他人になりすまし、計約1億4千万円分の新幹線のチケットを不正購入したとして、大阪府警は6日、23~34歳の中国人の男4人と日本人の男(55)の計5人を窃盗などの疑いで逮捕・送検したと発表した。男らは偽サイトに誘導して個人情報を盗む「フィッシング詐欺」で、335人のクレジットカード情報を不正入手していたという。 発表によると、5人はそれぞれ共謀し、2月28日~4月9日、JR西日本やJR九州の予約サイトで、他人名義のクレジットカード情報を使い、発券したチケット計約1万4千枚を盗んだ疑いがある。 国際捜査課によると、中国籍の容疑者らが駅で発券し、日本人の男が金券ショップで換金していたという。ほかにもJR両社から約1億6千万円の被害申告があり、452人のカード情報が悪用された。カードを不正利用された人の中には「大手通販会社から個人情報を入力させるメールがきた」と話す人がいたという。(甲斐江里子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大入り願って墨を太く 京都・南座の顔見世興行を前に「まねき書き」
師走の京都を彩る南座(京都市東山区)の歌舞伎公演「吉例顔見世(かおみせ)興行」を前に、出演する東西の歌舞伎役者の名前を看板に記す「まねき書き」が6日午前、妙伝寺(同市左京区)で報道陣に公開された。 ヒノキのまねき看板が並ぶ一室で、書家の川端清波さん(38)=京都市伏見区=が、「勘亭流」と呼ばれる独特の書体で、市川團十郎さんの名前を記した。今年から筆をとる川端さんは「お客さんがいっぱい入るようにと、墨の部分を太く、余白を少なく書くのが勘亭流の醍醐(だいご)味です」と話した。 顔見世興行は12月1~24日。團十郎さんの襲名披露公演となる。11月下旬には、南座正面玄関に看板を掲げる「まねき上げ」が予定されている。(西田健作) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
立ててへにょり、積んだら雪崩……大量のマンガ雑誌、研究者は考えた
立てるとへにょへにょして、積み上げると雪崩を起こす――。 熊本大学文学部の池川佳宏准教授は、背表紙のない「中とじマンガ雑誌」の扱いに手を焼いていた。 青年漫画誌などに多いタイプの雑誌で、ホチキスで二つ折りにした紙の中央をとめて製本してあるものだ。 池川さんが所属するのは、大学の国際マンガ学教育研究センター。昨秋開設され、マンガ文化の研究のほか、マンガのアーカイブ化、マンガを生かした地域づくりなどをすすめている。 マンガ雑誌は研究資料であり、地域活性化のタネ。必然的に大量に扱うことになる。 困っていたのは、山のようなバックナンバーをどう管理して、効率的に収納するかだった。 なかでも中とじマンガ雑誌は、本棚に立てようとしても、たわんでうまく立たない。表紙がつるつるしていることが多く、横にして積み上げると、まもなく崩れてしまう。 既存の段ボール箱を使って整理してみたが、隙間があれば曲がりの原因になり、いっぱいにすると重くて持ち運びが大変になった。 図書館などでは、背表紙部分を切って何冊かまとめた「合本」にして管理することが多い。だが、そうすると背表紙にある編集長の名前などの情報が失われてしまい、研究に適さなくなる。 ないなら、つくろう。 池川さんは、マンガの単行本向けにあった段ボール製のケースをヒントに、熊本県内の段ボールを扱う企業と協力して、専用の収蔵箱を考えた。 できた箱は、青年誌などに多… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「犯行を思いとどまる力、減退していない」 京アニ事件の遺族が陳述
36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判が6日、京都地裁であった。最大の争点である刑事責任能力を巡り、検察側が意見を述べる中間論告に続き、被害者参加制度で裁判に加わっている遺族らが意見陳述した。 被害者遺族の父親の一人は、青葉被告が京アニに小説のアイデアを盗用されたと主張している点について、「正常心理に近い」と主張した。パクられたという考えから放火殺人を計画したことには相当大きな飛躍があるとしつつ、「被告は不本意(だと思う気持ち)が大きくなると攻撃的になる。偏った人格傾向によって犯行が起きた。精神障害による妄想の影響はなかった」と訴えた。 また、被害者参加の遺族や代理人による「連名意見」が代表者によって読み上げられた。連名意見は被告人質問や鑑定医の証言を踏まえ、「善悪を判断する能力は減退しておらず、思いとどまる能力も著しく減退していないのに犯行に及んだ」と強調した。(関ゆみん) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JR踏切内で34歳男性が転倒、はねられ死亡 杖を使いながら横断か
5日午前9時10分ごろ、福島市郷野目師々田のJR東北線宮ノ脇踏切を渡っていた近所の職業不詳の男性(34)が貨物列車にはねられ、搬送先の病院で死亡が確認された。 県警福島署によると、付近の防犯カメラには、男性が杖を使いながら踏切内に進み、転倒する様子が映っていた。杖は視覚障害者用の白杖(はくじょう)ではなかったという。倒れた後に遮断機がおり、はねられたとみられる。署が事故の詳しい原因を調べている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「納豆は毎日食べる?」沖縄と茨城の中学生がオンラインで話したこと
東京近郊の茨城県守谷市と沖縄・石垣島の中学生たちが、オンライン会議システムを使って、英語でそれぞれの地元への旅行を勧め合う交流をした。約2千キロを隔てた相手の街を互いにほとんど知らないなか、あの定番のイメージも話題に上がった。 交流したのは、守谷市立御所ケ丘中と、石垣市立大浜中の2年生。「自分たちの住む地域の良さや魅力を伝える」という英語の授業だった。守谷市は東京通勤圏の住宅都市で、御所ケ丘中もニュータウン地域にある。大浜中は島南部の市街地にあり、新興住宅街から中部の農村地域まで広い校区を持つ。 両校は授業の前に、互いの地域に抱くイメージをアンケートで尋ねた。守谷の生徒たちの大半は石垣が沖縄の離島だと知らず、「どこにあるの?」という反応。一方、石垣では茨城に対し「何もない」「納豆」というイメージを持つ生徒がほとんどだったそうだ。 英語でオンライン交流 10月20日午後にあった御所ケ丘中2年2組と大浜中2年4組の授業を、御所ケ丘中で見せてもらった。ちょうど前週に「都道府県魅力度ランキング」が発表されたばかり。沖縄県が3位、茨城県は47位だった。 「もっと魅力があるんだっていうところをアピールしてよ!」。交流を前に、授業を担当する大久保智巳先生が促し、生徒たちが一緒に、「Ibaraki is not only natto(茨城は納豆だけじゃない)」と声を合わせた。 まず、大画面を使って代表の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
多摩動物公園のコアラ「コロン」、繁殖のため横浜の金沢動物園へ
多摩動物公園(東京都日野市)のコアラ「コロン」(オス、8歳)が8日、横浜市の金沢動物園へ移動する。繁殖を目的とした「ブリーディングローン」という仕組みによる移動で、金沢動物園からは20日に「チャーリー」(オス、8歳)を迎える。 都建設局によると、ブリーディングローンは新たなペア形成をめざす動物園間の貸借契約。血統やペアリングなどを考慮して動物の移動を行っている。(伊藤あずさ) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
杉原千畝夫妻の碑前祭 イスラエル大使館の報道官「教訓を学ぼう」
第2次世界大戦中にリトアニアでナチスの迫害から逃れようとしたユダヤ人に「命のビザ」を発給した外交官・杉原千畝(ちうね、1900~86)と幸子(ゆきこ、1913~2008)夫妻の功績をたたえる碑前祭が5日、静岡県沼津市の港口公園で開かれた。出席者らは緊迫する東欧や中東の情勢に思いをはせ、夫妻の人道の精神に立ち返ることの重要性を分かち合った。 杉原夫妻の碑は、千畝の生誕120年、ビザ発給から80年にあたる20年に幸子の出身地である沼津市に建立され、碑前祭が毎年開かれている。今年はリトアニアとイスラエル両国の在日大使館関係者ら約200人が出席し、夫妻の偉功をしのんだ。 夫妻の孫でNPO法人「杉原千畝命のビザ」の杉原まどか理事長は、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエル・パレスチナ情勢を念頭に「東欧や中東で信じがたいことが起きている。一人の勇気ある決断で社会を変えることができる」と訴えた。 イスラエル大使館のモール・エリヤフ報道官は、10月7日に始まったハマスによるイスラエル攻撃について「ホロコースト以来のユダヤ人の命に対する暴挙」と強く非難しつつも、「このようなときこそ杉原夫妻の遺産から教訓を学ぼう。私はイスラエルのために祈るが、同時に隣人のためにも祈る」と話した。(南島信也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
有明海1周の自転車大会「アリイチ」 参加の教授「九州の顔に育て」
福岡、熊本、大分の3県を舞台に初めて開かれた国際自転車ロードレース「マイナビ ツール・ド・九州2023」(10月6~9日)に合わせ、有明海沿岸を走る一般向けのサイクリング大会「ariichi(アリイチ)2023」が10月8日に初開催された。各地の自転車イベントに詳しく、この大会に参加したジャーナリストの野嶋剛・大東文化大教授(スポーツ社会学)が体験記などを寄稿した。 アリイチは有明海1周の略。福岡県大牟田市を出発し、佐賀平野を抜け、長崎県雲仙市からフェリーで対岸に渡り、ゴールの熊本県荒尾市までの計150キロを1日で走り抜ける。佐賀空港近くまでの計60キロのショートコースもある。周辺は朝日新聞記者だった頃、担当として取材で歩いた地域。懐かしさもあり、150キロに挑戦した。 出発は朝6時半。あいにくの雨だったが、大牟田市の会場は大会を支える人たちの熱気にあふれていた。開会式であいさつしたのは実行委員長で、同市のサイクリスト荒木茂人さん(41)。昨年、ツール・ド・九州の開催を知り、アリイチを思いついたという。 「九州のど真ん中の有明海をぐるっと一周するという特別さを魅力として打ち出せば、九州を代表するサイクルイベントになる」 思い立ったら止まらない性格で、家族の反対を押し切り、この大会のために勤務先を退職。1年間かけた準備の中で、荒木さんの熱意にほだされ、地元のサイクリストや経済界、観光業界の人々が応援し、実現にこぎつけた。約100人が参加した。 大会の特徴は、福岡、佐賀… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ワイン市場で勝負目指す群馬の日本酒 海外展開支える「あの機関」
全国的に品質が高いとされる群馬の日本酒。2022年度の全国新酒鑑評会では出品した17社のうち8社が金賞で、全国2位の割合だった。金賞を取った永井酒造(群馬県川場村)は「ワインが優勢な海外市場でも勝負できるはず」と輸出に力を入れる。そんな酒蔵とタッグを組んで酒の振興を支えるのは、取り締まりの印象が強いある国の機関だった。 「この水が、私たちの商品を支えています」 10月、中東のドバイからバイヤーが永井酒造を訪れた。6代目の永井則吉社長(51)は、利根川を源流とする川に自ら案内し、自然の中で同社のスパークリング日本酒「水芭蕉(みずばしょう)ピュア」をふるまった。「高級ワインに肩を並べる日本酒を」と、700回の失敗の末に5年がかりでつくった逸品だ。 川のせせらぎを聞きながらグラスを傾けたバイヤーは、日本酒のうまみと発泡によるさわやかさを両立させた味に目を丸くし、「very good」と何度もうなずいた。永井社長は、山々が広がり質の高い雪解け水が流れる群馬は、酒造りに適していることもアピールした。 商談を見守っていた国の職員 その後、一行は8月にオープ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル