鹿児島県が鹿児島港本港区のドルフィンポート(DP)跡地に整備予定の新体育館をめぐり、タレントのデヴィ・スカルノさんが11日、県庁を訪れ、計画を見直すよう塩田康一知事に求めた。訪問後、県出身デザイナーの今井千恵さんらと記者会見を開き、桜島の景観が損なわれるとし、「なにもDP跡地に建てる必要はないのではないか」と訴えた。 デヴィさんは、計画に反対する今井さんと長年親交があるといい、記者会見で、DP跡地は「鹿児島の玄関口みたいな場所。一番最初に目にするのが桜島であり、美しい公園だ。すごく印象的で一生ものの思い出になる」などと指摘。DP跡地一帯の港の景観を生かしつつ、「国際的な公園にし、飲食店や土産品店なら、景観を崩さずにいいのではないか」との考えを語った。 今井さんは昨年に発足した「世界一美しい活火山・桜島を世界に発信する有志の会」の代表で、これまでも県に意見を伝えてきた。「体育館を建てるなとは言わないが、世界に誇れる景観があり、鹿児島の宝と言える場所に建てる必要はない」と話した。桜島の景観を軸としたまちづくりをすれば、訪日旅行客の誘致や産業の振興に寄与する場所になると訴えた。 今井さんらによると、塩田知事にこうした考えを伝ると、「県議会や検討委員会で了承された」との回答があったという。同会は街頭やネット上で計画見直しの署名を集める予定で、デヴィさんも引き続き協力する意向だ。(加治隼人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
派閥の還流システム、20年前には存在 政治改革をかいくぐる悪習か
自民党・安倍派に所属していた現職国会議員の逮捕に至った裏金事件の背景には、派閥の政治資金パーティー収入の一部を議員側にキックバック(還流)するシステムがあった。複数のベテラン秘書らは、20年ほど前の2000年前後から続く「慣習」で、1990年代の政治改革の影響があったと証言した。 「カネの蛇口が閉められ、パーティー券が生命線になった」。元ベテラン秘書はそう振り返る。 88年のリクルート事件と92年の東京佐川急便事件を受けて「金権政治の打破」が叫ばれ、94年に政治改革関連法が成立した。 柱の一つが、税金を原資とする政党交付金の導入で、その代わりに政治家個人への企業・団体献金が禁止された。 「チルドレン議員」の誕生 寄付は集まりにくくなり、「… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「地震のせいにさせたくない」迫る共通テスト、塾や学校が受験生支援
大学入学共通テストが13日から始まるのを前に、能登半島地震で被災した受験生を支える動きが広がっている。高校のほか、塾や予備校の関係者が、集中して勉強できる環境を作ろうと奔走。大学側も、受験料免除などを打ち出し始めた。(植松佳香、山本知佳、岩波精) 「集中できる環境を」 校長が奔走 「よく頑張ったね。生きててよかった」 久しぶりに会った輪島市に住む高校3年の生徒の顔は、疲れ切っていた。石川県七尾市の「東進衛星予備校七尾駅前校」校長の熊野謙さん(40)は6日、再会に思わず言葉が出た。 能登半島地震が起きた1日… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ALS嘱託殺人、医師「願いかなえた」 検察「正当行為に当たらず」
難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者(当時51)の依頼を受けて殺害したなどとして、嘱託殺人罪などに問われた医師、大久保愉一(よしかず)被告(45)の裁判員裁判の初公判が11日、京都地裁であった。大久保被告は殺害を認めた一方、「(女性の)願いをかなえるために行ったことです」と説明。弁護側は大久保被告が殺害しなければ、「女性は『望まない生』を強いられ続けたことになる」と指摘し、正当な行為で無罪にすべきだと主張した。 大久保被告は2019年11月、知人の元医師、山本直樹被告(46)と共謀。京都市内の女性のマンションを訪れ、女性の依頼を受け、胃に直接栄養を送る「胃ろう」に薬物を注入し、急性薬物中毒で殺害したとして起訴された。 検察側は冒頭陳述で、大久保被告が医療行為に見せかけて障害者らを殺害することに強い関心を持っていたと指摘。そのための「マニュアル」を執筆し、医療知識を悪用して犯行に及んだとした。女性は死期が迫った状態ではなく、大久保被告が女性の病状を詳しく把握せずに殺害した上、報酬も受け取っており、「正当な行為に当たるはずはなく、刑事責任が問える」と訴えた。 一方の弁護側は、個人の尊重を定めた憲法13条に沿って、無罪主張を展開した。「自分の生き方を決められるということは、生き方の最期も決められるはずだ」と指摘。女性はALSの症状で自死することができずに大久保被告に依頼したとし、「被害者の願いを実現した行為に嘱託殺人罪を適用して処罰することは、憲法に違反する」と述べた。 大久保被告は嘱託殺人事件のほか、11年3月に山本被告の父(当時77)を山本被告らと共謀して殺害したとされる殺人罪にも問われ、「私はやっておりません」と起訴内容を否認した。入院していた長野県内の病院から退院させて東京都内のアパートに連れて行き、何らかの方法で殺害したとされるが、弁護側は「山本被告が父と室内に入り、大久保被告が呼び入れられた時には心肺停止状態だった」と訴えた。 検察側は有罪の根拠となる証拠として、大久保被告の「マニュアル」の一部を示し、「証拠が残らない」「人を殺してもバレないシチュエーションがある」などと記されていたとした。山本被告に送信したメールも示され、「棺桶」という件名のメールでは、火葬場に関するインターネットサイトを大久保被告が伝えていたとした。 二つの事件をめぐり、山本被告はすでに裁判の一審が終わり、嘱託殺人事件などで懲役2年6カ月(求刑懲役6年)、父殺害事件で同13年(同20年)の判決を受け、控訴している。 大久保被告の12日の第2回公判では、山本被告に対する証人尋問が行われる予定。(光墨祥吾、西崎啓太朗、森下裕介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
倉敷夫婦殺傷、夫殺害容疑で長男ら2人を再逮捕 長男が玄関を解錠か
岡山県倉敷市玉島の住宅で昨年12月、会社経営の問田(といた)正さん(当時57)が殺害され、妻(50)が大けがを負った事件で、県警玉島署捜査本部は11日、問田さんを殺害したとして、長男の問田直孝(29)=倉敷市玉島阿賀崎1丁目=と、紳士服販売業村上航希(26)=岡山市北区東花尻=の両容疑者を殺人の疑いで再逮捕し、発表した。県警は2人の認否を明らかにしていない。 県警によると、2人は共謀して昨年12月2日午後6時15分ごろから同7時15分ごろまでの間、問田さん方の1階洗面所で、村上容疑者が刺し身包丁(刃体約22センチ)で問田さんの胸などを複数回突き刺し、顔面や胸などを殴るなどして殺害した疑いがある。問田さんは左胸を刺されたことによる出血性ショックで死亡した。 直孝容疑者は犯行時に現場にいなかったが、事件当日の午前中、夫婦が外出したあとに合鍵で玄関を解錠したまま立ち去る姿が、問田さん方の防犯カメラに映っていたという。 県警は、村上容疑者が午後3時5分ごろに玄関から侵入し、夫婦が帰宅するまでの間、室内で待ち伏せしていたとみている。刺し身包丁は問田さん方にあったもので、夫婦はこの包丁で刺されていた。 直孝容疑者と村上容疑者は、数年前に県内の中小企業経営者らによる異業種交流会を通じて知り合ったという。 捜査関係者によると、村上容疑者は県警の調べに「直孝容疑者に頼まれてやった」などと供述し、直孝容疑者は容疑を否認しているという。県警は、直孝容疑者が何らかの見返りを約束して村上容疑者に犯行を依頼したとみて経緯を調べている。 直孝容疑者は問田さんが倉敷市内で経営する自動車部品会社の役員を務めていた。捜査関係者によると、夫婦との間に金銭を巡るトラブルがあったという。会社の登記簿によると、直孝容疑者は事件後の同年12月13日、この会社の代表取締役に就任していた。 直孝容疑者と村上容疑者は同月21日に問田さんの妻への殺人未遂容疑などで逮捕され、岡山地検は11日、2人を同罪などで起訴した。(上山崎雅泰) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
板橋の店舗兼住宅で火災、70代の男女死亡 ストーブ付近から出火か
11日午後7時35分ごろ、東京都板橋区高島平2丁目にある2階建て店舗兼住宅から出火し、延べ約300平方メートルが全焼した。警視庁高島平署によると、2階の住宅にいた住人の男女6人のうちいずれも70代の男女計2人が搬送され、死亡が確認された。 出火前後、1階のレンタルバイク店では、住人とは別の男性店長がバイクに燃料のガソリンを入れようとしていたという。男性店長の署への説明では、何らかの原因で店内にあったストーブ付近から出火したといい、署が当時の状況を調べている。 現場は都営三田線高島平駅の南約650メートルの住宅街。(本多由佳、御船紗子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
靖国神社に「部隊参拝」の疑い 陸幕副長ら数十人、防衛省規律抵触か
陸上自衛隊の小林弘樹・陸上幕僚副長(陸将)が陸自幹部らと東京・九段の靖国神社に参拝していたことをめぐり、防衛省は11日、小林氏をトップとする陸自の航空事故調査委員会の自衛官ら数十人とともに集団で参拝していたと発表した。宗教施設への「部隊参拝」を禁じる同省の規律に抵触する疑いがあり、調査を進めるとした。 同省人事教育局によると、小林氏は9日、事故調所属の自衛官や事務官ら数十人と私服で靖国神社に参拝。私費で玉串料を納めた。事故調は「年始にあたっての航空機安全祈願」などと実施計画を定めていたという。 小林氏は午前中は東京・市谷の同省に出勤、「時間休」をとって参拝し、職務に戻ったとされ、事故調の参加者全員も時間休をとっていた。 1974年の防衛事務次官通… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
軟弱地盤広がる大浦湾で工事進む 抗議船と警備艇にらみ合い
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、防衛省が軟弱地盤が広がる辺野古北側の大浦湾で県の同意なしに着工して一夜明けた11日も、工事は続けられた。記者が漁船に乗って近づいた現場海域では、作業船が石材を海中に投下し続け、周辺では抗議船が工事反対を訴えた。 大浦湾では10日、護岸造成のため、海上ヤード(資材置き場)を設置する工事が始まった。11日は午前10時ごろから、運搬船が洋上に停泊する作業船に横付けし、山なりに積んだ灰色の石材をクレーンで移し替えた。午後0時半ごろになると、作業船上の2台の重機が石材をすくい、アームを伸ばして海中に投下を始めた。投下は次々と繰り返され、一帯は白い砂ぼこりが立ちこめた。 立ち入り制限区域であること… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
給食費、東京都が区市町村支援を半額補助 新年度予算案に239億円
東京都は11日、都内の公立小中学校の給食費について、区市町村の支援額の半分を都が補助する方針を明らかにした。公立小中学校に通う約83万3千人を想定し、新年度予算案に239億円を計上する。 都によると、区市町村の半数程度が、給食費の支援制度をすでに導入するか、今後導入する意向を示しているという。都立学校については都が全額補助することとし、約2万3千人を想定して予算額は20億円とした。 小池百合子・都知事は取材に対し、補助率を2分の1とした理由について、本来は国の責任と財源で無償化を進めていくべきものだが、都内では各区市町村の考えで無償化されていると説明。「区市町村の考えを尊重し、都としても子育て世帯を全力でサポートする。国の方策が講じられるまで、先行して支援を実施する」と語った。(土舘聡一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国体選手らのユニホーム、胸にプリントの県章が反転 気づかず5年間
福岡県は11日、国体などの県選手団が着用するユニホームのジャケットにプリントされた県章が反転していたと発表した。約5年間、気付かずに着用されていたという。 県によると、今のデザインのユニホームは2019年度から使われ、昨年の鹿児島国体をはじめ、全国障害者スポーツ大会や全国健康福祉祭で選手らが着用してきた。県章は県花の梅がモチーフで、ジャケットの右胸にプリントされている。 県の調査によると、ユニホームを作ったメーカー「トンボ」がデザインを決める過程で、県章の位置を左胸から右胸に変更。その際に反転した可能性が高いという。 昨年の秋、県障がい者スポーツ協会の事務局職員が、10月の全国障害者スポーツ大会に向けた準備をしていた際、ジャケットとポロシャツを見比べて違いに気づき、メーカーに指摘。ポロシャツのプリントが正しかった。 これまでに約2250着を選手らに販売しているという。ジャケットを作り直し、今後、競技団体などを通じて無償で交換する予定。(大下美倫) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル