山口啓太2023年12月30日 20時00分 東京・銀座の甘味処「銀座若松」が30日、130年の歴史に幕を下ろした。 銀座若松は1894(明治27)年、お汁粉屋として創業。1930(昭和5)年に客から「もっと甘いものが食べたい」と要望を受け、店の2代目がみつ豆に自家製のこしあんをのせ、あんみつが誕生したとされる。以降、「あんみつ発祥の店」として広まった。 71年に商業ビル「銀座コアビル」がオープンし、敷地内にあった店もテナントとして、その中に入った。創業以来、場所を変えずに営業を続けてきたが、今回、ビルの再開発に伴い、閉店することとなった。 この日夕方、店の前には食事と土産を目当てに50人ほどが列を作った。店の外観や商品を大勢の人が写真に収めていた。 東京都中央区に住む60代の主婦は40年ほど前、勤めていた会社が店の近くだった。「閉店すると知って、慌てて来た。当時から変わらない味で、懐かしくて、名残惜しい。最後にここで食べられて良かった」と話した。 東京都小金井市の自営業、水上治さん(75)は、「古くからある有名な店と知っていたので、最後になんとか一度食べたかった」と夫婦で訪れ、あんみつを味わっていた。「他にない素朴な味がいい。またどこかで食べられることを祈っています」 閉店予定の午後6時になっても客足は途絶えず、「在庫がある限り」と営業時間を延長した。 時期は未定だが、店は都内の別の場所で営業再開を検討している。店長の門脇桂子さん(43)は「創業時からたくさんのお客さんに支えられ、この場所で最後まで商品を出せたことに本当に感謝です。次の場所でも多くの人に知ってもらい、愛してもらえたらうれしい」と話した。(山口啓太) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
安倍派・下村博文氏を任意聴取 東京地検 パーティー収入裏金事件で
自民党の最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していたとされる事件で、東京地検特捜部が同派の下村博文・元党政調会長=衆院東京11区、当選9回=からも任意で事情聴取したことが、関係者への取材でわかった。 下村氏は2018~19年に派閥の実務を取り仕切る事務総長を務めた。同派は、会長だった安倍晋三元首相が22年に死去したことを受けて今年8月に集団指導体制を発足させ、会長代理だった下村氏は幹部から外れた。 事務総長を経験 関係者によると、安倍派では… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「最後の一冊」に涙も…家族で守った125年、老舗書店が閉まった日
東京都目黒区の「新高堂書店」が30日、閉店した。 新高堂書店は1898(明治31)年に台湾で創業し、戦後に日本に移り、中目黒駅前で営業してきた。 営業最終日となったこの日は、朝から常連客がひっきりなしに訪れた。 それぞれの「最後の一冊」への思い 小学生のころから40年以上も通い続けている人、毎週、週刊誌を買っていた人、仕事帰りに立ち寄ることを楽しみにしていた人……。 一人ひとりが「最後の一冊を」と本を選んでいた。涙を流しながら、レジに立つ5代目店主・梅田美音(みね)さん(48)に感謝を伝える人もいた。 50年以上前の高校生時代に… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
外出での危険、察知するAI搭載白杖「みちしる兵衛」 高校生開発中
視覚障がいのある人が安全に歩けるように――。前方の線路や横断歩道、歩行者や車などを人工知能(AI)を使って分析し、音声で伝える杖の開発をしている高校生がいる。AIに学習させた画像は自ら歩いて集めた9千枚超。安全な街の道標となるよう願い、スマート白杖(はくじょう)「みちしる兵衛」と名づけ、実用化を目指す。 開発を手がけているのは、群馬県立高崎高校3年の高田悠希さん(17)。杖を握る部分にカメラと小型のコンピューターを取りつけ、左右160度を映すカメラで前方を撮影し、AIがその映像を解析する。 事前に横断歩道や線路、踏切、自転車、歩行者などを「危険なもの」と学習させておく。外出中にそれらを認識したら、肩にのせたネックスピーカーから、自動で「横断歩道あり」「踏切あり」「自転車あり」などと音声で伝える仕組みという。 横断歩道から外れると「右に… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
白河の関越え「熱波」でサウナ甲子園V おもてなし原点は13年前に
室温90度。入って3分、じんわりと、全身から汗がしみ出してくる。 しばらくすると、半袖短パンの男性が現れた。持参したシラカバのアロマ水をサウナストーブにゆっくりとかけると、かぐわしい香りが室内に充満した。 男性は、持参したバスタオルを頭上で振り回した。続いて、こちらに向けタオルを上から下に、勢いよくあおぎ始めた。 すると、経験したことのない「熱波」が、体を包み込んだ。一瞬で、サハラ砂漠にワープしたかのような感覚だ。「オォゥ……」。心地よさによるため息とも、熱さによるうめきともつかない声が、おもわず口から漏れた――。 男性は、福島県いわき市の温浴施設「北投(ぺいとう)の湯 いわき健康センター」の宮野尊晴さん(39)。蒸気が満ちたサウナ室内の空気をタオルなどで循環させ、利用者の体感温度を上げる職人を「熱波師」という。宮野さんは、センターに男女15人いる熱波師の1人だ。 タオルであおぐ強さ競い……健康センターが世に知れた日 センターが熱波師を導入した… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
揺れる救命ボート、濡れた体に風 寒さに震えた1時間
鹿児島県十島村の悪石島沖を航行中のフェリーとしま2(1953トン)で29日に発生した火災で、当時の乗客の一人が朝日新聞の取材に応じた。ひどい揺れと寒さを感じる洋上で「この先どうなるかわからず不安だった」と避難時の心境を語った。 松江市の会社員、福島正起さん(46)は旅行で宝島を訪れ、29日午前5時過ぎに、宝島からフェリーに乗った。 火災発生を知らせる船内放送があったのは、小宝島を経て悪石島に向かう途中だった。ベッドから跳び起きて、ロビーに向かうと、煙のにおいを感じた。 「大事にはならないだろう」と思っていたが、乗務員から「これから避難していただきます」と告げられた。慌てて部屋に戻り、携帯と財布だけつかんで部屋を出た。 その後、寒さに気付いて上着をとりに戻ろうとしたが、「戻れません」と制され、半袖にパーカ、ズボン姿で救命ボートへ。オレンジ色のビニールプールのような小さめのものに移った後、さらに少し大きめの2隻の黒いゴムボートに移った。乗客、乗務員十数人ずつが分乗したという。 嘔吐する乗客、募る不安、乗務員の声に励まされた 洋上では船が激しく揺れ、ボ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Au Japon, un procès ravive les critiques d’un système judiciaire aux dérives récurrentes
La condamnation, mercredi 27 décembre, de la police métropolitaine et du parquet de Tokyo pour avoir fabriqué des preuves afin d’inculper les dirigeants de l’entreprise Ohkawara Kakohki ravive les critiques des dérives de la justice japonaise, souvent surnommée « justice de l’otage ». Le quotidien conservateur Yomiuri Shimbun a appelé dans un éditorial […]
ロマンス詐欺で「二重被害」 弁護士を頼ってどん底に落とされた女性
恋愛感情などを抱かせて現金をだまし取る「ロマンス詐欺」が増える中、弁護士に助けを求めてトラブルになるケースが相次いでいる。「二重の被害」に遭ったと訴える女性が悔やみ続ける理由とは――。 2年ほど前、関東地方の50代女性がSNSにランチの写真を投稿すると「いいね」がついた。 相手は東京在住の貿易商でフランス人の「Jack(ジャック)」。メッセージも届き、フランスに行ったこともある女性は親しみがわいて返信した。 観光地の話題で意気投合したと感じ、LINEでやり取りすることに。仮想通貨(暗号資産)の取引でもうけ、専属の運転手もいる――。Jackはそう打ち明け、こんな提案をしてきた。 「一緒にお金の勉強をしよう」 言われるままに夫の退職金を… ぜいたくな暮らしを夢見ていた女性は、言われるままに仮想通貨の口座を開設。夫の退職金や長年の預金から計約1千万円を入金した。 だが1カ月後、残高が突然ゼロになった。すると、取り戻すために「保証金」を入金するようJackに求められた。 投じた金額はどんどん膨らみ、気がつけば計6580万円に。 「詐欺かも」と思ったが、誰にも相談できなかった。すがるようにネットで「詐欺」「返金」と検索し、上位に出てきた法律事務所に連絡すると、こう伝えられた。 「国際ロマンス詐欺の被害回復の実績がございます」 事務所とは、ほぼネット上の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
今年も謝罪が多かった 頭下げ続けて35年 プロの「正しい謝罪」は
今年も様々なおわびがあった。ビッグモーター、日本大学、旧ジャニーズ事務所、宝塚歌劇団……。被害者への思いが欠如していたり、市民感情から乖離(かいり)していたり。説明すら拒み、謝ろうとしなかった政治家もいた。謝罪とは一体何だろうか。おわびのプロたちに聞いた。 「今年は参考にできる出来事が多かった。謝り方をもう一度考える機会になりました」 頭を下げ続けて35年。吉本興業の元広報宣伝担当で芸人と共に謝り続けてきた「謝罪マスター」の竹中功さん(64)は言う。 吉本興業に35年勤めた。 酔っ払ってケガをさせてしまった。経営する飲食店で食中毒を出してしまった――。そのたびに芸人と謝ってきたという。 竹中さんが考える「正しい謝罪」はシンプルだ。 お詫びのプロたちに聞く「謝罪の極意」。後半では大手出版社の編集者に、失敗と教訓を聞きました。締め切りがとっくに過ぎているのに、原稿が来ない。催促すると、作家は大激怒。慌てて高級ウイスキーを持って行ったのが、裏目に出ます。 「誰が誰に、何について、ど… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小田原中継所で観戦の河野洋平氏 「死ぬ思い」だった箱根駅伝との縁
箱根駅伝を沿道で観戦するのが、お正月の恒例行事という人は多い。 元衆議院議長の河野洋平さん(86)もその一人だ。地元・神奈川県小田原市の中継所で、勝負を見守ってきた。 「小さい頃から正月は箱根駅伝と決まっていた」というほど、河野家との関係は深い。 父で元農相の一郎さんとおじで元参議院議長の謙三さんは、ともに早稲田大学時代に箱根路を走り、総合優勝を果たした。 中学生のころ、箱根駅伝を沿道で見て「早稲田」に憧れ、進学先に早大高等学院を選んだ。 つなぐ、つむぐ 箱根駅伝100回 2024年1月2日、箱根駅伝は100回大会を迎えます。残り500㍍での棄権、異例の1年生主将、繰り上げを避けた7秒の戦い……。伝統のトロフィーを作った職人秘話も。様々な「箱根」を取材しました。 走るのは子どもの時から好きだった。 高校の監督に誘われ、陸上を始めたのは高校3年のとき。早大でも競走部に入った。 すでに政治家だった父が、駅伝監督を務めていたときは、河野さんの小田原市の自宅は箱根駅伝の前に選手が寝泊まりする「合宿所」だった。 自身は3年生でマネジャーに転向した。「運動会では速くても本格的にやっている連中とは勝負にならなかった」。当時の青木半治監督に打診されたとき、迷いは全くなかったという。 4年時の第35回箱根駅伝(1959年)は、大学の自動車部主将が運転する伴走車に乗り込み、車上からランナーに声をかけた。 携帯のない時代、伴走車で気づいたら… 「死ぬ思いでしたよ」。とに… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル