日本を代表する現代美術家の一人、村上隆さん(61)が来年2月、京都で「村上隆 もののけ 京都」展(朝日新聞社など主催)を開く。国内では8年ぶりの大規模個展で、出品する約170点の大部分が新作となる。14日に京都・祇園で記者会見があり、村上さんは「今まで蓄積した技術で最高のものをつくっている。日本での展覧会は最後だと思って、ぜひ見に来ていただきたい」と話した。 村上さんは、アニメやマンガを引用したポップでカラフルなアート作品で知られる。今回の個展は開館90周年を記念して京都市京セラ美術館(同市左京区)で開催され、作品を通じて京都と対峙(たいじ)する。例えば、江戸時代に描かれた岩佐又兵衛の「洛中洛外図」や、俵屋宗達の「風神雷神図」など、京都を中心に活躍した絵師の代表作を、村上さんが独自に解釈・引用、再構築した新作を展示するという。 この日は、歌舞伎の「南座」(同市東山区)で、十三代目市川團十郎さんの襲名披露興行のために村上さんが原画を描いた祝幕も披露され、團十郎さん、村上さん、間を取り持った映画監督の三池崇史さんが祝幕の前に並んだ。歌舞伎十八番のすべての演目をデザインしている。團十郎さんは「エネルギッシュだが緻密(ちみつ)な計算がある。(初代團十郎が創始した)荒事と共通している」と話した。この原画も出品される同展の会期は来年9月1日まで。(西田健作) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
軽乗用車のタイヤ外れ、歩道の女児直撃 過失運転致傷容疑、男逮捕
14日午後1時半ごろ、札幌市西区の市道で、走行中の軽乗用車からタイヤが外れ、歩道を父親と姉と3人で歩いていた女児に直撃した。女児は4歳前後とみられ、意識不明の重体。 北海道警は、軽乗用車を運転していた同区の会社員の男(49)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 現場は片側1車線の直線の緩やかな坂。札幌西署によると、車は軽四輪駆動車で、坂を下りる途中で左前のタイヤが外れた。タイヤは車の左側の歩道に乗り上げながら約70メートル転がり、その歩道上で坂を上っていた女児に直撃した。タイヤはその後、約140メートル下の駐車場で止まった。 車は車高が上げられ、悪路を走れるオフロード用のタイヤに交換されていたとみられるという。署が整備状況について詳しく調べている。(新谷千布美) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「セノハチ」の立ち往生、新型も車輪空転 JR西が発表した対策は?
広島市安芸区のJR山陽線の瀬野―八本松(はちほんまつ)駅間で6日、走行中の普通列車の車輪が空転し、約4時間にわたって立ち往生した。通称「セノハチ」と呼ばれる難所で、国内屈指の急勾配、急カーブで知られる。坂を上っていた車内に約150人の乗客が取り残された、空転の原因とその対策は――。 トラブルが起きたのは、6日午後3時35分ごろ。山あいにある瀬野駅から3・8キロほど進んだ所だった。広島県東広島市方面に向かう上り列車は、この場所で前進と停止を何度かくり返した後、完全に動かなくなった。 このトラブルで上下線計77本が運休。約2万5千人に影響が出た。車内に取り残された乗客約150人は約4時間後、迎えに来た下り列車に乗り換えて移送された。 この場所は、知る人ぞ知る「セノハチ」区間にあたる。「西の箱根」ともいわれる難所で、約10キロの間の高低差は200メートル。国内屈指の坂とカーブが連続する。2年前には、貨物列車のコンテナの積み荷が偏っていたためカーブで曲がりきれずに脱線。2017年12月には今回と同様、車輪が空転し、1時間40分の間、立ち往生した。 JRが「配備」したのは JR西日本中国統括本部によ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
死亡劇団員、20日連勤の恐れも 上級生の叱責は「許容される範囲」
【動画】宝塚歌劇団は劇団員が死亡した問題について記者会見を開いた 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の劇団員の女性(25)が9月末に死亡した問題で、外部の弁護士による調査チームの調査報告書がまとまり、歌劇団が14日、宝塚市内で記者会見を開いた。長時間に及ぶ活動などの管理責任を認めて謝罪。一方で、上級生による「いじめ」は否定し、パワハラは確認できなかったとした。 「安全配慮義務を十分に果たせていなかったと、深く反省しています」。宝塚歌劇団の木場健之(こばけんし)理事長は14日の記者会見で、宙(そら)組に所属していた女性(25)が死亡したことについて頭を下げ、謝罪した。 女性の死亡原因を巡って、遺族側は月250時間超の時間外労働といった長時間労働や、複数の上級生による暴言などのパワーハラスメントがあったと主張していた。 下級生まとめる立場「女性への負荷大きく」 これに対し報告書は女性が死亡する直前の状況について、様々な要因で心理的な負担が増大していたと指摘した。 新人公演に出演する最年長の代だった女性。ともに下級生をまとめる立場の同期5人のうち、退団や休演の影響で女性も含めた2人で負担しなければならなくなった。公演内容が難しいうえ、コロナ禍明けで準備のやり方が変わったことから、特に女性への負荷が大きくなったとした。 歌劇団は女性と業務委託契約… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「過度にタテ関係重視」 歌劇団パワハラ認めず、遺族側「再検証を」
歌劇団が公表した報告書に対して、遺族側からは強い批判の声があがった。上級生(先輩劇団員)による女性へのパワハラを認めなかったことについて、14日に都内で会見した代理人弁護士は「事実認定と評価は失当(不当)だ」として再検証を求めた。 報告書を受けて、遺族側は調査が「劇団と上級生の責任を否定する方向に誘導している」と批判した。遺族側が調査委員会の聞き取りで説明したことや、提出したLINE(ライン)のやりとりを引用しなかった部分があると主張した。 また、上級生からヘアアイロンを当てられてやけどを負ったと主張した点も、報告書は「故意ではない」としたが、「故意性が仮になくとも、重過失は明白」と指摘、謝罪は不可欠だとした。 さらに「上級生が下級生を叱責(しっせき)するという劇団の慣行を無批判に受け入れ、指導の範囲内と評価した。タテの関係を過度に重視し、一時代前、二時代前といってもいい価値観に基づく思考だ」と、報告書のあり方自体を批判した。「端的にいえば、劇団が調査委員会を設置する前に述べていた内容、見解を追認するものである」と続けた。 劇団員の長時間活動を認定「意義ある」 一方、報告書の中で評価した… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
重い心理的負荷、パワハラは確認できず 宝塚歌劇団員死亡の報告書
宝塚歌劇団員の女性(25)が死亡した問題を受け、弁護士らでつくる調査チームの報告書の要旨は次の通り。 調査方法 9人の弁護士が劇団員62人や、劇団役職員、女性の遺族らにヒアリングを実施した。情報収集には限界があり、今後訂正する可能性がある。 いじめの有無 女性は2021年8月14日、ロッカー室で劇団員Aから髪形の指導を受けていた。Aが女性の前髪をヘアアイロンで巻こうとした際、額に当たり、小指の第一関節から先程度の長さのやけどを負った。目撃者はいなかった。女性はこのことを劇団側に伝えなかった。 女性が翌日に母親に送ったLINEメッセージからは、Aが故意に当てたのではないかと疑っていたことが認められる。他の劇団員へのヒアリングでは、女性がAからいじめられていたとの供述はなかったが、Aを苦手にしていたとの供述が比較的多くあった。 23年1月30日に劇団が週刊文春の記者から事実確認を求める取材を受けた後、プロデューサーが女性とAに別々に事情を聴いた際のメモには、2人とも故意ではないと答えたとの記載があった。劇団理事長ら幹部のパソコンのデータにも、女性のヒアリング結果を隠蔽(いんぺい)・改変した形跡は見当たらなかった。 死亡直前の事実関係 女性が所属する宙組は9月29日に始まる本公演に向け、8月16日から公式稽古があった。公式稽古は午後1~10時に行われることが多く、女性を含む劇団員はその前後に自主稽古や、かつらやアクセサリーの準備などをしていた。 女性は入団7年目で、10月19日の新人公演を取りまとめる立場だった。新人公演の最上級生は「長の期」と呼ばれ、女性は代表者の「長」として、稽古のほか、演出担当者や衣装部とのやりとりも担っていた。 長の期は、新人公演のメンバーの失敗について上級生から指導・叱責(しっせき)される立場で、下級生に対しては「組ルール」の順守を指導する立場でもあった。新人公演の稽古は本公演後の夜にあり、過密スケジュールの中、本番までに仕上げる切迫感と重圧があったと認められ、心理的負担は小さくなかったと評価できる。 劇団は劇団員と、入団後5年間は1年ごとの「演技者専属契約」(雇用契約)、6年目以降は1年ごとの「出演契約」(業務委託契約)を結ぶ。入団7年目の女性はタレント(個人事業主)として扱われ、劇団は「労働時間」を管理していなかった。 女性の活動時間を試算すると、直近1カ月に118時間以上の時間外労働があったことになる。深夜帯にかかる長時間の活動で睡眠時間が十分に確保されない中、休日の9月16日と25日にも活動した可能性が高く、精神障害を引き起こしても不思議ではない程度の心理的負荷があった可能性は否定できない。 上級生の指導 女性は同級生と相談の上、新人公演の配役表を発表日(8月31日)の前日にメンバーらのLINEグループに送った。だが、このことを組長に問われ「送っていない」と答えたため、組長と副組長から指導を受けた。 また、新人公演に向けて殺陣やダンスナンバーを上級生から教わる「振り写し」などをめぐっても、女性は9月に組長から指導や叱責を受けた。 ただ、これらは業務上の必要性が認められ、大声や人格否定は伴わず、社会通念に照らして許容される範囲を超えるものとはいえない。 原因の考察 過密スケジュールをこなしながら、過酷な新人公演の稽古も予定されていた。「長の期」の活動に従事しなければならなかったことや、公演内容が難しかったなどの事情に加え、上級生からの指導も多く重なった。 ヒアリング結果によれば、女性は組内の親しいメンバーに対し、「上級生についていけない」「叱られるのが嫌だ」。家族に対しては「とにかくずっと怒られているから、何で怒られているかわからない」「叱られていることに何とも思わなくなってきた」と述べていたことが確認できる。 厚生労働省の「心理的負荷による精神障害の認定基準」を踏まえれば、精神障害を引き起こす程度の心理的負荷がかかっていた可能性は否定できない。 劇団への提言 多くの劇団員から「過密なスケジュールがつらい」という意見があった。年間興行数を9から8に減らす、週当たりの公演を10から9に減らすなど、具体的な見直しに速やかに着手すべきだ。 「自主稽古」も参加が事実上必須になっているという意見が多数出た。劇団は実態把握に努め、本来の意味での自己研鑽(けんさん)の場になるよう検討し、実行に移すべきだ。 組内の運営をスムーズに進めるための「組ルール」も、合理化を促し、不必要なルールが新たに生まれていないか定期的なレビューを行うよう求めるべきだ。 劇団員が安心して相談できる通報窓口の設置のほか、継続的に劇団の業務を監視する組織的な体制の構築も検討すべきだ。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
放火殺人事件の被告、小声で「社会に戻るつもりない」 法廷で供述
甲府市で2021年10月、全焼した住宅の焼け跡から夫婦の遺体が見つかった事件で、殺人と現住建造物等放火など四つの罪に問われた同市の無職遠藤裕喜被告(21)の裁判員裁判の被告人質問の2日目が14日、甲府地裁(三上潤裁判長)であった。 前日は問いかけに一切答えず 13日の被告人質問で弁護人の問いかけに一切答えなかった被告。仕切り直しとなったこの日の手続きでは口を開いた。 質問が始まったのは午前10時13分ごろ。 弁護人が、事件当時の行動や動機などを尋ねたが、被告は下を向いて黙っていた。自身の学校生活や警察での取り調べに質問が及んでも何も話さず、16問目で初めて口を開いた。 「どうして話さないのか理由を教えてください」 弁護人が問いかけると、被告は間を置かずに小声で答えた。 「社会に戻るつもりがないからです」 被告が口を開いたことを受け、弁護人がほかに話をするつもりがあるか尋ねたが、今度は「特にありません」と述べるにとどまった。 検察側の質問に対しては… 午前10時17分ごろから検… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
社福理事長ら9400万円の贈収賄容疑で逮捕 役員選任巡り 福岡
福岡県糸田町の社会福祉法人「貴寿会(きじゅかい)」の役員選任を巡り、約9400万円の現金の授受があったとして、県警は14日、理事長の今宮一成容疑者(57)=同県香春(かわら)町=を社会福祉法違反(収賄)の疑いで、前理事長の藤井諭容疑者(61)=東京都品川区=ら3人を同法違反(贈賄)の疑いで逮捕し、発表した。 県警によると、2016年の同法改正で新設された贈収賄規定による逮捕は全国2例目という。 捜査2課によると、同法人理事長だった今宮容疑者は21年6月ごろ、同法人と無関係だった藤井容疑者から藤井容疑者ら3人を役員にできるよう依頼をうけ、その対価として現金約9400万円を受け取った疑い。 同年6月に藤井容疑者は理事長に、ほか2容疑者は理事に就いた。今年4月、今宮容疑者が再び理事長に戻った。 同法人をめぐっては今年6月、同法人が県に「使途不明金がある」と報告。県は特別監査に入っている。(西岡矩毅、伊藤未来) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
早大相撲部員を逮捕 「大麻送って」と依頼した疑い 寮など家宅捜索
福岡県警は14日、早稲田大学3年で相撲部所属の園田陽司容疑者(20)=東京都西東京市東伏見3丁目=を大麻取締法違反(譲受未遂)の疑いで逮捕し、発表した。県警は認否を明らかにしていない。 県警薬物銃器対策課によると、園田容疑者は7月中旬ごろ、友人の会社員広渡翔馬容疑者(21)=福岡県福津市西福間3丁目、同法違反容疑(所持)で逮捕=に「大麻を送ってくれないか」と電話で依頼。大麻を含む植物片1・568グラムを隠匿した郵便物1個を用意させ、大麻を譲り受けようとした疑い。 県警は同日、園田容疑者が暮らす同大の寮などを家宅捜索した。同大の広報担当者は朝日新聞の取材に「驚くと同時に、大変戸惑っている。事実関係を早急に確認し、事実であれば、厳正に処分する方針」とコメントした。(松本江里加) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
平和記念資料館に「風景印ポストがあれば…」 あります、ひっそりと
広島市の平和記念資料館東館の1階に、高さ30センチほどの長方形の箱がある。情報コーナーの隅にひっそりと置かれ、足を止める来館者はいない。銀色に輝くこの箱は一体――。 「ポストカードを受けとった世界の人々に、ヒロシマの思いを伝えてもらいたい」。資料館の滝川卓男館長が期待を込めるその箱は、「ピース・ポスト」と名付けられている。 2006年に設置され、「ピース・メール」として同年8月6日から郵便サービスを開始した。ただはがきを投函(とうかん)できるだけでなく、風景印(消印)を押してもらえることが、サービスの目玉だ。 日本郵便によると、印は1985年から使用されていたもので、平和記念公園内の原爆死没者慰霊碑や広島城、もみじがあしらわれている。「特に子どもたちに当館を見学した感想や平和に対する思いをポストカードに書き記し、家族や友人に発信してもらう」。2006年8月のプレスリリースでは、そううたわれている。 07年10月の朝日新聞の記事によると、サービス開始から約1年で1千通あまりが投函された。だが、近年は利用が少なくなっているという。 切手の需要減り…「知る人ぞ知る」に 理由の一つは昨年3月、平和… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル