1日午後9時40分ごろ、東京都江戸川区西葛西4丁目の集合住宅で、女性から「弟が父の腹を刺した」と110番通報があった。警視庁葛西署によると、男性が室内で血を流して倒れているのを警察官が見つけ、男性は搬送先の病院で死亡した。同署は1日、男性の息子とみられる50代の男を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。容疑を認めているという。 葛西署によると、男性の胸には刺し傷があり、現場から凶器とみられる包丁を押収した。男も首にけがをしており、一度釈放されて病院で治療を受けているが、命に別条はないという。 捜査関係者によると、この男からも「父を刺しました。自分の首を切ったが死ねない」という趣旨の110番通報があったという。署は男の回復を待って事情を聴き、容疑を殺人に切り替えて調べる方針。(山口啓太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
墓じまいは「時代の必然」 弔いのデジタル化、寺院と僧侶の未来は
地縁・血縁が薄れ、少子高齢化が進む中、墓じまいの件数は増加傾向にあり、厚労省のまとめでは、2012年度の約8万件から21年度には約11万9千件まで増えた。家制度のシンボルともいえる大名家でさえ、継承者がおらず、「墓じまい」をしたり、絶家、つまり「家じまい」としたりする事例が相次いでいる。 仏教史に詳しい花園大学特別教授の佐々木閑(しずか)氏(66)に家制度と弔いの今後について聞いた。 ――日本の家制度を代表するような旧大名家でも墓じまいが相次いでいます。 墓文化を支えた寺院のあり方や檀家(だんか)制度は徳川家康が幕府をつくってまもない1615年に発布した寺院法度によって確立されました。それから400年あまり、墓という形がなくなり、変化していくのはとめられないことで時代の必然と思います。 檀家制度は、全ての民が家族… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「遠ざけ」こそが差別の温床に ハンセン病意識調査から見えた根深さ
ハンセン病をいま、人々はどうとらえているのか。国は今年度中に、全国的な意識調査を初めて実施する。これに先駆けて専門家による研究チームが兵庫県尼崎市と熊本市を対象に調査した。結果からは、なお残る差別や偏見の実態が浮かび上がってきた。 ◇ ◆ ◇ 両市で調査をしたのは、「日本解放社会学会」の研究チーム。9月中旬、関西学院大(同県西宮市)で開かれた同学会の大会で、結果の概要を報告した。 対象は、選挙人名簿からそれぞれ無作為で抽出した3千人。尼崎市民から362人(回収率12・1%)、熊本市民から388人(同12・9%)の回答を得た。 全36の設問には「ハンセン病問題について、どの程度知っているか」という総論から、具体的な状況を想定した設問もある。 「ハンセン病を知っているか」については尼崎市民の6・4%、熊本市民の3・7%が「まったく知らない」と答えた。 肉親の結婚相手がハンセン病家族だったら? 「肉親の結婚相手がハンセン病家族だと分かったらどうするか」という問いに、両市合わせて5・8%が「結婚を諦めろと説得する」と答えた。「本人の意志を尊重する」は69・5%で「どちらともいえない」が24・8%だった。 行政主導で患者を徹底的に隔離した「無らい県運動」については尼崎市で74・4%、熊本市でも57・0%が「まったく知らない」と回答した。 関学大の金(キム)明秀(ミョンス)教授は、属性も踏まえ内容を分析。結婚問題の回答などからわかるのは、「自分は無関係だと思いたい」「距離を置きたい」という「遠ざけ」の心理で、ハンセン病差別の大きな要因だとみる。 地域や性別、年代は影響するのか 差別意識に関して、地域や性… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
縁の下の力持ち 路面電車軌道の保守係に密着 宇都宮で開業のLRT
8月26日に開業した次世代型路面電車(LRT)は、振動の少なさが大きな特徴だ。宇都宮市と芳賀町を結ぶ約14・6キロの軌道の保守を担当し、快適な走りを支える土木係の仕事を間近で見せてもらった。 「接近!」。レールを清掃している土木係の職員に向かって、見張りに立っていたもう一人が大声で電車の接近を知らせた。2人は運転士に向かって片手を上げ、軌道脇に退避する。 近づいてくる車体に速まる鼓動 「うわー、近いですね」。2人の後ろに立つ私も思わず声が出た。黄色と黒のデザインのLRTが目の前を通り過ぎていく。時速40キロほどだが、大きな車体が迫ってくると、こころなしか鼓動が速くなった。 密着させてもらったのは8月29日。LRTの運行会社「宇都宮ライトレール」運輸企画部・施設保全課技師の柳田悠佑さん(28)と斎藤真希さん(28)に同行し、炎天下の軌道内を歩いた。 「電車が近づいたら絶対に私たちより前に出ないでください。運転士の方に背中は向けないでください」。同行にあたり、2人から注意を受けた。LRTはモーター音が静かなうえ、溶接でレールの継ぎ目もなくなっているので、音がなく、接近に気づきにくいという。ヘルメットと反射材のついたベストを借りて、緊張しながら軌道内に入った。 宇都宮市下平出町の車両基地から平石停留場を抜け、宇都宮大学陽東キャンパス停留場までの区間を点検し、再び基地に戻る1時間あまりのコースだ。 路面電車の軌道は道路に埋め込まれているため、溝にごみがたまりやすい。ごみはヘラでかき出して回収する。車輪が接触しやすい「ガードレール」の部分には、長い柄の付いたはけでオイルを塗っていく。 滑らかで揺れやきしみが少ない走りは、車両の性能だけでなく、日々の手作業によるメンテナンスにも支えられている。保線を担当する土木係は柳田さん、斎藤さんを含めて4人いる。 LRTは上下線とも数分~十数分間隔で運行しているため、すぐに次の車両がやってくる。2人は退避を繰り返しながら軌道内を歩き、ハンマーでボルトをたたいてゆるみの有無を点検。時折、ひざをついて軌道に顔を近づけ、レールにゆがみがないかをチェックする。 「毎回、同じ作業を繰り返すことが大切」 「金属なので暑さでゆがむこ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
富士山に登山鉄道、オーバーツーリズムの切り札? 地元で割れる賛否
山梨県が富士山で実現をめざす登山鉄道構想の具体化に向けて動き出した。同時に、ふもとの自治体の賛否も鮮明になってきた。県は走行システムや採算性の精査を進め、自治体の理解を求めるため秋にも説明を始める。一方、反対姿勢を貫く富士吉田市は広報誌で「さまざまな観点で反対」と表明するなど構想への反発を強めている。 山梨県は構想の具体化に着手 「5合目へのアクセスを抜本的に変革していく必要があろうかと思います」 長崎幸太郎知事は9月12日の定例記者会見で、富士山登山鉄道構想を推進する意欲を改めて語った。オーバーツーリズム(観光公害)を解消し、富士山の普遍的価値を未来に引き継ぐための「切り札」として構想を位置づけた。 県はこの夏、鉄道構想の具体化に向けた検討に着手した。6月県議会で関連事業費として6200万円を盛り込んだ補正予算が成立し、導入を検討する次世代型路面電車(LRT)の運行システムや採算性の検討を進めている。9月補正予算案にも、LRT事業者や車両メーカーへのヒアリングを進めるための事業費を計上した。 県は今後、構想の具体化に向けて技術的な課題を洗い出し、解決に必要な期間を落とし込んだ工程表をつくる。県担当者は「秋には県の方針や取り組みの詳細を自治体に説明したい」と話す。 富士河口湖町は「観光地の価値高める」と賛同 鉄道が敷かれる富士スバルラ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
俺たちはいつまで被災者だろう 友の疑問に「語り続ける」意味考えた
「なあ雁部(がんべ)、俺たちっていつまで『被災者』でいさせられるんだ?」 今年の正月、東北大大学院生の雁部那由多(なゆた)さん(24)は、小学校時代の同級生5人で、久しぶりに集まった。お酒が入った流れで、そんな話になる。 東日本大震災では、みな住まいが壊れたり、家族を亡くしたりした。12年がたち、地元・宮城県東松島市で就職した友だちもいれば、東京に出たやつもいる。 「必死でがんばってきて、もう忘れて前を向こうとしているのにな」 言葉は、震災のことを人前で語り続けている雁部さんに、向けられていた。 「まあ、お前のやり方でがんばれ。でも俺たちまで巻き込むなよ」 あとはそれぞれの近況報告が続き、夜遅くお開きになった。 雁部さんが語ってきたことを、まず聞こう。 2011年3月、大曲小で5年生の3学期だった。 強い地震の後、靴を履き替えようと、校舎1階の昇降口に下りた。避難してきた大人の男性5人が、校庭をこちらに向かってきている。雁部さんはドアを開け、彼らを待っていた。 突然、鉄砲水のような勢いで、津波がどっと入ってくる。 封印した記憶、語り消化できた 目の前で5人がのみこまれた… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
隠し階段に隠し扉、バカラ賭博店を摘発 経営者や客ら計31人を逮捕
バカラ賭博店を開いたとして、大阪府警は1日、自称経営者の男(41)=大阪市浪速区=と20~36歳の従業員の男女18人を賭博開帳図利の疑いで逮捕したと発表した。客の男女12人も単純賭博の疑いで逮捕した。経営者の男は容疑を認め、従業員の多くは「賭博には関係していない」などと容疑を否認しているという。 発表では、男は1月下旬から8月上旬まで、大阪市中央区日本橋1丁目のビル内で客にバカラ賭博をさせ、利益を得た疑いがある。 保安課によると、店は24時間営業で、客たちからは「麒麟(きりん)」や「リアン」などの名前で呼ばれていた。客の賭け金の5%などを手数料として徴収。看板は掲げておらず、店内には隠し階段や隠し部屋があり、賭博に使う道具などが隠されていたという。(三浦淳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
四谷大塚盗撮、別の元講師も逮捕 法人を個人情報保護法違反で立件へ
教え子の女子児童への強制わいせつ容疑などで逮捕された大手中学受験塾「四谷大塚」の元講師の森崇翔(そうしょう)容疑者(24)=東京都日野市=が、同僚の男と共謀して別の児童を盗撮したとして、警視庁は2人を性的姿態撮影等処罰法違反の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。 逮捕は9月30日。森容疑者は塾の女子児童の個人情報を、SNSのグループチャットに投稿して参加者が見られる状態にしており、警視庁は個人情報保護法違反にあたると判断。情報の管理が不十分だったとして、森容疑者に加え、法人としての四谷大塚を同法違反容疑で近く書類送検する。 捜査関係者によると、森容疑者は講師だった8月上旬、同じく講師だった男(26)=東京都あきる野市=と共謀し、四谷大塚の都内の教室で、教え子の女子児童(当時7)の下着が見える状態の写真を隠し撮りした疑いがある。男は児童と1対1で授業中、休憩を装って森容疑者と交代していた。任意聴取に森容疑者は容疑を認め、男は否認していたという。 元講師「妄想しやすくするために個人情報載せた」 児童の教室で主に講師を務め… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
全国3万社の総本宮 「千本灯籠」はじまる 京都・伏見稲荷大社
全国に3万社あるとされる稲荷神社の総本宮・伏見稲荷大社(京都市伏見区)で、境内の千本鳥居を灯籠(とうろう)で照らし出す「千本灯籠」が始まった。10月9日まで。 千本鳥居を含む約400メートルの参道に、350基ほどの灯籠が置かれている。灯籠のあかりはオレンジや、黄色、赤色などで、赤い鳥居が足元からほのかに照らし出されていた。幻想的な雰囲気を、多くの外国人観光客らも楽しんだ。 灯籠の点灯は、午後6時から8時半まで。(新井義顕) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「JRの公共性が問われる」ローカル線の存廃議論、広島県知事の視点
赤字ローカル線の将来像を、国や沿線自治体、鉄道事業者らが話し合う「再構築協議会」の仕組みが10月から動き出します。最初に一部区間の存廃の議論が本格化すると見られるのが広島・岡山を走る芸備線。議論にどう向き合っていくのか。湯崎英彦・広島県知事に聞きました。 シリーズ 線路は続くか ローカル鉄道の問題を現場から考えます。国交相やJR西の関係者らへのインタビューもお伝えしていきます。 ――再構築協議会に、どう臨みますか。 協議会への参加を決める前に、JRがどういう趣旨で設置を要請するのか、国は何を議論していくのかを把握して、沿線自治体と検討することになる。 特定区間の議論に入る前提として、ネットワークのあり方をどう考えるか、基本的な哲学を押さえるべきだ。芸備線は山陽線や福塩線につながり、木次線などを経由して山陰につながるネットワークの一部。個別の区間が大量輸送に合致していないという理由で打ち切っていいのか。その議論がほとんどされていない。 ――国が協議に関与する新制度の意義とは。 鉄道事業者が届け出れば廃止ができる仕組みのなかに協議会の議論を挟む制度ができた。国の参加や財政的関与も規定され、評価している。国には、百数十年にわたって構築してきた日本の鉄道ネットワークをどう考えるのか哲学を示してほしい。ローカル線の沿線住民だけの問題ではない。 「本当に持続可能ではないのか、JRに問う」 ――この間、JR西に収支開示を求めてきました。 JR西は元々、コロナ禍で収… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル