11月上旬。紅葉で赤色や黄色に色づく山々が、鏡のような湖面に映る。 日本一の水深で知られる秋田県仙北市の田沢湖。 田沢湖が水風呂 ビーチで外気浴も この湖畔に立てられたテントサウナから、もくもくと煙が上がる。2020年8月にオープンした「タザワコサウナ」だ。 予約制で、貸し切り。15分ほどゆっくり温まった後、水風呂代わりに田沢湖に入る。遠浅の湖で泳いだり、水面に浮かんだり。砂浜のベンチに座って湖を眺めながら外気浴もできる。 サウナを楽しんでいると、オリジナルの冷たいブレンドコーヒーが提供された。口当たりのよい水出しコーヒーが、体にしみる。 この日は水温が約15度。サウナ好きの友人3人と訪れた岩手県北上市の会社員、内田凌さん(24)も湖に飛び込んだ。 就職を機に東京から東北へ移住した。「ああ、冷たい! でも、めちゃくちゃ景色が良くて最高です。大きなサウナだと『黙浴』だけど、プライベートサウナなら友人と話せる。東北の自然を楽しみたくて来ました」 まるで湖を独り占めしているような気分になれるタザワコサウナ。このサウナは、地元出身サウナーの「私欲」から始まった。 仙北市出身の八嶋誠さん(3… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
29人乗るフェリー機関室で出火、救命艇で避難 鹿児島・悪石島沖
吉田啓 野崎健太 福井万穂2023年12月29日 10時07分(2023年12月29日 14時57分更新) 29日午前6時40分ごろ、鹿児島県十島村の悪石島沖を航行中の「フェリーとしま2」(1953トン)から第10管区海上保安本部に「機関室から火災が発生した。現在乗組員が消火活動中」との通報があった。10管は巡視船艇6隻と航空機4機を現場に派遣し、状況を確認している。 悪石島の漁協関係者によると、同日午前7時半ごろ、島から2隻の漁船が救助に向かったという。 10管やフェリーを運航する村によると、フェリーは定期便で、奄美大島の名瀬港(同県奄美市)を出港し、鹿児島市に向かっていた。フェリーには乗組員18人と乗客11人の計29人が乗船。乗員7人が船に残り消火活動を続け、残る22人は救命艇で避難した。漁船などに乗り換え、乗客は悪石島に無事に到着した。けが人はいないという。乗客の一部は村の行政連絡船「ななしま2」(19トン)で名瀬港まで運ぶ。 村によると、22日には出港直前にエンジントラブルがあり、運航をとりやめていた。そのときはエンジン近くの部品の一部に、本来はついてはいけない水滴が付いていたという。部品を分解して点検した後、25日に鹿児島湾で2時間試験運航して異常がないことを確認。25日発の定期便は通常通り鹿児島港を出港し、27日に無事に帰港していた。 機関室は密閉して消火中で、中の状況は不明。30日朝、鎮火を確認後、鹿児島港へ引航する予定だという。 今後は三島村に「フェリーみしま」の代替輸送を依頼。ダイヤを調整した結果、31日午後11時に鹿児島港を出港し、十島村7島をめぐって鹿児島港に戻る。 フェリーとしま2の運航再開のめどは立っていない。福沢章二副村長は取材に「年末で帰省する人もおり、食料の輸送のほか、牛の飼料や子牛の出荷への影響が心配だ」と話した。(吉田啓、野崎健太、福井万穂) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ゆったりとした時の流れが育む人生と小説 図書館職員から専業作家へ
四十八工程あり、塗っては研ぐを繰り返す津軽塗は「バカ塗」と呼ばれる。バカに塗ってバカに手間暇かけてバカに丈夫、の三大バカだ。 青森の津軽地域を舞台に、堀田真由さんと小林薫さんが津軽塗職人の父娘を演じた映画「バカ塗りの娘」。9月に公開されたこの作品の原作小説「ジャパン・ディグニティ」を書いたのは、青森県三戸町の作家、高森美由紀さん(43)だ。 高校を卒業後、やりたいことが見つからず、アルバイトを転々。28歳になってから小説を書き始めた。勤務先の町立図書館で、利用者と話を合わせるため、本格的に読書に励むようになったのがきっかけだった。 読んだ本で、マンガ「ちびまる子ちゃん」の作者さくらももこさんが、エッセーを書くために取材旅行をしたことを知った。「作家になれば、仕事で旅ができるかも」と思った。 出版社や文化団体の文学賞に100作以上を応募したが、落選が続いた。挑んで4年目の2012年、東日本大震災で家族を失った少年の成長を描いた小説「いっしょにアんべ!」が、児童文学賞の大賞に選ばれた。 「アんべ」は、青森と岩手にまたがる南部地方で「行こう」という意味。授賞式で、審査員で児童文学作家の今江祥智(よしとも)さん(故人)にかけられた言葉が、今も支えになっている。 「これでいがった」 ようやくつかんだ手応え 「方言を使い続けなさい。地… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジェットスター、労組ストなどで17便欠航 帰省ラッシュに影響拡大
格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンは29日、労働組合のストライキで人員が確保できなかったなどとして国内線17便の欠航を発表した。この日は113便が運航を予定しており、影響を受ける利用客は約2600人になるという。年末の帰省ラッシュが本格化するなか、ストの影響が拡大した。 同社の労組は、未払い賃金の支払いなどを求めて、22日から組合員を指定して行う「指名スト」に入り、28日までに計6便が欠航していた。29日はスト開始以降で最多の36人が参加し、欠航便も急増した。 欠航便の利用客については、他の便への振り替えや、払い戻しなどの対応をとるという。会社側は「労組と真摯(しんし)に協議し、最良の着地点を見いだすことに全力を尽くす」としている。 労組は30日に24人、31日に23人がストに入ることを会社側に通告している。(三浦惇平) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
安倍派・大野参院議員の地元事務所も捜索 裏金還流事件 東京地検
朝日新聞デジタルに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。Copyright © The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission. Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
帰省ラッシュがピークに のぞみは全席指定席で運行 下りほぼ満席
年末年始の帰省ラッシュが29日にピークを迎え、各地の新幹線の駅は故郷や旅行へと向かう人たちで混み合った。東海道・山陽新幹線の「のぞみ」は、来年1月4日まで自由席をなくし、全席指定席で運行する。 JR東海によると、「のぞみ」は東京駅午前6時発の1号から満席となり、午前中の下りはほぼ予約で埋まった。JR新大阪駅は朝から、大きな荷物を持つ家族連れらで混雑。広島県に帰省するという三重県鈴鹿市の会社員男性(23)は「指定席が増えて予約がとりやすくなったと思う。確実に席に座れて安心です」と話した。 JR各社によると、Uターンラッシュとなる上りの混雑のピークは1月3日の見込み。 空の便の予約状況も、全日空と日本航空によると国内線の下りのピークは29、30日。上りは1月3日だという。(宮坂知樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「讃岐じゃない?」 ものづくりのDNA、対岸で進化するうどん文化
「児島うどん」。瀬戸大橋で四国につながる本州の玄関口のまちで、こう銘打ったグルメマップを入手した。「讃岐じゃないの?」と突っ込まれそうだが、岡山県倉敷市の児島地区をうどん処(どころ)と大胆に紹介している。香川県の対岸に広がる繊維産業で発展したまち。うどんにも「ものづくり」のDNAが受け継がれているのか――。 マップはA3を六つ折りにしたフルカラーで、2017年に児島商工会議所が発行。JR児島駅の観光案内所などで配布している。児島地区の地図上で、大手チェーン店を除く計14店を紹介している。 「児島にとって讃岐は目と鼻の先……影響を受けないはずはありません」とは紹介文の一節。マップを裏返すと、各店の紹介と自信の一品の写真が並ぶ。今年7月までに第5版まで刷られている。 国産ジーンズの聖地 うどんは「最大勢力」 学生服の生産や国産ジーンズの聖地として知られ、事業所や工場が立ち並ぶ児島地区。児島商議所によると100超の飲食店があるがうどん店は最大勢力という。なぜか。 瀬戸大橋が開通した1988年に生まれた業務課係長の平尾尚之さん(35)は「詳しくはわからない」としつつ、教えてくれた話などを総合するとこうだ。 高度経済成長に乗って繊維産… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
水道に藻?が混入、1500人が給水車頼みの年越し
宮崎県日向市東郷町の一部地域で、水道に藻のようなものが混入したとして、市が27日から、水を飲まないように呼びかけている。影響は福瀬、小野田、鶴野内の3地区の612戸、1525人に及んでいる。 市は給水車を出して飲用水を配り始めたが、配水池への濾過(ろか)装置の取り付けは越年が確実となっている。 28日正午過ぎ、同市東郷町山陰辛の東郷公民館前に止められた給水車には、水をもらいに住民らが三々五々やってきた。担当者によると、午前中だけで22組に計1千リットル給水したという。 近くの養護老人ホーム「鈴峰… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
舞台でラジオで愛されたアマチンさん逝く 戦争の悲惨さも語り継ぐ
俳優の天野鎮雄(あまの・しずお)さんが11月5日に死去した。87歳だった。東海地方にゆかりがある人、とりわけ中高年世代で愛称の「アマチンさん」を知らない人はおそらくいないだろう。演劇人として、さらに社会貢献で広く深い根を張った生涯だった。 深夜ラジオ「ミッドナイト東海」で一躍有名に 名古屋市で生まれ、小学生時代に演じる楽しさを知った。現在の愛知教育大学を卒業し、20代半ばに上京。文学座の演劇研究所で学んだが、座員にはなれなかった。帰郷後の1968年、転機を得る。東海ラジオの深夜番組「ミッドナイト東海」のパーソナリティーだ。東海地方の深夜ラジオのさきがけで、中高生らの人気を集めた。週1千通を超えるリクエストのはがきに、思春期の悩みもつづられ、マイクを通して兄のように寄り添った。当時のリスナーには後に俳優となる竹下景子さんもいた。 ■幅広い世代から共感… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新幹線のルートは「複雑な連立方程式」 解求め佐賀県が投げたボール
整備のあり方が決まっていない西九州新幹線の武雄温泉―新鳥栖間をめぐり、佐賀県と国土交通省の協議が28日、あった。佐賀空港などと連携したルートの議論に県側が前向きな姿勢を示す一方、財政負担や在来線のあり方といった課題は山積している。解決への糸口は見いだせるのか。 「新しい提案があったという認識はない」。28日、非公開であった国交省の平嶋隆司・鉄道局次長との協議を終えて記者会見に臨んだ南里隆副知事は、そう述べた。 南回りルート、知事「一考に値する」 今回の協議で注目されたのがルートの議論だ。 山口知事は9月、佐賀空港や有明海沿岸道路などと絡む南回りのルートについて「一考に値する」と前向きに発言。ルート問題は進展する気配を見せた。 西九州新幹線は、もともと… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル