東海学院大学管理栄養学科(岐阜県各務原市)の学生たちが、白川町の美濃白川茶と大野町の食用バラを使って2種類の「岐阜花和紅茶」を開発した。消費拡大を図るのがねらいで、白川茶と食用バラは規格外のものを活用した。若い世代や外国人観光客への普及をめざし、スパイスなども取り入れて体にやさしい和紅茶に仕上げた。 同大では3年前から、県や白川町、道の駅美濃白川などと協力し、農家の高齢化などで収穫されない美濃白川茶の2番茶の活用を模索。2022~23年に、県産の花やスパイスを加えた「フレーバーグリーンティー」(4種類)やノンアルコールカクテル「モクテル」(3種類)を開発し、売り出してきた。 岐阜花和紅茶は第3弾で、今年度に県などが主催した「花き振興企画コンペティション」に提案した企画を商品化した。 緑茶からつくった和紅茶は近年、若い世代を中心に注目を集めている。これに着目し、白川茶と大野町特産のエディブルフラワー(食用花)のバラとを組み合わせ、香り豊かな新感覚の「花和紅茶」にした。お茶と花の消費拡大をめざし、形などが悪く流通されない規格外のバラを乾燥させて使うことで食品ロスにも役立つという。 完成したのは、「爽(そう)の香(か)」と「甘(かん)の香」の2種類。爽やかな香りとすっきりとした味わいが心を安らげる「爽の香」にはローズマリー、カモミール、ミカンの皮、レモンバームを配合した。「甘の香」には、フェンネル、カモミール、シナモン、レモンバームを加え、体にやさしく、心を穏やかにする華やかな味わいに仕上げた。 食事で健康を維持する「食養」にも着目し、薬膳の研究も重ねたという。「爽の香」がやさしい味わいなのに対し、「甘の香」はスパイスを利かせたパンチのある味わいが特徴だ。 0.1グラム単位で配合を調整 13日の完成報告会で試飲を… この記事は有料記事です。残り316文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
投資業界経て心の健康守る会社起業 社長が語る「教員向け保健室」
精神疾患で休職した公立学校教員が2022年度、初めて6千人を超えた。民間企業への産業医紹介などを手がける「メンタルヘルステクノロジーズ」(東京)の社長で、文部科学省が始めた教員のメンタルヘルス対策のモデル事業に関わる刀禰(とね)真之介さん(44)に、学校と企業の違いや休職者を減らす仕組みづくりのポイントを聞いた。 ◇ 文科省の調査では、「精神疾患で病気休職をしたり1カ月以上病気休暇を取ったりした教員」の割合は20年度に全体の1・03%だったが、22年度には1・33%に増えた。一方、厚生労働省の調査によると「1年間にメンタルヘルス不調で連続1カ月以上休職した労働者又は退職した労働者」の割合は、1千人以上の事業所では20年の0・8%から22年には1・2%になった。 いずれも割合が増えたのはコロナ禍の影響だろう。職場に行けなかったり、マスクでコミュニケーションがとりにくかったりという環境の変化が主な要因と考えている。教員の場合、一般の労働者より精神疾患の割合が高いのは、心の健康への取り組みの水準が極めて低いからだとみている。 私は20代のころ投資ファンドや証券会社を渡り歩いたが、働き過ぎもあり10年に入院し、翌年、医療に恩返しをしようと医師のデータベースをつくる会社を起業した。さらに、企業の従業員が産業医や産業保健師に気軽に相談できるサービスを軸に、心の健康を改善する取り組みを始めた。 教員の心の病、対策の水準「極めて低い」 そして19年、公務員向けの… この記事は有料記事です。残り1342文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
袴田さん無罪が「最後の大仕事」 再びバッジの77歳、弁護団に復帰
有料記事 小山裕一 田中美保2024年2月21日 6時00分 心強い弁護士が戻ってきた。みそ製造会社専務一家4人を殺害したとして強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(87)の名誉回復をライフワークにしてきたが、体力や気力の限界を理由に長く弁護士を辞めていた。「弁護団の一員として再び力を尽くしたい」。無罪獲得を「弁護士人生最後の大仕事」と決め、主張・立証に心血を注ぐ。 「事件直後から始まった静岡県警の捏造(ねつぞう)が、徐々にエスカレートしていった」 2月14日の第8回再審公判で弁護側の冒頭陳述を担当した田中薫弁護士(77)は法廷で主張した。閉廷後の弁護団会見ではマイクを手にとり、専務宅の「裏木戸」を使った脱出方法をめぐり検察側が展開した主張に反論しながら、当時の捜査の在り方を強く批判した。昨年3月、9年ぶりに弁護団に復帰した田中さん。有罪立証を試みようとする検察側との対決姿勢を見せた。 袴田さん再審に関わって40年あまり 1980年12月に袴田さん… この記事は有料記事です。残り1798文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「事故起きても逃げ場ない」 志賀原発の避難計画、崩れた前提条件
道路に流れ込んだ土砂を撤去するショベルカーの操縦席から、作業員の声が飛んだ。 「ここから先には進めないぞ!」 1月下旬、能登半島地震で震度7の揺れに見舞われた石川県志賀町にある北陸電力志賀原発を起点に、原発事故時の避難ルートを車でたどった。 原発から北に7~8キロ走ると道路は波打ち、一部で土砂崩れが起きていた。さらに北東の輪島市へつながる県道を10キロ進むと、道が完全に塞がれていた。 行き止まり地点の近くに住む50代男性は言った。「原発から離れるにはこの道しかない。もし原発事故が起きても、逃げ場はないよ」 地震の影響で志賀原発では核燃料の冷却に必要な外部電源5回線のうち2回線が使えなくなった。放射能漏れなどの重大な事態は起きなかったが、原発周辺の住民には原発災害時の避難への懸念が広がる。 志賀原発から半径30キロ圏内に暮らすのは約15万人。いまの県や町の計画では、原発北側の住民は重大事故時、能登町など半島の先の方へ逃げることになっている。 だが、昨年12月下旬に就任したばかりの志賀町の稲岡健太郎町長は、こう言う。「陸路のみの避難がまず不可能であることが、今回の地震で分かった。海路や空路がどこまで使えるのか。自衛隊は来てくれるのか。検討すべき課題は多い」 崩れた避難計画の前提条件 能登半島地震が起きた元日… この記事は有料記事です。残り1853文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
焼失した飲食店街をオークションで支援 貴金属、ブランド品次々落札
1月に大規模火災が起きた北九州市小倉北区の鳥町食道街一帯の復興を支援しようと、「モノファンディング」として寄付された物品を換金するオークションが16日、オンライン上で開かれた。 「さあ、5秒前、まだ間に合う。1万5千円いった。はい、1万6千円。はい落札!」 山口県下関市のスタジオから生配信されたオークションは、競り人の軽快なかけ声のもとで進行。思い出の品が次々と落札されていった。 福岡県内で放送しているFMラジオ局「CROSS FM(クロスエフエム)」(北九州市小倉北区)と、オークション事業などを行う「ものばんく」(下関市)が企画。寄付へのハードルを下げてもらおうと、お金ではなく物品を幅広く募り、オークションでお金に換える方法をとった。 寄せられたのは、ペンダント… この記事は有料記事です。残り306文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
リコール署名偽造、事務局長の公判結審 謝罪の一方、政界復帰も示唆
高橋俊成2024年2月20日 19時46分 2019年の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展に端を発した大村秀章・愛知県知事へのリコール署名偽造事件で、地方自治法違反罪に問われたリコール運動団体事務局長で元県議の田中孝博被告(62)の公判が20日、名古屋地裁で結審した。最終弁論で弁護側は無罪を主張した。判決は4月19日に言い渡される。 弁護側は、署名の偽造について「リコール運動の惨敗を避け、体面を保つための演出だった」とし、被告にリコールを成立させる犯意はなかったなどと主張した。 被告はこの日、黒いスーツ姿で出廷。最終陳述で「リコール制度の土台を揺るがすとの(検察側の)指摘もあった。心底よりおわび申し上げたい」などと陳謝。一方で、「研鑽(けんさん)を重ね、改めて政(まつりごと)の活動もしていきたい」と、政界復帰に含みを持たせた。 検察側は事件について「直接民主制への信頼を大きく揺るがした」とし、被告に懲役2年を求刑している。(高橋俊成) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
浜名湖の高校生死亡、17~21歳の5人を傷害や監禁容疑で逮捕
2024年2月20日 19時53分 静岡県湖西市の浜名湖で同県袋井市の通信制高校2年、斉藤宇川(うかわ)さん(17)が遺体で見つかった事件で、県警捜査本部は20日、浜松市中央区佐鳴台2丁目、無職堀内音緒(ねお)容疑者(21)と、18~17歳の少年4人を傷害や監禁の容疑で逮捕し、発表した。警察は認否を明らかにしていない。 逮捕されたのは堀内容疑者と、同区のフィリピン国籍の無職の男(18)▽同県磐田市のブラジル国籍の土木作業員の少年(17)▽浜松市中央区の塗装工の少年(17)▽同区の会社員の少年(17)。 捜査本部によると、堀内容疑者と無職の男は5日明け方、浜松市中央区の別の知人宅近くで、斉藤さんを殴打するなどしてけがを負わせた疑いがある。ほか3人はその後、堀内容疑者と無職の男と共謀し、知人宅近くで斉藤さんを乗用車に監禁した疑いがある。5人とも斉藤さんを殴打した現場におり、斉藤さんと面識がある容疑者もいるという。県警は、斉藤さんが遺体で発見された経緯についても慎重に調べる。 捜査関係者によると、斉藤さんは4日午後7時ごろ、「遊びに行く」と家族に言い残して自宅を出て、浜松市中央区の知人宅を訪問。5日未明まで容疑者らと過ごしその後、外出した。バイクをめぐり、トラブルがあったという。 斉藤さんは9日午後、浜名湖の湖面で浮いているところを釣り人に発見された。司法解剖の結果、殴られたような複数の皮下出血があることなどから県警は暴行を受けて水死させられたと判断し、知人宅に一緒にいた容疑者らを中心に事情を聴いていた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「君」呼び、やめます 品川区議会、きっかけは子どもたちの違和感
議会での「君」呼びをやめます――。東京都品川区議会は20日の本会議から、議員を指名する際の「君」呼びをやめて、「議員」に統一することにした。区議会を動かしたのは、子どもたちだった。 「代表質問を行います。高橋伸明議員」 20日にあった第1回定例会で、議長が質問に立つ議員を呼んだ。これまでは「○○君」と呼んでいたが、「議員」に変わった。 「不思議だった」「面白いと思った」 きっかけは昨年11月、区内の小学6年生33人が、授業の一環で本会議を傍聴したことだった。 「議長が議員を『○○君』と… この記事は有料記事です。残り862文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
映画監督の榊英雄容疑者を準強姦容疑で逮捕 演技指導名目で性加害か
遠藤美波2024年2月20日 20時19分 俳優を目指した女性に性的暴行を加えたとして、警視庁は20日、映画監督でアルバイトの榊(さかき)英雄容疑者(53)=川崎市中原区=を準強姦(ごうかん)容疑で逮捕し、発表した。「冤罪(えんざい)です」と容疑を否認しているという。 捜査1課によると、榊容疑者は2016年5月23日午後10~11時ごろ、東京都港区のマンションの一室で、演技指導をする名目で、俳優を目指していた当時20代の女性に、立場を利用してわいせつな行為をした疑いがある。 2人は榊容疑者が講師を務めていた演技指導のワークショップで知り合ったという。当日は、2人で飲食した後、榊容疑者が「もう少し演技のことを話そう」とマンションに誘い、映画出演をほのめかし「タトゥーがあったら大変だから裸を確認したい」などと言って服を脱がせたという。 他にも同容疑者から性被害にあったという数人の女性からの被害届を受理しているという。 榊容疑者をめぐっては、週刊文春が22年3月、過去の監督作品に出演するなどした複数の俳優らが「性行為を強要された」などとする証言を報道していた。同容疑者が監督で、性被害を描いた映画「蜜月」の公開が直前に中止されていた。 報道を受けて榊容疑者は当時の朝日新聞の取材に、代理人を通じて「報道にあるような性的関係を強要したような事実はありません」とした上で「今回のような騒ぎになったことに関しては、深くおわびいたします」とコメントした。(遠藤美波) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【そもそも解説】祭りや伝統行事、女人禁制なぜ ルール変える動きも
地域に息づく祭りや伝統行事への参加者が男性に限定されている地域も少なくありません。ジェンダー平等や多様性を尊重する考え方が広がるなかで、こうした女人禁制のルールを変える動きもあります。そもそもなぜ女人禁制なのでしょうか。 Q 地域で行われる祭りの中には「女人禁制」のところがあると聞いた。 A みこしを担いだりおはやしを奏でたりする行為を男性に限定する祭りがある。「女人禁制」を明文化していなくても、伝統やしきたりを理由に、女性の参加を認めていない。 Q どうしてなのか? A 祭りや伝統行事の多くに… この記事は有料記事です。残り632文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル