野平悠一2023年12月13日 21時45分 2025年開催の大阪・関西万博のシンボルとして、会場の人工島・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)に建設中の大屋根(リング)。大阪府の吉村洋文知事と大阪市の横山英幸市長が13日、この建設現場を視察した。閉幕後は解体され、木材は再利用される方針というが、吉村知事は保存も含めて検討する考えを示した。 リングは直径675メートル、1周2キロ、幅30メートル。世界最大級の木造建築物といい、会場を取り囲むように建てられる。「多様でありながら、ひとつ」という万博の理念を表すシンボルと位置づけられ、344億円をかける予定。 吉村知事と横山市長は建設中のリングの上に行き、会場全体を見渡しながら説明を受けた。視察後、吉村知事は報道陣に「この素晴らしいものを世に残すべきだという意見が多く出るのは間違いない。本当に圧倒的な唯一無二の木造建築物になる」と強調。「全部なのか一部なのか、いろいろ考え方はあると思うが、残し方とかいろんなことも含めて検討していくべきだ」と語った。(野平悠一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
美浜3号機差し止め仮処分の即時抗告審の審理終結 来年3月にも判断
森下裕介2023年12月13日 17時22分 運転開始から40年を超える老朽原発として初めて、2021年6月に再稼働した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)=定期検査中=をめぐり、地元住民らが関電に運転差し止めを求めた仮処分の即時抗告審は13日、大阪高裁で双方が主張を示す審尋があり、終結した。 住民側によると、高裁は来年3月中にも決定を出す見通しを示している。審尋は非公開で、住民側は「老朽化で、予想できない問題の発生リスクが高まっている」と改めて主張したという。 差し止めを求めたのは福井、京都、滋賀の住民ら。一審の大阪地裁は昨年12月、関電が新規制基準に沿って40年超の延長に必要な特別点検などを実施し、原子力規制委員会に認められたと指摘。安全性に問題はないとして仮処分を却下し、住民側が即時抗告していた。 原発の運転期間は11年の東京電力福島第一原発事故を教訓に「原則40年」のルールができたが、規制委が認可すれば最長20年間延長できる例外規定があり、美浜原発3号機に適用された。(森下裕介) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
オウム松本元死刑囚の遺骨引き渡し訴訟 国側「神聖視の危険大きい」
オウム真理教元代表の松本智津夫(浅原彰晃)元死刑囚の次女が、元死刑囚の遺骨と遺髪を保管する国に引き渡しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が13日、東京地裁であった。国側は「後継団体が遺骨を神聖視しており、公共に与える危険が大きい」として請求の棄却を求め、結審した。判決は来年3月13日。 元死刑囚の遺骨を巡っては、四女が「執行直前に引き取り先に指定された」と主張したが、次女が反発。四女側の審判申し立てに対し、東京家裁は面会の申し込みを繰り返していた次女側に所有権があると判断し、2021年7月に最高裁で確定した。 この日の口頭弁論では、国側と次女側の双方が法廷で意見陳述した。 国側、遺骨引き渡しは「紛争や犯罪を招く」 国側はオウム真理教内部で松… この記事は有料記事です。残り580文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「翔んで埼玉」続編、興行収入好調 地元の「自虐ネタ」に広がる共感
有料記事 西田有里 黒田壮吉2023年12月13日 18時00分 大ヒット映画の続編「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」(11月23日公開)が好調な滑り出しをみせている。配給元の東映によると、公開後2週間の興行収入は前作の同時期を超えた。今作も埼玉にまつわる「自虐ネタ」が満載で、すでに映画館で鑑賞した県民に話を聞くと、共感が広がっているようだ。 「聖地」では初日に20回上映 公開初日の11月23日。前作の動員数が全国1位だった「MOVIXさいたま」(さいたま市大宮区)では、四つのシアターを使い計20回上映。この日だけで約5千人が鑑賞した。 「前作での記録から、ここはファンの間で『翔んで埼玉の聖地』と呼ばれています」と副支配人の山田泰生さん。「これだけの回数を上映することは通常はないが、『聖地』として、お客様がいつでも見られるよう態勢を整えた」という。 初日は10回で満席、残り1… この記事は有料記事です。残り1469文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
同居の男に懲役6年の判決 富田林2歳女児熱中症死 大阪地裁堺支部
前田智 井石栄司2023年12月13日 15時08分 大阪府富田林市で2022年6月、当時2歳の女児が自宅で熱中症で亡くなった事件で、女児を粘着テープで縛ってベビーサークル内に閉じ込めたとして、保護責任者遺棄致死と逮捕監禁の罪に問われた桃田貴徳被告(52)の裁判員裁判の判決が13日、大阪地裁堺支部であった。藤原美弥子裁判長は懲役6年(求刑懲役7年)を言い渡した。 亡くなったのは小野優陽(ゆうは)ちゃん。起訴状によると、桃田被告は優陽ちゃんの祖母で内縁関係の小野真由美被告(47)と共謀。同月24~27日に計57時間、自宅寝室に設けたベビーサークルに優陽ちゃんを閉じ込め、27日夜に優陽ちゃんの手足を粘着テープで縛り、29日までサークル内で放置。十分な水や食事を与えず、熱中症で死亡させたとされる。 両被告は24日から五男(7)と連続して外泊。27日から2日間、大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパンを訪れていた。 検察側は「養育の煩わしさから監禁し、常習的な虐待の一環で起こるべくして起こった」と指摘。事件直前の6月22日に両被告が口論した後も内縁関係は続き、桃田被告は保護責任者にあたると訴えた。桃田被告は小野被告と相談して、優陽ちゃんが外に出ないようにサークルを改造したなどと指摘し、「果たした役割は小野被告と大差ない」と主張した。 一方、弁護側は6月22日に小野被告との内縁関係を解消し、事件当時は同居しておらず、保護責任者の立場にはなかったと反論した。同居していた時期もベビーサークルの改造などは手伝ったが、優陽ちゃんの養育は小野被告と小野被告の四男(17)らが主に担い、関与は薄かったと主張。事件当時、優陽ちゃんを粘着テープで縛ったりサークルに入れたりはしていないとした。(前田智、井石栄司) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山陽自動車道下り線の通行止め、12月15日昼12時ごろに解除予定
2023年12月13日 15時28分 9月5日に発生したトンネル火災の影響で通行止めとなっている山陽自動車道下り線の播磨ジャンクション―赤穂インターチェンジ間について、NEXCO西日本は12月15日正午ごろに通行を再開する見込みになった、と発表した。同社は、天候や現地での作業状況により、通行止め解除の時間は変更する場合があるとしている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元市長ばかりの「名誉市民」 胸像ずらり、その理由をたどってみた
水戸市役所のエントランスには、ずらりと銅像が並んでいる。すべて、「名誉市民」の胸像だ。 11月上旬、この並びに新たに1体分の胸像が加わって6体になった。今年3月に名誉市民に選ばれた、元水戸市長で参院議員を務めた岡田広氏(76)のものだ。 11月6日に市内のホテルで開かれた胸像の除幕式。政治家や支援者ら約870人が集い、国会議員や県内自治体の首長の姿もあった。 胸像建立委員会代表の高橋靖市長は「常に市民の目線に立ち、フットワーク軽く市民の中に飛び込み、とにかく政治を身近なものに感じさせたまさに張本人だと思っている」と持ち上げ、「これまでの実績が高く評価されて名誉市民の称号を贈ることになりました」と話した。 岡田氏は県議2期、水戸市長3期、参院議員4期と、50年近く政治活動を続け、昨年7月に引退した。「これからも一市民、一県民として経験を生かしながら水戸市をはじめ茨城県の発展のために力を尽くしたい」と謝辞を述べた。 名誉市民の7人中6人が元市長 水戸市の名誉市民は全部で7人。 13代市長、14代市長、15代市長、16代市長、水戸芸術館初代館長、18代市長。市長在任期間が1993~2003年の岡田氏は17代目で、参院議員に転じたため引退を待って称号が贈られたという。 市長経験のある6人の胸像が市役所に並んでいるというわけだ。 市の名誉市民条例には、名誉市民についてこう書いてある。 「社会福祉の増進、産業文化の進展に貢献し、その功績が顕著である本市の住民、または本市の縁故者」 名誉市民は市長が選定した後に、議会が同意することで、称号が贈られる。 市秘書課は、市長経験者が多い理由について「市の発展に尽力した人を提案している。結果的に政治家が該当することが多い」と説明する。 「市民の理解は?」「置き続ける?」 ただ、複数の市議は「市長をやれば名誉市民になれるの? 名誉市民として市民の理解が得られているのだろうか」と疑問を呈す。 また、庁舎のエントランスに胸像が並ぶことについては「地震で倒れたら危ない」「市民が来る窓口である市役所の玄関先に、モアイ像のように並べるところは他にあるのだろうか」「今後、胸像が増え続けたらどこに置くのか」といった声が漏れる。 これまで胸像は有志が制作し、市に寄贈してきた。今回も高橋市長を代表に支援者などでつくる胸像建立委員会が立ち上がり、約660万円かけて制作。全て寄付金で賄ったという。過去の全ての胸像建立委員会の発起人に、当時の現職市長が名を連ねていた。(富永鈴香) 47県庁所在地 目立った自治体は では、他の自治体では、どのような人が名誉市民になっているのだろう。市役所に銅像を置く県庁所在地はあるのか――。 そんな疑問を解消しようと、11月下旬に全都道府県の県庁所在地(東京都は都庁のある新宿区)を対象に、アンケートに協力いただいた。 市町村合併があった市については、各自治体の条例などの決まりに基づき、合併前の市町村の名誉市民も含めてカウントした。 全国ではどのような人が名誉市民に選ばれているのでしょうか? 記事後半ではアンケート結果を踏まえて、「8人目」になる可能性の高い現水戸市長に直撃取材しました。 名誉市民のうち、市長経験者… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
池松壮亮さんが語った最高裁での逆転勝利 乗り移った「宮本の熱」
有料記事 構成・石飛徳樹2023年12月13日 12時00分 出演俳優の有罪を理由に映画「宮本から君へ」の助成金交付を取り消したことが適法かどうかが争われた訴訟で、最高裁が文化庁所管団体の裁量権の逸脱を認め、製作会社スターサンズの逆転勝訴を言い渡した。主演俳優の池松壮亮さんがこの「歴史的判決」をどう見たかを詳しく語った。 正直に告白すると、この裁判に勝てるとはちっとも思っていませんでした。一審の勝訴は驚いたけど、二審で敗訴し、「やっぱり。どうせ勝てっこないんだ」という感想を持ちました。法が自分たちの表現を守ってくれるものだという、ごく当たり前のことを忘れてしまっていた。自分の感覚がおかしくなっていたことを、最高裁判決が気づかせてくれました。 ピエール瀧さんの件で日本芸術文化振興会が助成金1千万円を不交付にした時、スターサンズの河村光庸さんは訴訟を起こしました。映画製作においては1千万円は必ずしも高い金額ではありません。だから僕には河村さんがなぜものすごく手間のかかる裁判をしてまで、国と闘おうとしているのかがよく分からなかった。でも、この判決を読んで、腑(ふ)に落ちました。河村さんはお金が欲しかったのではない。自分たちには表現の自由があるんだということを証明しようとしたんですね。 自由なはずの日本で、多くの表現が資本の大きな渦に巻き込まれている――。「宮本から君へ」に主演した池松壮亮さんは、撮影を通じて感じ続けていた「熱」を込めて、語ってくれました。 自由が制限されている国が世… この記事は有料記事です。残り1464文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
減りゆく公立高の男女別学校 7割が埼玉・群馬・栃木に集中のなぞ
男女別学の公立高校が、少子化や男女共同参画社会の推進などを背景に、全国各地で減りつつある。朝日新聞が9月に各地の教育委員会に取材したところ、今も残っているのは9県の44校。このうち7割超が埼玉、群馬、栃木の各県に集中していた。なぜなのか。 「公立学校における公共性を鑑みれば、性別に基づき異なった取り扱いをなすのは大問題」 埼玉県の第三者機関は8月、県立の別学校を共学化するよう県教委に勧告した。県内には、公立の男女別学高校が12校(全て県立)ある。2002年にも共学化を求める勧告が出たが、関係者らが強く反発。県教委は、県民の強い支持があるとして「当面維持」と結論を出していた。 一方、この約20年間で、全国各地では共学化の動きが進んできた。 福島県は03年度までに県立高をすべて共学化した。 1993年時点では別学校は約20校あったが、県の有識者会議が「男女共同社会が進行するなか、本県でも共学化を逐次進めていく必要がある」と答申した。 宮城県は、県立の別学校を10年度までにすべて共学化した。 2001年時点で22校あった。同年、「多感な高校時代には男女が共に学び理解し合う環境が望ましい」「県立高校で性差による入学制限を設けることは好ましくない」などとして共学化を決めた。 在校生や卒業生などから反対論が上がり、05年に別学を残す方針を掲げた村井嘉浩氏(現知事)が知事選で初当選したが、県議会が共学化を推進する姿勢を示し、方針を変えた。 残るは44校、少子化などを受け共学化の動きも 今も別学の公立高校が残っているのは埼玉のほか、群馬(12校)、栃木(8校)、宮城(1校)、千葉(2校)、和歌山(1校)、島根(1校)、福岡(2校)、鹿児島(5校)の各県だった。 ただ、この中にはもうすぐゼロになる県もある。 和歌山県では、唯一残ってい… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
あのころセルシーがあった ニュータウンの象徴、栄枯盛衰の半世紀
「いらっしゃいませ!」。威勢の良い声が店内に響く。 11月の週末、千里中央駅(大阪府豊中市)近くの焼き鳥店「たきち」は、家族連れでほぼ満席だった。カウンターで接客する店主の小塩美博(よしひろ)さん(73)は昔を思い返していた。「セルシーのころは毎日こんな感じやったなぁ」 セルシーとは今から半世紀ほど前、1972年に千里中央駅前に完成した千里レジャーセンターの愛称だ。大阪万博から2年後、日本の高度成長期の最終盤の時期と重なる。 ローマのコロッセオを模した豪華なデザインで、千里ニュータウンの中核施設。地上6階、地下1階の延べ約4万5千平方メートルの建物は、2~4階の計162レーンのボウリング場を目玉に、関西初のスカッシュコート、屋外プール、映画館など、あらゆるレジャーがそろっていた。広場があり、地下が飲食店街だった。 ニュータウンの象徴として誕生したレジャー施設「セルシー」。名物の屋外ステージは、新人歌手の登竜門と言われました。栄枯盛衰を焼き鳥店の店主の視線から描きます。 隣の吹田市出身の小塩さんは… この記事は有料記事です。残り1939文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル