。被告の思い込みで事件が起きたことは断腸の思い」と答えた。 裁判の争点は、責任能力の有無や程度で、検察側は「盗用されたと思い込み、筋違いの恨みによる復讐(ふくしゅう)」に及んだと指摘し、完全責任能力があったと主張。弁護側は「闇の人物と京アニが一体となって、自分に嫌がらせをしていると混乱した」と反論し、心神喪失で無罪と訴えている。(光墨祥吾、北沢拓也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
駅員にナイフ突きつけ強盗未遂容疑 尼崎の男「券売機にお金あると」
2日午後0時55分ごろ、兵庫県尼崎市東園田町9丁目の阪急園田駅で、改札の窓口にいた駅員(55)に男が果物ナイフを突きつけ、「金を出せ」「3分間以内に金を出さなかったらホームに行ったる」などと脅した。 この駅員が非常ボタンを押して110番通報した。警察官が駅に着き、「ナイフを捨てろ」と言うと、男は持っていたナイフをその場に落としたという。 県警は強盗未遂の疑いで男を現行犯逮捕し、発表した。 尼崎東署によると、尼崎市に住む無職男(22)。容疑を認め「無職でお金がなく、駅の券売機には金があると思った」と供述しているという。駅員にけがはなかった。 果物ナイフは刃渡り9・9センチで、男は駅に来る途中に買ったと話しているという。所持金は4623円だった。(小川聡仁) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル