富岡崇2024年1月30日 12時40分 豊田自動織機がトヨタ自動車から開発と生産を委託されている自動車用ディーゼルエンジンなどの試験で不正をしていた問題で、国土交通省は30日午前、同社の碧南工場(愛知県碧南市)への立ち入り検査を始めた。不正行為の事実関係やエンジンすべての基準適合性を調べ、道路運送車両法に基づいて対処するとしている。 午前9時前、同省職員6人が検査に入った。大量生産に必要な「型式指定」を取り消す必要があるかどうかなどを確認するという。 同社の高木博康執行職は報道陣の取材に応じ、「このような事態を招いてしまい、申し訳ありません」と陳謝。原因について、「複合的なものだと思うが、フォークリフトエンジンの認証に対してしっかりとした経営資源をあてられなかった。組織経営としても、しっかりと注目する、変化を敏感に感じ取ることが結果的にできなかった」などと説明した。また、「ご迷惑をおかけしている仕入れ先や販売店には個別に補償の対応をしている」と話した。 林芳正官房長官は同日午前の会見で、「自動車などのユーザーおよび我が国の自動車産業の信頼を損ない、かつ自動車認証制度の根幹を揺るがす行為で、今回更なる不正行為が明らかになったことは遺憾」と述べ、斉藤鉄夫・国交相も「(立ち入り検査を通じて)不正行為の事実関係などについて確認を行い、その結果を踏まえ厳正に対処してまいりたい」と話した。 同社はトヨタの源流企業で、昨年3月にフォークリフト用エンジンの排ガス試験などをめぐる不正が発覚。外部弁護士らによる特別調査委員会が調べた結果、乗用車向けのディーゼルエンジン3機種でも出力試験の際に安定した結果が得られるよう、燃料の噴射量をわざと調整するなどの不正が見つかった。 該当エンジンの搭載車のうち、国内販売は「ランドクルーザー300」や「ハイエース」など6車種で、トヨタは国内外で10車種の出荷停止を決定した。(富岡崇) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夜行バス運転手の飲酒検査、同僚が身代わり ビール飲み仮眠後運転
瀬戸口和秀2024年1月30日 12時58分 【大阪】南海バスは29日、高速夜行バスの50代の男性運転手が、一緒に乗務する同僚の運転手に飲酒検査の身代わりを頼み、検査を受けずに運転したと発表した。運転手2人と、検査の際に見落とした社員2人の少なくとも計4人の処分を検討するという。 同社によると、50代の運転手は昨年の10月と12月、三条(新潟県)発や戸塚(神奈川県)発のいずれも大阪行きの計3便に乗務する際、一緒に乗務する40代の運転手に依頼し、自分の代わりに出発前の飲酒検査を受けさせていたという。 いずれの便でも50代の運転手は、大阪からの往路便の乗務を終えた当日の午前10時ごろ、食事の際に缶ビール(350ミリリットル)2本を飲み、その後仮眠。当日の午後8時以降に、大阪に向かう復路便に乗務していた。同社の調査に対し、「飲酒検査でひっかかるのがこわかった」と説明し、40代の運転手は身代わりの依頼を「断れなかった」と話しているという。(瀬戸口和秀) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
皇嗣職大夫に元警視総監の吉田尚正氏が就任へ 秋篠宮家の側近トップ
多田晃子2024年1月30日 13時00分 秋篠宮家を支える側近トップの皇嗣職大夫に元警視総監で宮内庁御用掛の吉田尚正氏(63)が2月1日付で就任する人事が今月30日、閣議で決定した。現皇嗣職大夫の加地隆治氏(71)は退任し、2月2日付で同庁御用掛に就任する。 吉田氏は東大卒、1983年に警察庁に入り、警視庁刑事部長や福岡県警本部長、警察庁刑事局長や警視総監などを経て、2022年7月から秋篠宮家を担当する同庁御用掛を務めている。 吉田氏は今後、秋篠宮家の側近トップとして、成年を迎える長男悠仁さまの進学や成年皇族としての活動などに対応するとともに、情報発信を担う。(多田晃子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
バリケードで囲い朝鮮人追悼碑撤去開始 「心を切りつけられたよう」
追悼碑がなくなったとしても、歴史の教訓を伝えていく――。群馬県が29日、行政代執行で朝鮮人追悼碑の撤去工事を始めた。碑がある県立公園「群馬の森」(高崎市)では、工事の様子を見に来る人たちが撤去への不満や抗議を口にした。 工事のため、公園は立ち入り禁止となった。正面と北側の入り口には2メートルほどの大きなバリケードが設置され、警備員や警察官が警戒していた。中の様子はうかがえない。 碑を見ることができた28日とは打って変わり、警察や工事関係者とみられる車が出入りするだけだった。 東京都新宿区の女性(46)は「自分なりに考えたい」と、仕事を休んで群馬の森までやってきた。 29日から追悼碑が見られなくなることは知っていたが、碑の雰囲気すら感じ取れないことに驚いたという。「追悼する場所がこんなに仰々しくなるとは。残念です」 この女性は「歴史を振り返る… この記事は有料記事です。残り523文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
首相の「女性ならでは」と通底 麻生氏、上川氏の容姿言及の問題は
有料記事 二階堂友紀 松井望美2024年1月30日 9時00分 自民党の麻生太郎副総裁が、上川陽子外相について「そんなに美しい方とは言わんけれども」などと述べた。上川氏の外交手腕を評価する文脈だったが、「女性差別の姿勢が見て取れる」「今までの暴言の中でも最悪」と批判が広がっている。 今回の発言は28日、福岡県芦屋町での講演の中であった。「俺たちから見てても、このおばさんやるねえと思った」としたうえで、「そんなに美しい方とは言わんけれども、英語できちんと話をし、外交官の手を借りずに自分でどんどん会うべき人に予約を取っちゃう」などと語った。 女性が外相を務めるのは田中真紀子氏、川口順子氏に続いて3人目だが、麻生氏は「女性が日本の外務大臣になった例は過去にないと思う」と述べた。上川氏の名前も「カミムラ」と誤った。 「『俺たち』が女性を評価」 ライターの望月優大(ひろき… この記事は有料記事です。残り1417文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京アニ事件の青葉被告が遺族に面会 無言で頭を下げる
西崎啓太朗2024年1月30日 9時30分 36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件で殺人などの罪に問われ、京都地裁の裁判員裁判で死刑判決を受けた青葉真司被告(45)が29日、大阪拘置所で被害者遺族との面会に応じた。京アニ作品「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」のキャラクターデザインを手がけた池田(本名・寺脇)晶子(しょうこ)さん(当時44)の夫(51)で、29日午前に面会後、報道陣に明らかにした。 夫によると、青葉被告との面会は初めてで、アクリル板越しに20分間、言葉を交わしたという。 夫が最初に「私に気を使う必要はありません。本当に話したいことを話してください」と伝えると、青葉被告は困ったような表情を見せた後、アニメの話を約15分間続けた。「鑑定医に言ったことが全て妄想にされてしまった」と憤ることもあったという。 また、夫が「晶子を殺され、残された私も子どもも寂しい」と話すと、青葉被告は無言で深く頭を下げ続けた。翌30日も面会したいと伝えると、頭を下げながら「分かりました」と答えたという。 夫は自ら面会して会話を重ね、同じような事件が二度と起きないような教訓を見いだしたいと考えているという。「青葉さんは、公判の当初から犯行を申し訳なく思っていたと感じた。真に何を思っているのかを引き出し、再発防止策を考えることができればいい」と語った。(西崎啓太朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元捜査員「後味悪い」、遺族「終わってない」 桐島聡名乗る男死亡
「内田洋」という男が偽名だと明かしてから4日。連続企業爆破事件の桐島聡容疑者(70)を名乗る男が29日、死亡した。1970年代に日本社会を震撼(しんかん)させた事件から半世紀。「最期は本名で」と突然告白した男は、公開の場で語らないまま去ることになった。 連続企業爆破事件の捜査に携わった元警視庁捜査員の男性は、桐島聡容疑者(70)と名乗る男の死亡について「たいへん残念だ」と語った。 男性は当時、東アジア反日武装戦線のアジトやメンバーの居住先の捜索や行動確認などの捜査にあたった。警視庁公安部が75年5月にメンバー8人を一斉逮捕した時点で、「他に2人いる」とみていた。それが桐島容疑者ら「さそり」のメンバーで、うち1人はその後逮捕された。 男が事情聴取を受けたとの一報を耳にし、関与が疑われるメンバーのうち桐島容疑者だけが一度も逮捕されていないことから「最後の者に手が届き、当時の事件のことがある程度分かっていくだろうと期待した」と言う。それだけに死亡については「後味が悪い」と話す。 「逃亡容疑者の逮捕を」被害者遺族 事件では、大道寺あや子(75)、佐々木規夫(75)の両容疑者が「超法規的措置」により国外に逃亡したままだ。男性は「警視庁は(桐島容疑者が)事件後に2人と接触していた可能性も含め足取りの捜査を徹底し、事件の全容解明に努めてほしい」と話した。 連続企業爆破事件の一つ、三菱重工ビル爆破で犠牲となった同社社員石橋光明(てるあき)さん(当時51)の長男、明人さん(63)も更なる捜査を求める。三菱重工の事件では「東アジア反日武装戦線」の大道寺あや子、佐々木の2容疑者が逃亡を続けていることを挙げ、「遺族からすると事件は終わっていないし、何も変わっていない。私の年が進んだだけだ。2人の逮捕を望むのに尽きる」と話す。 同級生「わびしかったのか」 偽名明かした最期に 男の死について石橋さんは「… この記事は有料記事です。残り851文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
がれきの中でわき出る温泉 銭湯経営者が見つけた「一筋の希望」
石川県珠洲市宝立町の鵜飼地区にある温泉銭湯「宝湯」は明治の中ごろから地域の社交場として愛されてきた。地区は能登半島地震の激しい揺れと津波で大きな被害を受け、銭湯も全壊。失意の経営者ががれきになった建物の下で見つけたのは、「一筋」の希望だった。 宝湯は海岸から約200メートル離れた街道沿いに立っていた。元日、経営者の橋元宗太郎さん(40)は裏手にある自宅におり、「地球が割れるか」と思うくらいの揺れに驚いて飛び出した。音を立てながら崩れ落ちる銭湯が目に入った。 「その時は妻の実家にいた家… この記事は有料記事です。残り876文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
能登の被災地、停電がほぼ復旧へ 断水なお4万戸超、死者238人に
能登半島地震 久保智祥 波絵理子 島脇健史 池田良2024年1月30日 6時30分 能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県は29日、被災地の停電が1月末までにおおむね解消されるとの見通しを発表した。発災から1カ月を前に、重要インフラの一つの復旧にめどが立った。 県や北陸電力などによると、発災後の停電は最大で約4万戸に上った。約2600本の電柱が傾いたり折れたりし、電力各社の応援を含む1千人以上の作業員が復旧作業にあたってきた。 29日午後7時現在も輪島市、珠洲市を中心に6市町の約2700戸で停電が継続している。ただ、道路の寸断で復旧に時間がかかる沿岸部や山間部の一部地域を除き、今月末に解消する見通しという。 同県の馳浩知事は29日の記者会見で「被災者のいる場所には、おおむね電力が供給される態勢になった」と述べた。 被災後、初めてともった玄関の明かり 29日に北陸電力などが報道各社に公開した輪島市の復旧作業現場では、高さ約12メートルの電柱がいくつも傾くなか、作業員が電線の支柱の修理や被災した住宅の通電作業にあたった。 大工の沖崎建夫さん(68)の自宅では発災後初めて、玄関の照明がついた。沖崎さんは「電気がつくと一安心。あとは水」と話した。 停電の復旧の一方、断水は約4万2千戸で続いており、被災地の大きな課題となっている。 また、石川県は29日、地震による死者が珠洲市で2人増え、計238人になったと発表した。 この日、一時は約3万4千人に上った体育館や集会所などの「1次避難所」の避難者数が初めて1万人を下回った。応急仮設住宅は31日に初めて、18戸が輪島市で完成する見込みとなった。(久保智祥、波絵理子、島脇健史、池田良) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京からリモートで輪島市の「全壊判定」 罹災証明書発行の迅速化へ
能登半島地震の被害が大きい石川県輪島市に代わって、東京都と29区市町の職員らが、被災地住宅の「被害認定」を都庁からリモートで実施している。職員らがパソコンで画像などを見ながら、罹災(りさい)証明書の発行が可能になる「全壊」かどうかを判断。現地業務の負担を減らし、証明書発行の迅速化を図りたいとしている。 対象は、輪島市が実施した応急危険度判定で「危険」と判定された住宅約2200軒。区市町の税務系の職場で家屋評価の経験がある職員らがリモート判定を担う。都によると、27日から始め、28日までの2日間で約6割の判定が済んだ。 29日も都庁内の一室で、各区市町の防災服を着た職員35人が3人1組になり、パソコンと向き合っていた。内閣府が定めた被害認定基準と、輪島市から送られてきた写真やデータなどを照らし合わせて、住まいがどれくらい被害を受けたかを判定。結果は同市とシステム上で共有しており、判定が困難なものは現地調査が行われる。 都総合防災部の倉嶋崇嗣課長は、「リモートでの全壊判定がこの規模で出来たのは大きな成果。今後、大規模災害があったときの参考事例になる」と話す。(伊藤あずさ) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル