渡辺杏果 国方萌乃2024年2月22日 22時14分 「頂き女子りりちゃん」を巡る詐欺事件に絡んで、ホストクラブへの支払い代の原資が詐取金だと知りながら受領したとして組織犯罪処罰法違反などの罪に問われた元ホスト田中裕志被告(26)の初公判が22日、名古屋地裁であった。田中被告は起訴内容を認めた。 検察側は冒頭陳述で、田中被告は2021年3月ごろ、勤務先の新宿・歌舞伎町のホストクラブで、SNSで「頂き女子」を自称していた渡辺真衣被告(25)=詐欺などの罪で公判中=と知り合い、その後も指名されて接客していたと指摘。その際に渡辺被告から収入源は「パパ活」で、それは詐欺だとの説明を受けていたとした。 起訴状によると、田中被告は21年10月1日ごろ、ホストクラブの責任者の男(34)と共謀し、渡辺被告が男性からだまし取った犯罪収益だと知りながら、飲食代として909万円を受け取ったとされる。 渡辺被告は3人の男性から1億円以上をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われている。(渡辺杏果、国方萌乃) 組織犯罪処罰法を適用 ホスト問題切り込む試金石になるか ホストクラブへの高額な支払いや売掛金(ツケ)が女性客の売春などを誘発していると指摘されている。警察はこれまで、売春防止法違反容疑で女性側を摘発する一方、売春などを「強要」「あっせん」したとしてホスト側も摘発してきた。ただ、多額の飲食代を受け取る行為そのものについて刑事責任を追及するのは難しいとされてきた。 そんな中、愛知県警が田中被告に適用したのは組織犯罪処罰法だ。渡辺被告が支払った飲食代が「犯罪収益の移転」とみなせると判断した。その代金を調達した事情を認識していれば、支払いの原資の違法性についてホスト側にも責任を問うた形だ。 今回の事件で、ホスト側に支払われた飲食代が渡辺被告による詐取金だと検察がどう立証し、判決がどう判断するのか。結果次第では、捜査機関が「ホスト問題」に切り込む新たな武器になる試金石になり得る。(国方萌乃) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
踏切内の男性、電車にはねられ死亡 助けようとした男性も重体 愛知
2024年2月22日 23時02分 22日午後6時5分ごろ、愛知県岩倉市の名鉄犬山線の踏切で、男性2人が快速特急電車にはねられた。80代とみられる男性が搬送先の病院で死亡し、60代とみられる男性も意識不明の重体。県警は重体の男性が、踏切を渡りきれずにいた男性を助けようとして事故に巻き込まれたとみて調べている。 県警によると、亡くなった男性は当時、手押し車を押しながら踏切に入り、横断中に電車が接近して遮断機が降りた。現場に居合わせた目撃者は県警に対し、重体の男性が取り残されていた男性を助けようとして、踏切内に入ったと説明したという。現場の踏切には遮断機と警報機が備え付けられていた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
生活保護費の減額は「自民公約に忖度」 処分を取り消す判決 津地裁
山本知弘2024年2月22日 19時47分 国が生活保護費の基準額を2013~15年に最大1割引き下げたのは違法だとして、三重県内の受給者が自治体の減額処分の取り消しを求めた訴訟の判決が22日、津地裁であった。竹内浩史裁判長は減額の背景に「自民党の選挙公約への忖度(そんたく)があったと推認できる」と指摘。厚生労働相の裁量権の乱用を認めた上で、減額は違法だと判断して原告17人への処分を取り消した。 判決は、憲法が保障する「最低限度の生活」を具体的に設定するためには、高度な専門的な考察に基づく政策判断が必要で、専門的な知見を無視した政治的判断をすることは許されないと指摘。その上で、引き下げ決定を巡って厚労相は「考慮すべきではないことを考慮した」と批判した。 具体的には、2012年には、お笑い芸人の親族の生活保護費の受給問題を巡る「バッシング」が起きており、同年の衆院選で自民党は生活保護費の1割減を選挙公約に掲げていたと説明。こうした状況を背景に、厚労相が専門的知見を度外視して拙速に引き下げをしたとした上で、その理由は「政治的方針を実現しようとしたものとみるほかない」と指弾した。 こうした判断の過程や手続きには「全体として過誤または欠落があった」とし、これに基づく各自治体の処分も違法だと結論づけた。 判決後、弁護団長の石坂俊雄弁護士は「かなり突っ込んだ内容で、裁判官が信念を持って書いたと思う」と判決を評価した。 同様の訴訟は全国29地裁で起こされ、原告勝訴が相次いでいる。昨年11月には名古屋高裁の控訴審判決で地裁も含めて国に初めて賠償が命じられた。(山本知弘) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ここまで触れた判決ない」自民公約への忖度にも言及、原告ら喜び
国が生活保護費の基準額を最大1割引き下げたのは、政権復帰が見込まれた自民党の選挙公約への忖度(そんたく)が背景にあったと推認される――三重県内の受給者が減額の決定を取り消すよう津、桑名、四日市、松阪の4市に求めた訴訟で22日、津地裁が原告17人の訴えを認めた。10年近く裁判をたたかった原告や弁護団からは、政治判断の誤りにも踏み込んだ判決内容に「満額回答」と喜びの声があふれた。 「何なの政治は、裏金とかようけしとるのにと、苦しい生活の中で思っていた。判決にホッとしました」。勝訴の判決から約1時間後、津市内で会見した原告の一人、高岡栄子さん(77)=松阪市=は言葉を絞り出すようにして喜んだ。同じく原告の加納広生さん(72)=津市=も「生活保護費を引き下げられてからの生活は苦しくて苦しくて。今日の判決を『やっと正しいものが勝った』と聞きました」と話した。 引き下げを憲法違反だとして… この記事は有料記事です。残り373文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧統一教会トップが意見陳述 解散請求で初の「審問」 東京地裁
有料記事 2024年2月22日 14時51分(2024年2月22日 19時55分更新) 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令請求をめぐり、東京地裁は22日、申し立てをした国と教団の双方から意見を聞く「審問」を初めて開いた。全面的に争う姿勢を示している教団側は田中富広会長が意見陳述し、「解散を認めてよいはずはない。公正な判断をお願いしたい」などと訴えた。 審問は午後2時から約50分間行われた。解散命令請求の審理は、非訟事件手続法に基づき非公開と定められており、この日も非公開だった。 審問後に取材に応じた教団側によると、教団側は田中会長や顧問弁護士ら、国側は文部科学省の外局である文化庁の宗務課長、代理人を務める法務省の訟務検事ら10人近くが出席。両者が顔を合わせる形で進められた。 安倍元首相を撃った「テロリストの願い通りに…」 国側は、長年にわたり献金被… この記事は有料記事です。残り551文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
能登地震の消費者トラブルに注意 「不用品集めている」不審電話も
能登半島地震に関して全国の消費生活センターなどに寄せられた相談は、1月の1カ月で354件あった。消費者庁は22日、2016年の熊本地震発災後1カ月の相談状況(752件)と比較した結果を公表。被災地以外からの相談では、被災地を支援するため不用品を集めているという不審な電話がかかってくる事例が発生しており、「手口が変化している」という。 消費者庁によると、相談の地域別では、5割にあたる173件が石川県で、富山、新潟、福井3県を含めた4県は約66%を占めた。4県以外からの相談は約33%だった。 内容別では、被災地の相談で最も多いのは、「工事・建築・修理などサービス」で約41%。知らない事業者が突然自宅に訪れて屋根などの修理・点検を勧誘されたという相談は60件程度で、熊本地震よりも2倍ほど多かった。 被災地以外からの相談では、熊本地震で問題となった「義援金を勧誘する電話」もあったが、「被災地支援のため、服や食器などの不用品を集めているとの電話があった」という相談が目立った。事業者が訪問し、売るつもりのない高額な品を買い取られるトラブルにつながる可能性があるため注意が必要だ。 住宅修理の勧誘をされてもその場で契約しないこと、義援金を送りたいときは受付団体の活動状況を確認することを呼びかけている。(寺田実穂子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧統一教会と国から直接意見聞く 解散請求、東京地裁で初の「審問」
有料記事 2024年2月22日 14時51分(2024年2月22日 17時06分更新) 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への解散命令請求をめぐり、東京地裁は22日午後、申し立てをした国と教団の双方から直接意見を聞く「審問」を初めて開いた。審問は約50分間で、教団側は田中富広会長が「解散を認めてよいはずはない」などと意見陳述したという。 解散命令請求の審理は非訟事件手続法に基づき、非公開で進められる。この日の審問も非公開の法廷で約50分間、行われた。教団側は田中会長や顧問弁護士の福本修也氏ら、国側は文部科学省の職員や法務省の訟務検事らが出席した。 文科省側は、昨年10月に請求した解散命令の根拠として、高額献金の被害が長期間続いたことなどを挙げる。 教団側は、解散命令は「信教の自由の観点から到底受け入れることはできない」として争っている。これまでに複数の書面を地裁に提出し、請求を退けるよう求めてきた。 地裁は今回、主張が全面的に対立し、内容も複雑なことから、争点を明確にするために直接意見を聞く必要があると判断したとみられる。 意見陳述は教団側のみ 審問後に取材に応じた教団側… この記事は有料記事です。残り263文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
通所する男子高校生への暴行罪 施設代表の男らが起訴内容の認否留保
山本逸生2024年2月22日 17時18分 障害のある子どもらを放課後などに受け入れる施設「アルプスの森」(大阪府吹田市)で、通所者を殴ったとして暴行などの罪に問われた施設代表の宇津慎史被告(61)と、宇津被告の兄で施設職員の雅美被告(65)の初公判が22日、大阪地裁であった。起訴内容について、宇津被告は「間違っているところはないと思うが、留保したい」、雅美被告も「留保する」と述べた。 起訴状によると、2人は昨年2~3月、施設内で通所者の男子高校生の頭を殴ったり、足を蹴ったりする暴行を繰り返したなどとされる。検察側は冒頭陳述で、被告らが男子高校生から引っかかれたり、物を投げつけられたりしたことに立腹し、暴行を加えたと主張した。 施設では、通所者で自閉症の男子中学生(当時13)が2022年12月、施設外に飛び出して近くの川で溺れて死亡し、大阪地検が、両被告が生徒の安全管理義務を怠ったとする業務上過失致死容疑で調べている。(山本逸生) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警察の懲戒処分、昨年は266人 飲酒絡みが増加 県別最多は愛知
板倉大地2024年2月22日 13時06分 昨年に懲戒処分を受けた全国の警察官や警察職員は266人で、前年から10人減った。警察庁が22日に発表した。飲酒中や飲酒後の事案で処分されたのは66人で、前年から30人増加。警察庁は、新型コロナでの行動制限が緩和され、飲酒の機会が増えたことが一因とみている。 警察庁の露木康浩長官は22日の定例会見で「社会経済活動が正常化しつつあるが、その中で警察組織の規律が弛緩(しかん)するようなことがあってはならない。職員に対する指導や業務の改善に引き続き努めたい」と話した。 処分理由では、セクハラや盗撮といった「異性関係」が89人(前年比4人減)で最多。次いで「窃盗・詐欺・横領等」が58人(同18人増)、「交通事故・違反」が48人(同19人増)と多かった。処分別では、免職が前年から15人増えて42人、停職が7人増えて54人だった。 都道府県警別では、愛知県警が21人で最多だった。岡崎署の留置場で容疑者が死亡した問題で11人が懲戒処分されたケースがあった。千葉県警と大阪府警で各19人、警視庁で17人、福岡県警で15人が処分された。 逮捕者は61人(同4人増)で、ここ5年で最多だった。(板倉大地) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪・吹田の人気ラーメンをおうちでどうぞ 自販機に込めたエール
大阪府吹田市のJR吹田駅北口に冷凍ラーメンの自動販売機がある。「厳しい中でも頑張っている地元ラーメン店を応援したい」という一人の男性の思いから生まれた。 吹田市の赤堀順一さん(37)が自販機を置いたのは2023年3月。地元の吹田で人気のある、個人経営の7店を扱う。常時5種類のラーメンを買うことができ、商品は入れ替わりがある。価格は主に1100円(税込み)だ。 赤堀さんは「お店のスープ、麺とほぼ一緒で、24時間いつでも買える。いつも行列で入りにくいという人や、店が手狭なため家族連れでは行きにくいという人にも好評」と話す。 18年、インターネットの地域メディア「吹田日和」を立ち上げ、今はウェブマーケティング会社を経営している赤堀さん。新型コロナウイルスの影響が広がったとき、過去に取材したラーメン店の店主たちが「ガス代が高すぎる」「スタッフが採用できず、人手が足りない」と口々に話してくれた。 販路拡大の手助けができない… この記事は有料記事です。残り386文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル