軍事転用可能な機器を無許可輸出したとして逮捕、起訴され、後に起訴が取り消された大川原化工機などが起こした国家賠償請求訴訟で、東京都と国に賠償を命じた27日の東京地裁判決の要旨は以下の通り。 【国家賠償法上で違法になるかの判断枠組み】 刑事事件で無罪が確定しただけでは、直ちに逮捕や勾留請求、起訴が違法とはならない。逮捕や勾留請求に関する判断は、その時点で収集した証拠などを総合勘案して、その判断に合理的な根拠が欠けていることが明らかなのに、あえて捜査を継続したと認められるような場合に限り、国賠法上違法と評価される。また、起訴については、検察官が集めた証拠などを総合勘案して、合理的に有罪の疑いがあれば、起訴の違法性は欠くと解される。 【省令解釈の違法性】 生物化学兵器の拡散防止を目… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
裁判で出た前代未聞の言葉 江川紹子さん「警察の失敗」が生む犠牲
軍事転用可能な機器を無許可で輸出したとして逮捕、起訴され、その後起訴が取り消された「大川原化工機」(横浜市)の社長らが、国と東京都に計約5億7千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁(桃崎剛裁判長)であった。判決は「必要な捜査を尽くさなかった」として逮捕、起訴を違法と認め、国と東京都に計約1億6千万円の賠償を命じた。 警察の逮捕に加え、検察官の起訴を違法とした判決について、刑事司法に詳しいジャーナリストの江川紹子さんに聞いた。 ◇ 警視庁公安部は見立てを裏付ける証拠がないのに、立ち止まろうとしなかった。裁判で現職警察官から事件について「捏造(ねつぞう)」などという言葉が出るのは前代未聞のこと。部内でも反対意見は多かったのではないか。組織や幹部はこれらの意見を蹴っ飛ばしていたのだろう。 (1995年発生の)警察庁長官銃撃事件の捜査でも、公安部は具体的な証拠もないのにオウム真理教の犯行説にこだわったあげく、未解決のまま公訴時効を迎えた。にもかかわらず、「オウムの犯行」と公表し、オウムの後継団体から訴えられた。敗訴して賠償金を払うことになったが、その原資は税金だ。 本来はこの時に学習するべきだった。無理筋でも、組織や組織の幹部が当初の筋書きにこだわり続け、証拠や人権を無視して突っ走る。今回の事件の構図と似ており、同じことを繰り返している印象だ。 外部の目を入れて検証しなければ、同じようなことがまた起きる。単純に「警察が失敗しました」で終わるわけではなく、誰かが逮捕されるなどの犠牲を伴う。控訴して争い続けるのではなく、非を認め、どうしてこういうことになったのか検証をするべきだ。 「身柄拘束の見直しを」裁判所の責任も 警視庁公安部や起訴した検察… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
柿沢議員逮捕へ 200万円超買収とネット広告 秘書数人も本格捜査
東京都江東区長選をめぐる事件で東京地検特捜部は、衆院議員の柿沢未途(みと)・前法務副大臣(52)=東京15区、自民党を離党=について、総額200万円超の現金を区議や運動員に渡すなどした公職選挙法違反(買収)容疑と、選挙中に有料ネット広告を流した同法違反容疑で、28日にも逮捕する方針を固めた。関係者への取材でわかった。 柿沢氏の秘書が、区議への現金提供の打診結果を一覧表にして柿沢氏に報告していたことも判明。特捜部はこの一覧表を押収しており、秘書数人についても柿沢氏と共謀した疑いで本格的に取り調べる方針だ。 選挙中の有料ネット広告容疑、初適用か 保守分裂の構図となった4月… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
女性の腕に多数の「防御創」 容疑の男執拗に襲撃か 名古屋刺殺事件
名古屋市中心街のカラオケ店などで女性2人が刺されるなどして死亡した事件で、同店で被害に遭った女性(20)の腕に多数の切り傷があったことが捜査関係者への取材でわかった。身を守ろうとした際に負った傷とみられ、愛知県警は女性に対する殺人未遂容疑で逮捕した自称・風俗店員の曽我春暉(はるき)容疑者(25)が執拗(しつよう)に襲ったとみて調べている。 県警は27日、同市中区大須3丁目にあるマンションの一室の浴槽で26日に遺体で見つかった女性は、この部屋に住む職業不詳長野汐里(しおり)さん(30)と発表した。曽我容疑者と同居していたという。 司法解剖の結果、長野さんは溺れさせられて殺害されたとみられることも判明。亡くなったのは25日以降と推定されるという。曽我容疑者は逮捕直後に「浴槽に沈めて殺した」と話したといい、県警は裏付けを進める。 一方、26日にカラオケ店で… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
今年最後の満月 「コールドムーン」が杵築城を照らす
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「はま寿司」が「かっぱ寿司」を提訴 営業秘密の不正流出事件めぐり
回転ずし大手「かっぱ寿司」を運営する「カッパ・クリエイト」の田辺公己前社長(47)が、ライバル社「はま寿司」の営業秘密を不正に入手・利用した事件をめぐり、はま寿司の親会社のゼンショーホールディングス(HD)は27日、前社長やカッパ社などに対し、営業秘密の使用禁止や廃棄、5億円の損害賠償などを求めて東京地裁に提訴したと発表した。 事件では、ゼンショーHDからカッパ社に転職した前社長が、はま寿司の原価情報を不正に持ち出したなどとして不正競争防止法違反の罪で起訴された。東京地裁は5月、懲役3年執行猶予4年などの判決を言い渡し、確定した。判決によると、前社長は不正入手した情報をカッパ社で共有、使用していた。 ゼンショーHDによると、今回の民事訴訟で、前社長やカッパ社などに情報の使用差し止めや廃棄を求めるほか、情報使用に伴うライセンス料に相当する額を請求するという。(遠藤隆史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
突然命奪われ「どうして」 現場では献花と涙 杉並区の親子死亡事故
長妻昭明2023年12月27日 21時00分 東京都杉並区で歩道を歩いていた女性と娘が、自動車整備工場からバックしてきた車にひかれ死亡した事故から一夜明けた27日、事故現場には大勢の人が献花に訪れ、手を合わせた。 事故は26日夕方、都道沿いの歩道で起きた。近くに住むイラストレーターの杉本千尋さん(43)と、娘で小学1年生の凪(なぎ)さん(6)の死亡がその場で確認された。 千尋さんと家族ぐるみで付き合いがあったという40代の女性は、「お互いの家を行き来してよく遊んでいた。突然命を奪われてなんで、どうしてとしか言いようがないです」と涙ぐんだ。 イラストレーターの仕事の作業部屋も見せてもらったことがあったという。「子どもたちが大きくなり、たぶんイラストレーターとして頑張ろうと思っていた矢先だった。優しくてほんわかしていて今でも笑顔が思い浮かびます」と話した。 痛かったと思うので、今は安らかに休んでください。女性はそう願って手を合わせたという。 事故現場近くに住む別の40代の女性は、10歳の娘と一緒に手を合わせて、お菓子を供えた。「娘が同じ年代でここをよく通るので、手を合わせに来ました。クリスマスを幸せに過ごした翌日に突然、命を奪われるなんて言葉になりません」 自動車整備工場について女性は、「珍しい外車や旧車がよく出入りしていた」と話した。事故以前にも工場から車がバックで都道に出る様子を複数回見たことがあるといい、「歩道を通る自転車とぶつかりそうな場面を何回か見たことがあった」と話した。(長妻昭明) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
沖縄知事、辺野古代執行訴訟で上告 国交相は28日に設計変更を承認
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「人質司法」の末、被告のまま亡くなった父 「裁判所は振り返って」
「判断の根拠欠如は明らか」「捜査を尽くしていない」。大川原化工機を巡る事件で、27日の東京地裁判決は逮捕、起訴について厳しい言葉で違法と断じた。約11カ月間勾留された社長らは、「なぜ不正が起きたのか、検証し謝罪してほしい」と訴えた。 東京地裁103法廷。社長の大川原正明さん(74)は、裁判長が読み上げる判決をうなずきながら聞いた。「適切な判断をしてもらえた。警視庁と検察庁にはしっかりと検証し、できることなら謝罪してほしい」 訴訟では、同社の噴霧乾燥機の性能について、警視庁公安部がどう認識していたかが争点となった。判決は、公安部が性能を調べるため必要な温度測定をしなかったと認定した。 判決後に大川原さんは記者会見し、社員らが性能実験を繰り返して無罪を証明したと振り返り、「誇りを感じるとともに、もし技術的に証明されていなかったら有罪にされていたかもと感じる」と話した。 会見には同社元役員の島田順司さん(70)らも出席した。島田さんは公安部の取り調べで、捜査員に誤った法解釈を伝えられたり、発言していない内容の供述調書を作られたりした、と主張してきた。判決は「偽計を用いた取り調べ」「自由な意思決定を阻害することが明らか」と違法性を認めた。 事実解明や名誉回復は一定程度果たされたと感じる。だが、求めるのは再発防止だ。島田さんは「なぜ起きたのか、二度と起こさないために何をしたらいいのか検証してほしい」と話した。 8回の保釈請求届かず 「裁判所は振り返って」 同社顧問だった相嶋静夫さん… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジェットスター、ストの規模拡大 年末年始の運航に影響広がる恐れ
格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンで、労働組合が未払い賃金の支払いなどを求めて、ストライキを続けている。22日に組合員を指定して行う「指名スト」を始め、27日から規模を広げた。会社との団体交渉も合意できない状態が続く。すでに複数便が欠航しており、ストが続けば、帰省などで需要が高まる年末年始の運航に影響が広がる可能性がある。 労組は、パイロットと客室乗務員でつくる「ジェットスタークルーアソシエーション」。同社の従業員は約1千人で、組合員約100人がストに参加する意思を表明しているという。 労組の要求は、①時間外賃金の未払い分の支払い、②一方的に減額された通勤手当の支払い、③組合事務所の提供の3点だ。 特に争点となっているのが未… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル