関西が徹底してディスられ(けなされ)、話題沸騰中の映画「翔(と)んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」。カギとなるのが、日本最大の湖、滋賀県の琵琶湖だ。「琵琶湖の水を止める」。そんな映画の主人公の決めぜりふも話題になったが、そもそも、実際に水を止めることはできるのか。 琵琶湖は滋賀県の面積の6分の1を占め、貯水量は275億立方メートル。ここから河川として唯一注ぎ出る瀬田川が、京都で宇治川、大阪で淀川となり、流域の約1450万人の生活を支えている。 滋賀県民の決まり文句「琵琶湖の水止めたろか!」はこうした状況を踏まえたものだが、歴史をひもとくと、明治以降、たびたび水が止められたことがあった。 滋賀県で最大の水害被害となった1896(明治29)年9月の大洪水時。琵琶湖の水位が3・76メートルに上昇し、湖岸周辺は200日間以上浸水。死傷者は約100人にのぼった。 洪水時に住民が堰の開放を求めた この際、琵琶湖の水を止めた… この記事は有料記事です。残り996文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「娘返して」「ぬくもりある社会を」 クリニック放火殺人2年で追悼
甲斐江里子 田添聖史2023年12月17日 18時15分 26人が死亡した大阪市北区の心療内科クリニック放火殺人事件は17日、発生から2年となった。いまも立ち入りが禁じられた現場の雑居ビル前では、花を手向けて犠牲者を悼む遺族や元患者の姿が見られた。 「娘は突然殺され、普通の暮らしを奪われた。絶対に許せない」。30代の娘を亡くした両親は口をそろえた。 まっすぐな性格だった娘は、勤め先でしんどさを感じることが増えて通院するようになった。50代の母親は「まだ何十年も生きていられたはずなのに。娘を返してほしい」と涙を流した。60代の父親は月命日に現場を訪れている。「一日たりとも娘のことを忘れたことはない。娘のために何ができるか考えたい」 クリニックの西沢弘太郎院長(当時49)は診察中に事件に巻き込まれ、亡くなった。妹の伸子さん(46)は線香を上げ、「安らかに、穏やかに過ごしてください」との思いで読経した。 クリニックに通っていた元会社員の30代の男性は、この日を自宅で迎えた。西沢院長に勧められて画家として再出発し、他の元患者らとも交流を続けている。「人と人がつながり、ぬくもりを感じられる社会であってほしい」と話した。 事件では、クリニックにガソリンがまかれて放火され、患者や院長、スタッフら20~50代の男女26人が一酸化炭素中毒で亡くなった。患者だった谷本盛雄容疑者(当時61)も死亡し、大阪市内の教会関係者が遺骨を引き取った。(甲斐江里子、田添聖史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
和歌山の用地、グーグル関連企業に売却へ 街構想が頓挫していた高台
和歌山県の企業用地の一部が、米グーグルの関連企業に売却される見通しとなった。 長年にわたり売れていなかった土地で、県の担当者は「話が来たときは驚いた」と話す。 企業用地は、和歌山市加太にある「コスモパーク加太」。売却の対象となっているのは、県が県土地開発公社から借り受けている約109ヘクタールのうちの3区画分計37・6ヘクタールだ。阪神甲子園球場の約10個分の広さになる。 県地域プロジェクト対策室によると、グーグル関連企業で、データセンターの保有やサービス提供を手がける「Asa合同会社」(東京都港区)が用地取得に意欲を示し、県や公社などが話し合いを進めていた。 売却額は、59億4千万円になるという。12月の県議会には用地を売却する関連議案が提出されている。 コスモパークは、関西空港建設のために土砂を削り取った跡地だ。 当初は、県土地開発公社が造成した土地に高層マンションなどが立ち並び、新しい街ができるはずだった。 当初の負債は438億円 しかし、バブル崩壊のあおり… この記事は有料記事です。残り745文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ビッグモーター元副社長宅を家宅捜索 街路樹問題、器物損壊容疑で
2023年12月17日 18時30分 中古車販売大手ビッグモーターの各地の店舗前の公道で街路樹が枯れたり切られたりしていた問題で、警視庁と神奈川県警は兼重宏一・元副社長の東京都内の自宅などを器物損壊容疑で家宅捜索した。捜査関係者への取材で分かった。 捜索は15日。警視庁などは、伐採などが本社からの指示で組織的に行われていたかどうか、慎重に調べている。 捜査関係者によると、警視庁などは兼重元副社長の自宅のほか、トランクルームも捜索した。携帯電話やパソコンなどを押収したという。 同社の各地の店舗前では、街路樹が伐採されたり、除草剤の成分が検出されたりしている。警視庁を始め各地の警察は、管内の店舗を同容疑で捜索。警視庁などは9月、東京都港区にあった本社も捜索していた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ブラインドサッカーLIGA.i mejirodaiが5得点で優勝
伊藤進之介2023年12月17日 19時10分 ブラインドサッカーのトップリーグ「LIGA.i」の最終第3節が17日、東京都墨田区のフクシ・エンタープライズ墨田フィールドであり、2連勝で臨んだfree bird mejirodaiが、buen cambio yokohamaに5―0で勝利し、初優勝を決めた。 mejirodaiは前半、この日キャプテンを務めた鳥居健人のゴールで先制。鳥居は後半開始直後にも試合を決める3点目をあげた。 LIGA.iは昨年新設されたリーグ。競技力や組織運営力、競技普及活動への注力度合いなどを評価された4チームが参加している。競技やアスリートの地位の向上も目指し、興行性も重視し、全席有料で開催している。この日は505人の観客が訪れ、選手たちに声援を送った。 鳥居は試合後のインタビューで「試合前にお客さんがたくさんいるぞと聞いていた。特別な試合と思って臨んだ。ゴールしたときの観客の声援は最高の気分だった」と話した。(伊藤進之介) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
聖夜までのライトアップ トラピスト修道院で始まる 北海道北斗市
野田一郎2023年12月17日 20時00分 日本最初のカトリック男子修道院、北海道北斗市のトラピスト修道院のライトアップが17日から始まった。雪景色の静寂の中、柔らかな光をまとった参道の先に修道院の正門が浮かび上がった。 修道院へと通じる約400メートルのポプラ並木と正門手前の坂道が照明具で飾られ、親子連れやカップルが記念撮影を楽しんでいた。 点灯は午後4~8時、クリスマスイブの24日まで。並木道の入り口のブースでは23日までワックスキャンドル作りを体験でき、キャンドルは24日に正門前などでともされる。受付は各日午後7時15分まで。(野田一郎) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
進む「会社の忘年会」離れ 「ニーズ高くない」コロナ後やめた企業も
有料記事 中村英一郎 宮野拓也2023年12月17日 20時00分 新型コロナが5類になって初めての年末年始。街はにぎわっている一方、企業の忘年会や新年会離れは進んでいるようだ。客足の回復について、飲食店からは「期待には届いていない」との声も聞かれる。 民間信用調査会社「東京商工リサーチ」が、大企業や中小企業を対象に10月に行ったアンケート(4747社が回答)によると、忘年会や新年会を予定していると答えた企業は、全体の54・4%。一方、「コロナ禍前はしていたが今回はしない」という企業は21・8%だった。最多の理由は「開催ニーズが高くないため」(53・8%)。「参加に抵抗感を示す従業員が増えたため」(42・2%)が続いた。 「社員の声に向き合ったのでは」 企業の規模別でみると、開催ニーズや従業員の抵抗感を挙げる割合は、中小より大企業が高かった。一方、中小企業は費用面を理由とする割合が高かった。 「コロナ禍前も今回も実施す… この記事は有料記事です。残り1194文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
亡き夫に託され「やっと形に」 震災犠牲者らの銘板追加、神戸で式典
有料記事 杉山あかり 稲垣大志郎2023年12月17日 22時00分 阪神・淡路大震災からまもなく29年。犠牲者らの名を刻む神戸市中央区の「慰霊と復興のモニュメント」に、新たな名前を追加する式典が、17日に開かれた。遺族ら30人以上が集まり、手を合わせて思いを寄せた。 冷たい風が吹きつける中、遺族らは、モニュメントの地下にある「瞑想(めいそう)空間」に入り、亡くなった方の銘板を順番に貼り付けていった。 兵庫県西宮市の佐々木美和子さん(65)は、震災当時3歳だった長女(32)とともに、緊張した面持ちで銘板を貼った。「やっと形になってホッとしました。主人は亡くなる間際まで気にしていた。『安心してください』と伝えたい」 義理の両親一孝さん(当時70)と明子さん(当時65)は、同市の自宅の下敷きとなって亡くなった。「孫の成長を誰よりも楽しみにしてくれていた」2人だった。手芸好きの明子さんが、手作りの子ども用のかばんを贈ってくれたこともある。 遺言は、名前を刻むこと 2人の長男の、夫・嗣郎(つ… この記事は有料記事です。残り783文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
手を伸ばし逝ったあの人の名、次世代へ刻む 慰霊銘板へ新たに12人
有料記事 小川聡仁 杉山あかり2023年12月17日 22時30分 阪神・淡路大震災の犠牲者らの名を刻んだ神戸市の「慰霊と復興のモニュメント」に17日、新たに12人の銘板が加わった。来年1月で震災から29年を迎えるが、慰霊をのぞむ遺族は後を絶たない。刻まれた名前は計5047人となった。(小川聡仁、杉山あかり) この日の式典には遺族らが出席した。鶴崎光英(みつえ)さん(75)=大阪府枚方市=は2枚の銘板を貼り付けると、淡い桃色の花を供え、5秒ほど手を合わせた。心の中で「苦しかったですね。安らかに暮らしてください」と祈った。 光英さんのおば鶴崎峰子さん(当時83)と、その長男太一郎さん(同57)は、震災当日、兵庫県芦屋市の自宅にいた。木造2階建ての自宅が崩れ、下敷きになった。 揺れた瞬間に 2人の遺体を自衛隊員が見つ… この記事は有料記事です。残り917文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
猟は「公平な戦い」 年間100頭撃つ腕利き猟師の命との向き合い方
「木の枝を踏み折る音でも警戒しよる」 つま先から地面を踏み、木々が生い茂る原生林を慎重に歩く。 11月下旬の午前8時半。気温は6度。吐く息は白い。 人けのない山で突然、犬の激しい鳴き声が響いた。鳴き声の方へ急ぐ。福岡県福智町の猟師平野八十八さん(77)は肩から斜めに掛けていた猟銃をおろし、人さし指を引き金にかける。 坂を下り、鳴き声のもとに近づくと、平野さんの猟犬2頭が尻尾を振ってほえながら、茂みに近づいたり離れたりしていた。 あの中に、イノシシがいる。銃を構える。 茂みから、目で追えないほどの速さでイノシシが草むらから飛び出し、猟犬に襲いかかった。 冷静に、引き金を引く。 その瞬間、爆竹がはじけたような、乾いた銃声が鳴り響いた。 スラッグ弾を撃たれて弱ったイノシシに、猟犬が一斉にかみつく。平野さんは落ち着いた足取りで近づき、イノシシの首をめがけてナイフを突き刺した。「ギィ、ギィ」とイノシシが断末魔をあげる。 平野さんはイノシシを専門に40年以上、猟を続けてきた。散弾銃とナイフを持ち、猟犬を連れて1人で山に入る。 猟が解禁される11月から翌年3月のあいだに、100頭以上のイノシシを4年連続で仕留めた。 午前7時に起き、天気予報を見て登る山を決める。平野さんが住む福智町の近くには200~900メートルの山がいくつもあるが、それぞれの山のどこに坂ややぶがあるか、細かな地形を隅々まで把握しているという。 人工林は地面まで日が当たら… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル