中沢滋人2024年2月16日 20時30分 北海道・知床半島沖で一昨年4月、観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没し、20人が死亡、6人が行方不明になっている事故で、当時7歳だった息子と元妻(当時42)が行方不明になっている十勝地方の男性(51)が、息子について認定死亡の申請をしたことがわかった。男性は、遺族らが今春にも、運航会社「知床遊覧船」と桂田精一社長に対して、損害賠償を求める集団訴訟に原告の一人として参加する。 男性によると、昨年11月、知床観光船事件被害者弁護団から訴訟への参加意思を確認され、原告になるには、遺族でなければならないとして決断したという。今月13日、書類を行政機関に提出した。男性は「自分の中でいまだ受け入れられず、息子の帰りを待ちたいという気持ちは、事故当時から全く変わりない。が、裁判に参加するため決断した。裁判で(桂田社長に)どういうふうに思っているのか聞きたいし、重い責任を取ってもらいたいと思っている」と話した。 事故直後から始めた、夢に息子らが出てきた際、忘れないようにノートに内容を記録することは、2年近く経った今も続けているという。(中沢滋人) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京大「吉田寮」訴訟、在寮生14人への明け渡し請求認めず 京都地裁
光墨祥吾2024年2月16日 20時35分 築110年を超え、現役の学生寮として国内最古とされる京都大学「吉田寮」(京都市左京区)の現棟(旧棟)に住む学生らに大学が明け渡しを求めた訴訟で、京都地裁(松山昇平裁判長)は16日、在寮生14人について大学の請求を棄却し、居住を認める判決を言い渡した。 吉田寮には1913年建築の現棟と2015年建築の新棟がある。大学は17年12月、現棟の耐震性に問題があるとして、寮生の安全確保を目的に18年9月末までに退去するよう通告した。一部の寮生は退去せず、大学は19年に提訴した。 吉田寮では、入寮の募集や選考を自治会が担っている。この点について大学は、在寮契約を結ぶ権限を自治会に与えたことはないと主張。また、退去を通告する際に格安の代替宿舎を用意するとしており、在寮契約が結ばれていたとしても解除されたと訴えた。 判決は、大学と自治会が締結した確約書に基づき、「入寮手続きを自治会が行う合意が成立していた」と指摘。退去通告前に入寮した14人は明け渡す必要がないと判断。通告後に入寮した3人には明け渡しを命じた。 判決はさらに、「寮生らは寮が自治会によって自主運営されていることに大きな意味を見いだして入寮している」と言及。代替の宿舎を提供するだけでは目的が達成されないと指摘した。 また、大学が依頼した耐震診断が補強案を前提としていた点などを指摘し、「耐震性能が不足していても、これを理由に契約継続が著しく困難になったとは認められない」と結論づけた。 一方、既に退寮した元寮生23人に対しては、寮内の共用スペースや個室に書籍や生活用品が残っているなどとして、明け渡しを命じた。(光墨祥吾) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京大吉田寮の「自治の価値」認定 寮生「話し合いで合意形成望む」
「思いもよらぬ、うれしい判決にびっくりしている」。被告の1人で寮生の松村主承(かずのり)さん(26)は、判決後の記者会見で喜びを語った。 「自治会と大学の間で交わされてきた確約という約束が、一方的に反故(ほご)にされてはいけないと認められたのが大きい」とも話した。 大学は1982年、吉田寮を廃止する方針を示し、自治会が反発。補修も視野に話し合ったが折り合いがつかなかった。 大学は17年、新たな入寮の… この記事は有料記事です。残り754文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小2児童3人横断歩道ではねられ2人重傷 運転の88歳を逮捕、新潟
鈴木剛志2024年2月16日 21時00分 16日午後3時20分ごろ、新潟県新発田市富塚町2丁目の市道で、横断歩道を歩いていた小学2年生の児童3人が軽ワゴン車にはねられた。男児(8)と女児(8)がそれぞれ頭と腰を打って搬送され、重傷。命に別条はないという。残る男児(8)も左手にすり傷を負った。 県警は車を運転していた同市東新町4丁目の無職女(88)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕。当時の状況を詳しく調べている。 新発田署によると、現場は信号機のないT字路交差点。女は直進して通過する際、右から歩いてきた3人をはねたという。調べに「3人に横断歩道でぶつかったことは間違いない」と供述し、容疑を認めているという。(鈴木剛志) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小池百合子都知事「把握してなかった」 二階氏の「小池本」大量購入
太田原奈都乃2024年2月16日 21時27分 自民党の二階俊博元幹事長が代表を務める政治団体が「小池百合子の大義と共感」というタイトルの本を大量購入していたことについて、東京都の小池百合子知事は16日、「今回、それは把握しておりませんでした」と述べた。同日の定例記者会見で質問に答えた。 二階氏の事務所によると、3年間で3472万円をかけて購入したとする書籍は17種類(計2万7700冊)。その中に、同書(大下英治氏著=3千冊、計396万円)が含まれていた。 小池知事は会見で、「著者は大下さん。(私の)直接の本ではない」とも述べた。二階氏の事務所は、同書を含む書籍の大量購入について「選挙区外の行政、議会関係者らに配布し、政策広報に努める」ためだったと説明している。(太田原奈都乃) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「飼い主と猫の命と健康を守るため」 ネコバス、被災地に出動
能登半島地震で被災し、飼い主とはぐれたり、所有権がわからなくなったりしている飼い猫の一時預かり施設が7日、石川県珠洲市野々江町に開設された。岐阜市の一般社団法人「ネコリパブリック」が、珠洲市内の住民から借りた農業用倉庫を使って猫を預かる。 代表の河瀬麻花さん(49)によると、倉庫にはスタッフが交代で常駐し、猫の世話をみている。倉庫で預かるのは原則1週間。その間に飼い主の生活状況が回復しない場合、法人が所有する岐阜県飛驒市のシェルターに専用のバスで送られ、最大1年間無償で預かる。猫の所有権が放棄された場合には、譲渡ができる保護施設に送られ、譲渡会などで引き取り手を探すという。 法人は1月11日から猫の捜索や保護を行ってきた。当時はスタッフが岐阜県飛驒市のシェルターと被災地を往復しながら、猫を預かってきた。だが、猫とスタッフの健康を考慮し、倉庫を借りて猫と生活することにした。 移動用のバスは、法人が譲渡会の時などに利用してきたもの。暖房やケージなどを完備し、「飼い主も安心して送ることができる」という。運搬できる猫が一定数集まったら、バスを使ってシェルターや保護施設に運ぶという。 法人ではこれまでに45匹の猫を保護。うち5匹は飼い主の元に戻り生活している。19匹は所有権が放棄され、譲渡会などで引き取り手を探す。 河瀬さんは、「飼い猫がいるために避難所に行けず、車中泊を繰り返して体調を崩す人も多い。被災地での生活が整うまで、飼い主と猫の両方の命と健康を守るための仕組みづくりに尽力したい」と話している。 法人は他団体と協力し、被災地で発見した所有者不明の動物の保護に関するデータベースも開発し、行政に提出することで、被災動物の把握と追跡ができるという。 法人はHP(https://www.neco-republic.jp/)で一口千円から支援を募っている。(金居達朗) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
核ごみ文献調査の報告書案に北海道知事が苦言「多様な意見を載せて」
長谷川潤2024年2月16日 18時30分 高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の候補地選定をめぐり、原子力発電環境整備機構(NUMO)が公表した文献調査の報告書案に鈴木直道知事が苦言を呈した。現時点では、次の段階である概要調査への移行に反対の立場をとる自らの意見が反映されていないことなどに触れ、「多様な意見があることを踏まえないと客観、中立、公正な議論ができない」と指摘した。15日の記者会見で質問に答えた。 文献調査は北海道寿都町と神恵内村で進められてきた。次の概要調査に移行する際は、地元首長と知事に意見を求めることになっている。 鈴木知事は、これまで記者会見などで移行には反対の姿勢を示してきた。報告書案には、多様な意見があったとする記述はあるが、知事の反対姿勢や地元で重ねた対話での声などは反映されていない。 「いろいろな意見が北海道であったことがわからないと、この間の苦しみもわからない。それでは、ほかの地域の人は、北海道でやればいいじゃないかということになってしまう」 鈴木知事は、道内の幌延町で地層処分のための深地層研究を受け入れてきたこと、その不安から核のごみを「受け入れがたい」とする道条例ができたこと、自身が同条例を根拠に概要調査への移行に反対していることなどを広く知ってもらい、全国的な議論にすべきだと訴えた。 報告書案は、今後、審議会などで議論され、正式な報告書になる。(長谷川潤) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 核のごみを問う 原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場をめぐる動きをまとめました[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
訪問の職員に「たたかれたりしてない」 5歳女児虐待死で児相が会見
有料記事 野田佑介 古庄暢2024年2月16日 18時40分 青森県八戸市で1月、当時5歳だった宮本望愛(のの)ちゃんに浴室内で水をかけて放置し、低体温症で死なせたとして、ともに無職で母親の宮本菜々美(21)と内縁の夫の関川亮(31)の両容疑者が、傷害致死容疑で逮捕された事件。 逮捕翌日の16日、八戸児童相談所を所管する県が会見を開き、対応について説明した。 会見で、児相は昨年7月に最初の虐待通告を受けていたが、実際に両容疑者と望愛ちゃんに面会できたのは昨年10月末の1回で、その1カ月後には指導を終結していたことが明らかになった。 県によると、両容疑者と望愛ちゃん、弟(1)は昨年6月、千葉県松戸市から八戸市に転入。 7月28日には、警察や行政関係者以外の人物から児相に、「内縁の夫(関川容疑者)が女児を蹴ったり、たたいたりしているのではないか。母親(宮本容疑者)も放置している疑いがある」と、最初の虐待通告が寄せられた。 二度の虐待通告も救えなかった5歳の命、児相の見解は さらに9月22日、その1週… この記事は有料記事です。残り1289文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
手遊び歌大好きだった美輝ちゃん 父の弁護士「かわいがっていた」
東京都台東区の自宅マンションで昨年3月、当時4歳の次女に薬品を飲ませて殺害したとして両親が逮捕された事件で、亡くなった美輝(よしき)ちゃんは3人きょうだいの末っ子だった。 「『ひげじいさん』の手遊び歌が大好きで、ぐずっても歌ってあげると笑っていた。かわいらしい子どもだった」 美輝ちゃんが2歳の時に通っていた都内のマッサージ施設の院長はこう話す。 2021年の春から11月にかけ、幼い姉、健一容疑者と一緒に月1回ほど通った。院長は毎回体を確認していたが、あざや傷、虫歯など虐待が疑われる兆候はなかった。23年春、姉と兄だけが再び通い始めた時、健一容疑者は美輝ちゃんについて「亡くなっちゃいました」と明かしたという。 23年9月、警視庁の警察官… この記事は有料記事です。残り440文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
祖母に懲役9年判決 大阪・富田林2歳女児死亡 大阪地裁堺支部
前田智 井石栄司2024年2月16日 15時06分 大阪府富田林市で2022年6月、当時2歳の女児が自宅で熱中症で亡くなった事件で、保護責任者遺棄致死と逮捕監禁の罪に問われた祖母の小野真由美被告(47)の裁判員裁判で、大阪地裁堺支部(藤原美弥子裁判長)は16日、求刑通り懲役9年の判決を言い渡した。判決は量刑理由として、「女児の両腕、両足を緊縛し、劣悪な環境のベビーサークルに閉じ込めたのは悪質で危険性が高い」などと指摘した。 亡くなったのは小野優陽(ゆうは)ちゃん。起訴状などによると、小野被告は内縁関係の桃田貴徳被告(52)=懲役6年の判決を受け控訴中=と共謀。22年6月24~27日に計57時間、自宅寝室のベビーサークル内に優陽ちゃんを閉じ込めた。27日夜には優陽ちゃんの手足を粘着テープで縛り、小野被告らが大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)へ旅行中、29日までサークル内に放置。十分な水や食料を与えず、熱中症で死亡させたとされる。 検察側は論告で、小野被告が22年5月ごろ、優陽ちゃんがおむつを投げるようになったため、サークル側面や上部を板で囲み、外泊のたびに閉じ込めるようになったと主張。「外泊を楽しみ、自宅を汚されないようにするためとの動機は身勝手。常習的な虐待の一環で、貴い命が奪われた結果は重大だ」と訴えた。 弁護側は、小野被告が幼少の実子もいるなか、精神的に不安定になり、養育に限界を感じていったと指摘。富田林市に相談しても適切な対応を受けられなかったことなど、公的機関や桃田被告の責任も小さくないと訴え、「懲役5年6カ月が適当」と主張していた。 小野被告は起訴内容を大筋で認め、「自分の命と代えても守ってあげないといけなかった」と謝罪した。 検察側の証拠や大阪府警によると、小野被告は桃田被告、優陽ちゃんと小野被告の四男(17)、五男(7)と同居。優陽ちゃんが死亡した当日、小野被告と桃田被告、五男は大阪市のUSJに出かけていて、学校から帰った四男がサークル内で倒れていた優陽ちゃんを見つけたという。 桃田被告は無罪を主張したが、昨年12月の一審・同支部の裁判員裁判で懲役6年の判決を受け、大阪高裁に控訴している。(前田智、井石栄司) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル