能登半島地震は1日で発生から1カ月となる。元日を襲った最大震度7の揺れは238人の命を奪い、いまも約1・4万人が避難所で過ごす。石川県の能登地方では道路や水道といったインフラやライフラインが壊滅的な被害を受け、復旧支援にも影響した。被災地ではなお過酷な状況が続いている。 今回の地震では、能登地方の各地で道路の亀裂や陥没、土砂崩れなどが判明し、石川県管理のうち最大42路線の87カ所(1月4日時点)が通行止めとなった。自動車専用道路「のと里山海道」や国道249号などの幹線道路が被災し、復旧作業のための移動や支援物資の輸送などに支障が出た。 県は国土交通省や自衛隊と連携して、救命活動や物資輸送のためのルート確保、幹線道路の応急復旧などを行ってきた。 県によると、同月31日時点での通行止めは26路線64カ所。県土木部は「交通量が多い幹線道路から対応している。ほかの路線についても早期復旧をめざしたい」と話す。 道路の寸断により、「孤立集落」も発生。奥能登で最大24地区3345人(同月8日時点)が孤立し、道路の復旧とともに、集落ごとの2次避難が進んだ。馳浩知事は同月19日、「実質的に解消した」との認識を示した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
死者238人、避難者1.4万人 能登半島地震1カ月、被害の状況は
能登半島地震は1日で発生から1カ月となる。元日を襲った最大震度7の揺れは238人の命を奪い、いまも約1・4万人が避難所で過ごす。石川県の能登地方では道路や水道といったインフラやライフラインが壊滅的な被害を受け、復旧支援にも影響した。被災地ではなお過酷な状況が続いている。 能登半島地震による死者は1月31日時点で238人。100人を超す犠牲者が出た地震は2016年4月の熊本地震(死者276人)以来となる。 このうち、「災害関連死」は15人。死者はすべて石川県内で、震源地に近い能登地方に集中している。 石川県は同日までに、遺族の同意が得られた129人の氏名や年齢などを公表した。死亡の状況は「家屋倒壊」が111人と全体の86%を占め、そのうち70代以上が66%(73人)。土砂災害が8人、津波と火災が各2人だった。 県の住宅被害は4万6千棟を超え、一時約3万4千人が体育館や集会所などの「1次避難所」に避難した。同日時点でも、約1万人が避難する。県は健康悪化などを防ぐため、被災地外のホテルや旅館などの「2次避難所」への移動を推進。同日時点で4792人が避難した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「地震リスクは小さい」安全神話が阻んだ見直し 前輪島市長の悔恨
「もっとやれたことがあったのではないか」 石川県輪島市の前市長、梶文秋さん(75)はあの日以来、そんな思いをぬぐえずにいる。 元日夕、初詣を終えて自宅前の駐車場に車を止めている最中、大きな揺れに襲われた。 スマートフォンから緊急地震速報の警報音が鳴りだした。縦に沈むように揺れたと思うと、横にも大きく揺さぶられる。 自宅は漁港から約150メートル。津波を避けるため高台に逃げたい。しかし、あちこちで倒れた家が道をふさいでいて、車で逃げられない。家族を連れ、約15分かけて高台の集会所まで歩いた。 「パーン」。夜中に何度も破裂するような音が響く。多くの観光客が訪れる「朝市通り」周辺で火災が続き、炎が噴き上がっていた。 「ただごとじゃない。相当な被害が出る」と感じた。 輪島市の職員から議員を経て、1998年から2022年まで市長を6期24年務めた。07年には輪島市沖を震源とする震度6強の地震を経験。その後、避難所や備蓄品を増やし、インフラ整備や住宅の耐震化を進めてきたという。 「二度とあんな大きな災害が起きることはあるまい」。当時はそんな思いすらあった。 だが、元日の地震は輪島市で震度7を観測。市内で100人超が亡くなり、建物被害の全容はいまだ見えない。31日になっても2800人余が1次避難所に身を寄せる。 能登半島地震は、石川県内で死者が少なくとも238人に上る甚大な災害になった。地震に備えるための県の被害想定は死者7人で、1997年度にまとめられてから見直されていなかった。 県の関係者らは「ここまで大きな地震が起きるとは」と口をそろえる。「安全神話」はなぜ生まれたのか。改める機会は、なかったのか。(市原研吾、宮坂知樹) 2007年の住宅倒壊死者ゼロが「裏目」、見直し遅れる 石川県珠洲市宝立町の鵜飼地… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
年度内の仮住まい提供、被害住宅の半分未満 高まる災害関連死リスク
発生から1カ月となる能登半島地震の被災地では、いまだに多くの被災者が日常生活を取り戻せずにいる。暮らしを立て直すための住まいの再建や、災害関連死の防止が今後、課題になってくる。 仮設・公営住宅、年度内に1万8200戸を提供 石川県輪島市の観光施設では31日、今回の被災地で初めて仮設住宅18棟が完成した。午前中、作業員らがひび割れたアスファルトを直し、次に建てる仮設住宅の工事に移っていた。県建築住宅課の担当者は「全壊家屋が多く、まずはできる限り住む場所を確保することが目標だ」と話す。 県内の住宅被害は4万6千棟を超えた。県の見通しでは、年度内に提供できる住まいは約1万8200戸。建設型の「応急仮設住宅」は年度内に約1300戸が入居可能になる見込みだ。アパートなどを自治体が借り上げて提供する「みなし仮設住宅」が約8千戸。公営住宅の提供は約8900戸だが、大半は県外のものになる。 地震で壊れた住宅を修理する… この記事は有料記事です。残り1090文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名簿売却、総額2千万円以上か NTT西系情報流出容疑の元派遣社員
上山崎雅泰2024年1月31日 20時58分 NTT西日本の子会社から個人情報約900万件が流出した問題で、岡山県警は31日、子会社「NTTビジネスソリューションズ」の元派遣社員、景山昌浩容疑者(63)=兵庫県芦屋市岩園町=を不正競争防止法違反(営業秘密の領得、開示)の疑いで逮捕し、発表した。 県警生活安全捜査課によると、逮捕容疑は昨年1月17日、不正に利益を得る目的で、同社のサーバーに保管されていた個人情報を業務用のノートパソコンにダウンロードして取得。同日、データを東京都内の名簿業者にメールで送ったというもの。「全て間違いありません」と容疑を認めているという。 取得したとされるのは、山田養蜂場(岡山県)の顧客の名前や住所、電話番号など計3万2759人分。景山容疑者は対価として名簿業者から約2万円を受け取ったという。 県警は、企業や自治体など計69団体が持っていた個人情報計約928万人分の流出に景山容疑者が関わり、そのほぼ全てを複数の名簿業者に売却して総額2千万円以上を得たとみて調べている。 県警は山田養蜂場から2022年3月に相談を受け、捜査に着手。景山容疑者の自宅などを家宅捜索してパソコンなどを押収し、任意で事情を聴いていた。(上山崎雅泰) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
サッカー伊東純也選手の性加害報道、森保監督「調査した上で対応」
ドーハ2024年2月1日 1時45分 サッカー日本代表の森保一監督(55)は1月31日、同代表の伊東純也選手(30)=フランス・Sランス=が性加害で刑事告訴されたとニュースサイト「デイリー新潮」が同日報じたことについて、「まだその全容は聞いていない。記事の内容を調査したうえで我々の対応をしていきたい」などと報道陣に語った。 カタールで開催中のアジアカップ決勝トーナメント1回戦・バーレーン戦後の記者会見で答えた。デイリー新潮は、伊東選手が昨年6月、女性を酒に酔わせて同意を得ないまま性行為に及んだ疑惑がもたれていると報じた。捜査関係者によると、女性側からは刑事告訴が出され、警察に受理されたという。 伊東選手はバーレーン戦に出場しなかった。試合後、取材に対し、「サッカーのこと以外はだめと言われているので」と答えた。(ドーハ) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「14年間存在消された私」 天台宗の寺での性被害訴えた尼僧の思い
【動画】尼僧の叡敦(えいちょう)さんが天台宗での性暴力について訴えた=細川卓撮影 「仏様への信仰を利用され、洗脳され、尊厳のすべてを壊された」 1月31日に東京都内で会見し、天台宗の僧侶による性暴力の被害を訴えた尼僧の叡敦(えいちょう)さん(55)は、四国の寺で約14年にわたって心理的監禁状態に置かれていたと訴えた。 「天台宗の寺で性暴力被害」 尼僧が僧侶と大阿闍梨の懲戒申し立て 叡敦さんは、性暴力を繰り返されたとして四国の寺の僧侶の僧籍の剝奪と、その寺に行くよう指示したとして大僧正の僧籍も剝奪するよう天台宗務庁に申し立てました。叡敦さんが朝日新聞の取材に、これまでのことと、法名や顔を出しての告発を決意した思いを語りました。 叡敦さんは、祖父が三つの寺… この記事は有料記事です。残り2137文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「いらない子なら産まなければ」警察取り調べ映像を再生 国賠訴訟で
石垣明真2024年1月31日 21時30分 北海道警に逮捕された後、勾留中に弁護士との接見内容を記した「被疑者ノート」を警察官に取り上げられたり、自白を強要されたりしたとして、その後不起訴処分になった女性と担当弁護士が、黙秘権などを侵害されたとして道に慰謝料を求めた国家賠償請求訴訟の口頭弁論が31日、札幌地裁(布施雄士裁判長)であった。取り調べ時の映像記録が約10分間、法廷で再生された。 道警は2021年6月、幼い息子をクローゼットの中に閉じ込めたとして、女性を監禁容疑で逮捕。病院に運ばれた息子は、女性が逮捕された翌日に死亡した。女性はその後、嫌疑不十分のため札幌地検から不起訴処分とされている。 取り調べの様子は、椅子に座る女性と、机を挟んで取り調べをする警察官を画角に入れて、斜め上から撮影されていた。 映像記録は、何か言わなければいけないことはないかなどと問う警察官に対し、首を横に振った女性が「何も言いたくないです」と答えるシーンから始まった。その後、黙秘の理由について女性は「自分の中でちゃんと話したつもりでも、あることないこと書かれたりもしてるんで」などと説明した。 黙秘を続ける女性に対して、警察官は「供述拒否権あるよって言ってるけど、本当のことを言わなくてもいい権利でもない」などと説明。「(息子は)いらない子だったの?」「じゃあ産まなきゃよかったんじゃないの?」などとも述べていた。 原告側の吉田康紀弁護士は「黙秘権とは包括的に何も言わなくてもいい権利のことだ。これが違法な取り調べでなくて何なのか」と批判した。(石垣明真) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「真実に相違ない」の宣誓書にも大きく× 安倍派の収支報告書訂正
自民党の清和政策研究会(安倍派)の政治資金収支報告書が31日、訂正された。これまで「なかったこと」にされてきたパーティー収入は3年分だけで計4億円超に上っていた。「真実に相違ありません」。そうつづられていた「宣誓書」も、訂正された。 2020~22年の3年分の収支報告書には、元々、「政治資金規正法に従って作成したものであって、真実に相違ありません」とつづられた「宣誓書」がついていた。 訂正では、この1ページ全体に「×」がつけられ、新たな「宣誓書」に差し替えられた。そして、刑事裁判の行方や「不明の部分」の今後の判明状況に応じ、再訂正の可能性があることが加筆された。 派閥から所属議員や元議員ら… この記事は有料記事です。残り155文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
能登半島地震の死者、4割が圧死 窒息・呼吸不全2割強 警察まとめ
能登半島地震の死者238人のうち、警察が取り扱った222人の死因を警察庁がまとめた。全体の4割が「圧死」、「窒息・呼吸不全」が2割強で、多くの人が倒壊した建物の下敷きとなったとみられる。建物に挟まれ身動きがとれなくなるなどし、寒さが影響して亡くなった「低体温症・凍死」が続いた。 石川県によると、地震の死者は1月31日午後2時時点で238人。うち15人は災害関連死とみられる。警察は、関連死などを除く222人の遺体を取り扱い、医師が判断した死因をまとめた。 警察庁の1月30日時点のまとめによると、死因は「圧死」が92人、「窒息・呼吸不全」が49人、「低体温症・凍死」が32人、「外傷性ショック等」が28人。他に輪島市の火災による「焼死」が3人いた。長時間の圧迫の影響で全身に毒素が回る「クラッシュ症候群」や「心臓死」などの「その他」が6人、「不詳」が12人だった。溺死(できし)はいなかった。 場所別では、圧死の8割近くを珠洲市(40人)と輪島市(32人)が占めた。「圧死」以外の死因でも2市が9~10割だった。 年代別では70代が56人と最多で、80代47人、90代24人が続き、70代以上が6割を占めた。10歳未満は4人、10代が8人だった。 石川県は氏名や年齢を公表した死者128人について死亡の状況をまとめている。「家屋倒壊」が111人、「土砂災害」8人、「津波」2人、「火災」2人、「避難所で死亡」1人、「自宅等で死亡」1人、「非公表」3人となっている。 医師「低体温症の人、倒壊後しばらく生きていた人も」 遺体の死因の調査は、日本法… この記事は有料記事です。残り271文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル