有料記事 増山祐史 長妻昭明 太田原奈都乃2024年2月18日 5時00分 【動画】次女を殺害した容疑で逮捕された父親の細谷健一容疑者(43)と母親の志保容疑者(37) 東京都台東区の自宅マンションで昨年3月、当時4歳の次女に不凍液などを飲ませて殺害したとして両親が逮捕された事件で、父親の姉=2018年に41歳で死亡=について、両親が周囲に「死因は分からない」「急死した」などと話していたことが関係者への取材で分かった。父親の姉は、不凍液を摂取した形跡が死後に確認され、警視庁は死亡の経緯を調べる。 父親の細谷健一(43)と母親の志保(37)の両容疑者は共謀して昨年3月12日ごろ~13日、自宅で次女の美輝(よしき)ちゃんに抗精神病薬「オランザピン」と不凍液「エチレングリコール」を摂取させ、殺害した疑いがある。逮捕時、健一容疑者は否認し、志保容疑者は黙秘したという。 捜査関係者によると、健一容疑者の姉は18年4月、両容疑者と同じマンションの別の部屋で死亡しているのが見つかった。死後数日で、行政解剖で死因に不審な点はないとされた。美輝ちゃんの死後、警視庁が残されていた姉の腎臓を調べ、エチレングリコールを摂取した形跡が確認された。 関係者によると、姉について健一容疑者は昨年11月、児童相談所との面談の中で「自宅で亡くなった。死因は分からない」などと説明。志保容疑者は逮捕前、別の関係者に「急死した」などと話していたという。 警視庁は、姉はエチレングリコールなどを摂取したことで死亡した可能性もあるとみている。 倒れた次女 健一容疑者「脈を確認して外出した」 健一容疑者が逮捕前の任意聴… この記事は有料記事です。残り513文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名古屋市教委幹部に200万円超「上納」か 教員人事推薦で金品授受
有料記事 寺沢知海 山田知英2024年2月18日 5時00分 名古屋市立小中学校の教員人事の際に教員団体から市教育委員会教職員課に推薦名簿と一緒に金品が渡されていた問題で、人事案を承認する市教委幹部個人に2018年度以降で計200万円超の支出があったと同課の内部資料に記録されていたことがわかった。この幹部は朝日新聞の取材に「活動費」名目での現金受領は認めたが、人事への影響は否定した。 教職員人事を担当する教職員課には毎年夏ごろ、翌年度の校長や教頭、教務主任の人事について市内各区に設けられた校長会、教員の母校の同窓団体、担当教科の研究会などから推薦名簿が提出されている。その際、団体から現金や商品券が贈られ、同課内で管理されていた。 市教委は11日に記者会見を開き、今年度は推薦名簿を提出した86団体のうち、少なくとも40団体以上から約200万円が同課に集まっていたと公表し、謝罪していた。 朝日新聞が入手した教職員課作成の資料によると、この幹部は局長級の現職の学校づくり推進監。教職員課長だった18年度以降で、「活動費」として計二百数十万円が支出先として記載されていた。同課に約200万円が集まった今年度は、そのうち四十数万円がこの幹部への支出として記載されていた。 市教委によると、学校づくり推進監は、校長や教頭を含めて教職員課が作成した人事案を承認する職務があるという。 この幹部は朝日新聞の取材に「活動費」名目での現金受領を認めた上で、「立場上、いろんな会があるので、それの補助を、という意味でもらった。人事への影響は100%ない」と話した。一方で使い道や総額など詳細については「市教委の調査に話す」とした。 市教委の11日の記者会見に… この記事は有料記事です。残り710文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ビニールハウスで1カ月 輪島の被災者が便利さよりも大切にするもの
勤務する神戸を離れ、能登半島地震で被災した石川県輪島市を1月末から2月上旬に取材した。今なお断水が続き、避難所生活を余儀なくされている被災者との出会いの中で驚かされたのは、地域コミュニティーの結びつきの強さだった。 取材のきっかけは、輪島市が配布している、避難所の一覧表だった。 学校の体育館など行政が運営する「指定避難所」に加え、お寺や町内の集会所、個人宅などの「自主避難所」がいくつもあった。 なぜ指定避難所に行かないのだろうか。そんな疑問を抱いて1月末、一覧にあった「長井町 ビニールハウス」に向かった。 市中心部から車で15分ほど。それらしきビニールハウスを見つけ、「こんにちは」と言って入り口をのぞくと、中の男性と目が合った。笑顔で手招きされた。 ビニールハウスの持ち主、保靖夫(ぼうやすお)さん(69)。ここには10~70代の4世帯11人が自主避難している。みんな「元々よく知っているご近所さん」だという。 斜め前は指定避難所だけど… そばに並んだ段ボールベッド… この記事は有料記事です。残り1251文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海外のファッション業界より水産仲卸 男社会に飛び込んだ女性経営者
男性の働き手が多い水産仲卸業界で奮闘する女性経営者がいる。宇都宮市の苅込陽加(かりこみはるか)さん(26)だ。水産仲卸業の家に生まれたが、業界入りは親に反対された。フランスのファッション会社への就職も決まっていた。なぜ挑戦したのか。 2月中旬、月1回の「うんめ~べ朝市」でにぎわう宇都宮市中央卸売市場。水産卸売会社が並ぶ一角で、「苅込」取締役の苅込さんが、7、8人の客に見つめられながらブリをさばいていた。「職人さんから少しずつ教わってきた。普段はしないが、イベントだったのでさばいた。上手ではないけれど、切り身にするぐらいならできる」と笑う。 苅込さんは、幼いころから市場に慣れ親しんできた。「毎朝連れてこられ、みんなにかわいがってもらった。もちろん毎日魚を食べていた」。この春に大学に進む弟と2人きょうだい。2018年に亡くなった祖父の弘さんから「社長になるんだぞ」と言われて育った。 だが、家業を継ぐとは思っていなかった。高校時代、経営学に興味を持った。約1週間訪れたベトナムで働く機会に恵まれない人たちの存在を知り、経営者になりたいと思ったからだ。台湾に留学して中国語を学び、もっと世界を見てみたいとも考えた。大学在学中に欧州に留学し、ワインで有名なフランス・ボルドーなどで伝統や文化を大切にしながら商品の価値をどう高めていくかというブランディングの勉強をした。卒業後はフランスのファッション会社でマーケティングの仕事に携わるつもりでいた。 転機は新型コロナウイルスの… この記事は有料記事です。残り1134文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
急死した伝説のボクサーの背中追って 親友「お父さんそっくりに」
絶対に、負けるわけにはいかない。 ゴングとともに、激しい打ち合いになったが、下がらない。 昨年5月下旬、岩手県高校総体ボクシング競技女子最軽量のピン級決勝。 お父さんと同じ高校チャンピオンになる――。 岩手県立釜石高校3年の菊池麗(あきら)さん(18)にとって、この日がその夢への第一歩だった。 「サイドを使え」「自分から行け」。佐々木彰コーチ(50)の指示が飛ぶ。持ち味の右ストレートが、次々と決まる。レフェリーが、その手を高々と挙げた。全国大会への道がつながった。 佐々木さんがコーチになって、1年が経とうとしていた。 葬儀の席で 「麗をお願いします」 麗さんの父、拓さんは、地元… この記事は有料記事です。残り917文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「水道から出た温かいお湯に涙」 能登半島先端の町で断水から復旧
能登半島地震の被害で、石川県内では断水の復旧が進まない地域が多い。そんな中、珠洲市の北端にある折戸町で、水道が通水し始めた。町中心部の高台にある避難所でも14日から水が出始め、風呂や食事に生かされている。避難所を出て自宅に戻り、生活の再建に向けて取り組み始めた人もいる。 15日、穏やかな海のさざ波が聞こえる折戸町唯一の美容室「トラーニヘアー」。店主の吉井謙太さん(46)が、被災した男性の洗髪をしていた。吉井さんによると、これまでは裏山からくみ上げた水を五右衛門風呂で沸かして、近隣住民の洗髪や散髪などを無償でしてきた。 美容室でも14日に通水し、本格的な営業再開に踏み出す。まず、近隣住民を中心に営業を始めるという。 吉井さんは、「水道から温かいお湯が出た時は涙が出るほどだった。県内を見渡せば喜べる状況ではないが、一歩前進した」と話した。 同じく同町で被災した女性(73)は、娘のいる同市飯田町で避難生活を送っていた。通水したことを知り、15日に自宅へ戻り、洗濯したという。 「子どもたちもお風呂に入りに行きたいと言っていた。本当に助かります」と話した。だが一方で、「家が壊れて折戸町から離れて暮らす人も多い。自宅に住める状態だったのは幸いだったが、自分だけ良い状況なのが心苦しい」と心境を話した。(金居達朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
H3ロケット成功、プロマネ「あの闇夜を抜けてよかった」 会見詳報
初号機の失敗から1年。日本の新型ロケット「H3」2号機の打ち上げ後の記者会見は、笑顔が見える穏やかな雰囲気だった。 結果は、ミッションコンプリート。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の岡田匡史プロジェクトマネージャは冒頭、「ようやくH3がおぎゃーと産声をあげることができた」と発言。100点満点で何点かと問われると、隣に座る三菱重工業の新津真行プロジェクトマネージャーに目を向けて、「満点です」と笑った。 一問一答は次の通り。(敬称略) 「あまりうるさくできなかったが、大声でよっしゃー」 Q H3を今後どう育てていく? 岡田 H3はまだ打ち上げを2回経験しただけ。製造して打ち上げるまでの全体の流れがまだちゃんとつくれておらず、手のかかる状態。H3を宇宙の軌道ではなく、事業の軌道に乗せていくのが重要だと思う。 新津 私も非常にほっとした。(採点は)100点満点と思う。(今後は)毎回喜ぶのではなく、成功が当たり前になるように淡々と打ち上げられるようにしたい。 Q 第2段エンジン着火のタイミングで「よっしゃー」という声が中継映像から聞こえた。 岡田 オペレーションが続いているので、あまりうるさくできなかったが、その時だけ許してねと「よっしゃー」と大声をあげた。(着火は)しくじらないと思っていたが、100%ではないので、クリアできた安心感があった。 新津 私も万が一、ここで失敗したら……という思いがあって、着火という信号が返ってきた時、みんなで声をあげた。 Q 衛星が分離された際、熱い抱擁が中継映像に映っていた。 岡田 やりすぎましたね(笑)。笑いながら泣いていました。 「出口の見えない夏。闇夜を抜け出した」 Q 失敗から1年。苦しい時… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長崎皇帝パレードに福山雅治さん「帰って来たばい」 2万6千人歓声
有料記事 岡田真実 小川崇 寺島笑花 藤原泰子2024年2月17日 20時00分 【動画】皇帝姿でパレードに姿を見せた福山雅治さんら=岡田真実、寺島笑花、小川崇撮影 長崎市で25日まで開催中の長崎ランタンフェスティバル。人気イベント「皇帝パレード」が17日にあり、いずれも長崎出身で、シンガー・ソングライターで俳優の福山雅治さんが皇帝役、俳優の仲里依紗さんが皇后役で登場した。 ランタンフェスは地元中華街の華僑の人たちが1987年に始めた中国の春節(旧正月)を祝う行事が起源で、パレードでは中国の清朝時代の皇帝、皇后が新年を祝う様子を再現する。 今年は福山さんらが出るとあって、約1・3キロの特別コースを設定。観覧エリアとして用意された約2万6千人分に、倍率6・5倍の約17万人の応募があった。 午後1時半、出発地点の出島に中国風の衣装を身にまとって登場した福山さんは「帰って来たばい、長崎!」。「皇帝パレードが行われることは、長崎という町が平和であることの証し。日本全国、アジアを含め世界に発信していければ」とあいさつ。2人はみこしに乗り込み、やり隊や旗隊など約130人を従えながら出発した。 観覧エリアに17万人応募、抽選倍率は6・5倍 沿道には当選に当たった約2… この記事は有料記事です。残り808文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
奇祭・蘇民祭に幕「残念だが全力で」 千年以上続くも担い手不足に
千年以上の歴史があるとされる岩手県奥州市の黒石寺の奇祭「黒石寺蘇民祭」が17日夜、開かれた。御利益があるとされる「蘇民袋」を、上半身裸で下帯姿の男衆が奪い合うことで知られる伝統行事。関係者の高齢化や担い手不足を理由に、今年で最後となった。 蘇民祭は通常、旧暦正月7日の晩から8日の早朝に行われてきたが、今年は午後6時から時間を短縮して実施。祈願者が角灯を持ち、川で身を清めた後、「ジャッソウ、ジョヤサ」の掛け声と共に薬師堂などを巡り、五穀豊穣(ほうじょう)などを祈った。 同祭保存協力会青年部の菊地敏明部長(49)は17日午後、「最後になってしまったのは残念だが、全力でやりきりたい。記憶に残る蘇民祭にしたい」と話した。 2008年には奥州市が蘇民祭の観光ポスターを駅構内などで貼り出してほしいとJR東日本に依頼したところ、「裸の姿が不快感を与えるおそれがある」と断られ、全国的に注目を集めた。(三浦英之) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
境内に5千体のおひな様 桃の節句には「雛流し」 和歌山・淡嶋神社
遠藤真梨2024年2月17日 21時00分 和歌山市加太の淡嶋神社で、全国から寄せられたひな人形5千体が本殿に飾られている。 同神社では、桃の節句の3月3日、白木の舟に乗せたひな人形を海へ流し、女性の幸せを祈る伝統行事「雛(ひな)流し」が行われる。当日は女性の参拝者が、ひな人形を乗せた白木の舟を神社近くの桟橋まで担いで運ぶ。 江戸時代、紀州徳川家に姫が生まれた初節句に、人形を神社に奉納したことが始まりという。 宮司の前田智子さん(55)は、「今年の3月3日は大安。幸せ祈願にたくさんの方に参加してほしい」と話した。(遠藤真梨) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル