自民党の最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化したとされる事件で、派閥側が、改選を迎える参院議員が集めた資金については、全額を裏金としてキックバック(還流)していた疑いがあることが、関係者への取材でわかった。選挙資金を想定した特例措置とみられ、19日に安倍派事務所を捜索した東京地検特捜部が経緯を調べている。 関係者によると、安倍派では、各議員が集めたパーティー券収入について、派閥の政治資金収支報告書には販売ノルマ分のみを載せ、ノルマ超過分は記載せずに裏金として議員側に還流。還流分は支出にも載せず、受領した議員側も自身の政治団体の収入に載せない運用にしていたとされる。 その上で参院議員には特例措置があったことが新たに判明。参院議員の任期は6年で、3年ごとに半数が改選されるが、改選の年に限り、ノルマは関係なく、集めた全額が派閥から還流される仕組みだったという。 参院議員の特例措置、理由は… 政治資金規正法違反(不記載… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
デンソーとホンダが遺族に謝罪 燃料ポンプ不具合でエンスト後、追突
雨宮徹 角詠之2023年12月21日 4時30分 鳥取市の高速道路上で今年7月、自動車部品最大手のデンソー製の燃料ポンプを搭載したホンダの軽乗用車がエンストを起こして停車後、追突され、同乗者が死亡した事故で、ホンダとデンソーの幹部らが20日、遺族の自宅を訪れて謝罪した。 軽乗用車を運転していた兵庫県の50代の男性によると、訪れたのはデンソーの品質サービスにかかわる幹部やホンダの幹部ら4人。両社側から、燃料ポンプの不具合が、男性の車でも起きていたという説明を受けたという。両社側は「このような事故が二度とないよう、ものづくりをする。肝に銘じて真摯(しんし)に対応したい」と話したという。 男性は後部座席に乗っていた80代の父親を亡くし、母親も一時、意識不明の状態に陥った。自身もけがをした。両親が運転することも考え、安全性を重視して購入した車だったという。男性は「信頼して買った車だった。急に暗いトンネルでエンジンが止まりパニックになった。こんな経験は二度と誰にもしてほしくない」と涙ながらに訴えた。 事故前にホンダは燃料ポンプの不具合を理由に4度のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出ていたが、男性の車はリコール対象外だった。事故を受けホンダは10月、同じタイプの燃料ポンプのリコールを追加で出したが、3431個がどの車両に取り付けられたか特定できていないとしていた。 男性は取材に、「もっと早くリコールをしてくれたら事故も起きなかったと思う」と話し、「今回のことを肝に銘じて安心安全なものづくりをしてほしい。人の命を預かっているという意識を大切にして、こういう経験をする人がいないよう安全な車を作ってほしい」と話した。 デンソー製の燃料ポンプをめぐっては、国内で八つの自動車メーカーが計19回累計380万台超のリコールを出す事態となっている。 斉藤鉄夫国交相は15日の閣議後会見で「車の安全上、重大な問題と認識している」と述べた上で、バイクにも同種の燃料ポンプが搭載されているものがあることを明らかにし、「リコールが必要な場合は速やかに届け出るよう強く働きかけている」と述べた。(雨宮徹、角詠之) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「国は沖縄の心情に…」裁判長が付言 代執行判決で示した疑問と望み
国が県知事の権限を奪い、事務を代行することを認める前例のない司法判断が下された。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設をめぐる代執行訴訟。判決は国の手法に一定の疑問は呈したものの、県の主張をことごとく退けた。識者は「国と地方は対等」と位置づけた地方自治法の理念を揺るがすと警鐘を鳴らす。 代執行は、1999年の地方自治法改正で盛り込まれた手続きだ。地方分権改革で多くの事務が地方自治体に任されることになったが、国の事務を自治体が担う「法定受託事務」については、国による代執行を認めた。 ただ、首長の権限を奪うことになるため、代執行には事務を放置することが「著しく公益を害することが明らか」(①)かつ、「他の方法によって是正を図ることが困難」(②)という厳しい要件を設けた。 判決は①について、国の主張に沿って、設計変更申請が放置されれば、普天間飛行場の危険性の除去が実現されず、「社会公共の利益を侵害するものに当たる」と認定した。県側は沖縄戦以降の歴史を踏まえ、基本的人権の保障に関わり、公益である民意に反する代執行は認められないと主張したが、判決は「法律論としては、法令違反等を放置することによって害される公益を念頭に置いたもので、県の主張する『公益』を当然に考慮しうるとは言いがたい」と退けた。 判決は②についても国の主張… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「事故がなくなれば」 水難事故の現場付近に看板を設置 福岡・宮若
福岡県宮若市の犬鳴川で小学6年の女児3人が亡くなった7月の水難事故を受け、市水難事故防止対策協議会(会長、塩川秀敏市長)は20日、事故現場の手前のフェンスに「ここに立ち入ってはいけません」と呼びかける看板を設置した。現場付近には年明け以降、さらに同様の看板などを計6カ所に設置する。 現場付近には事故直後、地元などの要望を受けて国土交通省遠賀川河川事務所が金属製フェンスを取り付け、人が出入りしないよう施錠してきた。看板は、その扉に取り付けられた。 対策協議会は2回の現地調査と3回の会合を開催。犬鳴川流域の3カ所に立ち入りを禁止する看板を、10カ所に「急に深くなる」などと注意を呼びかける看板を設置すると決めた。 作業のために現場を訪れた国交省遠賀川河川事務所宮田出張所の西田貢治所長は「協議会の話し合いで看板の設置が決まった。この看板で水難事故がなくなれば」と話した。(徳山徹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市営バスがガードレールに突っ込み停止、計9人が搬送 横浜市磯子区
20日午後6時20分ごろ、横浜市磯子区東町で「バスが事故を起こした」と119番通報があった。 神奈川県警によると、横浜市営バスが車道と歩道を隔てるガードレールに突っ込み前方が破損して停止しており、40代の男性運転手と乗客8人が救急搬送された。搬送時、全員意識はあったという。 磯子署によると、事故があったのは片側2車線の直線道路。事故直後から周辺地域で停電が発生し、ガードレール付近にある電気設備が破損した影響とみられる。 東京電力パワーグリッドによると、午後6時20分ごろから、磯子区の東町と中区の一部地域の1843軒で停電が発生。午後7時25分ごろ復旧したという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
富士山の登山者1日上限4千人、5合目にゲート設置 山梨県が規制案
富士山の登山シーズンで危険性が指摘される「弾丸登山」や山頂付近の混雑を緩和するため、山梨県は20日、吉田口登山道の5合目にゲートを設置し、登山者数を1日あたり上限4千人とする規制案を発表した。午後4時~午前2時の入山を規制し、通行料も徴収する方針で、地元と調整を進めて来夏から実施したい考えだ。 午後4時~午前2時にゲート閉鎖 コロナ禍明けの今年の登山シーズンに登山者の殺到が憂慮されたのに続き、来シーズン(7月1日から)に向けて、地元の自治体や山小屋関係者などから、規制内容を早期に示すよう要望が高まっていた。この日、記者会見した長崎幸太郎知事は、登山規制の根拠となる条例案を、来年2月の県議会に提出する考えを明らかにした。 規制案によると、県側の富士スバルラインの終点である5合目付近にゲートを設置。十分な休息を取らずに徹夜で山頂をめざす「弾丸登山」を防止するため、開山期間中の毎日午後4時~午前2時にゲートを閉鎖する。登山者数の上限を1日あたり4千人とし、達した場合は規制時間帯の前でもゲートを閉鎖する。いずれも山小屋の宿泊者などは規制の対象外になる。 また、任意の富士山保全協力金(千円)とは別に、ゲート通過者から通行料を徴収。登山道の安全誘導員やガイドなどに、迷惑行為を行う登山者への指導権限を持ってもらい、団体登山者には指導権限のあるガイドの同行を求める。 このほか、山小屋などの避難施設がない下山道に、噴石や落石から身を守るシェルターの設置を進める方針で、登山道の整備を含む必要経費を算出し、徴収する通行料を決めるという。 4千人を超えると「頂上で過度な混雑」 4千人の上限について、長崎… この記事は有料記事です。残り626文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「動機ある」と主張の検察側 袴田さん弁護側は「論理の飛躍」と反論
有料記事 村上友里 小山裕一2023年12月20日 21時05分 1966年に静岡県のみそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(87)の裁判をやり直す再審の第5回公判が20日、静岡地裁(国井恒志裁判長)であった。検察側は、逮捕から約1年後にみそ工場のみそタンクから見つかり、犯行着衣とされた「5点の衣類」のほかにも、袴田さんが犯人だと言える根拠が複数あり、動機もあると主張した。弁護側は「論理の飛躍だ」と反論した。 検察側は冒頭陳述で、袴田さんは給料の前借りをしていた上、被害者宅に売上金があると知っていたとして、「金品を手に入れようとする動機があった」と指摘した。 弁護側「犯人性は成り立たない」 また、凶器とされた「くり小… この記事は有料記事です。残り559文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
さよなら金剛バス、終幕に「寂しい」 21日からは後継の路線バス
前田智2023年12月20日 21時10分 大阪府富田林市など4市町村を走っていた金剛自動車(富田林市)の路線バスが20日で最後となった。21日からは、4市町村の地域公共交通活性化協議会による「4市町村コミバス」や、自治体が運行するバスが走り始める。 近鉄長野線富田林駅前ではこの日、金剛自動車の緑色のバスが発着していた。バスに向かい、盛んにシャッターを切る人の姿も見られた。 富田林市の女性(78)は、40~50年前に通勤で金剛自動車の路線バスを使っていて、最終日ということで乗りに来た。当時は満員だったといい、「寂しい。次はどんな色のバスになるのか。いろいろなことを思い出し、涙が出てくる」。 バス停には21日以降の時刻表が貼られていた。河内線のバスを週2回使うという女性(86)は運転免許がなく、「バスがなくなるかと心配だったが、残ると聞いて安心した。時刻表ももらったので、これからも利用する」と話した。92歳の母親の通院にバスを使うという男性(63)は車を持っておらず、「バスが残ることになり安心」と語った。 金剛自動車の路線バスは富田林駅、喜志駅などと富田林市、太子町、河南町、千早赤阪村内を結ぶ計15路線(うち1路線は運休中)があった。路線廃止を受け、4市町村の協議会が近鉄バス、南海バスに協力を依頼。協議会や自治体が運営主体となり、後継のバスを運行することになった。 協議会の担当者によると、そもそものバス運転士不足に加え、ドライバーの残業規制が強まる「2024年問題」も考えながら検討。15路線のうち10路線を存続させることになった。便数はこれまでの6~7割程度になるという。 21日以降の定期券の購入は、富田林駅前にある「観光交流施設きらめきファクトリー」で。近鉄バス、南海バスの車両では交通系ICカードが使えるという。 4市町村の負担は今年度だけで約1億5千万円。このため、運賃について利用状況などを見ながら、来年度以降に見直しも検討する。(前田智) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「沖縄の民意、なかったことに」 辺野古代執行判決、広がる落胆
有料記事 棚橋咲月 豊島鉄博 小野太郎 矢島大輔 田嶋慶彦 聞き手・上地一姫2023年12月20日 22時16分 裁判所前には多くの市民が駆けつけた。「何度も何度も民意を示してきた。理不尽の一言」。夫と訪れた嵯峨富美子さん(72)=那覇市=はそう話した。埋め立て土砂の搬入が続く辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前に9年前から毎週通ってきたという。「ここで諦めれば、(選挙や県民投票で示されてきた民意は)なかったことにされてしまう。それだけは避けなければ」と声を振り絞った。 普天間飛行場に隣接する沖縄国際大2年の新城弘大(ひろと)さん(20)は、辺野古移設を好意的に考えてきたが、県民の意思が顧みられない現状に、危機感を覚えるようになったという。「地方自治が軽視されていて、本当におかしい。これは日本全体の問題です」 普天間飛行場を抱える宜野湾市の松川正則市長は記者団に「法令にのっとった形で工事が進んでいくだろう」と語った。松川氏は普天間返還のために辺野古移設を容認する立場だが、国と地方の関係について「裁判に至るまでにもっと政治としてお互いに譲歩しながら話し合いの場、解決の道を探っていくべきだったんじゃないか。非常に残念だ」とも述べた。 辺野古がある名護市の渡具知… この記事は有料記事です。残り825文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
辺野古移設「代執行、年内に何としても」 政府、着々と進める構え
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、25日までに設計変更を承認するよう県に命じる福岡高裁那覇支部の判決を踏まえ、玉城デニー知事は改めて承認の可否を判断する。期限内に承認しなければ、国土交通相は玉城氏に代わり承認を代執行できる。玉城氏は「判決内容を踏まえ、今後の対応について検討する」とのコメントを出した。 玉城氏が判決を受けて取り得る選択肢は、①判決に従わず最高裁に上告する、②判決に従わないが上告はしない、③判決に従い設計変更を承認するの三つ。①、②を選べば代執行される。 玉城氏が期限までに承認しない場合、国土交通省は代執行に向けた手続きに入る見通しだ。 斉藤鉄夫国交相は20日、首… この記事は有料記事です。残り529文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル