松永佳伸2024年1月15日 20時46分 愛知県東郷町の認定こども園「太陽わごうこども園」で保育士が園児に暴言を吐くなどした問題で、検証していた第三者委員会は15日、再発防止策をまとめた報告書を町に提出した。第三者委は「不適切保育」と認定し、園の運営体制を抜本的に見直すよう「解体的再構築」を求めた。民営化した園に対する町の協力体制の不備も指摘した。 第三者委は、弁護士や学識経験者らで構成。保護者や保育士へのアンケートや聞き取りを重ねてきた。 報告書によると、昨年8月3、4日、複数の保育士が、1歳児クラス(21人)で「本当にこの子嫌だ」「ほんと腹立つこの子」などの言葉を複数の園児に浴びせた。第三者委は「心理的虐待と言わざるを得ない」として不適切保育を認定した。発言した保育士も「言葉は悪かった」と認めている。 町立だった園は昨年4月、民営化により浜松市の法人が運営する形で新たに開園。報告書では、1歳児クラスは当初8人の保育士が配置される予定だったが、急な退職などで5人になり、うち2人はけがをしていた。法人は、現場の補充要請に応えず、園は人手不足で、十分な保育ができる状況でなかったという。 また、保護者との情報交換や保育士間の交流もなく、保育観の共有もなされておらず、管理的、支配的な保育だったと指摘した。 町の責任にも言及。民営化を急ぐ余り、スムーズな移管への協力体制の構築を怠っていたとし、第三者委は現在、2保育園で進む民営化の一時停止を促した。 第三者委はこのほか、今回の不適切保育の背景の一つとして、低すぎる保育士の配置基準も指摘し、国には見直しを求めている。 川口創委員長は、「二度と不適切な保育が起きないためにも、保育士が一人ひとりの子どもと向き合える環境を早急に整備してほしい」と話した。(松永佳伸) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警視庁「きずな隊」、地元出身の警部らが避難所回り方言で聞き取り
警視庁の支援チーム「きずな隊」が輪島市の避難所を回り、被災者の心のケアや防犯のアドバイスをしている。 15人の警察官は5チームに分かれて、11日から輪島市内で活動。14日は石川県出身の岸知穂警部らが大屋小学校の避難所を訪れた。震災に乗じた詐欺や、ボランティアを装った避難所での盗難などへの注意喚起をしたり、近況や悩みを聞き取ったりした。 岸警部は「被災者は先が見えない。少しでも話を聞いて、この先の希望を持っていただけるようにしたい」と話した。被災者の70代男性は「地元の人が東京から来てくれた。こっちの方言で懇切丁寧に説明してくれたので、よくわかった」と語った。 きずな隊は、2011年の東日本大震災や16年の熊本地震などの大災害の際に派遣されている。(塩谷耕吾) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
生活保護費減額 鹿児島地裁も取り消し 原告13勝11敗に
国が生活保護費の基準額を引き下げたのは生存権を保障した憲法25条に違反するなどとして、鹿児島県の男女30人が鹿児島市などに保護費の減額決定を取り消すよう求めた訴訟の判決が15日、鹿児島地裁であった。坂庭正将裁判長は基準額引き下げが「厚生労働相の裁量権を逸脱している」などとして、減額決定を取り消した。 国は2013~15年、物価下落を理由に、生活保護費のうち食費など日常生活に必要な生活扶助の基準額を最大10%引き下げた。受給者が保護費減額の取り消しなどを求めて29地裁に提訴。原告弁護団によると、今回の判決が24件目で原告勝訴は13件目。22年5月の熊本地裁判決以降は15件中12件で原告が勝訴している。高裁判決は2件出ており、昨年11月の名古屋高裁では原告側が勝訴した。 判決は、厚労相が算定し、引き下げの根拠の一つとした独自の物価指数について、「生活保護世帯の消費構造と異なっている」などとして「統計など客観的な数値との合理的な関連性を欠く」と指摘し、裁量権の逸脱を認め、違法と判断した。 「引き下げにより精神的損害を負った」として原告1人につき1万円を求めた国家賠償については「取り消しにより回復される」として退けた。(宮田富士男) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
幼い女児に薬飲ませ、眠らせ 集団でわいせつ行為の疑い 男5人逮捕
新谷千布美2024年1月15日 21時30分 薬を飲ませて眠らせた女児に集団でわいせつな行為を繰り返していたとして、北海道警は15日までに、茨城県の無職の男(46)ら30~50代の男5人を強制性交未遂などの疑いで逮捕し、発表した。男たちの住所は、沖縄、神奈川、大阪、北海道などバラバラで、SNSを通じて知り合ったという。 道警によると、2018年に男4人で、20年には男3人で、道内の宿泊施設において、女児に睡眠導入剤を飲ませて眠らせ、わいせつな行為をした疑いがある。22年には、男3人が強制性交をしようとして未遂に終わった疑いもある。 男たちはおおむね容疑を認めているが、22年の強制性交未遂容疑については、逮捕された3人とも「わいせつ行為は間違いないが、性交しようとは思っていなかった」などと否認。また、18年の行為を1人が「一緒にいなかった」と否認しているという。 被害者はいずれも同じ女児。男のうち1人と面識があり、22年の時点で13歳未満だった。写真や動画も撮影されていた。 23年4月に別の事件で新潟県警に逮捕された男(39)が、「3年ほど前にSNSで知り合った人が年少者にわいせつな行為をするオフ会をしている。自分も22年に参加した」などと話したため、その後道警に情報が提供された。中心的な役割を果たしていたのは茨城県の男(46)とみられ、道警はこの男を同年8月、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(提供)の疑いで逮捕。捜査を続けていた。(新谷千布美) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
杉田水脈氏、人権侵犯を否定「傷ついてないのならば、謝罪必要ない」
自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が15日、党山口県連所属の国会議員による山口市での年頭会見に臨んだ。アイヌ民族や在日コリアンに関するブログへの投稿内容を昨年秋に法務局から「人権侵犯」と認定されて以来、会見は初めて。 杉田氏は「ブログを訴えた方々への人権侵犯が認められたということ。アイヌ民族、在日の方々への人権侵犯ということは誤り」「アイヌ民族の方々を差別するつもりは一切ない」などと述べた一方、「もしもブログを読んでどなたも傷ついていないのであれば、謝罪をする必要はないと思う」とも語った。(大室一也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
柿沢議員の秘書も買収容疑を認める方針 4人全員 江東区長選事件
東京都江東区長選をめぐる事件で、前法務副大臣で衆院議員の柿沢未途(みと)容疑者(52)=東京15区、自民党を離党=とともに昨年12月に公職選挙法違反容疑で逮捕された秘書4人全員が、これまで否認してきた区議らに対する買収容疑を認める方針に転じたことが、関係者への取材でわかった。柿沢議員が容疑を一転して認めたことを踏まえて判断したという。 秘書4人は、政策秘書の伊藤正樹(51)、公設第1秘書の柚留木(ゆるき)成人(65)、私設秘書の後藤周(38)と森川直樹(34)の各容疑者。昨年4月の江東区長選で木村弥生・前区長(58)=辞職=を当選させる選挙運動の報酬として、柿沢事務所全体で、区議や陣営スタッフら14人に計336万円の買収資金を渡すなどした疑いが持たれている。 「木村さんをよろしくという意味合いも」 関係者によると、柿沢議員は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジャニーズ性加害、被害の話が広まり会社休職 マスク外して実名告白
記者会見で報道陣が見つめる中、つけていたマスクを外し、前を向いて言った。 「この記者会見から、実名でお話しさせていただきます」 川井研一郎さん(55)は15日、東京都内であった記者会見で、初めて実名で話し始めた。 旧ジャニーズ事務所(現SMILE―UP.=スマイルアップ)の創業者、故ジャニー喜多川氏から性被害を受けたと、これまで匿名で取材を受けてきた。 この日の記者会見もマスク姿で仮名で話すつもりだった。 だが、話す順番が来ると、マスクを外した。会見でなぜいきなり実名告白することにしたのかと記者から問われ、こう答えた。 「みなさん覚悟を決めてやっている。匿名で訴えてきたが、本当に届いているのかなと。本当に伝わってほしいし、人の心の芯まで届けたいと思った」 劇団員をしていて、中学時代… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
スタバ銃撃事件、暴力団幹部を指名手配 防カメに車を残して逃走の男
愛媛県四国中央市のスターバックスコーヒーイオンタウン川之江店で男性が銃撃され死亡した事件で、愛媛県警は15日、指定暴力団池田組幹部の前谷祐一郎容疑者(62)=住所不詳=を殺人の疑いで指名手配し、全国に情報提供を呼びかけた。 県警によると、前谷容疑者は14日午後4時ごろ、店のテラス席で同市内の石川雄一郎さん(49)を、拳銃のようなものを使って殺害した疑いがある。石川さんとは面識があった。事件後、店から歩いて東へ逃走したことは確認できたが、その後の行方はわからないという。 前谷容疑者は身長163センチの小太りで、白髪。赤色のジャンパーとベージュのズボンを着用していたという。司法解剖の結果、石川さんの死因は失血死だった。 店付近の防犯カメラの映像などによると、14日午後3時40分ごろ、店の駐車スペースに白っぽい車が停車。白っぽい上下の男が降り、テラス席の方へ向かった。男はいったん車に戻ったが、数分後に再び車から出て、再びテラス席に向かって移動。発砲後は駆け足で車に戻り、車から取り出した赤色の上着をはおって、車を残して徒歩で店を離れていた。 県警は15日午前0時過ぎに車をレッカー移動。防犯カメラ映像の提出を受け、分析を進めていた。 現場は四国中央市役所の東約3キロで、松山自動車道三島川之江インターを降りてすぐ。周囲にはホールやホテル、パチンコ店などがある。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
むき出しの海底 傾く船に「信じられない」 石川県内15港で隆起
能登半島地震で地盤が隆起し、漁港の被害が石川県内各地で確認されている。県によると、15日現在で県内58の漁港に地震による被害が出ており、そのうち15港で隆起が確認されているという。 石川県輪島市門前町の五十洲(いぎす)漁港でも1隻の船が座礁し、岩には海藻がこびりついていた。 近隣の地区に住む松江章司さん(71)は「こんなのは初めて見た。普段は手前まで海になっているのに……。信じられないです」と驚いていた。(西岡臣) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【速報中】石川県が死者23人の名前など公表 多くは「家屋倒壊」
【動画】能登半島地震発生から2週間。珠洲市内を車で走った=波絵理子撮影 1月1日夕に起きた能登半島地震。深刻な被害の状況が少しずつ明らかになるとともに、多くの人が避難生活を続けています。タイムライン形式でお伝えします。 ■■■1月15日■■■ 18:10 死亡の原因、多くは「家屋倒壊」 石川県は15日、遺族の同意を得られた場合に限り、亡くなった方々の氏名や住所(市町まで)、年齢の公表を始めた。この日は23人分が公表され、死亡の原因は18人が「家屋倒壊」、4人が「土砂災害」、1人が非公表だった。 15:00 輪島市の中学生250人、集団避難へ 石川県輪島市は15日、中学生の集団避難を17日午前から始めると明らかにした。市内の生徒401人のうち約250人が、約100キロ離れた同県白山市の体験学習施設に避難する。市は「期間は最長2カ月におさめたい」と話している。 市は管内の3中学校がすべて避難所となり、校舎や運動場、通学路の損傷が激しいことから、「子どもの学ぶ機会を確保する」として、集団避難を検討してきた。 13:36 日本航空石川の野球部員が山梨に到着 能登半島地震で被災した日本航空高校石川(石川県輪島市)の野球部員の一部が15日、山梨県甲斐市の日本航空高校山梨キャンパスに到着した。山梨キャンパスの敷地内に仮校舎や寄宿舎を造り、日本航空石川の生徒約600人も4月から一時的に拠点を移す。 日本航空石川の野球部は秋季北信越地区大会で準決勝に進出し、春の選抜大会の出場校に選ばれる可能性がある。選抜大会の出場校は26日に決まる。 10:00 石川県、農林水産ボランティアを創設の意向 石川県の馳浩知事は記者会見で、被災地の農林水産業の復興を支援する「能登農林水産業ボランティア(仮称)」を創設する意向を示した。特に農業は、春の営農準備に人手が足りないことが想定されるため、登録や受け入れ準備をできる限り早期に進める方針。 馳知事は「被害は全容把握できていないが、見捨てることはしない」と強調。ボランティアについては「海士(あま)さんもいれば、岩のりやサザエを捕る人もいる。専門性が求められる部分と、人手として指示を受けて働く人も必要だし、運ぶ人、集約する人も必要。そういうこともすべて含めている」と語った。 ■■■1月14日■■■ 16:00 馳知事、死者の氏名「明日から随時公表する」 石川県の馳浩知事は、県の災害対策本部員会議で、能登半島地震での死者の氏名などについて、「明日から遺族の合意を得られた方を随時公表する」と述べた。 県が公表するのは氏名、住所(市町まで)、性別、年齢、死因の5項目。遺族の同意を得るにあたっては、「強制せず丁寧な説明を(心がける)。生きた証しの公表でもあるので、丁寧に取り扱ってください」と指示した。 16:00 介護職員らの応援派遣 23県から約970人が登録 厚生労働省は14日、能登半島地震で被災した高齢者施設などへの介護職員らの応援派遣を全国に募ったところ、23県から約970人の登録があったと明らかにした。まず15日から高齢者施設や「1・5次避難所」に計12人を派遣し、週内に20~30人ほどを派遣する方向で調整している。 また同省への報告によると13日現在、被災地の避難所などで、新型コロナウイルスや季節性インフルエンザなど呼吸器感染症で診療された患者が142人、ノロウイルスなど消化器感染症の患者が24人いたという。 15:01 視察終えた首相「改めて被害の甚大さを感じ言葉を失った」 岸田文雄首相は石川県庁で記者団から視察の感想を問われ、「改めて被害の甚大さを感じ、一瞬言葉を失った」と述べた。 被災地を上空から視察した首相は「幹線道路が寸断され、海岸線の道路が土砂災害によって押しつぶされている」と振り返った。 また、珠洲市と輪島市の避難所を訪れて被災者と会話を交わしたことに触れ、「立場や仕事、年齢はさまざま。よりきめ細かい対応が求められると感じた」と語った。その上で、「未来に向けて、生活、なりわいを再建する段階に進んでいかなければならない。見通しをできるだけ早く示すことが不安にこたえる道ではないかと感じた」と述べた。 15:00 自衛隊が大型船「はくおう」を派遣 食事や入浴も「被災者にリフレッシュを」 能登半島地震の被災者に休養施設として使ってもらおうと、自衛隊は大型フェリー「はくおう」を石川県七尾市に派遣し、14日から県とともに運営を始めた。避難生活の負担による疾病などで亡くなる災害関連死を防ぐ狙いがある。 入浴に来た同市御祓町の山腰勝二さん(89)は「こんなに便利なことはない」と歓迎する。自宅は無事だったが、隣のビルの土台に亀裂が見つかり、避難所で生活する。元日から入浴は1回のみだった。「まずは水さえ復旧してくれたらと思います」と話していた。 同船は、有事の際の部隊移動や災害対応のために防衛省がチャーターしている民間船。約90の客室や食堂、大浴場のほか、運動器具などを備える。2016年の熊本地震の際にも一時宿泊先として使われた。 県は1泊2食ずつの利用を想定しており、初日は約60人から申し込みがあったという。支援態勢が整えば1日最大300人を受け入れる方針だ。 七尾市では住宅5280棟が被害を受け、避難所生活を送る人も多い。支援隊長を務める松橋寛之2等陸佐は「被災された方がリフレッシュし、明日への活力を持ってもらえるよう真心を込めて対応したい」と話した。 14:57 都道府県駅伝、石川代表が快走 区間賞も 第42回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会は、たけびしスタジアム京都発着の9区間42・195キロで争われた。石川は1区の五島莉乃(資生堂)が区間賞の快走。その後は徐々に順位を落とし、チームとしては43位だったが、沿道からは大きな声援が飛んでいた。 12:01 首相、珠洲市の避難所に 馳知事「出来るだけ早く現金支援を」 被災地を視察中の岸田文雄首相は、馳浩・石川県知事や泉谷満寿裕・珠洲市長らとともに、避難所となっている同市内の緑丘中学校を訪問した。 入浴施設の受付をしている生徒が「(避難者の)皆さんの幸せだなっていう顔が見られて、とてもうれしいです」と語ると、首相は「やっぱりこういうときだから、シャワーは本当にありがたいと思う。引き続き、よろしくお願いします」などと語った。 馳知事は避難している人たちについて「着の身着のままこうやって来ました。当座のお金がない。だからお金を使いたくても、欲しい物があっても買えない」と説明。「できるだけ早く現金を皆さん方に支援できるようにお願いします」と要望した。首相は「出来るだけ早く用意するようにします」と約束した。滞在時間は25分間だった。 10:46 岸田首相「希望持てるように努力」 輪島中を訪問 被災地に視察に入った岸田文雄首相は、坂口茂・輪島市長や馳浩・石川県知事らとともに、避難所となっている輪島中学校に到着し、30分ほど滞在した。 […]