村山富市元首相の100歳の誕生日を前に、母校の明治大学校友会の北野大(まさる)会長(81)や向殿(むかいどの)政男名誉会長(81)ら4人が23日、大分市内の村山さんの自宅を訪れ、百寿を祝う記念品を贈った。 来月3日に100歳になる村山さんは、校友会の前名誉会長でもある。訪問後に取材に応じた北野会長らによると、校友会からの百寿の記念品として、1924年から100年分の誕生日の新聞縮刷版をまとめた冊子と、総理就任時の地元紙1面を入れた額を贈った。受け取った村山さんは「すごい」と繰り返し、食い入るように見て喜んでいたという。体調も良く、会話もできたといい、北野会長は「昔と変わっていない。安心した」と話した。 また、村山さんの人柄につい… この記事は有料記事です。残り338文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「世界中の子どもを笑顔に」 ウクライナ人女性が絵本に込めた願い
愛知県に暮らすウクライナ人女性が、1冊の絵本のイラストを描いた。ロシアによるウクライナ侵攻から24日で2年。故郷を離れ、今なお戦火が続く母国を案じながら、こんな願いを込めたという。「世界中の子どもたちが、この絵本で笑顔になってほしい」 絵本のタイトルは「シロちゃんとりんご」。コーギー犬のシロちゃんが、飼い主の留守中に、置いてあった大好きなリンゴをたくさん食べてしまうという物語だ。絵を担当したのは、ウクライナ出身のグラフィックデザイナー、コロトコヴァ・エリザベータさん(24)。シロちゃんの写真をもとに、ひとつひとつの表情にこだわって描きあげた。かわいらしく、全体的にやさしいタッチで描かれている。 首都キーウ近郊のイルピンで家族と暮らしながら、デザインの会社で働いていたエリザベータさん。2022年2月24日早朝、近所で爆発音が聞こえた。ロシアによる攻撃だった。住んでいたアパートの地下に10日間ほど避難。知人を頼り、単身で名古屋市に避難した。 日本語は話せなかったが、ワクチン接種のアルバイトなどに取り組んだ。そんなエリザベータさんのことを、名古屋市西区の元小学校教師で、シロちゃんの飼い主でもある今飯田洋子さん(64)はテレビで知った。 「絵本でウクライナを思い出して」 「子どもたちにはこれ以上、悲しい思いをしてほしくない」。ウクライナのニュースに心を痛めていた今飯田さんは、絵本を作りたいとの思いを持っており、エリザベータさんにイラストをお願いすることに決めた。日本語学校などに連絡して探し出し、会うことができたという。 エリザベータさんは「絵本は描いたことがなかったけど、仕事にNOは言わない」と応じた。ウクライナの子どもたちにも読んでもらえるように、ウクライナ語の翻訳もつけた。約1年かけて完成させた。 昨年12月に自費出版し、同県春日井市の図書館やNPO法人日本ウクライナ文化協会(名古屋市東区)などに寄贈した。「絵本を読んで、ウクライナのことを思い出してくれたら」。エリザベータさんと今飯田さんの共通の願いだ。 絵本を作りながら、エリザベータさんは自動販売機や企業の看板など、様々なイラストの仕事を引き受けた。日本語学校で勉強も続け、通訳なしで日常会話ができるようになり、日本語能力試験2級に合格。名古屋市の会社に就職が決まった。 ロシアによる侵攻が長期化し、国際的な「支援疲れ」も懸念されるなど、ウクライナを取り巻く情勢は厳しいが、エリザベータさんは「日本で頑張っている姿を家族は喜んでくれる。ウクライナで戦っている人たちもいるから、私は日本でできる支援を続けたい」と話す。 絵本はB5変型判で24ページ。税込み1430円。「空とぶロバ出版」のオンラインショップ(https://ehonnakama.theshop.jp/items/80011592)で購入できる。(三宅梨紗子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ゆがむ田んぼ、下敷きのコンバイン…被害全容見えず 岐路のコメ農家
このまま稲作を続けられるのか――。水田に亀裂が入り、農機具が損壊した石川県能登地方のコメ農家は岐路に立たされている。能登半島地震の農業被害の全容は今も分からないが、自宅の損壊で集落から離れた農家も多く、耕作できない可能性もある。 輪島市門前町で10年ほど前からコメ作りをする竹内毅さん(41)の田んぼは液状化し、水路も壊れた。農機具小屋は倒れ、コンバインやトラクターが下敷きになった。 「田んぼのゆがみが激しい。これでは地震前の収穫量は確保できないかもしれない。心は折れています」 2007年の能登半島地震でも被災した。その年、亡き父は地区の期待を背負ってコメ作りを続け、「能登がんばる米」と銘打って販売した。だが、本音では「前のようにコメがとれない」と悩んでいた。実際、地割れが起きた農地を直したが、収穫量は思うように回復しなかったという。 竹内さんは行政の支援に期待するが、稲作を続けるかどうか思いは揺れている。 能登地方は山間部を切り開い… この記事は有料記事です。残り1026文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
凍った海を走るマラソン大会に自腹参加「地元の当たり前」は宝の山だ
【動画】凍った海の上の走るマラソン大会。走り心地を記者がリポート=原知恵子撮影 日本で唯一、陸地を一切走らない。走るのは、極寒の凍った海の上。そんなクレージーなマラソン大会が、オホーツク海に面する北海道・別海町であった。視界一面、真っ白な氷と雪の大地――。「最果て感」漂う過酷な大自然のレースを、記者が自腹で走りながら取材した。 □ 完走率と参加費に臆したが… 「こんなクレージーな大会があるなんて!」 別海アイスマラソンの存在を知ったのは、昨年11月だった。 大会は今年で2回目。コースとなる野付湾は水深の浅い内海で、厳冬期になると全面が凍るという。公式HPを見ると、第1回大会の42キロの部の優勝タイムは5時間34分、完走率は約40%だった。 「絶対、ふつうの大会じゃない……」 数値で察した。23年の東京マラソンならば、完走率は95%。高温多湿に見舞われた北海道マラソンでさえ、81%だ。それを、わざわざ4万円もの参加費を払って出走した猛者が、半数以上、完走できていない。 現地の最低気温は「マイナス20度で普通」。推奨装備も「スキーゴーグル」「手袋2枚」など、明らかに通常のマラソン大会とは異なる。参加費も高い。 それでも、転勤で札幌市民となって1年目、島根県出身の記者にとっては「日本でここでしかできない」「道東の大自然」に心が揺さぶられた。 主催者によれば、同じような体験ができる「南極マラソン」ならば、渡航費も含めると約300万。見方によっては「安い」ともとれるのだ。しかも、「空港から会場まで車で30~40分」「街中からシャトルバス運行」。公共交通機関のみでたどりつけそうだ。 悩んだ末、16キロの部(参加費2万5千円)への挑戦を決めた。16キロは、野付湾から北方領土・国後島までの距離に相当する。「走りながら領土問題を考えて欲しい」。そんな主催者の思いにも共感した。そして3カ月弱、札幌で雪道を月間100~120キロほど走って対策、休暇を申請した。 別海町は漁業や酪農がさかんなまち。一方で、人口減少が進んでいます。アイスマラソンに込められた願いとは。 □ 「滑る」というより「もがく」 レース当日の2月11日、天候・晴れ。 コースは一面、真っ白な世界… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ひな人形で源氏物語、「光る君へ」合わせ 手作りの頭部で人物表現
今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」に合わせ、源氏物語の世界をひな人形で表現した企画展が、山口県光市室積5丁目の光ふるさと郷土館で開催中だ。物語の印象的な場面を所蔵のひな人形などを使って再現。構想から制作まで2年をかけ、職員全員で完成させた力作だ。3月10日まで。 源氏物語は、「光る君へ」の主人公になる紫式部(生没年不詳)によって、平安時代中期に書かれた全54巻の長編小説。天皇の皇子として生まれた光源氏を主人公に、多くの女性との恋愛や貴族社会での浮き沈みを描いた。 展示では第1巻「桐壺(きりつぼ)」~第9巻「葵(あおい)」の中から八つの場面などを取り上げ、計73体のひな人形で表現。社(やしろ)や小道具などは5人の職員全員で手分けして作った。各巻の内容もコンパクトにまとめて紹介。五つの香りをかぎ分け、組み合わせを当てる「源氏香」という香道の遊びの体験コーナーも設けた。 「下調べに1年、作るのに1年かかりました」と、職員の野村崇子(たかこ)さん(44)が振り返る。企画展に向け、古典の好きな野村さんが源氏物語を読み込み、各巻を象徴する場面を選定。物語成立後に絵画化された絵巻物などを参考に構図を決めていった。 例えば、第1巻「桐壺」では、光源氏の父、桐壺帝の寵愛(ちょうあい)を一身に集める桐壺更衣(きりつぼのこうい)が周りの女性の嫉妬やいじめを受けながら帝の部屋に向かう様子を再現。第9巻「葵」は、源氏の愛人・六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)が生き霊となって、懐妊した正妻・葵の上を呪うシーンを描いた。傍らには配置した人形や小道具などの解説、注目ポイントを記した英訳付きのキャプションも添え、訪れる人に分かりやすい工夫もした。 苦労したのは、人形の頭部の作り直し。ひな飾りは平安時代の婚礼を模しているため装束の大半はそのまま使ったが、五人囃子(ばやし)や三人官女などの顔はどれもぽっちゃりしていて源氏物語の多彩な登場人物の特徴を表せない。雅楽を演じる光源氏や頭中将(とうのちゅうじょう)、年老いた尼君、不美人の末摘花(すえつむはな)などは人形の胴体だけを使い、頭部は粘土で新たに作って付け替えた。 100円ショップで購入した、すしを巻く巻きすを加工して作った御簾(みす)をはじめ、几帳(きちょう)や屛風(びょうぶ)、つのだらい、偏つぎなど小道具にも凝り、みやびやかな宮廷の雰囲気を演出した。 「現代とは異なる文化や価値観に戸惑うかもしれませんが、今も昔も変わらず人々が抱える葛藤や世の無常がこの物語の大きなテーマ」と野村さんは話す。 使われたひな人形は市民から寄贈されたものばかり。「一度は役目を終えたおひなさまたちが演じる源氏物語を通して、日本が誇る文学作品に興味を持ってもらえたら」と来場を呼びかけている。 月曜(祝日の場合は翌日)と第1火曜は休館。入館料は一般260円、高校生以下無料。問い合わせは同館(0833・78・2323)へ。(三沢敦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
今季ユニホーム、納期6月に… 「なら歴代ユニで応援だ」 J2長崎
サッカーJ2のV・ファーレン長崎は24日に今季開幕戦を迎える。ただ、サポーター向けの今季ユニホームの納期が6月中旬以降に遅れる見通しで、予約者に同デザインのTシャツや過去のユニホームなどを配る。開幕直前に思わぬトラブルに見舞われたが、慣れ親しんだトランスコスモススタジアム長崎(長崎県諫早市)から10月にはピーススタジアム(長崎市)に本拠が移る節目の年とあって、「歴代のユニを着て歴史を楽しもう」という前向きなサポーターもいる。 長崎は今季からユニホームのメーカーを変更。そのメーカーと代理店から製造遅延の連絡があった。これをうけ3月24日までに予約購入した人にTシャツもしくは2018~23シーズンのユニホームと、オンラインショップで使える2500円分のクーポンを配る。 長崎は被爆地とあって毎年夏、特製の「平和祈念ユニホーム」で平和祈念試合を行うが、今季は選手着用分のみとなり、サポーター向けの販売はなくなる。 SNSには今季ユニで開幕を… この記事は有料記事です。残り189文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
なお2万戸超で断水、被災者を支える「湧水」 各地で減少「保全を」
2万戸超で断水が続く能登半島地震の被災地で、自衛隊などによる給水に加え、地域の「湧水(ゆうすい)」が生活を支えている。湧水は各地で量の減少や水質の悪化が課題となっており、環境省は災害時の水源になるとして保全を呼びかけている。 湧水でやっと洗濯、「本当に助かる」 半島の先端にある珠洲市では、ほぼ全域で断水が続く。市街地から車で10分ほど、正院町平床に湧水を提供する「給水所」がある。 9日に訪れた女性(43)は、併設された洗濯機を利用。「水がなく困っているので、本当に助かる」とほっとした表情を浮かべた。給水を使ったコインランドリーがどこもいっぱいで洗濯ができずにいたという。 朝夕には、ポリタンクや洗濯物を持った人がたくさん訪れる。ベンチや伝言板も置かれ、地域のコミュニケーションの場にもなっている。 裏山から流れ出す水、「もしかしたら」 湧水や洗濯機を提供している… この記事は有料記事です。残り1188文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「おいしい」だけでなく「違和感」も ウフマヨを真っ黒にしたわけは
記事の後半でレシピをご覧いただけます 「新しい『体験』をしてほしい」と考え、化学の知識に基づく日本酒と食事のペアリングを広めてきた千葉麻里絵さん(39)。2022年、さらに多様な人にペアリングを楽しんでほしいと東京・西麻布に日本酒専門店「EUREKA(ユリーカ)!」を開きました。 「ユリーカ」は「覚醒」や「発見」を意味します。一方、「!」はびっくりマークではなく、数学の「階乗」。「『発見』が掛け合わさって増えていくといい」との願いを込めました。海外からのお客さんも増え、日本酒のペアリングを楽しんでもらっています。 千葉さんは「心地よい違和感」を大切にしているといいます。背景には、パッチワークアーティストだった母の影響があります。子どものころ、千葉さんがピンクや花柄などの布でパッチワークを作っていると、母がその中の1枚をグレーの布に変えました。「少しノイズが入ると、とたんにかっこよくなる」という感覚が心に残りました。 「EUREKA!」の看板メ… この記事は有料記事です。残り929文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
静岡・伊豆の国市の山車横転14人死傷事故 運行関係者2人書類送検
2024年2月23日 11時30分 静岡県伊豆の国市で昨年11月、秋祭りの山車が横転し、1人が死亡、13人が重軽傷を負った事故で、同県警は22日、山車の運行にかかわっていた関係者2人を業務上過失致死傷の疑いで静岡地検沼津支部に書類送検し、発表した。2人とも容疑を認めているという。 書類送検されたのは、いずれも伊豆の国市在住で、山車の誘導責任者を務めていた男性会社員(39)と祭りの責任者の建設業の男性(70)。 県警交通指導課と伊豆中央署によると、同市田京の市道で昨年11月3日午前8時40分ごろに起きた事故で、会社員は適切な誘導の指示をせず、建設業の男性も安全な運行方法をきちんと伝えないまま運行させたため、山車が坂道で暴走し、巻き込まれた男性(当時72)を死亡させ、24~55歳の男性13人には重軽傷を負わせた疑いがある。 事故当時、会社員は山車から離れて運行を誘導していた。建設業の男性は横転現場ではなく、神社にいた。 捜査関係者によると、山車が坂道を下る際には前方にいる綱の引き手が後方に回り、坂の上から引っ張って山車の速度を緩めるなどの必要な運行方法を2人とも認識していながら、適切に対応していなかった。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナに負けず「ぐるっぴー」は走った グリスロが変える南国のまち
宮崎市の玄関口、JR宮崎駅。西口を出るとすぐ、バスターミナルだ。エンジン音を立てて、大きなバスが行き交う。その横で「どけどけ感」の全くない、ちんまりとした黄色い「箱」が止まっている。「ぐるっぴー」だ。 ぐるっぴーは全長4・3メートル、幅2メートル、高さ2・43メートル。乗客定員は9人。タイヤは八つ。側面に窓ガラスはなく、荒天の時は透明な幕を下ろす。イスは木製の対面式。座ると前の人との距離が近い。 お客は制服姿の女子高生3人、エコバッグを抱えた夫婦1組、子連れの女性、それと記者の8人。運賃は1回100円。交通系のICカードも使える。 「グリスロ」をご存じですか。まちを電池でゆっくり走る小さなバスやカート「グリーンスローモビリティ」のことです。西日本で初めて路線バスとして走らせた宮崎市。なぜ普通のバスでなくグリスロだったのでしょうか。 「発車します」。アナウンスの後「ぎゅい~ん」という音がして加速する。暑い日だった。風がびゅんびゅん吹き込む。 誰もスマートフォンを見ない。高校生と夫婦が話す。「一度乗ってみたくて」「私たちは買い物でしょっちゅう」。お知り合い? 「いいえ」。窓なくて、暑くないですか? 「いいえ」 追い越されても、ぐるっぴーは淡々と走る。子どもが歩道に手を振る。歩いている人が笑って振り返す。記者も下りて、次のぐるっぴーに手を振った。運転手も、乗客も、振り返してくれた。みんな笑顔だった。 これはバスか。遊園地の乗り物か。どっちだ。 ぐるっぴーは宮崎駅と、中心… この記事は有料記事です。残り2551文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル