ウクライナの子どもたちが家族の安全や平和を願って描いた絵を展示する「現地のこどもたちが描くウクライナ展」が、北九州市立美術館分館で開かれている。絵の多くは最前線で戦う兵士らに贈られたもの。ロシアによる侵攻が始まってまもなく2年。いまだ戦禍にある現地の子どもたちの叫びが込められている。 企画・主催したのは「ウクライナ学生を北九州で応援する会」。代表を務める北九州市立大国際環境工学部のデワンカー・バート教授(58)はベルギー出身で、「教育に携わる者としてできることをやろう」と留学生を呼ぶための支援金を募ってきた。 ウクライナ西部・テルノピリ出身のイレーナ・バランさん(22)は、その支援を受けて昨年4月に来日し、同大大学院で留学生活を送る。来日の際、デワンカー教授はあるお願いをした。ウクライナの子どもたちの絵を集め、日本へ持ってくることだ。 あふれる負の感情と、失われぬ希望 「ニュースでは伝わらない現… この記事は有料記事です。残り604文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地産地消のバーが1周年 地元の魅力発信 「酒の背景味わって」
地産地消にこだわり、埼玉県産のお酒や食材を客に提供し、魅力を発信するバーがさいたま市大宮区にある。「The Bar Vieux Carre(ザバーヴューカレ)2」だ。2月1日で1周年。昼は生産地を飛び回り、夜はバーカウンターに立つ店主の山下泰裕さん(38)に話を聞いた。 ――地産地消にこだわる理由は 2018年に大宮で1店目のバーをオープンしました。ウイスキーとジンの品ぞろえにこだわった店ですが、埼玉産の果物や野菜を使った自家製ジンやカクテルも好評でした。私も春日部市出身ですし、お酒も料理も「埼玉県産」のバーをつくりたいと思うようになりました。 ――埼玉県のお酒にはどんなものがありますか メニューに載せているウイスキーやワイン、ビール、日本酒は全て県内で生産されているものです。常にそれぞれ4~5種類ずつ置いています。川越市のジンや、秩父市のミード(蜂蜜酒)もあります。県内外の方に、埼玉が多様な酒の産地だと知っていただけたらうれしいです。 ――埼玉県の食材をどのように使っていますか 今は秩父市のゆずや狭山茶を使ったカクテル、嵐山町のラベンダーや加須市の葉わさびを漬け込んで香りを移したジンなどがあります。寄居町のキウイや、越生町の梅、熊谷市のブルーベリーなど、季節ごとに旬の食材を生かすように心がけています。料理に使う肉や野菜や、しょうゆ、みそも県内産です。 ――埼玉の食材に注目したきっかけは 1店目のバーは雑居ビルの5… この記事は有料記事です。残り878文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「不戦の城」だが難攻不落 姫路城防御の拠点・西小天守の内部初公開
宮沢崇志2024年1月31日 7時30分 世界文化遺産の姫路城は、大天守を中心に三つの小天守とそれをつなぐ四つの渡櫓(わたりやぐら)で構成される連立式天守群が特徴だ。江戸初期の築城以来、実際の戦に使われたことはないものの、天守群は堅い守りを誇ると言われている。外敵を撃退する機能を備えた西小天守の内部が、2月に初公開されることになった。 大天守西側の西小天守は、天守内部へのルートを見下ろす位置にある。天守群の入り口を防御する関門だったとみられる。大天守や他の小天守、渡櫓と共に国宝に指定されている。ただ、1912(大正元)年に姫路城が一般公開されてからも、西小天守内部は公開されていなかった。 冬の特別公開は2月1~29日。入城料とは別に300円を支払い、通常非公開のイの渡櫓▽東小天守▽ロの渡櫓▽乾(いぬい)小天守▽ハの渡櫓を通過し、西小天守に進む。傷みの激しかった西小天守内部は、床材を保護する板を張るなどの処置を施し、一般公開する。 西側の窓からは、城の内部へ続く通路を見下ろすことができる。また、今回の特別公開後、唯一未公開となる「ニの渡櫓」へ続く間口も見ることができる。 西小天守の特別公開に関する問い合わせは姫路城管理事務所(079・285・1146)。(宮沢崇志) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「2次会の店」は「安否確認の場」に 被災しても、みんなが集うアズ
「2次会はアズで」。それが合言葉だった。そんな憩いの場も能登半島地震は襲った。建物は一部損壊、そして料理に必要な水が出ない――。それでも店は、笑顔であふれている。 石川県穴水町の中心部、のと鉄道穴水駅前。「能登バル アズ」から笑い声が聞こえた。「野菜がたっぷり入ったスープだよ。熱いから注意して食べてね」。テーブルには、めんたいこ入りの厚焼き卵やイカのマリネが並ぶ。 小学6年の米田寛喜(ひろき)さんはデザートを手に、「毎日違うメニューで飽きないし、温かいものは心が落ち着く」と笑みを見せた。午前中のオンライン授業を終えると、ここで昼食をとる。祖母の樋爪(ひづめ)久子さん(78)に連れられ、姉の芽実(めぐみ)さん(15)と運動がてら毎日10分ほど歩いて通う。 「ただいま」地震の後も、知った顔ばかり 「アズ」は新出(しんで)洋… この記事は有料記事です。残り797文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
被災地に集うキャンピングカー50台 復興担う応援職員の宿泊場所に
多くの建物や道路が損壊した能登半島地震の被災地では、全国から来た応援職員の宿泊場所の確保が課題になっている。キャンピングカーで支援ができればと、メーカーなどでつくる「日本RV協会」(横浜市港北区)が協力し、30日までに石川県の珠洲市に30台、輪島市に20台が集まった。 県によると、28日時点で総務省の応急対策職員派遣制度に基づいて、県内の13市町に計約1100人の応援職員が派遣されている。ほかに、国から応援に入っている職員もいる。 ただ、今の珠洲や輪島の周辺には利用できる宿泊施設がほとんどなく、道路の損傷で金沢市から車で通うには時間がかかるため、派遣先の市役所内で夜を過ごす人もいる。 そうした状況のなか、自治体側は同協会に支援を要請。協会は2011年の東日本大震災でもキャンピングカーを派遣しており、復旧・復興にあたる職員らを支えたいと、会員に車両の提供を呼びかけた。 同協会の会員で、北信越地域部会副部長を務める「ゼック」(石川県野々市市)の永井祐城社長(51)は「被災地はインフラが整っておらず、プライベートな空間も作りにくい。キャンピングカーで少しでもゆっくり休んでもらえたら」と話す。(荻原千明) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警備態勢が不十分の声も 自転車レースの死亡事故めぐる安全対策会で
石垣明真2024年1月30日 20時15分 昨年9月に自転車ロードレース「ツール・ド・北海道」で起きた死亡事故をめぐり、警備態勢に不十分な点があったことが30日、分かった。主催協会が、事故当日に配置されていた警備員約100人や警備会社に行ったアンケートなどから明らかになった。 専門家でつくる第三者委員会「安全対策検討会」の第3回会合で共有された。アンケートの回答によると、事故当日の警備員の連絡手段は主に携帯電話で、全体の状況を複数が同時に把握するためには無線機が必要だったという意見があった。萩原亨座長=北大工学研究院教授=は「無線でやり取りできる環境が整っておらず、(連絡の)即時性という点において態勢が不十分だった」と指摘した。 その他にも、自転車レースなどの動くイベントの警備に慣れておらず難しかった、といった意見や、警備関係者全体で情報交換する機会がほしかった、といった意見が寄せられた。 レースの警備は複数の会社が担ったが、主催協会はその説明を代表の一社だけに行い、そこから各社に周知してもらっていた。協会の高松泰常務理事は「警備員への講習が足りなかった。具体的にどういったポイントを伝えるべきか、今後精査していきたい」と話した。(石垣明真) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名張毒ブドウ酒弁護団「冤罪の確信揺らがず」 最高裁決定を批判
志村英司2024年1月30日 20時41分 「最高裁が科学的知見に基づいた検討を十分にすれば確定判決の誤りを判断してくれると考えたが、そのような判断がされていない」。1961年に三重県名張市で女性5人が死亡した名張毒ブドウ酒事件の弁護団は30日、名古屋市内で会見を開き、最高裁の決定を批判した。 鈴木泉弁護団長は「再審を認めるべきだ」とした宇賀克也判事の反対意見について「多数意見と同じ分量があり、これだけ充実した反対意見を見たことがない」と指摘。弁護団が提出した新証拠についても「実験の結果について丹念に検討を加え、鑑定の信用性を認めている」と評価した。鈴木団長は「奥西勝さんが冤罪(えんざい)であることの確信はいささかも揺らぐことはない」と述べ、今後も再審請求を続ける考えを示した。 第10次の再審請求は奥西元死刑囚の妹の岡美代子さん(94)が引き継いだ。奥西元死刑囚の特別面会人だった稲生昌三さん(84)によると、最高裁決定の内容を電話で伝えると「どうして裁判所は真実を見てくれないのか」と落胆した様子だった。だが、すぐに「長生きせないかん。兄が無実であることだけが支えです。今後もお力を下さい」と述べたという。(志村英司) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「東京一極集中」が加速 0-14歳の転入超過トップはさいたま市
総務省は30日、住民基本台帳に基づく2023年の人口移動報告を公表した。東京都は、転入者が転出者を上回る「転入超過」が6万8285人で、前年より3万人以上増えた。神奈川、埼玉、千葉の3県を含む「東京圏」の転入超過はコロナ禍前の19年以来4年ぶりに10万人を超えた。「東京一極集中」が強まっている。 東京圏の転入超過は12万6515人で、前年より2万6996人増えた。21年に転出超過だった東京23区は2年連続の転入超過。前年比3万2479人増で、比較可能な14年以降で最大の増加幅だった22年に次ぐ水準だった。新型コロナウイルスの感染拡大で広がった、都心から郊外へ移る流れが減ったことが影響している。 都道府県別で転入超過だったのは、埼玉(2万4839人)、千葉(4785人)、東京、神奈川(2万8606人)、滋賀(12人)、大阪(1万792人)、福岡(4387人)の7都府県だった。 市町村別では、転入超過は511市町村(29・7%)、転出超過が1208市町村(70・3%)だった。年齢別の転入超過は、0~14歳ではさいたま市、15~64歳では東京23区、65歳以上では札幌市が最多だった。 松本剛明総務相は30日の記者会見で「地方が衰退していくと、東京を含む国全体の力に関わる。地方をしっかりと支え活力を取り戻すことは重要な課題だ」と話した。(千葉卓朗) ■転入超過数の多い市町村(1… この記事は有料記事です。残り182文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「教諭が日常的に暴行」養護学校側の違法性認定、名古屋市に賠償命令
名古屋市立天白養護学校(現・天白特別支援学校)で7年前に起きた教諭による生徒への暴行事件を巡る訴訟の判決で、名古屋地裁は30日、元生徒の男性(24)の請求を一部認め、165万円を賠償するよう市に命じた。西村修裁判長は、この事件の刑事裁判で認定されなかった教諭による日常的な暴行のほか、他の教員や校長の対応の違法性も認めた。 事件は2017年11月に発生。元教諭の男(65)が同校の運動会で、当時高校3年だった原告の元生徒を蹴るなどしたとして暴行罪に問われ、19年に罰金30万円の刑が確定した。元教諭はこの暴行などを理由に停職処分を受け、その後定年退職した。 この日の判決は問題となった運動会での暴行を認めた上で、当時の同僚の証言などを踏まえて、元教諭が原告を含む生徒たちに「日常的に暴行を加えていた」と指摘。その上で市に安全配慮義務違反があったとした。 判決は運動会に居合わせた4人の教員が暴行を制止しなかったことも認定。教員は生徒の安全を確保すべき立場であることなどを考慮すれば、暴行が「4人の視界に入っていないとは考えられない」と述べ、市に違法行為があったと判断した。 さらに、校長は運動会の前から元教諭の日常的暴行を把握し、繰り返し指導・注意を行っていたが十分に浸透していなかったと指摘。校内の対応だけでは改善しない可能性があったのに、校長が市教育委員会に報告したのは報道機関から問い合わせがあった後の18年7月だったとし、「遅きに失したと言わざるを得ない」と述べた。 その上で、校長の報告遅れの違法性を認定。「一教員の単発的な暴行などの違法性にとどまらない問題で、損害の拡大を生じさせた」と非難した。 賠償額の算出について、判決は元生徒に知的障害があった点も考慮。「自らの感情を他人に伝えることが困難である場合も少なくない」とした上で、「これに乗じて一方的に繰り返し暴行及び暴言を受けたことによる精神的苦痛は相当に大きい」と結論づけた。 元生徒の母親は判決後の記者会見で「市の責任を判決が認めてくれたのは良かった。障害のことをもっと理解し、養護学校が、通っている子どもたちや親が安心できる環境になってほしい」と話した。 市教委は「体罰を受けた原告の方に対して改めて心よりおわび申し上げます。判決内容を精査するとともに、体罰が行われることがないよう引き続き、再発防止に取り組んで参ります」とコメントした。(高橋俊成) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
琵琶湖でボート転覆、男性3人死亡 「前日朝から釣り」友人が届け出
2024年1月30日 21時14分(2024年1月30日 21時14分更新) 30日午前8時10分ごろ、滋賀県長浜市南浜町の沖合南方約800メートルの琵琶湖で、小型ボート(全長3・3メートル、幅1・4メートル、定員3人)が転覆しているのを漁師が見つけ、110番通報した。県警や消防が周辺に浮かんでいた男性3人を救出したが、いずれも死亡が確認された。 長浜署によると、死亡したのは長浜市の建設業、森川裕司さん(55)、いずれも湖南市職員の吉里徹さん(49)と大嶋秀徳さん(51)の3人。29日からボートでビワマス釣りをしていたとみられる。発見時、3人ともライフジャケットを着用していた。 29日午後11時ごろ、友人から「朝から釣りに出たが帰らない」との届け出が同署にあり、30日朝から捜索していた。 彦根地方気象台によると、30日の長浜市内の最低気温はマイナス3・3度。国土交通省琵琶湖河川事務所によると、琵琶湖の水温は29日から30日にかけて9度前後だった。 水難学会の斎藤秀俊理事(長岡技術科学大教授)は「水温9度程度の水につかると低体温症になり、6時間程度で命の危険がある」と話す。 琵琶湖のビワマス釣りは、釣り客では12月から翌6月に制限され、琵琶湖海区漁業調整委員会による事前承認制となっている。近年は全国的な人気で、今シーズンは11月1日の受け付け初日分の2155件で申請を締め切った。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル