真夜中に何度も出かけようとした母。いら立ちから、思わず、ほおを張った。正気に返ったような母の目が忘れられない。お袋、ごめん――。 宗田徹也さん(76)は左足に義足を付けて約20年になる。富山県小矢部市で身体障害者協会の事務局長を務めながら、オカリナの演奏グループや、地元の縄文遺跡を盛り上げる市民団体でも活動している。 「第二の人生」は新しい出会いの連続だ。 「楽しくてやめられんわね。義足で不便なことはあるけれど、不幸じゃない」 かつては板金工だった。父と立ち上げた板金工業所で、40歳から代表を務め、地元の神社仏閣の工事などを手がけた。年を重ねてもずっと、商売を続けていくと思っていた。 だが54歳の2000年秋、瓦屋根での作業中に数メートル下に転落した。左足を開放骨折し、複数回の手術の末、左足のひざ下を切断することになった。「あのときは商売をやめんなんやろうと、目の前が真っ暗やった」 入院生活は1年1カ月に及んだ。見舞いにくる家族には「水虫を心配せんでいいし、爪も切らんでもいいし楽や!」と明るく応じ、誰もいなくなった病室で布団をかぶって泣いた。 そんな一人きりの病室で思い出したのが、幼い頃の母の言葉だった。 「なったもん、しゃあない… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
開運、脱コロナ…「願い託したいのでは」 青梅だるま市に2万8千人
杉山圭子2023年1月13日 10時00分 東京都青梅市のJR青梅駅周辺で12日、新春恒例の「青梅だるま市」があった。主催者によると、近年では最多の2万8千人が訪れた。旧青梅街道は約650メートルが歩行者天国となり、にぎわった。 400年以上の歴史を誇る催しは、コロナ下での異例の中止を経て昨年復活。今年はだるま店36軒、飲食などの露店約150軒が出店し、昨年の2万3千人を上回った。福生市から夫婦で訪れ、疫病を払う妖怪アマビエと干支(えと)のウサギをそれぞれかたどっただるま二つを買った中村政光さん(65)は「3年ぶりに来ました。コロナが早く収束してほしいと願うばかりです」。青梅市内で唯一、だるまの製造販売を続ける「達磨屋 藤野」の藤野智幸さん(63)は「原材料価格が上がり値上げせざるを得なくなって心苦しいのですが、にぎわいが戻ったのはなにより。毎年来てくれるお客さんの元気な姿を見るのが楽しみです」と話した。 近年最多となった人出について主催する青梅だるま市保存会の岩浪武夫・会長代行(66)は「コロナ前の人出は例年1万人台。コロナで減った催しを求める人や、何かと大変な世の中で、だるまに願いを託したいと思う人たちが大勢来てくれたのでは」と話していた。(杉山圭子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
60代以上が4割、北アルプス抱える長野の山岳遭難 22年は前年増
長野県警山岳安全対策課は、2022年に発生した山岳遭難が284件、310人だったと発表した。行動制限が大幅に緩和された昨年は、21年からそれぞれ27件増、34人増と遭難件数、遭難者数ともに大きく膨らんだ。また、遭難する高齢者の割合も増加している。 同課によると、昨年の発生件数と遭難者数はコロナ禍以前の2019年(265件290人)を超え、令和に入ってから最多になった。一方で、転倒や滑落が減り、死者数は10人減の37人だった。 山域別では、槍ケ岳や穂高連峰、後立山連峰を含む北アルプスが127件▽中央アルプスが17件▽八ケ岳連峰が52件▽里山など「その他の山岳」が80件となった。コロナ禍で山小屋が完全予約制となっていることもあり、日帰りしやすい里山などのコースに登山者が分散した可能性があるという。 コロナ禍で体力的なブランクが背景か 60代以上が遭難する割合も… この記事は有料記事です。残り648文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京都の教員採用試験、大学3年も一部受験可に 志望減に歯止め?
本多由佳2023年1月13日 6時00分 東京都教育委員会が2023年度実施の教員採用試験から、一部を大学3年生でも受験できる仕組みに変える。12日に明らかにした。受験時期を分散して学生の負担を減らし、志願者減少に歯止めをかけたい狙いがある。都教委は、他自治体で同様の取り組みは「把握していない」としており、全国初とみられる。 都教委によると、1次選考のうち「教職教養」「専門教養」を3年生でも受験可能とする。合格基準に達しなければ4年生で再受験できる。例年、都教委の採用試験は1次選考が7月、2次選考が8~9月という日程で、試験準備と教育実習の時期が重なってきた。 教員志願者の減少は全国的な傾向となっている。都教委の教員採用試験も、18年度採用分で4・4倍だった受験倍率が、直近の23年度採用分は過去最低の2・1倍まで下がった。(本多由佳) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ユーチューブで変わる社会 動画SNSの影響力と問われる「公共性」
有料記事 聞き手 編集委員・塩倉裕2023年1月13日 6時00分 社会的インフラになったとも言われるユーチューブ。昨年にはついに、ユーチューバーがネットで演説して参院選で当選する事態も起きた。新しいメディアが社会にもたらす影響をどう受け止めていけばいいのだろう。文字メディアであるツイッターとの違いとは……。放送の公共性に詳しいメディア史研究者の樋口喜昭さんに聞いた。 いま大学で就活状況のリストを見ると、「ユーチューバーになるため準備中」「売り上げはまだ少ないがユーチューバーとして活動中」と書いている学生たちが実際にいます。数年前まではほとんど見かけなかった光景です。 テレビという放送メディアには、壇上から大衆に向けて「みなさん、こんにちは」と呼びかけるイメージがあります。他方、通信メディアであるユーチューブには、実際には多くの人に向かってユーチューバーが語っていても、1対1の関係で語りかけられているかのように受け手が錯覚する特性がある。親密性をテコに巨大なつながりを生み出す仕組みだと言えます。発信によって直接収益を得られる収益化の仕組みが組み込まれていたことも、ユーチューバーの増加を促しました。 ユーチューブには、エンターテインメントや文化の新領域を切り開く明るい側面がある一方、急速に影響力を増すメディアであることから社会に様々な混乱や課題を突きつけてくる側面もあります。いわゆるお騒がせが起こりやすいのです。ユーチューブとユーチューバーの社会的責任をどう考えるか。新興SNSの公共性をめぐる議論が高まってくる可能性があります。 放送に規制をかけてもよい根拠とは 難しい問題ですが、思考の手始めとしては、新メディアが登場してきた過去の歴史が参考になると思います。 たとえば20世紀前半に米国でラジオ放送が始まった際には、様々な主体が電波を利用したことから来る混乱や、社会的に不適切な内容が放送されることへの懸念が噴出しました。表現の自由を守りながらメディアを規制できるのか。せめぎ合いの中で組み立てられていったのが、放送の公共性に関する議論でした。 放送を規制できる根拠として… この記事は有料記事です。残り776文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
悲恋から320年のお初天神 境内を埋めた飲み屋、今は恋人の聖地に
関西有数の繁華街、大阪・キタに、そこだけ時代に取り残されたような一角がある。 その名は露天神社(つゆのてんじんしゃ)(https://www.tuyutenjin.com/)。というより、通称の「お初天神」の方が通りがいい。 1703(元禄16)年、遊女のお初と醬油(しょうゆ)屋の手代・徳兵衛が一帯の森で情死した。 そのゆかりの地が曽根崎で、現在の大阪市北区曽根崎地区にあたる。 この心中事件を題材に近松門左衛門が書き上げた人形浄瑠璃「曽根崎心中」が当時、大ヒットした。影響を受けて命を絶つ男女が相次ぎ、幕府が心中物の上演を禁じる事態にもなった。 お初と徳兵衛が歩いた森は盛り場に 明治期以降、周辺は交通の中核となる大阪駅を中心に開発が進んだ。お初と徳兵衛が手をとって歩いた蜆(しじみ)川や天神の森は姿を消し、曽根崎は飲食店が集まって盛り場になった。 時代は変わって1945年… この記事は有料記事です。残り1218文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ウィシュマさん遺族ら、入管法改正案の再提出に反対
2023年1月12日 19時27分 政府が次の通常国会に再提出予定の入管難民法の改正案について、入管施設に収容中に死亡したスリランカ人女性の遺族と弁護士が12日に会見し、死亡の経緯は「解明されていない」と述べ、再提出に反対した。改正案は、難民申請中は母国に送還しない規定の適用回数を制限するなど、女性の死亡問題が影響して廃案になった2年前の旧法案の骨格を維持している。 会見したのは2021年3月に亡くなったウィシュマ・サンダマリさん(当時33)の遺族。新法案には3カ月ごとに収容の必要性を見直す修正が加えられたが、収容期間に上限は設けないままだ。妹のポールニマさん(28)は「姉は無期限に収容され、適切な治療を受けられずに命を落とした」として改善を求めた。 弁護士らは、ウィシュマさん死亡の経緯が解明され、遺族らが入管の改善策を認めない限り、新たな制度の検討はできないと指摘。旧法案の骨格が維持された点については「国際水準からほど遠い法案を再度提出するのは絶対に許されない」と批判した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジェフ・ベックは照れながらカラオケを歌った ウドー元社長語る伝説
ロック界を代表する英国のギタリスト、ジェフ・ベックさん(78)が10日に亡くなった。ベックさんの来日公演のツアー・マネジャーを長年務めたウドー音楽事務所元社長、高橋辰雄さん(70)が、その知られざる素顔を語った。 高橋さんは報道で死去を知った。「2020年の来日コンサートがコロナ禍でキャンセルとなり、23年はやろうと話し合っていたので驚きました」 最後の来日公演は17年。高橋さんは大阪公演を終えたベックさん、バンドのメンバーと打ち上げで一緒にカラオケへ行った。 来日公演で見せたジェフ・ベックの意外な素顔 数々の名演奏で伝説となったギタリストの意外な素顔を来日公演をしきったウドー元社長が語り尽くします。 「ジェフがカラオケに行ったのは、僕が知る限りこの一回だけ。バンドのメンバーが行きたがり、ジェフは最初嫌がったけど、一緒に来てくれた。照れながら一曲だけイギリスのカントリーソングを歌いました」 その後に空港に見送りに行き、「次はどんなコンセプトのコンサートをやろうか」と尋ねると、ベックさんは「先のことはわからないよ。また会おう」と言った。これが最後の会話になったという。 1974年に同社に入った高… この記事は有料記事です。残り606文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
エンペラーペンギンの落ちなかった黄色い羽根 お守りで受験生後押し
良永うめか2023年1月12日 20時00分 受験シーズンを控え、ペンギンの羽根で作ったお守りの配布が名古屋港水族館(名古屋市港区)で始まった。その名も「幸せの黄色い落ちない羽根」。毎年恒例の人気品だ。 お守りに入っているのは約2センチの羽根。細やかな白い毛並みで、先端が黄色にきらめく。館内で暮らすエンペラーペンギン5羽の側頭部に生えていたものだ。 12月ごろ、見た目が「もふもふ」してくるエンペラーペンギン。年1回の換羽(かんう)の時期を迎え、飼育係が「落ちる」前の羽根を回収した。一つずつラミネート加工し、折り紙で丁寧に包んだ。名称は映画「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」をヒントにした。 「落ちなかった羽根」は、受験生らに人気だという。エンペラーペンギンは別名「コウテイペンギン」とも呼ばれることから、頑張りを「肯定」するという思いも込められている。 同館広報担当の佐藤裕也さんは「受験生だけでなく、頑張っている全ての人に」とも話す。年始から配布を始めると、新たな学びを始めた人にも好評に。「仕事の資格を取らなきゃいけないのでちょうどいいかも」と、来館した男性(42)は話した。 お守りは500円。コロナ禍で入場者が減ったことから同館が始めたカプセル玩具の企画「ガチャde寄付」の一環。これまでに約1800万円の寄付が集まっている。 配布は2月12日まで。(良永うめか) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
« Makanai. Dans la cuisine des maiko », sur Netflix : le charme fragile des Geisha dans une école de Kyoto
Kiyo (Nana Mori) et Sumire (Natsuki Deguchi) dans « Makanai. Dans la cuisine des maiko », série créée par Hirokazu Kore-eda. NETFLIX NETFLIX – JEUDI 12 JANVIER – SÉRIE Les maiko sont les futures geiko – le terme « geisha » est également approprié – qui, dans les établissements traditionnels de Kyoto, apprennent la danse, […]