東京都は19日、都心と臨海部を結ぶバス高速輸送システム「東京BRT」の「選手村ルート」を2月1日から運行すると発表した。選手村跡地のマンション群「HARUMI FLAG」(晴海フラッグ)周辺に3停留所を設け、新橋までの所要時間は11分という。BRTの予定全ルートが開通する。 BRTは2020年10月にプレ運行を始め、これまでに、幹線(虎ノ門ヒルズ―東京テレポート)▽勝どき(新橋―勝どきBRT)▽晴海・豊洲(虎ノ門ヒルズ―ミチノテラス豊洲〈豊洲市場前〉)の3ルートがある。 選手村ルートの停留所は、いずれも晴海フラッグ周辺の、はるみらい▽晴海ふ頭公園▽HARUMI FLAG(晴海五丁目ターミナル)の三つ。1日104便(土日祝日91便)で、平日のピーク時は10分間隔で運行する。 小池百合子知事は19日の記者会見で、「入居が始まり、交通ネットワークを充実させ、利便性の高い街にしていく」と話した。新橋から先の銀座や東京駅への延伸については「当初の検討路線。今後は利用状況をみて検討していく」とした。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「復興まで見捨てられない」 輪島朝市で夜通し消火活動した消防団員
1日の能登半島地震に伴い、大規模な火災が発生した観光名所「輪島朝市」。夜通し26時間にわたる消火活動にあたった消防団員に、発災当時のことを聞いた。 石川県輪島市市ノ瀬町の消防団員の水口薫さん(45)は、実家が地震で起きた土砂崩れに埋もれながら、発災から3時間半後には朝市の火災の消火活動にあたっていた。現在も避難生活を送りながら、ポンプ車で町を回って支援物資を配り、夜は空き巣対策で巡回する生活が2週間以上続いている。 家族の安否を確認 朝市に走った 水口さんの家は朝市などがある市街地から5キロほど南の山際にある。元日、妻と息子2人と自宅にいた水口さんは、地震の直後、玄関先に飛び出すと土砂の山が目に入った。200メートルほど離れた、両親が暮らす実家のあたりだ。「じいちゃんばあちゃん、死んじまったぞ」と家の中にいる13歳と10歳の息子2人に叫んだ直後、母から妻に電話があった。 両親は近くの神社で、初詣後の片付けの当番で、土砂にのみ込まれた家を空けていて無事だった。家族の安否を確認すると、田畑が広がる一帯で右往左往する何台もの車が目に入った。すぐに消防団の活動服に着替えて、近くの公民館に避難するように近所の人や車を誘導した。 誘導が終わると、けが人や寝たきりの高齢者を市立輪島病院へ搬送した。シャッターが曲がって動かない車庫を壊してポンプ車を出庫し、普段は5分ほどで行ける病院まで、地割れした道路を迂回(うかい)して進み、30分かかった。 激しい炎に 無心になって放水 病院に向かう途中、遠くの市街地方面の暗闇がオレンジ色に照らされていた。火災発生の無線も入り、朝市に向かい消火活動を始めた。朝市の火元と水源の市立河井小学校のプールは400メートルほど距離があったため、20メートルのホースが3本入る20キロ弱のホースバッグを背負い、何度も往復し、ホースをつなぎ合わせた。 数時間でプールの水はなくなり、その後は海水を放水した。顔を背けたくなるほどの火と熱を相手に、仲間の団員とともに夜通しで消火活動を続けた。土砂に埋もれた実家や、近所の人の安否が気になりながらも、放水中はなるべく無心になろうとした。「何人がかりで、誰の指示で動いていたかも覚えていない。土砂崩れは掘り出せるかもしれないけど、火事は全部灰になってしまう。そう思って水をかけていた」と振り返る。 翌2日の夜10時ごろに消火活動を終えて、自宅近くの公民館に避難した。高齢者や子どもを優先し、自分は12日まで車中泊で過ごした。その後も公民館前の簡易テントの中で、余震と冷たいすきま風で眠れない夜を明かしている。 復興までの道のり 「見捨てられない」 昼間は地区内の避難所で欲しい物を聞いて、市街地に物資を取りに行き、各避難所に届ける。夜は空き巣対策で、ポンプ車の赤色灯をつけて、集落を巡回している。 息子2人と母は5日から同県津幡町の姉の家に避難している。2人は新しい学校に通い始めたといい「俺たちはいいが、子どもは環境が変わってしまってかわいそうだ」と話す。 水口さんは普段は道路脇ののり面を補強する「アンカー」と呼ばれる杭を打ち込む仕事をしている。ポンプ車で、町を回りながら、地震で折れたり、飛び出したりしてしまったアンカーを見つめる。 「町も家も再建なんてできるのか。家族も離ればなれだし、町を出る友達もいる。でも避難所を立ち上げた人も、炊事する人も、救援物資を送ってくれる県外の人も、みんながそれぞれできることをしてくれる。自分も復興まで町を見捨てられない」と話した。(伊藤進之介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
4年ぶり神戸ルミナリエ開幕 一部有料化や時期変更など「実験」の年
阪神・淡路大震災を機に始まった追悼イベント「神戸ルミナリエ」が、19日から始まった。開催は4年ぶりで、28日まで。 旧外国人居留地会場であった点灯式では震災と能登半島地震の犠牲者に黙禱(もくとう)を捧げ、復興を願って歌い継がれる「しあわせ運べるように」を小学生が合唱した。メリケンパーク会場の有料エリアには光の回廊「ガレリア」が設けられ、訪れた人は無数の電飾を見上げて写真を撮っていた。 神戸ルミナリエは例年300万人以上が来場する一方、過度の混雑や警備費負担などの課題があった。今回は開催を12月から1月に遅らせ、一部エリアを有料化するなど「実験」(久元喜造神戸市長)と位置づけている。(小川聡仁) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
食べログが逆転勝訴 アルゴリズム変更「合理的」、独禁法違反認めず
大手グルメサイト「食べログ」に掲載されている飲食店側が「不当に評点を下げられた」として、食べログ側に約6億4千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁(木納敏和裁判長)であった。判決は、食べログ側の独占禁止法違反(優越的地位の乱用)を認定して3840万円の賠償を命じた一審・東京地裁判決を取り消し、飲食店側の逆転敗訴とした。 食べログは、「カカクコム」(東京)が運営し、約85万店を掲載。計約6千万件の口コミを元に、独自のアルゴリズム(計算手順)を使って5点満点の点数をつける。原告で、焼き肉・韓国料理チェーン店「KollaBo(コラボ)」を展開する「韓流村」(東京)は、食べログが2019年5月、チェーン店の評点を一律に下げる不当なアルゴリズム変更を行い、不利益を受けたと訴えていた。 優越的地位の乱用の認定には、①事業者が優越的地位にある②地位を使って相手に不利益を与える③正常な商慣習に照らして不当――の要件を満たす必要がある。地裁はいずれも認めた。 高裁も問題のアルゴリズム変更が「優越的地位にある食べログ側による、原告に不利益となるような取引の実施だった」と認めた。 一方、変更はチェーン店の評点調整以外にも多岐にわたる大幅なものであり「消費者の感覚とずれた評点の是正」などの狙いがあったと指摘。合理的な目的で相当な範囲だったと評価し、「評点下落だけでは原告の市場での競争に大きな影響を与えるとは認められない」とも述べ、不当とは言えないと結論づけた。 控訴審では新主張も展開 原告側は、食べログと「有料… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
岡山県警交通部長が昇任試験問題漏洩か 国家公務員法違反容疑で捜査
岡山県警で交通部長を務める50代の警視正が、昨年行われた巡査部長への昇任試験の試験問題を事前に部下の警察官に漏らした疑いがあることが、捜査関係者への取材でわかった。県警は国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで警視正に任意で事情聴取している。県警の聴取に対し、警視正は漏洩(ろうえい)したことを認めているという。 捜査関係者によると、昇任試験は昨年の秋に実施された。警視正は問題を知りうる立場にあり、部下の警察官に事前に教えていた疑いがある。この警察官から県警に相談があったことから漏洩が発覚した。県警は国家公務員法違反容疑での立件も視野に漏洩に至った詳しい経緯について慎重に捜査している。 監察課は取材に対し「現時点ではお答えできない」とした。 県警では昨年7月、児島署の巡査部長=辞職=が勤務する駐在所に家出中の少女(当時16)を泊め、わいせつな行為をしたとして、県青少年健全育成条例違反で逮捕。その後、執行猶予付きの有罪判決を受けた。今年1月には、岡山南署から事件の証拠品の現金を盗んだなどとして、同署の巡査長が窃盗や業務上横領などの疑いで逮捕され、不祥事が続いている。(上山崎雅泰) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国会前でデモ 「裏金議員やめさせたい」「選んだのは私たち」
東京・永田町の国会前で19日、「金権腐敗の自民党政治糾弾!」などを訴えるデモ集会があった。「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」が主催し、約800人(主催者発表)が集まった。 「改憲阻止」などを訴えて毎月19日に開いている集会だが、マイクを握った市民団体の代表らからは、自民党のパーティー券裏金事件への批判が相次いだ。 参加した東京都日野市の小川哲生さん(71)は「検察の捜査終了には納得できない。年金を頼りに毎日の生活を切り詰め、税金を納めている。一方で自民党の政治家たちは巨額の裏金を作り、何に使ったかを明らかにしない。こんな政治は信頼できない」と憤った。 神奈川県茅ケ崎市から来た豊島道子さん(68)は「裏金を作った議員たちをやめさせなければならない。一日も早く解散総選挙をしてほしい」。 東京都内の団体職員の女性(43)は「裏金を作った議員は『政治業』の業者なんだと思う。このような人たちを国会議員にしたのは私たち。どうすれば正しい判断をできるか、次の選挙までに学びを重ねたい」と話した。(本山秀樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
朝鮮人追悼碑、近く撤去へ 県立公園「群馬の森」 県が代執行方針
群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」にある、戦時中の労務動員で犠牲になった朝鮮人の追悼碑について、県は行政代執行によって撤去する方針を固めた。29日から2月11日にかけて公園を閉鎖し、撤去にのりだす。 碑をめぐっては、設置を不許可とした2014年の県の処分を「適法」とする判決が22年に最高裁で確定。碑を所有する市民団体「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑を守る会」に対し、県は23年4月に撤去命令を出した。さらに同10月、行政代執行法に基づく「戒告書」を送り、同12月28日までの撤去を求めていた。 すでに碑の周辺は重機が入れるように伐採済み。県は29日から2月11日に群馬の森の閉鎖を決めており、この間に撤去工事をする見通し。守る会側にも19日付で、代執行の日程を記した通知が送付されたという。 追悼碑は04年4月、「守る会」の前身の団体が建立。戦時中に重労働や飢えなどで亡くなった朝鮮人を悼み、アジアの平和と友好の発展を願う趣旨だった。碑の設置については、当時の県議会でも全会一致で趣旨採択され、県が用地を提供していた。許可期間は10年で、「政治的な行事をしない」との条件もついていた。 だが、追悼碑の前で開いた式… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
安倍、二階、岸田派の会計責任者を在宅起訴 安倍派幹部は立件せず
自民党の派閥の政治資金パーティー収入をめぐる事件で、東京地検特捜部は19日、最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)の会計責任者・松本淳一郎事務局長(76)を政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で在宅起訴し、発表した。安倍派の幹部議員は立件されず、捜査は事実上終結した。 裏金を受領した安倍派の議員側では、大野泰正参院議員(64)=岐阜選挙区=と秘書を在宅起訴、谷川弥一衆院議員(82)=長崎3区=と秘書を略式起訴した。 「志帥会」(二階派)については、会計責任者だった永井等・元事務局長(69)を在宅起訴したほか、会長の二階俊博・元党幹事長の秘書を略式起訴した。「宏池政策研究会」(岸田派)は、会計責任者だった佐々木和男・元事務局長(80)を略式起訴した。 関係者によると、安倍派では、所属議員がパーティー券の販売ノルマを超えて集めた売上金について、派閥から議員側に「還流」したり、議員が派閥に納めず「中抜き」したりした上、一連の資金の流れを政治資金収支報告書に記載せずに裏金化してきたとされる。 発表などによると、安倍派の松本局長は2018~22年の5年分の収支報告書に、ノルマ超過分の約6億8千万円のパーティー収入や、議員側に還流したほぼ同額の支出を載せなかったとされる。不記載の総額は約13億5千万円となった。 派閥の実務を仕切る事務総長経験者や中枢幹部の議員については、共謀に問えないと判断して立件を見送った。 派閥から約6億8千万円に上る裏金の還流を受けた議員側では、大野議員と岩田佳子秘書(60)が5154万円、谷川議員と三宅浩子秘書(47)が4355万円を、自身の資金管理団体の収支報告書に寄付として記載しなかったとされる。池田佳隆衆院議員(比例東海)と秘書は今月7日、4826万円の虚偽記載容疑で逮捕されている。 二階派の永井元局長は5年間で約2億6千万円のノルマ超過分を収入から除外し、このうち中抜き分とみられる約1億2千万円を議員側への支出として記載しなかったとされる。不記載の総額は約3億8千万円となる。 二階氏事務所については、5年間で3526万円の中抜きがあり、派閥からの寄付として資金管理団体に記載しなかったとして梅沢修一秘書(55)が略式起訴された。 岸田派の佐々木元局長は18~20年の3年で計3059万円のパーティー収入を記載しなかったとされる。(川嶋かえ) ■自民党3派閥をめぐる刑事処… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京地検次席検事「私が説明する必要がある」 派閥裏金事件で会見
自民党の派閥が政治資金パーティー収入の一部を政治資金収支報告書に記載しなかったとされる事件で、東京地検特捜部は19日、安倍派の会計責任者と二階派の元会計責任者を政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で在宅起訴し、岸田派の元会計責任者を同罪で略式起訴した。議員やその秘書らも含めると、この日は計8人を立件。地検の新河隆志次席検事は夕方に臨時の会見を開いて、事件を総括した。主なやりとりは以下の通り。 ――特捜部の処分に関して、特捜部副部長のレク(説明)ではなく、次席が会見する意味は。 特捜部の事案は副部長が説明をすることが多いが、社会的関心が高く、一定程度説明する必要があると考え、私が説明させていただくことになった。 ――安倍派の事務総長経験者らの刑事処分はしていない? その通り受け取っていただいて結構だ。 捜査は終了? ――捜査はこれで終わりか。 (1月7日に特捜部が逮捕し… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道新幹線、青函トンネル内初の260キロ走行 大型連休の5日間
JR北海道は19日、今年のゴールデンウィーク期間中に、北海道新幹線の青函トンネル内での速度を時速160キロから260キロに引き上げると発表した。青函トンネル内を整備新幹線区間の設計上の最高速度260キロで走行するのは初めて。東京―新函館北斗間は最速3時間52分となり、現行より5分短縮される。 実施するのは4月29日、5月4~7日の計5日間で、いずれも始発から午後3時半ごろまで。 北海道新幹線は青函トンネルでは貨物列車と線路を共用しており、高速ですれ違うと貨物の安全性に影響が出るため、時速160キロに減速している。ただ、新幹線の高速化に向けて、貨物列車の本数が少ない年末年始や大型連休に試験的に速度を引き上げてきた。これまでの最高は時速210キロだった。 今回、システム改修などの準備が整ったため、時速260キロに引き上げる。時速210キロの際は東京―新函館北斗間が最速3時間54分だったが、それより2分短縮される。(新田哲史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル