36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)に対し、京都地裁は25日、死刑判決を言い渡しました。殺人事件として戦後最悪とみられる犠牲者を出した事件について、裁判員らの判断は。関係者の受け止めは。詳報します。 ■■■1月25日■■■ 18:00 青葉被告を治療した医師「これで終わりにしてはいけない」 青葉被告を治療した鳥取大学医学部付属病院高度救命救急センター(鳥取県米子市)の上田敬博教授(52)は、判決後に京都市内で会見を開いた。 上田教授は事件後、当時勤務していた近畿大病院(大阪府大阪狭山市)で約4カ月間、全身にやけどを負った青葉被告の治療にあたった。死刑判決については「特に驚きはなく、冷静に受け止めた」という。 裁判を振り返り、「(青葉被告は)表現は上手ではないが、彼自身の言葉で話したという点で意味があった。治療中、医療チームが損得なしに正面から向き合った姿勢を受け止めたと思っている」と語った。 裁判はこの日、一つの区切りを迎えたが、「これで終わりにしてはいけない」と思いが強まったという。「自分の生い立ちや理不尽な背景を理由に、関係のない人を巻き込む事件がまた起こってしまう。どうすれば防げるか、社会が向き合わなければならないときだと思う」 17:30 亡くなった池田さんの夫「晶子も子どもも理解してくれる判決」 判決の後、事件で亡くなった池田(本名・寺脇)晶子(しょうこ)さん(当時44)の夫(51)が取材に応じた。 晶子さんは、京アニ作品「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」のキャラクターデザインを手がけた。夫はいま、一人息子と暮らす。「晶子も、子どもも理解してくれる判決だった。この日を迎えられたのは、色々な方々のおかげです」と語った。 17:00 「判決に向き合って」 涙ぐむ遺族 映画「聲(こえ)の形」などで作画を担当した宇田淳一さん(当時34)の妻は、審理の大半を傍聴し、意見陳述にも立った。「大切な人、大切な日常が、本当に急になくなった。被告はどういう思いでいるのか、どういう表情、態度で法廷に出てくるのか。それを知りたいと思いました」 判決の言い渡し時、検察官席側から青葉被告の顔を見つめていた。裁判長が「被害者らや京アニに一切の落ち度がない」と述べた時、青葉被告は首を振るようなしぐさをした。主文の宣告では、表情の変化は読み取れなかった。 死刑の判決に妻は「亡くなられた方、遺族の気持ちをくみ取っていただいた。遺族や被害者が法廷で言ったことに目を背けず、判決を受け止めて向き合ってほしい」と涙ぐんだ。 15:30 娘を亡くした父「死刑にはなって欲しくなかった」 判決後、事件で娘を亡くした父親は、「死刑にはなって欲しくなかった。死刑と聞いたときは『やっぱりそうか』と思い、ため息が出た」と話した。 これまでの取材に対し、父親は、極刑を望む遺族の気持ちはもちろん理解できると話す一方で、「彼がもし死刑にされてしまったら、何が残るんかな」と心配していた。「優しくて楽しいアニメをつくる京アニに、死刑は似合わない」と思いを語っていた。 15:15 裁判員ら会見 「感情論にならないよう冷静に判断、苦労した」 判決の後、裁判員4人と補充裁判員2人が記者会見に応じた。 裁判員の40代男性は「被告の生い立ちであったり、被害者の気持ちであったりをどう整理していいかわからなかった。感情論にならないよう、冷静に判断するのが苦労した」と振り返った。 公判は昨年9月から23回開かれた。補充裁判員の50代女性は「長い審理だった。評議も張り詰めていた。(判決を終え)今はすごくほっとしている」と語った。 15:30 「主張認められた」 京都地検コメント 判決を受け、京都地検は「事実認定及び量刑いずれも当方の主張が認められたものと考えている」とのコメントを出した。 14:20 「判決を経ても無念さ変わらない」 京アニ社長がコメント 京都アニメーションの八田英明社長は、代理人弁護士を通じ、コメントを発表した。 ◇ 法の定めるところに従い、然(しか)るべき対応と判断をいただきました。長期に渡って重い責任とご負担を担っていただいた裁判員の方々、公正な捜査と関係者への行き届いた配慮に尽力いただきました検察・警察の皆さま、裁判官や書記官その他、裁判の実施に従事いただいたすべての皆さまに敬意を表します。 判決を経ても、無念さはいささかも変わりません。亡くなられた社員、被害に遭った社員、近しい方々の無念を思うと、心が痛むばかりです。彼ら彼女らが精魂込めた作品を大切に、そして今後も作品を作り続けていくことが、彼ら彼女たちの志を繋(つな)いでいくものと念願し、社員一同、日々努力をしてまいりました。事件後、当社に加わった若人も少なくありません。 これからも働く人を大切に、個々のスタッフが才能を発揮できることを心がけ、可能な限り、作品を作り続けていきたいと考えます。 13:50 傍聴した京アニファンの女性「心の中はわからないが…」 裁判を傍聴した京都市内の30代の女性会社員は、2回目の傍聴だった。京アニ作品のファンで、事件の背景を知りたかったという。「心の中はわからないが、青葉被告の表情が前回とは違い、硬かった。事件と向き合うことができたのだろうか」と話した。 極刑が言い渡されて遺族が涙する様子をみて「いたたまれない気持ちです」。女性は「ご遺族にとっては、青葉被告の生い立ちは関係ないし、刑が軽くなることもないと思う。でも青葉被告を生み出した社会にも責任がある気がした」と振り返った。 13:40 主文に大きく頭を下げた青葉被告 表情変えず退廷 36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件の判決公判で、京都地裁は25日、青葉真司被告(45)に死刑判決を言い渡した。 言い渡す前に、裁判長はこう告げた。 「最後に主文を告げますが、被告人よろしいですか」 青葉被告がうなずく。 「主文、被告人を死刑に処する」 「主文をもう一度繰り返します。被告人を死刑に処する。主文は以上です」 青葉被告は大きく頭を下げた。 裁判長による説諭はなく、午後1時43分に閉廷した。青葉被告は表情を変えず、うつむいたまま退廷した。傍聴席の遺族は、涙をぬぐったり目頭を押さえたりしていた。 […]
ロヒンギャ男性が逆転勝訴 難民認定を国に命じる判決 名古屋高裁
高橋俊成2024年1月25日 20時35分 ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャの男性(44)=名古屋市=が、難民不認定処分の取り消しを国に求めた訴訟の控訴審判決が25日、名古屋高裁であった。長谷川恭弘裁判長は、原告の訴えを退けた一審判決を変更し、処分を取り消し、難民認定するよう国に命じた。 判決は、現地では2021年の国軍によるクーデター後、ロヒンギャへの大量殺戮(さつりく)といった迫害が全土で起きていると認定。その上で、男性が反政府活動に参加していた事情も踏まえ、「人種、宗教及び政治的意見を理由に迫害を受ける恐れがあり、難民に当たることは明らかだ」と結論づけた。 原告代理人によると、同種訴訟を巡って特定地域以外のロヒンギャも迫害を受けているとの判断が示されたのは異例だという。「ロヒンギャを巡る国の難民認定の判断に影響を及ぼす可能性もある判決だ」と評価した。 判決によると、男性は07年に一時的な保護を求めて来日。計4回難民認定を申請したがいずれも認められなかった。 23年4月の一審・名古屋地裁判決は、男性はロヒンギャと認めつつ、ミャンマー全域で迫害があるとは認められないなどと指摘し、難民には該当しないとの判断を示していた。(高橋俊成) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
パラシュート降下訓練の米兵、米軍基地の外に着地 沖縄・伊江島
棚橋咲月 小野太郎2024年1月25日 21時01分 25日午後2時ごろ、沖縄県伊江村の米軍伊江島補助飛行場でパラシュートの降下訓練をしていた米兵3人が、基地の外に着地した。沖縄防衛局によると、被害は確認されていないという。防衛局は現地に職員を派遣し、米軍側に事実関係の確認を進めている。 パラシュート降下訓練をめぐっては、1996年に伊江島補助飛行場に集約することで日米が合意し、2007年に米軍嘉手納基地(嘉手納町など)での訓練は「例外的な場合に限る」と確認した。だが、その後も嘉手納での訓練は繰り返されており、昨年12月19日と今月19日には地元自治体が反対するなか行われた。 沖縄県の池田竹州(たけくに)副知事は25日、県庁で沖縄防衛局の伊藤晋哉局長と外務省沖縄事務所の宮川学沖縄担当大使に対し、「周辺住民をはじめ、県民に多大な不安を与えるものであり断じて許すことはできない」と知事名で抗議した。(棚橋咲月、小野太郎) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Au Japon, après le séisme, comment protéger les enfants
XAVIER LISSILLOUR La neige tombe sur Nanao. Sur les hauteurs de la ville de la péninsule de Noto (centre du Japon), sinistrée par le violent séisme du 1ᵉʳ janvier, la famille Terada profite d’une distribution de ramen devant un centre d’évacuation. Le plat chaud fait du bien. Le tremblement de terre […]
予想超える大雪、立ち往生した車770台 昨年の反省生かした対応も
名神高速道路の関ケ原インターチェンジ(IC、岐阜県関ケ原町)の上下線で24日朝から発生した車の立ち往生は、19時間ぶりに解消した。車列の長さは一時6キロを超え、動けなくなった車は約770台に上った。立ち往生はどのように起こり、どう解消されたのか。 速度制限・除雪車運行していたけれど…予想以上の降雪 中日本高速道路(NEXCO中日本)によると、24日午前9時10分ごろ、下り線でトレーラー2台が雪の上でタイヤが空転する「スタック」を起こした。その後続の車両最大約500台が進めなくなり、車列は6・6キロまで延びた。上り線も同IC付近でワゴン車が動けなくなり、約270台(最大5・5キロ)が立ち往生した。 気象庁によると、関ケ原町では24日、午前7時に2センチの積雪を観測。午前8時には9センチ、午前9時には17センチまで増えた。その後も増え続け、午前10時に24センチ、午後1時には50センチを超える積雪があった。 同社によると、除雪能力を超える大雪が予測された場合は鉄道の「計画運休」にあたる「予防的通行止め」を実施するが、今回の現場は、この区間に含まれていなかった。同日朝は速度制限をかけ、除雪車を運行していたという。 だがこの日午前9時以降、予想をはるかに上回る降雪があった。関ケ原IC付近では同時多発的に車両が動けなくなり、後続の車が立ち往生。除雪車を投入できず、作業員らが人力で除雪にあたった。 「昨年の反省を生かして実現した対応」 中部地方整備局によると、午後2時半ごろ開かれた同局や県、NEXCO中日本などが参加する関係機関の会議で、同社は県に、自衛隊への派遣要請をするよう求めた。これを受けて県が陸上自衛隊に災害派遣要請をしたという。 NEXCO中日本によると、24日夜に陸上自衛隊員300人以上が現場の除雪に加わった。同社は「総合的な検証はこれから」としつつも、「1台の車を救出する時間は昨年に比べて速かった」とする。 昨年1月の大雪でも、滋賀・三重両県の新名神高速で多くの車両が立ち往生し、最大約65・5キロの車列が連なった。解消までに最大28時間を要した。時間がかかった一因が除雪の難航だったが、自衛隊に災害派遣を要請する対応はとられなかった。 同社によると、昨年の新名神の立ち往生の際は、自治体を通じての自衛隊への要請は想定していなかったという。同社の広報担当者は「昨年の反省を生かして実現した対応」とする。 立ち往生は上り線が25日午前0時、下り線は同日午前4時に解消した。同社は除雪作業を進め、同日午後7時半、名神高速で続いていた通行止めを全面解除した。 続いた渋滞、自宅到着は午前4時ごろ 岐阜県土岐市から大阪方面に向かっていた会社員の男性(51)は、立ち往生に巻き込まれて約12時間後に解放された。 関ケ原ICから250メート… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
群馬県知事「公益に反する状況、一日も早く正す」 朝鮮人追悼碑撤去
群馬県立公園「群馬の森」(高崎市)にある朝鮮人追悼碑について、山本一太知事は25日の定例記者会見で、近く行政代執行で碑を撤去することを正式に認めた。山本知事は「日韓・日朝の友好のための碑で、建てた目的は間違っていない。運営の仕方にルール違反があった」と撤去の理由を述べた。一方、碑の撤去に反対する声が県内外から寄せられている。(高木智子) 碑は2004年4月に建立された「記憶 反省 そして友好」の追悼碑。碑の前での式典で参加者が「強制連行」と発言したことから、「政治的行事はしない」という条件だったため、14年に設置許可を更新する際、県が「不許可」としていた。 山本知事は代執行を決断した背景について、碑の設置を「不許可とした県の処分は適法」とする高裁判決(22年に確定)を重視すると説明。県は代替地を提示するなど、自主的な撤去を促してきたが、市民団体が応じないため代執行の手続きに入ったという。 山本知事は「(碑が群馬の森にあるのは)公益に反する状況なので一日も早く正さないといけない。法治国家だし、行政のリーダーとしての判断が必要。ぎりぎりまで話して、これ以上やってもご理解を得られないと判断した」と述べた。 「碑文が反日的」と外部から… この記事は有料記事です。残り892文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
観光船が事故 9人けが 命に別条なし 横浜港大さん橋
2024年1月25日 22時21分 1月25日午後8時25分ごろ、「プレジャーボートがぶつかった」と110番通報があった。神奈川県警によると、プレジャーボート1隻が何かにぶつかり、横浜市中区の大さん橋付近に接岸した。横浜市消防局などによると、9人がけがをしたが、命に別条はないという。 ◇ 午後10時15分の横浜海上保安部の発表によると、「横浜の夜景クルーズ船が横浜港の内防波堤に衝突し浸水、船長がけがをしている」との通報を受けて現場に駆けつけたところ、旅客船「SANTA(サンタ) BARCA(バルカ)」(18トン)が横浜港北水堤に衝突したことが分かった。事故原因など詳細は調査中という。船長、船員のほか、乗客11人の計13人が乗船しており、10人のけがが判明したという。 船は午後6時45分にピア象の鼻観光船乗り場を出港し、川崎方面クルーズを行った後、大師運河でUターン。帰港中の午後8時15分ごろ、横浜港北水堤に衝突したとみられる。船の浸水や油の流出状況について確認している。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「死刑に処する」繰り返した裁判長 青葉被告が首を左右に振った言葉
36人の命が奪われた戦後最悪とみられる放火殺人事件で、京都地裁は25日、死刑を宣告した。23回にわたる審理は、凶行に行き着いた被告の半生をも映した。法廷で見守った遺族らは涙ぐみ、納得と無念の言葉を口にした。 京都地裁で最も大きな101号法廷。88の傍聴席は埋まった。青葉真司被告(45)はこの日も車いすに乗せられて出廷し、証言台の前で法壇を向いた。「主文は最後に言いますが、心神喪失でも心神耗弱でもありません」。増田啓祐裁判長はこう告げて、判決理由の説明を始めた。 判決理由の読み上げ、身じろぎせず 最大の争点の刑事責任能力に… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
36人死亡の京アニ放火殺人事件、青葉被告に死刑判決 京都地裁
36人が死亡した2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人など五つの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の判決が25日、京都地裁であった。増田啓祐裁判長は「人命の尊さを全く顧みず、36人の生命を奪い、34人を死の危険にさらした罪責は極めて重い」と述べ、求刑通り死刑を言い渡した。 最大の争点だった刑事責任能力について、判決は完全責任能力を認め、心神喪失、または心神耗弱だったとする弁護側の主張を退けた。 判決は、青葉被告が10年以上にわたり、「闇の人物の監視」「京アニによる小説のアイデア盗用」などの様々な妄想があったと指摘。自身が近隣との騒音トラブルに悩み、訪問看護を断るなどして周囲から孤立していく一方、成長を続ける京アニへの恨みを募らせたとし、妄想が犯行の動機に影響したと認定した。 一方、放火殺人という手段を選んだ点は、青葉被告の攻撃的な性格が影響していると判断。08年の東京・秋葉原の無差別殺傷事件の元死刑囚に対し、幼少期の虐待や派遣切りの経験が似ている点で共感し、ガソリンを使った過去の殺人事件を参考にした点を重視し、「被告自身の考え方や知識から選択しており、妄想の影響はほとんど見られない」と述べた。 放火殺人を考え始めてから実… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
NHK、飲酒運転で人身事故の記者を諭旨免職処分 「深くおわび」
NHKは25日、飲酒運転で人身事故を起こしたとして、福島放送局コンテンツセンターの50代記者を諭旨免職処分にすると発表した。処分は2月1日付。 記者は男性で、NHKによると、昨年8月6日、福島県いわき市で酒を飲んで運転し、反対車線へはみ出して対向車と接触。運転していた男性に、首をねんざさせるけがを負わせた。記者は略式起訴され、罰金の略式命令を受けたという。 同局は「被害にあわれた方や視聴者の皆さまに、深くおわびいたします。再発防止に向けて、職員への指導を徹底してまいります」とコメントした。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル