大正時代からお麩(ふ)を製造してきた岐阜県垂井町表佐の「麩美商店」がお麩を使ったプロテインバーの販売を始めた。開発したのは4代目候補の高木孝生さん(29)。乳製品や卵を使わず、100%植物由来の原料にこだわった。 麩美商店は1919(大正8)年創業。孝生さんは大学卒業後、名古屋の会社で営業の仕事をしていたが、昨春、家業を継ぐため垂井町に戻ってきた。 お麩は小麦のグルテン(たんぱく質)が原料。僧侶が肉に代わるたんぱく源として食べていた。「小麦なのに、高たんぱくなのは自分も知らず、意外だった。この魅力をいかしたい」とプロテインバーの開発に乗り出した。 世界的に不足が懸念されるたんぱく質 同じく植物性たんぱく質の豊… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
キラキラ光る「砂」使うだけでSDGs?時代を先取り、ようやく脚光
「使うだけでSDGs 環境に優しい魔法の砂」。公園の一角でこんな看板を見つけた。その周囲には、キラキラと光る砂が敷き詰められている。製造元を訪ねたら、20年近く前から手がけているリサイクル品だった。時代がようやく追いつき、引き合いが増えてきたという。 角を取り除き、5ミリ以下に砕く…「砂」の原料は? 看板が立っているのは、愛知県半田市緑ケ丘にある有脇ふれあい公園の一角。ベンチ2基の周囲にガラスの砂が敷き詰められており、雑草は生えていなかった。 市都市計画課によると、雑草に困っていた、管理する住民たちから相談を受けて今年1月、試験導入した。担当者は「聞いていた通りの効果は確認できた」と話す。 製造元の愛知県東浦町の廃棄… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
渋谷から30キロ離れた都内に「代官山」誕生へ 「高級感」推す声も
JR昭島駅前に「代官山」という新たな地名が誕生しそうだ。東京都昭島市が公募で絞り込んだもので、議会の議決を経て2024年8月から新しい住所になる見込み。事前に開かれた審議会では、都内屈指のおしゃれエリアで知られる渋谷区の代官山を意識した発言も多く出たという。 昭島駅北側に広がる100万平方メートルの一帯は、○丁目○番といった住居表示がなく、住所に地番を用いている。大型商業施設やホテルがあるほか、大型マンションが建設中で開発が進んでいる。住む人が大幅に増える見込みもあり、市は新しい町名を募集。集まった129種類の案を、地域内の住民や有識者、警察署や郵便局の幹部らでつくる審議会で議論した。 なぜ代官山なのか。 市によると、室町時代に武家… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
戻ってきた血染めの靴 遺族の涙に見合う記事を書けたか、記者の自問
取材中に涙が出そうになったのは初めてだった。 6月8日、神戸市北区で高校2年の堤将太さん(当時16)が殺害された事件の第2回公判。父・敏さん(65)が被告の男(30)に直接質問した時のことだ。 「なぜ将太はあなたに殺されなければならなかったんですか」 「将太がどれだけ痛かったか、つらかったか、苦しかったかわかりますか」 被告を見据える敏さんの大きな声が、張り詰めた法廷に響いた。 息子を失ったのは2010年。敏さんのこれまでの血のにじむような日々と、裁判にかける並々ならぬ思いを取材してきた身として、その気迫に胸を打たれた。 容疑者逮捕までの11年間、敏さんは情報提供を求めるビラを6万枚配り、刑法や刑事訴訟法を勉強するため大学に通った。凶悪事件の裁判の傍聴も重ねた。 裁判前は、夜な夜な被告への質問を考えた。 「人を殺すことは取り返しのつかないこと」「私たちは将太の死に意味を与える義務がある。無駄にはしない」 裁判への思いがびっしり刻まれたA5ノートは、強い筆圧でどのページもぼこぼこだった。 被告には懲役18年の判決が下された。だが遺族にとって、事件は今も終わっていない。 「見られへんよね」 判決後の7月、検察で保管されていた将太さんの遺品が返ってきた。 事件当時、身につけていた衣… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
外国籍のタクシー・バス運転手、増えるのか 先手打つ業界の事情とは
タクシーやバスなどの運転に必要な2種免許で外国語受験に門戸が開かれることは、働き手不足の運輸・運送業界にとって朗報だ。一方、ライドシェアとの競合も課題であるハイヤー・タクシー業界では、すでに外国人の人材確保に向けた「先手」ともいえる取り組みも始まっている。 国土交通省によると、タクシーの運転手数は2021年度は25万334人で、10年前の38万5021人から65%ほどにまで落ち込んだ。コロナ禍で高齢運転手が相次いで離職したことも減少に拍車をかけた。 「とにかく働いてくれるひとがいればウェルカム」(全国ハイヤー・タクシー連合会担当者)という状況にあって、外国人の運転手の存在は魅力的だが、日本語でしか受験できない2種免許は「壁」になっていた。 11月には、大型2種免許の筆記試験でカンニングをしたとして、インドネシア国籍の会社員の男(31)が千葉県警に偽計業務妨害の疑いで逮捕された。千葉地検は11月22日、偽計業務妨害の罪で起訴した。 男は、2種免許の学科試験で、問題をスマホで撮影して画像を友人に送付。捜査関係者によると、男は日本に本社があるツアー会社のジャカルタ支店に勤務し「訪日中国人を対象にした観光バスの運転をしたかった」と説明。日本語の会話は堪能でツアーガイドの資格を取得していたが、学科試験の漢字が理解できずにカンニングしたなどと供述し、「どうしても受かりたかった」と話したという。 外国語受験の解禁に先駆けて外国人運転手の雇用・育成を進めるタクシー会社もある。 約2100人の運転手が所属する「日の丸交通」(東京)。23年12月現在で26カ国・地域の外国人ドライバーが在籍する。中国人約40人、韓国人約10人のほか、欧米やロシア、中東、アフリカ、東南アジア出身者などもいる。正規雇用を求めてやってきた人や、歩合給料制に引かれて転職した人が多いという。 ネックは漢字、地名が苦手 10年滞在でも 外国人雇用に力を入れ始めた… この記事は有料記事です。残り2267文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
松野前官房長官を任意聴取 高木、世耕、塩谷氏も 安倍派・裏金事件
自民党の最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化したとされる事件で、東京地検特捜部は24日までに、同派中枢幹部の松野博一・前官房長官、高木毅・前党国会対策委員長、世耕弘成・前党参院幹事長、塩谷立・元文部科学相から任意で事情聴取した。関係者への取材でわかった。組織性が疑われる裏金作りへの関与などを確認したとみられる。 松野氏らは一連の問題を受けて辞任したが、捜査は派閥事務所の家宅捜索に続き、最近まで政権中枢や党幹部だった議員本人に及んだ。特捜部は、他の同派幹部の萩生田光一・前党政調会長にも任意聴取を要請している。 裏金還流、22年の「廃止→撤回」経緯を確認 関係者によると、安倍派では… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北極に消えた犬ぞり探検家・山崎哲秀さん 極地観測に尽力、志半ばで
犬ぞり北極探検家の山崎哲秀さん(56)が11月末、グリーンランドで消息を絶った。探検家として活動する傍ら、20年以上にわたって日本の極地観測を支え、研究者らは「かけがえのない存在」と心を痛める。「北極圏に日本の観測拠点をつくりたい」。その志を継ごうと、家族や友人らが協力を呼びかけている。 頼りにされた「犬ぞり案内人」 北緯78度。山崎さんは毎冬、「地球最北の村」と呼ばれるグリーンランド北西のシオラパルクで暮らした。約4カ月間は太陽が昇らない極夜。零下30度前後、強烈な風が肌を突き刺す。 そんななか犬ぞりで各地をまわり、海氷や気象の試料やデータを集めて研究者に提供した。日本から研究者が訪れる夏は、危険が潜む氷河や海氷の上で安全に観測できるよう手助けし、いつしか「犬ぞり案内人」と称されるようになった。 「犬ぞり案内人」山崎哲秀さんがグリーンランドで消息を絶った。極地の観測を支え続け、北極観測の拠点を作るという志半ば、惜しむ声が続く=中山由美撮影 この冬も、11月半ばに日本を発って村へ。自動気象計をメンテナンスし、海氷調査の準備を始めた。28日はブログに「まだ暖かいけど、そろそろ海氷が定着してくれますように」と記した。 途切れた足跡、セイウチの呼吸穴 29日午前、「海氷の下り口… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
タクシーやバスの運転手、外国語試験OK 警察庁が20言語の問題例
タクシーやバスなど客を運ぶ車の運転に必要な「2種免許」について、警察庁は外国語での試験を可能にすることを決めた。これまでは日本語でしか受験できずに外国人は合格が難しく、運転手不足に悩む業界団体から多言語化の要望が出ていた。警察庁は近く、各都道府県警に20言語に翻訳した問題例を配布する。 警察庁によると、運転免許試験は各都道府県警が問題を作成している。車の運転に必要な「1種免許」の学科試験は現在、20言語に対応する。2009年に警察庁が英語の例題を作って各警察に配布し、言語が徐々に追加されて昨年にウクライナ語も加わった。 一方で、2種免許の試験問題は日本語でしか受けることができない。試験では、1種免許でも出題される速度などの交通ルールに加え、客の安全確保といった旅客自動車の運転に関する問題も出される。 2種免許、外国籍の人は1%未満 運転技能などに問題のない外国人でも、日本語での問題文の読解に苦労し、不合格となる人もいる。普通2種と大型2種の免許を持つ人は昨年末時点で全国に88万536人いるが、うち外国籍の人は5189人で、1%にも満たない。 警察庁は2種免許でも、1種免許と同じ20言語に翻訳した問題例を作成し、今年度内に各都道府県警へ配布する。20言語には英語、中国語のほか、アジアを中心に各地の言葉が含まれる。各警察は、管内の外国人の居住状況に合わせて外国語の問題を作る。 また警察庁は、2種免許取得に必要な教習期間を短縮するため、1日あたりの技能教習の上限時間を増やす方向で検討している。今後、上限時間の増加にともなう疲労度の変化などを調査し、来年度からの導入を目指すという。 国土交通省は、外国人労働者の受け入れを認める在留資格「特定技能」の対象に、「自動車運送業」を加える方向で検討している。 一方で、タクシーなどの外国人運転手について、日本の地理の把握や、客とのコミュニケーションの面で課題を指摘する声はある。(板倉大地) 【2種免許の試験で対応が可能になる言語】 英語、中国語、ポルトガル語、ベトナム語、タガログ語、タイ語、インドネシア語、ネパール語、クメール語、ミャンマー語、モンゴル語、スペイン語、ペルシャ語、韓国語、ロシア語、アラビア語、ウルドゥー語、シンハラ語、ヒンディー語、ウクライナ語 (*言語は1種免許で警察庁が例題を作成した順番) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】レンズがとらえた2023年12月
DECEMBER IN PICTURES [PR] 自民党の「清和政策研究会」(安倍派)の政治資金パーティーをめぐる問題で、松野博一官房長官は14日午前の記者会見で、岸田文雄首相に辞表を提出したと明らかにした。安倍派に所属する鈴木淳司総務相、宮下一郎農林水産相、西村康稔経済産業相もそれぞれ辞表を提出した。 「2023ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)が1日、発表された。年間大賞は、38年ぶりの日本一に輝いたプロ野球阪神タイガースのスローガン「アレ(A.R.E.)」が選ばれた。 この1カ月を写真で振り返ります。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
電通過労自死、母親が手記 宝塚にも言及「人権を尊重した経営を」
広告大手・電通(現電通グループ)の新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が過労自殺して、25日で8年となった。母・幸美さんが命日にあわせて手記を公表し、「過重労働やハラスメントが原因で苦しんだり、病気になったり、命を落とす人がいなくなるよう心から願っています」とつづった。 手記では、神戸市の病院「甲南医療センター」の医師が自殺し、長時間労働による精神疾患が原因として労災認定された事案や、宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の劇団員が亡くなり、遺族側が先輩劇団員らのパワーハラスメント行為などを訴えている事案に触れて「本当に悲しいこと」と言及した。 そのうえで、「長時間労働が当たり前の医療現場や厳しい上下関係を重んじてきた劇団の文化は、当時の電通の社風が思い起こされてなりません」と指摘。「人としてもビジネスの上でも最も大切なことは、働くすべての人の人権を尊重した経営を行うことです。どうか経営者の方は人権侵害に対して確固たる姿勢で経営を行って欲しい」と訴えた。 一方、まつりさんが働いていた電通は7月、「ハラスメント撲滅・防止宣言」を発表した。「社員が生き生きと働ける取り組みを継続してくれている」と評価する一方、「会社が変われるチャンスは何度もあったのに、どうしてもっと早くにそのような取り組みを行っていなかったのか本当に悔しくてなりません。社員の健康と命を守り、生き生きと働ける会社であることを願っています」とした。(三浦惇平) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル