有料記事 西岡矩毅 太田悠斗2024年2月20日 12時00分 【動画】「詐欺だと思います」被害を防いだコンビニ店員、説得の8分間=福岡県警提供 昨年12月の朝。福岡県久留米市のコンビニで、右手に1万円札の束、左手にプリペイドカードを持った50代の男性がレジ前に立った。 「すみません。30万円をこれに」「早くせないかんっちゃん」。男性は焦った様子だった。店員は詐欺を疑った。 「詐欺の可能性の方が高いと思います」「絶対詐欺」「ほぼ詐欺」。言葉を変え説得を続ける店員に、男性はそれでもプリペイドカードの購入を求め続けた。そんな様子が、県警久留米署が公開したコンビニ店内の映像から明らかになった。 県警が、詐欺を信じ込まされた人と店員のやりとりの映像を公表するのは初めて。「いくら説得されても、信じ込んでしまう詐欺の恐ろしさを自分ごととして感じてもらいたい」(県警生活安全総務課)という。 男性が、店員のたたみかけるような説得をうけ、自分が詐欺に遭っているかもしれないと思い直し始めるまで約6分。詐欺を信じ込まされた人がどうなるのか、どう説得すれば詐欺だと気づいてもらえるのか、がわかる映像だ。 30万円分のプリペイドカー… この記事は有料記事です。残り1676文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新潟市の中学校、校舎解体へ 能登地震で12センチずれ、杭にひび
能登半島地震で被災した新潟市西区の坂井輪中学校について、市教育委員会は損傷が激しい校舎の一つを解体すると決めた。1年ほどかけて敷地内の別の場所にプレハブの仮設校舎を建てるとともに、新校舎の検討を進める。 市教委によると、地震後、3階建ての南校舎と、隣接する4階建ての北校舎ともに使用を全面的に中止。損傷程度を詳しく調べたところ、南校舎は全体が南側に12センチずれ、建物を支える杭にひび割れや傾きが生じており、使用するのは困難と判断した。北校舎は修繕で済む見込みという。 授業は1月11日に再開され、3年生と特別支援学級は近くの市立新通小学校で、1、2年生はオンラインで受けている。4月からは新1年生が新通小で、新2、3年生は北校舎で学習する予定という。(茂木克信) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
計画・マニュアルだらけの防災 危機管理アドバイザーも「うんざり」
能登半島地震が起きると、岸田文雄首相は「できることはすべてやる」と言いました。「だったら命の瀬戸際にいる人を守って!」と憤るのは、危機管理アドバイザーの国崎信江さん。有事のたびに新たな計画やマニュアルの作成を押しつける国の災害対応の検証のあり方を繰り返していては「被害は減らない」と訴えています。 ――東日本大震災の後、国土強靱(きょうじん)化が進められましたが、実効性はあったのでしょうか。 「本来、国土強靱化計画は堤防工事のようなハードの整備ばかりでなく、災害が起きた後のソフトな対応を視野に入れた施策です。能登半島地震ではこれが十分に機能せず、計画倒れだったことが最大の問題です」 ――計画倒れですか。 「地域防災計画、国土強靱化計画、消防計画、地区防災計画、非常災害対策計画、要配慮者利用施設における避難確保計画、社会福祉施設等における事業継続計画(BCP)、社会福祉施設等における地震防災対策マニュアル、津波災害警戒区域内の要配慮者利用施設の津波を想定した災害対策マニュアル、個別避難計画、自主防災会防災計画、避難所運営マニュアル等、いったいいくつの計画やマニュアルが存在しているのでしょうか」 「大規模な災害が起きると次々に新しい計画づくりやマニュアルの改定などが各省庁の検討会を経て発生します。そのたびに自治体職員、地域、施設職員は疲弊する。政府の検討会議で『各機関との連携や実効性のある計画書・マニュアルづくりが必要だ』という提言が繰り返されてきましたが、正直うんざりです」 ――ありそうな話ですね。 「過去の災害で計画書やマニ… この記事は有料記事です。残り4861文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
SNS映えの寺、能登地震で拝観中止 修復へ「残さないといけない」
四季折々の庭を、寺の客殿の座卓に反射させたリフレクション(反射)写真がSNSで話題になった青林寺(石川県七尾市)が、能登半島地震で被災し、拝観を中止している。 寺は北陸有数の温泉観光地の和倉温泉にあり、地震前は、国内外の観光客が訪れていた。客殿は大正天皇が皇太子時代に休憩所として利用した「御便殿(ごべんでん)」と呼ばれ、2017年、国指定の登録有形文化財に登録された。 地震で客殿の入り口の廊下は傾き、本堂は屋根の瓦が崩れて雨漏りがある。参道の石の階段は崩れ落ち、庭園には大きな石が落下していた。4月には、客殿の修復作業へ向けて本格的な調査をする予定だ。 副住職の濱田弘康さん(50)は「建物が崩れなかったのは、ありがたいこと。多くの人の思いがあり、守ってきたもので、残さないといけない」と前を向いた。(長島一浩) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
連日の売春の末、ラブホで客を刺した24歳 知的障害に乗じた男の影
2年前の冬、東京・池袋のラブホテルで82歳の男性が刺されて死亡した。翌日逮捕されたのは24歳の女。当時は「パパ活をしていた」などと報じられた。2年を経て開かれた裁判員裁判では、被告には知的障害などがあり、知人の男らに売春をさせられていたことが明らかになった。 2月6日の初公判。東京地裁の法廷に現れた被告の女(26)は、上下黒のパンツスーツに白いシャツ姿。髪を後ろで団子状にまとめて、黒縁眼鏡をかけていた。 被告は2022年1月21日夜、ラブホテルで被害者の男性の財布から現金約3万円を盗み、男性の胸や太ももをカッターナイフで刺して死亡させたとして、窃盗や傷害致死の罪などで起訴された。 裁判長に認否を問われると、よく通る声で「はい、間違いありません」と認めた。 幼少期から支援受けるも… 弁護側は事実関係や責任能力の有無は争わない一方、起訴前の精神鑑定で軽い知的能力障害があり、注意欠如・多動症(ADHD)の程度が重いなどと診断されたと明かし、その影響で、突発的、衝動的な行動をする特性があったと指摘した。 被告の生い立ちと事件までの経緯を、法廷での証拠や母親らの証言からたどる。 被告は広島県出身で、3人姉妹の長女。「落ち着きがなく、手がかかる子」(母親)で、思ったら行動してしまう、人の物を取る、忘れ物をする、といったことが多かった。学校で同級生からからかわれたりいじめられたりして、校庭に「お前なんか死ね」と書かれたこともあった。 幼少期から医療や福祉とはつ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
容疑の男、離婚後「子どもはかわいい」 5歳児望愛ちゃん虐待死事件
有料記事 福岡龍一郎 野田佑介2024年2月20日 5時30分 青森県八戸市で1月、宮本望愛(のの)ちゃん(当時5)に自宅の浴槽内で水をかけて放置し、低体温症で死なせたとして、いずれも無職で母親の宮本菜々美(22)と内縁の夫の関川亮(31)の両容疑者が、傷害致死の疑いで逮捕された事件。県警は、関川容疑者が虐待を主導したとみているが、容疑者を知る人の中には、なぜ周囲が気づけなかったのか、悔やむ声も聞かれた。 関川容疑者が生まれ育ったのは、八戸市沿岸部にある漁業が盛んな集落だ。昨年7月、親戚の60代の男性は、ウニ漁を手伝いにきた関川容疑者に会っていた。宮本容疑者や望愛ちゃんたちと市内で一緒に暮らし始めて間もない時期だった。 男性は「(関川容疑者は)いつもと変わらない様子だった」と振り返り、「周りが虐待に気づいてあげられず、亡くなった子どもに本当にかわいそうなことをした」と声を詰まらせた。 「子どもはかわいいが、親権を妻に取られた」 関川容疑者が幼いころには… この記事は有料記事です。残り761文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「性教育の充実を」 児童による盗撮で大学生らが陳情 東京・武蔵野
東京都武蔵野市の小学校で子どもによる盗撮問題が起きたことを受け、市内の大学生らが、性教育の充実などを求める陳情書を市議会に提出した。子どもを性暴力の被害者にも加害者にもしないために――。陳情は、20日から始まる市議会第1回定例会の中で審議される予定だ。 「こんな身近で起きるなんて」 同市の市立小を卒業した国際基督教大学(三鷹市)2年の坂本亮さん(20)は、今回の出来事に衝撃を受けた。一方で「今の子どもはデジタル機器が身近にある。僕たちの時代でも、小学校で端末が配られていたら起こり得た問題だ」と思ったという。 市教育委員会などによると、昨年12月、高学年の複数の男子児童が、女子児童の更衣室にタブレット端末をしのばせ、着替えの様子を盗撮。盗撮行為は複数回あり、男子児童の間で画像データの共有もしていた。使われた端末は、学校が1人1台配布しているものだった。 4割以上が「身の回りで盗撮を見聞き」 問題を知り、坂本さんは今月… この記事は有料記事です。残り699文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国土強靱化、土木学会元会長「力及ばず」 能登で考えた防災の新発想
能登半島地震では、「国土強靱(きょうじん)化」のかけ声で投資と整備を推し進めてきたこの国のインフラのもろさが明らかになっています。社会基盤学が専門で、土木学会の元会長でもある政策研究大学院大学の家田仁特別教授に聞きました。 ◇ 土木学会の特別調査団の一員として、さまざまな分野の専門家と石川県珠洲市や輪島市などを2月初めに訪れました。この国は「国土強靱化」をうたってきましたが、力及ばずだったことを痛感しました。複合災害に至っていることを半島の特殊性だと指摘する声もありますが、これは日本の地方における典型的な災害だと考えるべきです。 日本全体で人口も減り、財政も厳しくなるからこそ、この能登半島地震の災害を他山の石として、教訓を全国で生かさなければなりません。いつ日本中のどこにやって来てもおかしくない震災に備えるため、次のような点が重要です。 まず災害時に孤立集落が発生… この記事は有料記事です。残り824文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
文科省、旧統一教会を「指定宗教法人」に指定へ 財産の監視強化
2024年2月19日 19時30分 文部科学省は、解散命令請求された宗教法人の財産流出を抑止するために制定された特例法に基づき、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を同法の対象に指定する方向で調整に入った。関係者によると、同省は指定に向け、弁明を求める通知書を教団に送付。回答期限は3月上旬とした。この回答と宗教法人審議会の意見を踏まえ、指定を最終決定する。 特例法は、超党派の議員立法で昨年12月に3年間の期限付きで成立。所轄庁(文科相など)が法令違反を理由に解散命令を請求し、被害者が数十人程度▽財産処分の把握などが必要――といった条件を満たす宗教法人について、「指定宗教法人」または「特別指定宗教法人」に指定することにより、財産処分の監視強化が可能になった。 例えば、指定宗教法人では①不動産の処分などは1カ月前までに所轄庁に通知②四半期ごとに財産目録などの写しを所轄庁に提出――といった義務が課される。通知なしに財産を処分すれば法的に無効になる。特別指定宗教法人ではそれに加えて、被害者が法人の財産目録などの写しの閲覧を請求できる。文科省は今回、指定宗教法人への指定を視野に入れている。 文科省は昨年10月、旧統一教会への解散命令を請求。今月22日には国と教団双方の主張を聞く「審問」が東京地裁で初めて開かれる予定だが、裁判所が解散命令の可否を決定するまで長期間かかる見込み。それまでの間に被害救済の原資になる教団の財産が流出するおそれが指摘されてきた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
破産の東京ミネルヴァ法律事務所を除名処分 25億円の不正流用認定
2020年に破産手続きを開始した弁護士法人「東京ミネルヴァ法律事務所」(東京都港区)について、第一東京弁護士会(一弁)は19日、ミネルヴァを17日付で除名の懲戒処分にしたと公表した。一弁は、金融機関から回収した過払い金約30億2千万円のうち、ミネルヴァが約25億4千万円を依頼者に返さず不正に流用したと認定した。 除名は、弁護士・弁護士法人の身分を失わせる最も重い処分だが、ミネルヴァは既に活動実態がなく、事実上の影響はない。 ミネルヴァは、過払い金の返還請求や、B型肝炎の給付金請求などを全国規模で手がけていた。だが、依頼者から、連絡がつかないなどの苦情が相次ぎ、一弁がミネルヴァの破産を申し立て、東京地裁が20年6月に破産手続きの開始を決めた。 一弁によると、ミネルヴァの運営では、事務所のネット広告を担っていた広告業者らが事務所に事務員を派遣。ミネルヴァの名義を使い、電話相談や契約書案の作成などの法律業務まで担っていたという。 ミネルヴァの代表弁護士を務めていた男性は、一弁の調査に「事務所は業者に実質的に支配されていた。預かり金は業者に広告宣伝費などの名目で支払われ、依頼者に返金できなかった」などと説明。一弁も、業者による支配を認定した。 一弁の永塚弘毅副会長は「非違行為があったことを重く見て弁護士会として懲戒処分をした」とした上で、「事案を厳粛に受け止めて再発防止に努める」と話した。(遠藤隆史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル