山田みう 仁村秀一2024年2月29日 20時30分 知人男性を殺害したとして、埼玉県警は29日、指定暴力団稲川会の傘下組織組長根岸将浩容疑者(48)=埼玉県本庄市=ら男5人を殺人容疑で逮捕したと発表した。男性は同市在住で、昨年9月に群馬県伊勢崎市で目撃されたのを最後に行方不明だった。家族から相談を受けた埼玉県警が根岸容疑者らに連れ去られたとの情報を得て、同月15日に埼玉県小鹿野町の山林の土中で遺体を発見していた。 ほかに逮捕されたのは、いずれも組幹部の諸隈雪仁(42)=本庄市=と中本広将(34)=熊谷市=の両容疑者のほか、埼玉県内に住む組織の周辺者の男2人。 捜査4課によると、根岸容疑者らは昨年9月3日ごろ共謀し、本庄市周辺で、知人の自営業茂木(もとぎ)好夫さん(当時55)に暴行を加え、殺害した疑いがある。死因は頸部(けいぶ)圧迫による窒息死だった。県警は捜査に支障があるとして、5人の認否を明らかにしていない。 捜査関係者によると、事件の背景に金銭トラブルがあったとの情報がある。県警は、根岸容疑者の知人らに金を貸していた被害男性と返済をめぐって争いになり、殺害した可能性もあるとみている。 事件をめぐっては、県警が被害男性の遺体発見前後に、根岸容疑者の配下とみられる男女16人を逮捕監禁や死体遺棄などの容疑で逮捕。根岸容疑者についても昨年9月に監禁容疑、今年2月に死体遺棄容疑で逮捕した。逮捕者は計17人、起訴されたのは計9人に達した。関係者の一部は刑事裁判が始まっており、根岸容疑者も被害男性への逮捕罪で公判中。(山田みう、仁村秀一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
被災2カ月、断水なお1万9千戸 珠洲市の復旧率は3%、避難長期化
最大震度7を観測した能登半島地震から、1日で2カ月となる。水道管が広範囲で壊れ、道路が寸断されて復旧工事に制約があったことなどから、なお約1万9千戸で断水が続いている。水がなく、仮設住宅も需要を満たしていないことから、避難は長期化。がれきの片付けが進まない地域もなお残っている。 石川県によると、1月1日の地震によって、16市町の約11万戸で断水。県は水道の復旧を最優先として取り組み、2月初めまでに9市町で断水は解消されたが、特に被害が大きかった自治体では、復旧が進んでいない。復旧率は珠洲市で3・1%、輪島市で41・8%にとどまっている。 県によると、ライフラインである水道の不通で帰宅ができない被災者も多く、なお1万1447人が避難生活を続けている。このうち、学校の体育館などの1次避難所に5759人が身を寄せる。ほかに、車中泊を続けている人が約140人いるといい、健康状態の悪化が懸念されている。ほかに血縁を頼るなどして避難を続ける自主避難者も数千人いるとみられる。 基幹道路「のと里山海道」は、片側通行可となる区間が増え、上下水道の工事に入る環境が徐々に整った。県は3月末までに断水がおおむね解消されるとの見通しを示している。ただ、珠洲市の一部では4月以降になるという。 その他の生活インフラでは、発災直後に約4万戸に達した停電が約550戸にまで減少。通信もほぼ回復した。(土井良典、波絵理子) 石川県の馳浩知事は29日、「時々刻々とステージは変わってきている。仮設住宅の建設を急がなければいけない。いつまでも避難所生活というのは大変厳しいと思う」と話した。 県内の住宅被害は7万5421棟で、全半壊は判明分だけで23%にあたる1万7095棟。輪島市で約1万3千棟、珠洲市で約9400棟の被害があり、輪島では半数、珠洲では約6割が全半壊となっている。 仮設住宅への入居希望は7884件に上るが、2月末までに完成したのは302戸。さらに3月末までに県内で4600戸の応急仮設住宅が着工予定だが、入居希望の6割に満たない。 さらに被災地では損壊家屋のがれきや家具など、災害廃棄物の処理が課題だ。県は、ごみ排出量を県全体の7年分に当たる約244万トンと推計しており、2025年度末の処理完了をめざすという。 今回の地震による死者は241人が確認されている。珠洲市で103人、輪島市で102人、穴水町で20人と3市町で9割超を占める。警察庁の1月末時点でのまとめ(死者222人)では、死因は圧死が4割、窒息・呼吸不全が2割強で、多くの人が倒壊した建物の下敷きとなったとみられる。安否不明は輪島市の7人。 認定された災害関連死は15人で、この1カ月は増えていないが、避難の長期化に伴い、引き続き対策が求められている。(土井良典、波絵理子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
震災2カ月、断水なお1万9千戸 「もう戻れない」という被災者も
水の供給を回復させることに時間を要し、能登半島地震の被災地では復旧がなお遠い。広範な液状化、移動を阻む交通事情など、いくつもの要因が重なった。住める環境がある場合でも、水がないために避難は長期化。被災者はどこで生活を続けるか、選択に直面している。 3時間掘り進めても いまも6640戸で断水が続く石川県輪島市。復旧率は2月29日時点で41・8%にとどまっている。 2月24日朝、支援に入っている東京都水道局の職員らがアスファルトの道路を垂直に掘り進めた。前日に音聴器を使って地下の水道管を調べ、漏水の可能性があるとみていた場所だ。 作業を始めて3時間後、地下… この記事は有料記事です。残り2416文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
NewsPicksの著作権侵害 識者「報道にただ乗り、責任重い」
有料記事 小早川遥平 田渕紫織2024年2月29日 20時30分 経済ニュースサイト「NewsPicks(ニューズピックス)」は29日、利用許諾を得ずに他の報道機関の写真などを掲載し、著作権を侵害していたと公表し、謝罪した。 ニューズピックスのサイトには、報道各社の記事の見出しと写真が並び、専門家やユーザーのコメントと一緒に見ることができる。会員向けの独自記事も制作しており、有料会員は18万人、アプリのダウンロード数は700万を超える。 当初は侵害を否定 運営するユーザベース社(東京都千代田区)によると、2013年にサービスを開始。国内外の260社以上から利用許諾を得ている。一方、契約が切れたまま掲載を続けたり、そもそも契約を結ばずに無断で利用していたりしたケースがあった。件数については「回答できない」としている。 日本新聞協会が昨秋、著作権侵害の疑いがあると指摘。同社は当初、「写真は検索結果の表示であり、著作権法で認められた『軽微利用』にあたる」としていたが、話し合いの過程で主張を取り下げ、謝罪したという。 同社が精査した結果、元の写真をトリミングするなど、著作権法に違反する行為も確認された。今後、利用許諾を得ていないコンテンツを削除し、経済的補償についても協議し対応するとした上で、「コンプライアンスを遵守(じゅんしゅ)し、パートナー企業とのよりよい関係を構築する体制の強化に努める」としている。 グーグルなどの検索エンジン… この記事は有料記事です。残り599文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
2歳女児が車にひかれ死亡 アウトレットの駐車場で 運転の男を逮捕
近藤咲子2024年2月29日 20時50分 29日午後2時50分ごろ、千葉県木更津市金田東3丁目の大型商業施設「三井アウトレットパーク木更津」の駐車場で、「車と歩行者の事故があり、娘の意識と呼吸がない」と男性から119番通報があった。県警木更津署によると、女児(2)が駐車場を走行中の乗用車にひかれ、搬送先の市内の病院で約1時間半後に死亡が確認された。 署は乗用車を運転していた同市金田東5丁目の自称自営業、平間満容疑者(57)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕し、容疑を同致死に切り替えて調べる。平間容疑者は容疑を認め、「子どもの存在に気付かなかった」と話しているという。 署によると、女児は家族と買い物で同施設を訪れていたとみられ、家族が駐車していた車に荷物を積み込んでいる間に女児が移動し、乗用車にひかれたという。(近藤咲子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
青森沖でホタテ養殖漁船の3人死亡 1人不明
2024年2月29日 23時50分 青森海上保安部によると、29日午後7時20分ごろ、青森県の横浜町漁協から「ホタテ養殖漁船の乗組員4人が帰ってこない」と118番通報があった。午後9時ごろ、同県横浜町沖の陸奥湾を捜索中の僚船が漂流していた3人を発見したが、いずれも死亡が確認された。残る1人の捜索が続いているという。 この漁船は同漁協所属の「たか丸」(4・6トン、全長11・9メートル)。同船も見つかっていない。死亡が確認された乗組員は、いずれも同町の菊池隆広さん(年齢確認中)、菊池栄次郎さん(87)、竹田武美さん(78)の3人。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
原爆の影響恐れる日々 被爆2世の苦しみ「なかったことにさせない」
被爆者を親に持つ長崎の「被爆2世」ら28人が、2世への援護策を講じなかったとして国の責任を問い、国家賠償を求めた訴訟の控訴審判決が29日、福岡高裁であった。判決は原告の請求を棄却した。 「悔しいです」。この日、自宅で原告の仲間から判決を聞いた原告の小杉実知子(こすぎみちこ)さん(76)は言葉を詰まらせた。 幼いころから、母・八重子(やえこ)さん(1993年、85歳で死去)の被爆体験を聞かされて育った。 原爆投下時、用事で長崎県佐世保市に来ていた八重子さんは約1週間後、長崎市の自宅に戻り入市被爆した。台所のあった場所で八重子さんの母と思われる黒こげの遺体を、がれきのなかに父の頭蓋骨(ずがいこつ)らしきものを見つけたという。「やかんかと思って何か蹴ったと思ったらお父さんのしゃれこうべだった」。八重子さんが語った体験は生々しかったという。 小杉さんは30代半ばを迎えたころ、知人の紹介で「長崎被爆二世の会」に入会した。 当初は「知人の力になれれば」というくらいの軽い気持ちだった。2世の会員には、親と同じがんになる人や「親の被爆が自分たちの子どもに影響するのではないか」と口にする人が少なからずいた。「もしかしたら私にも、母の被爆の影響が出てくるのではないだろうか……」。周りから話を聞くうちに不安が頭をもたげた。 「2世の不安」が明確になっ… この記事は有料記事です。残り845文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
町田市議会3会派の政活費1千万強「不適切な支出」 東京地裁判決
有料記事 金子和史 上田学2024年2月29日 21時30分 東京都町田市議会の政務活動費で議員活動と関係のない支出があったとして、市民団体が石阪丈一市長に、市議会の3会派に計約3142万円を返還請求するよう求めた住民訴訟の判決が29日、東京地裁(品田幸男裁判長)であった。判決は、3会派の計約1007万円が「会派の活動との関連性がない」として、市長に返還を求めるよう命じた。 不適切な支出とされたのは、2014~17年度の政活費で、まちだ市民クラブが約480万円、自由民主党が約351万円、保守連合が約175万円。 判決は、各会派の多岐にわたる支出の一つひとつについて、利用状況や当時の議員活動の状況も踏まえ、市条例が定める政活費の使途基準に合致するかを検討。深夜や早朝のタクシー代▽私的利用が推認される駐車場代▽ダンス講習の会費などについて「使途基準に適合しない」と判断した。 自民党会派の議員の名古屋への鉄道運賃などについて、当時本人がブログで「階段で転んで骨折し、強い痛み止めを飲んでやっと5センチずつ動ける」などと書いていたことから「本人が支出したものとはうかがわれない」とした例もあった。(金子和史) 提訴した市民団体「町田市政… この記事は有料記事です。残り496文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「遺伝的影響があると考えてしまう」 影響否定の判決に被爆2世は
有料記事 岡田真実 柳川迅2024年2月29日 22時08分 被爆者を対象としているがん検診や手当などの援護措置を、子どもの「被爆2世」も対象にすべきだとして、長崎の被爆2世ら28人が国家賠償を求めた訴訟の控訴審判決が29日、福岡高裁であった。判決は、「国の責任を認めない」とした一審・長崎地裁の判断を維持し、控訴を棄却した。 「遺伝的影響を肯定する研究結果もある」としながら、「否定的な研究発表が複数あり、遺伝的影響は証明されていない」とした判決。健康不安を訴えてきた被爆2世たちからは憤りの声が上がった。 「2世で白血病やがんで亡くなった人がいっぱいいるじゃないですか」。判決後の報告集会で、原告の箕田秀美さん(66)は声を上げた。両親が被爆者の被爆2世。娘は5歳の時、血液中のたんぱく質が尿中に流出する「ネフローゼ症候群」を発症。原爆症として認定される病気だ。原因はわからず、入院を繰り返した。「次世代にも遺伝的影響があると考えてしまうのは当然です」 裁判所には、原告の一人で… この記事は有料記事です。残り661文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山梨大病院の手術中、患者を盗撮した疑い 勤務していた看護師を逮捕
棟形祐水 池田拓哉2024年2月29日 19時30分 手術中の女性患者をカメラで撮影したとして、山梨県警は29日、看護師の田辺皓輔(こうすけ)容疑者(31)=昭和町=を性的姿態撮影等処罰法違反の疑いで逮捕し、発表した。山梨大学は同日、田辺容疑者が当時、山梨大医学部付属病院(中央市)で勤務していたことを明らかにした。 県警などによると、田辺容疑者は昨年9月6日、同病院の手術室で、30代女性をカメラで撮影した疑いがある。県警が別の盗撮事件の押収品を調べていたところ発覚し、事情を聴いていた。容疑を認めているという。 病院によると、田辺容疑者は2019年4月に採用され、今年1月に「一身上の都合」を理由に突然退職した。29日昼過ぎに県警南甲府署から連絡があり、田辺容疑者の逮捕を知ったという。担当者は取材に「捜査中なので、仕事内容については話せない」と話した。 同大は同日、「医療人としてあるまじき行為で、極めて遺憾であり厳粛に受け止めています」などと謝罪する文書をホームページに掲載した。(棟形祐水、池田拓哉) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル