山本知佳2023年12月5日 19時28分 今国会で審議中の国立大学法人法改正案に反対する大学関係者らが5日、東京都内で反対する集会を開いた。集会後、約20人が、参院議員会館前で「大学を壊すな」などと、廃案を求めて抗議の声を上げた。 改正案は、大規模な国立大学に、運営方針の決定などを行う合議体の設置を義務づけることなどが盛り込まれている。5日は、参院文教科学委員会で参考人質疑が行われた。 集会では、衆院文部科学委員会で参考人として意見を述べた東京大の隠岐さや香教授が登壇。合議体は元々、10兆円規模の大学ファンドから支援を受ける国際卓越研究大に選ばれた大学が対象だったにもかかわらず、改正案では別の4法人も対象の見込みとなっていることや、当事者である国立大の構成員らには、改正案の説明が少なかったことなどに疑問を呈した。「誰が(法案を)設計したのか明らかにならないと通してはいけない」と訴えた。(山本知佳) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
パラリンピアンがゴールボール出前授業 「私が誰かを笑顔にしたい」
伊藤進之介2023年12月5日 19時30分 障害者週間の5日、パラリンピアンによる出前授業「あすチャレ! スクール」が、埼玉県川口市の新郷南小学校で開かれた。 北京パラリンピックの女子ゴールボール日本代表の高田朋枝さん(39)が講師を務め、6年生約100人が参加した。ゴールボールを体験して競技の魅力を知り、障がいについて考えた。 ゴールボールは1チーム3人の選手同士がバレーボールコートほどの広さのコート両端にあるゴールに、ボールを転がすように投げ合い、得点を競う。選手はアイシェード(目隠し)をつけるため、視覚を完全になくした状態で、ボールの中に入った鈴の音などを頼りにプレーする。 児童たちは目隠しや、1・25キロある重いボールに戸惑いながらも、ボールを投げたり、全身を伸ばしてゴールを阻止したりしていた。 競技体験後に高田さんは「一緒に練習してくれた仲間、スタッフやコーチ、家族がいたからがんばれた。今度は私が誰かを励ましたり、誰かを笑顔にしたり、自分のためだけじゃなく、みんなのために頑張ろうと思っている」と児童に語りかけた。 参加した児童は「コートのどこにいるのかも、隣にいるチームメートの動きもわからなかった」「練習するときに自分のプレーが見返せないのに、パラリンピックに出場してしまうのはすごい」などと話していた。 日本財団パラスポーツサポートセンターが主催する教育プログラムで、これまで全国各地にパラアスリートを派遣し、2千回を超える授業が開かれている。 3日から9日は障害者週間、4日から10日は人権週間。期間中は同校以外にも愛知県や兵庫県などでも、車いすバスケットボールや車いす陸上の授業が開催される。スクールは小、中、高、特別支援学校の児童生徒を対象に開かれ、年間4回に分けて募集期間が設けられている。(伊藤進之介) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
数学嫌いどうなくす? 米国の教科書はハンバーガーのカロリーも考察
経済協力開発機構(OECD)が5日、2022年の学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。重点調査の対象となった「数学的リテラシー」の日本の順位は、81の参加国・地域の中で5位(前回6位)だった。結果から何が見えてくるのか。海外の数学教育に詳しい西村圭一・東京学芸大教授(数学教育)に聞いた。 ◇ 前回1位だった「北京・上海・江蘇・浙江」が不参加で、順位だけでは比較できないが、OECD加盟国の平均点が下降傾向にある中、日本は高水準で安定している。 ただ、順位や平均点ではなく、習熟度別の分布や質問調査の結果に目を向けると、これから考えなければならない点が、いくつか見えてくる。 一つは、成績を6段階に分けたときの下位層の割合がこの20年、ほとんど変わっていないことだ。今回、数学的リテラシーの日本の平均点は、前回より9ポイント上がって536点になったが、6段階の上位2層(607点以上)が有意に増えて、全体の平均を引き上げた結果であって、下位2層(482点未満)が28%を占めている。 豊かな学びの直しの機会必要 下位層の中には、わからなかった内容を学び直す機会がないまま高校に進み、小学校段階で学ぶ内容も十分理解できていない生徒もいるのではないか。 公表された問題例には、小学… この記事は有料記事です。残り1290文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自閉症の娘の代わりに投票し公選法違反、母親は二審も有罪 大阪高裁
森下裕介2023年12月5日 15時35分 自閉症の娘(24)の代わりに投票用紙を投じたとして、公職選挙法違反の罪に問われた母親(61)に対する控訴審判決が5日、大阪高裁であった。石川恭司裁判長は、罰金10万円とした一審・大阪地裁判決を支持し、母親側の控訴を棄却した。 判決によると、母親は2020年、大阪市を廃止して特別区に再編する「大阪都構想」の住民投票で、娘とともに大阪市淀川区役所の期日前投票所を訪れ、娘の投票用紙を投じた。 公選法では心身の障害などによって自筆で投票できない人のため、「代理投票」の仕組みが整えられている。だが、実際に代理を担うのは投票所の職員で、親族らには認められておらず、母親は公選法違反(投票偽造)の罪で在宅起訴された。 母親側は、娘が車いすを職員に押されたり、職員から意思表示の方法を否定されたりして「パニックにならないかと焦った」と説明。とっさに自分の投票用紙と、無記入の娘の投票用紙を投じたが、「やむを得ない行為だった」として、無罪を主張した。 今年3月の地裁判決は、投票所職員らの証言を踏まえ、娘が投票の意思表示をしていないのに母親が投票用紙を投じたと認定。職員の説明などで違法性の認識もあり、1票とはいえ「投票の厳正さが害された」として、罰金10万円(求刑罰金20万円)の有罪とした。(森下裕介) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
宝塚・宙組公演、全日程を中止 「準備に入ることができないため」
宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)は5日、宙(そら)組の東京宝塚劇場公演「PAGAD(パガド)」「Sky Fantasy!」について、24日までの予定だった全日程を中止すると発表した。歌劇団の広報担当者は取材に「公演実施に向けた準備に入ることができないため」と話した。 宙組公演は、宝塚大劇場で9月29日に開幕した。宙組に所属する劇団員の女性(25)が30日に死亡した問題を受けて、10月1日から公演を中止。11月25日から開幕予定だった東京公演についても、12月14日までの公演中止を発表していた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
20年前の性教育批判、傷痕はいまも 包括的性教育で「分断」も
有料記事 塩入彩 杉原里美2023年12月5日 16時00分 「こういうことは教えちゃいけない」 東京都内の小学校に勤務する女性教諭は2017年、当時の勤務校で性教育をしようと提案すると、校長に止められた。 教えようとしたのは、受精卵がいかに小さいかということ。画用紙に画びょうであけた穴を見せ、「受精卵はこれよりも小さい。そこから赤ちゃんが大きくなっていく」という話をしようとした。しかし、校長から「(小学校理科の)学習指導要領では『人の受精に至る過程は取り扱わないものとする』となっている」と注意された。 続けて校長が説明したのは、都立七生養護学校(現・七生特別支援学校)のことだった。校長は振り返った。 「あの頃は大変だったんだ」 ■教員の大量処分につながった… この記事は有料記事です。残り2033文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「紅白ダメなら引退」宣言から1年 頭にリンゴの歌手、10年の実り
300人集まらなければ歌手を引退する。そう宣言して始めたコンサートだ。中盤を過ぎて、満席には遠い。現実は受け入れなくちゃ、と思った。 東京でキャリアを積んだ絵描きだった鈴御(りんご)はん(61)が、ふらっと住み始めた奈良でマイクを握ったのは2013年。絵を買ってくれた作詞家・水無月(みなづき)純さんの押しに負けてのデビューだった。 歌はとくべつ得意じゃなかった。人前に立つのも苦手だ。最初は戸惑い、だんだん本気に。水無月さんのレコード会社に所属し、奈良や関西、行ったことのない土地のご当地ソングを連発した。ポップにフォーク、演歌も採り入れて、CDを6枚出した。持ち歌は30曲以上になった。 京都出身の関西人。ここ8年は頭にリンゴをのせて暮らす。スーパーでも病院でも外さない。ウケ狙いというより、売れるため。「お社長」(水無月さん)の歌を世に残すためだ。 だが、道は険しい。 拠点とする奈良市の旧市街ならまちでは、それなりに知られた。故・坂本龍一さんがラジオで6回も曲をかけてくれた。明石家さんまさんのテレビ番組に出演を果たした。それでも知名度はうまく上がらない。 ついに決まった「引退コンサート」 「歌手は趣味じゃない。仕事… この記事は有料記事です。残り934文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ら・かんぱねら」主演の伊原さん、ピアノ猛特訓 支援者と成功誓う
52歳からの猛特訓でリストの難曲を習得した佐賀市のノリ漁師をモデルにした映画「ら・かんぱねら」の主演俳優、伊原剛志さん(60)が2日夜、佐賀市南佐賀2丁目の映画を支援する会事務所を訪れた。事務所開設の日に合わせた訪問で、会の実行委員ら約30人が出迎え、映画の成功を誓い合った。 実行委員らは11月上旬、伊原さんに「佐賀でお待ちしています」「映画頑張りましょう」などと呼びかけるビデオメッセージを送った。それを見て感激した伊原さんが、事務所開設に合わせて佐賀を訪れた。 伊原さんは映画出演が決まっ… この記事は有料記事です。残り631文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
テレビ山口が特集ニュースで他局の原稿を盗用 「言語道断でおわび」
TBS系のテレビ山口(tys、山口市)は4日、10月に放送した特集ニュースの原稿に、九州朝日放送(KBC、福岡市)のニュースからの盗用があったことを発表した。担当した記者は「意図的な引用」を認めており、tysは今月1日にKBCに謝罪したという。 tysによると、問題になったのは10月12日夕方の報道・情報番組「mix」で放送した、中学教員の働き方改革に関する約10分の特集。原稿35文のうち8文がほぼ同じで、6文の表現が類似していた。インタビューを入れる箇所などの構成も似ているという。 放送後にウェブ記事として配… この記事は有料記事です。残り390文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
青山学院中等部長から受験生へ 入試日に贈る「全ての子は夜明け前」
【連載】校長から受験生へ 近づく受験シーズンに向け、主に首都圏の中学・高校の校長から受験生へのメッセージを順次配信します。 青山学院中等部(東京都渋谷区) 上野亮部長 「すべての子どもたちは、まだ夜明け前です」 2月2日、青山学院中等部の入試当日。我が子を教室に送り出し、講堂で待機する保護者のみなさんにこう語りかけています。 紹介するのは、人生時計という考え方です。人生80年を1日に置き換えたもので、40歳なら正午、20歳なら午前6時です。小学6年生なら、まだ午前3時過ぎ、多くの人は寝静まっている時間です。 大切なのは、夜が明けてから… この記事は有料記事です。残り1654文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル