東京電力福島第一原発事故で故郷を失い、精神的苦痛を強いられたとして、福島県川俣町山木屋地区の82世帯323人が東電に損害賠償を求めた集団訴訟の判決が14日、仙台高裁であった。瀬戸口壮夫裁判長は、一審・福島地裁いわき支部判決より約5億円増額し、原告299人に計約10億9891万円の支払いを命じた。 瀬戸口裁判長は「対策を講じないまま漫然と原発を運営していたのであれば、事故は人災ではないかという思いが捨てがたいものとなり、被災者らに重大な精神的苦痛を発生させた」と述べた。 判決によると、東電は2002年に公表された国の地震予測「長期評価」に基づいた津波試算の着手を先送りし、08年に原発敷地を15・7メートル上回るとする試算が出されても具体的な対策を講じてこなかったと認定。瀬戸口裁判長は「08年試算を受けて、水密化などの対策を講じていれば事故の発生自体は防げなかったとしても、規模はかなり異なるものになっていた可能性は否定しがたい」とした。 賠償額について判決は、山木… この記事は有料記事です。残り367文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
秋篠宮さま、金沢市の病院訪問 被災者や看護師らの話に耳を傾ける
野間あり葉2024年2月15日 5時00分 秋篠宮さまは14日、恩賜(おんし)財団済生会の石川県済生会金沢病院(金沢市)を訪問し、能登半島地震の支援状況などを聞いた。秋篠宮さまは済生会の総裁を務めている。 秋篠宮さまは約3時間半にわたり、病院内を見て回るなどした。荒木勉院長らによると、秋篠宮さまは被災者や看護師らと約1時間かけて面会し、それぞれの被災状況に耳を傾けた。 倒壊した家の下敷きになったという車いすの女性は涙を流した。秋篠宮さまはひざをついて女性の手を取り「大変でしたね」と言葉をかけたという。病院の職員には「健康に気をつけて、患者さんのために頑張ってください」とねぎらったという。 同院では同県輪島市や珠洲市から延べ計78人の入院患者と計約550人の外来患者を受け入れている。14日時点で35人の被災者が入院しているという。(野間あり葉) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
男5人が被害者宅侵入し暴行、連れ去り ベトナム人男性遺体遺棄
有料記事 宮坂奈津 マハール有仁州2024年2月15日 5時00分 千葉県大多喜町の林道で7日、全焼した車の中からベトナム国籍で男性のブィ・クォン・トゥンさん(29)が遺体で見つかった事件で、八千代市にあるブィさんの自宅に5日、5人の男が侵入し、ブィさんは暴行を受けて連れ去られた。捜査関係者への取材で分かった。八千代署は住居侵入と逮捕監禁事件として捜査を進めていた。県警は5人が事情を知っているとみて、今回の死体遺棄事件との関連を調べている。 捜査関係者によると、5人の… この記事は有料記事です。残り428文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元校長バスケコーチに懲役7年求刑 女児らへのわいせつ罪、無罪主張
黒田早織2024年2月14日 21時12分 兵庫県伊丹市の小学生女子バスケットボールクラブに所属する女子児童3人への強制わいせつ罪に問われた、元小学校長で同クラブコーチの男(71)の公判が14日、神戸地裁伊丹支部で結審した。検察側は「小学生を相手にゆがんだ性的欲望を満たす常習的犯行」だとして懲役7年を求刑。弁護側は「客観証拠はなく児童らの供述は信用できない」と無罪を主張した。判決は3月13日の予定。 起訴状などによると、被告は2021~22年、コーチをしていたバスケクラブの練習中、所属する女子児童3人をミーティングルームや体育館の舞台袖へ個別に連れ出し、胸や下腹部を触るなどしたとされる。 検察側は論告で、児童らは指導だと信じたり逆らえば試合に出られないと思ったりして抵抗できず、「指導者の立場を利用した極めて悪質な行為」だと指摘。被告と他にトラブルのなかった児童らが虚偽の供述をする理由もなく、児童らは今も男性に恐怖感を抱き学校に行けなくなるなど、影響は深刻だと主張した。 弁護側は、被害児童らを個別に連れ出すのを見た目撃者がいないことや、体育館の舞台袖は人目につくなどと指摘。「こうした場所でわいせつ行為に及ぶとは考えられない」などと主張した。 児童らが訴えた行為の多くは「指導における身体接触」で、下腹部を触るなどの明らかに指導と関係のない行為については「捜査機関や憤慨する母親に迎合して証言した」などとした。(黒田早織) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
一時保護や自宅訪問…児相など約7年関与 台東4歳児死亡に至るまで
有料記事 宮野拓也 中村英一郎2024年2月14日 21時27分 東京都台東区で当時4歳だった次女に薬品を摂取させて殺害したとして、両親が逮捕された事件。この家庭をめぐっては、兄姉とともに次女を一時保護したり、家庭訪問をしたりと都などが7年近く関わっていた。「精神的に不安定」だったという母親や、保育施設の転園を繰り返し、亡くなる直前に増えた次女のけが。いったい何があったのか。 逮捕されたのは父親の細谷健一(43)と母親の志保(37)の両容疑者。自宅マンションで昨年3月、次女の美輝(よしき)ちゃんを殺した疑いがある。 両親を指導・支援してきた都児童相談センターと台東区子ども家庭支援センターが14日、報道陣の取材に応じた。「支援を切れ目なく行っていたにもかかわらず、このような結果になり重く受け止めている」と話した。亡くなる半年ほど前から頻発していた美輝ちゃんの傷やあざについては、「ネグレクトや心理的虐待があるという判断はしていたが、暴力によるものという認識はなかった」と繰り返した。 都児相と区子ども家庭支援センターの主な説明は次の通り。 ■2019年の一時保護につい… この記事は有料記事です。残り1560文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「マグネターの地獄の釜が開いた」 謎の天体現象、瞬間の観測に成功
謎の天体現象「高速電波バースト」を放った際、星が不可思議な動きをしていることを京都大や台湾国立彰化師範大などの研究チームが突き止めた。宇宙遠方から届く強力な電波パルスのメカニズムの解明につながる可能性がある。 論文が15日、英科学誌ネイチャー(https://doi.org/10.1038/s41586-023-07012-5)に発表される。 高速電波バーストは、1千分の1秒ほどの間に起きる電波フラッシュのこと。遠方銀河から届くが、一瞬だけ光ってすぐ消えるため観測が難しく、発見が初報告されたのは2007年。全天で1日1千回以上起きているとされるが、正体やメカニズムは謎に包まれている。 回転が急に変化、高速電波バーストのきっかけか 京大の榎戸輝揚准教授(宇宙物理学)らは2022年10月、約2万光年先にある中性子星の一種「マグネター」に注目。マグネターは、強力な磁場を放つ「宇宙最強の磁石天体」と言われ、数日前から活動が活発になっていた。 X線望遠鏡と天文衛星で集中観測を始めたころ、2日後に高速電波バーストが発生。その前後の星の変化がX線解析で判明した。 マグネターはまず、回転(自転)が急に速くなった。その後、回転が遅くなりながら高速電波バーストを放出。そしてまた回転が速まり、元の自転の速さに戻った。 その間は9時間。マグネターの中心部からのエネルギーが表面に伝わり、宇宙へ放出された様子を捉えたとみられる。計算によると、太陽が5年で放つエネルギーを短時間に放出していた。 榎戸さんは「膨大なエネルギーを放出するマグネターの『地獄の釜』が開くような貴重なタイミングを垣間見た」と話す。最初の自転の変化が、高速電波バーストを引き起こすきっかけになった可能性が高いとみている。 ■初めての「スクープ」 なぜ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自動停止機能を試して?知人2人はねた疑い 軽乗用車運転の男を逮捕
天野剛志2024年2月14日 22時02分 軽乗用車の自動停止の機能を試そうとして知人2人をはねて重軽傷を負わせたとして、兵庫県警は14日、神河町のアルバイトの男(67)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕し、発表した。「自分が運転してぶつかった」と容疑を認めているという。 福崎署によると、男は同日午前11時40分ごろ、神河町内の駐車場で、軽乗用車をバックで走らせ、後方に立っていた70代の知人男性2人に衝突し、けがを負わせた疑いがある。1人は頭の骨が折れる重傷、もう1人は頭に軽傷という。 3人はバック運転の際、人や物を感知して自動停止する機能を試そうしたが、実際には止まらなかった、と署に説明しているという。 署は、この車にそうした自動停止の機能がついていたかどうかを含め、事故の原因を調べている。(天野剛志) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
PR事業の強化は「市長の発案」 ふるさと納税めぐる入札妨害事件
有料記事 三ツ木勝巳 岡田将平2024年2月14日 22時24分 ふるさと納税事業のPR業務に絡み佐賀県神埼市の市長が逮捕された入札妨害事件で、市は14日、このPR業務の強化を発案したのは内川修治市長(71)だったことを明らかにした。市トップが不在となり、市幹部らの衝撃は大きい。新年度予算案編成の大詰めの時期でもあり、市政全体への影響も避けられない状況だ。(三ツ木勝巳、岡田将平) 市長逮捕から一夜明けた14日、神埼市は記者会見を開いた。平方利郎副市長が「市民、関係者の皆さまには大きなご迷惑、ご心配をおかけしました」と謝罪。市長逮捕のこれまでの経緯と対応を説明した。 13日夜の市役所の捜索では、ふるさと納税推進室の関係書類や市長のパソコン、市長公用車の運転日誌などが押収されたという。 県警によると、市長の内川修治容疑者は、ふるさと納税事業をPRする業務の委託先を選定する公募をめぐり、市内のコンサルティング会社「ブルー・フラッグ」の代表取締役、島由美子容疑者(62)らに秘密情報を漏洩したとして、官製談合防止法違反(入札妨害)などの疑いで逮捕された。 平方副市長らによると、このPR業務は、昨年度まではワンストップ特例や寄付金の受領証明の交付を行っている業者1社が合わせて行っていた。だが、今年度からは「観光面も含めて知名度やPR効果をあげる」という内川市長の考えで、PR業務を分けて公募することになったという。 平方副市長は「内川市長はふるさと納税の増額を強く言っていた。元々は1社だったが、PRが弱かったので、PRだけを分けた方がいいという発案だった」と語った。 業者は自身の元会計責任者 ただ、内川市長と島容疑者は… この記事は有料記事です。残り1307文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
赤ちゃんの遺体、押し入れから3体 風俗従業員の女を遺棄容疑で逮捕
土居恭子2024年2月14日 23時16分 自宅の押し入れに赤ちゃんの遺体を遺棄したとして、香川県警高松北署は14日、高松市番町4丁目の風俗店従業員、山下あゆみ容疑者(35)を死体遺棄の疑いで逮捕し、発表した。「亡くなった赤ちゃんを押し入れに隠したことに間違いない」と容疑を認めているという。 逮捕容疑は、昨年6月下旬ごろ、自宅アパートの押し入れに、赤ちゃんの遺体を遺棄したというもの。遺体は、タオルにくるまれ、ポリ袋に入れた状態だったという。 署によると、押し入れからはほかにも別々のポリ袋に入れられた赤ちゃんの遺体2体が見つかった。いずれも腐敗が進み、一部白骨化している部分もあったという。15日に司法解剖し、死因などを調べる。「3人とも自分で産みました」と供述しているという。 昨年10月、署に「女性が分娩(ぶんべん)した乳児を遺棄したと言っていたと聞いた」との情報が寄せられ、捜査を開始。14日に山下容疑者のアパートを捜索して遺体を発見したという。 山下容疑者はアパートに1人で暮らしていたという。(土居恭子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
諫早湾干拓「非開門支援策に同意」佐賀・福岡・熊本の漁協、国に伝達
加藤裕則2024年2月14日 20時30分 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防の排水門開門をめぐり、佐賀、福岡、熊本3県の漁業団体の代表らが14日、農林水産省で坂本哲志農水相と面会し、「開門しないことを前提に有明海再生を図る」とした農水省の提案を受け入れることを伝えた。 諫早湾干拓事業をめぐり、昨年3月に最高裁が、開門調査を求める福岡高裁判決の強制執行力をなくす決定を出した。これを受け、国は非開門での支援策を3県の漁業団体に提案していた。 面会したのは、佐賀県有明海漁協の西久保敏組合長、福岡有明海漁連の西田晴征会長、熊本県漁連の藤森隆美会長。受け入れを伝えられた坂本農水相は歓迎の意向を示し、「感謝したい。有明海再生に全力で取り組む。事実上のスタートだ」と述べた。 面会後、報道陣に対し西久保組合長は提案を受け入れた理由として最高裁の判断を挙げ、「どうしようもなかです。(ノリの)不作が続き、有明海の再生を加速してほしい」と語った。今後、農水省が検討してきた100億円の振興基金を活用して事業を進めていく意向も示した。(加藤裕則) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル