消費者庁は29日、安全性が疑われる製品やリコール製品のネット通販などでの出品削除の状況を初めて発表した。6月に始まった「製品安全誓約」に基づくもの。10月に各監督省庁が29件の削除を大手ネットモールなどの運営事業者に求め、全てが2営業日以内に削除された。消費者庁の担当課は「順調なスタートだ」としている。 製品安全誓約は、消費者庁などの関係省庁と、ネット上で製品の「売買の場」を提供する事業者が策定、アマゾンジャパン、楽天グループなど7社が6月に署名した。不適切な製品が出品されているとの経済産業省など規制当局からの指摘を受けた場合に出品を削除する、といった項目が盛り込まれている。 10月の1カ月間に削除要請が出された主な品目は、乳児用ベッド、バイク用ヘルメット、リチウムイオン蓄電池など。消費者庁によるといずれも安全基準を満たしているとの確認ができなかった商品という。(大村美香) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
知床沖事故の訴訟で国側が反論 「検査機構の過失。国に責任なし」
北海道・知床半島沖で昨年4月に観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故で死亡した甲板員・曽山聖(あきら)さん(当時27)の両親=東京都=が、事故は国の不十分な船体検査が原因だとして、国に計約1億800万円の賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が30日、東京地裁であった。 事故をめぐり、国の責任を問う訴訟は初めて。国側は、検査は日本小型船舶検査機構(JCI)が担っており、「仮にJCIに過失があったとしても、国は賠償責任を負わない」などとする答弁書を出し、請求棄却を求めた。 両親は訴状で、JCIが船のハッチの不具合を発見して不合格にしていれば、出航できず事故は起きなかったと主張。国には安全に航行できない船を検査に合格させた責任があると訴えている。 船舶の検査は国の事務だが、小型船舶の検査は国土交通省が所管する特別民間法人のJCIに委任されている。国側は答弁書で「国家賠償法上、『公権力の行使』をする主体が、責任の主体になると解されている」と指摘。「検査はJCIが自立的に行う業務。責任主体は国ではない」と主張した。 原告代理人は閉廷後の取材に… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
治療に効果とうたい無許可販売容疑、男4人逮捕 成分は通常の飲料水
腫瘍(しゅよう)やアトピーに効果があるとうたい、水を医薬品として無許可で販売したとして、警視庁は事務機器販売会社「エムオーシー」(東京都港区)代表の男(82)ら4人を医薬品医療機器法違反(無許可販売)容疑で逮捕し、30日発表した。同日、同社と関連会社「Craftsman」を同法違反で書類送検した。 生活環境課によると、ほかに逮捕したのはエム社の専務ら44~53歳の男3人。4人は共謀して3~7月、厚生労働省の許可を得ずに、医薬品として「エレメントアクア」と称する液体を、秋田県の40代女性ら9人に計約23万円で販売した疑いがある。いずれも容疑を認めているという。 この液体はHPなどで「様々な症状の予防効果」「疾病に対する治療」などと効能をうたっていた。警視庁が鑑定したところ、成分は通常の飲料水と同じと確認されたという。 購入した9人は、がんやアトピーなどの治療の目的だった。同課に対し、全員が「効果は感じなかった」などと説明しているという。 同課は、2017年から約6年間で全国の延べ1365人に販売し、計約3200万円を売り上げたとみている。(御船紗子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
手重ねるなどセクハラ行為 愛知県岩倉市、消防士長の男性を懲戒処分
愛知県岩倉市は30日、市消防本部の20代の女性消防士2人へのセクハラ行為があったとして、消防士長の男性(35)を減給3カ月(10分の1)の懲戒処分とし、発表した。 8月に女性2人から訴えがあり、内部のハラスメント処理委員会(委員長・柴田義晴副市長)と懲戒審査委員会(同)で調査、審議してきた。発表によると、2人は2021年~23年6月に計20件のセクハラとパワハラがあったと訴えたが、市は同期間の計8件をセクハラとして認定した。 消防本部や消防関係者によると、男性は車庫2階の清掃時、はしごを握る女性の手に自身の手を重ね、振り払われると「こんなにかわいがってあげてるのに、ひどいな。全然なつかない」と発言。ほかにも「生理のとき言ってくれれば、仕事替わるよ」と口にした。性経験を尋ねる、自身の体の臭いをかがせる、肩をもむよう指示する、懇親会で性的な発言やヘッドロックをする、といった言動も確認された。 市消防本部で勤務する女性は2人だけ。うち1人は今月半ばまでの2カ月間、「抑うつ状態」と診断されて休職した。 男性は「相手を傷つけ、反省するしかない」と話しているという。 市の懲戒処分の基準は、「相… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
性教育「はどめ」導入の経緯とは 教科調査官「はどめではなく…」
性教育の事実上の制約になっていると言われる、学習指導要領の小学校理科と中学校保健体育にある「はどめ規定」。1998年度の改訂時に盛り込まれた規定で、教育現場では「性交を教えてはならない」と捉えられている。 昨年10月の衆議院文部科学委員会で永岡桂子文科相(当時)は規定について、「撤廃することは考えておりません」と答弁した。若者や子どもへの性暴力が社会問題となり、性教育の必要性が認識されるなか、改めて注目を集めているこの規定は、どんな目的で作られたのか――。 今回、はどめ規定が導入された学習指導要領改訂に携わった中学校保健体育の教科調査官が朝日新聞の取材に応じた。 ◇… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ぎりぎりのラインで活動」 猪瀬直樹・元都知事が語る東京五輪招致
東京五輪・パラリンピックをめぐり、石川県の馳浩知事が、高額のアルバムをつくり、投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)の委員におみやげとして渡したと話した。この発言によって、改めて注目が集まった五輪招致活動の実態はどのようなものだったのか。当時の招致委員会会長で、都知事だった猪瀬直樹氏(77)に聞いた。 「招致活動を担っていたのが、開催都市である東京都とJOC(日本オリンピック委員会)。野球に例えるのならば、両者がグラウンドでプレーし、国会議員や都議は観客席にいる応援団という立場だった」 猪瀬氏が語る招致活動の構図だ。招致が決まった2013年、馳氏は衆院議員で、自民党の東京五輪招致推進本部長を務めていたが、招致活動の中枢に関わる立場ではなかったという。 「偶然という形でオペラの隣席に」 招致委会長を務めた猪瀬氏ら… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
カーテン、靴、竹ざるも「お直し」 街のクリーニング店にさよなら
前橋市中心部で60年近く続いてきたクリーニング店が、この年末で廃業する。家庭でも洗える服が増えたことなどでクリーニング離れが進むなか、なんとか良さを知ってもらいたいと活動する人たちもいる。(川村さくら) 県庁や前橋市役所から徒歩5分ほど。国道から筋を1本入った場所にあるクリーニング店「VIC DRY」の岡裕美子さん(65)は、毎日ここでガラス戸越しに街を眺めてきた。 伝票も名前も必要ない。お客さんが入ってくると、「こんにちは。いい天気ねえ」と答えながら、たくさんの中から返すべき服を探し出す。近況を聞いたり、世間話をしたり。顔と名前を覚えるのは「得意みたいなのよね」。 ■前橋の「丸の内」で… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
茨城のリンゴ園で試食した12人が食中毒 6歳男児ら2人重症か
茨城県は29日、大子町小生瀬の観光果樹園「豊田りんご園」で試食用のリンゴを食べた客12人が体調不良を訴え、腸管出血性大腸菌(O157)による集団食中毒が起きたと発表した。このうち6歳の男児と70歳代の女性の2人が重症とみられ、集中治療室(ICU)に入院している。残る10人は軽症だという。 県によると、試食用のリンゴは園で収穫されたもので、5日正午から午後3時ごろにかけて園内で提供された。あらかじめ従業員がカットして紙コップに入れた状態だったといい、リンゴ狩りなどに来ていた客47人が食べ、3歳~80歳代の12人に腹痛や下痢、発熱などの症状が出た。 医療機関からの届け出を受けて13日に集団食中毒の疑いが判明。収穫したリンゴを専用カッターで切って紙コップに入れるまでの作業中に菌が入り込んだ可能性があるといい、県は詳しい感染経路を調べている。 園内での感染拡大は確認されていないが、園は16日からリンゴの試食を中止しているという。(原田悠自) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
8万回離着陸 離島結んだプロペラ機、「お疲れさま」売却先の海外へ
長崎空港を拠点にする航空会社「オリエンタルエアブリッジ(ORC)」=長崎県大村市=の退役機が29日午後、売却先の海外に向けて長崎空港を出発した。 退役機は、デ・ハビランド・カナダ(旧ボンバルディア)のプロペラ機DHC―8―201型機(座席数39)。2002年から運航を開始した。構造上の「限界離着陸回数」が寿命の8万サイクルに達する見込みのため、9月の運航を最後に退役していた。8万まで約30サイクルを残して、海外に売却されることが決まった。 五島、壱岐、対馬といった長崎の離島までのフライト時間は30~40分ほど。離着陸回数が多いのは、離島を結ぶエアラインの航空機ならではといい、担当者は「離島の人たちはお世話になった。1日何往復もしてきたので、よく頑張ってくれました」とねぎらった。 同型の保有機は、昨年に1機が退役しており、現役の最後の1機は当面運航を続ける予定だという。(小川崇) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夏はホタル、冬はイルミネーション 穏やかに時が流れる東京・久我山
井の頭公園から23区東部へ向かって流れる神田川沿いは、私が好んで走るジョギングコースだ。気になりながらも、走って通り過ぎるばかりで、ゆっくり歩いたことがないところがたくさんある。その一つが久我山だった。 色とりどり、遊び心にじむ電車 久我山の地形はすり鉢状になっており、京王井の頭線久我山駅は、神田川そばの低い位置にある。川沿いの歩道を東に向かうと、フェンス越しにたくさんの電車が止まっているのが見える。京王電鉄の「富士見ケ丘検車区」。検車区とは、定期的な車両の点検や整備を行う場所だ。 京王電鉄によると、井の頭線は1編成5両で運行しており、全部で29編成145両の車両がある。屋根や車体のラインの色が編成ごとに異なっていて全7色。色の異なる車両が複数台並んでいるのを見ると、ちょっと特別な場所にいるような感覚になる。 29編成の車両のうち、1編成だけ「レインボーカラー」があったり、一部車両の内装にハートやかたつむりが隠れていたり、思わずうれしくなるような遊び心がにじんでいる。検車区の藤井佳晃区長は「ご乗車の際には、ぜひ探してみて下さい」。 「緑が多い、優しい人が多い」 駅に戻って、今度は南方向へと歩を進める。緩やかな坂から始まる「南銀座商店街」は、街灯や通りの雰囲気がどこか懐かしさをまとう一方で、最近開いたと思われる店もちらほら。その中で、スリランカの国旗を掲げる店を見つけた。 今年4月に開店したというカ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル