能登半島地震で被災した石川県珠洲市の飯田港で27日、津波で転覆した漁船などの引き上げが始まった。発災直後から支援物資が陸揚げされたが、港の奥までは漁船などに阻まれ、近づけなかった。国は物資や災害廃棄物などの運搬力の向上をめざし、作業を急ぐ。 国土交通省によると、港では漁船約15隻が転覆するなどし、海中に消波ブロックや漁具も沈んでいる。この日は業者が朝から作業。座礁した漁船1隻を船で引いて移動させ、大型クレーンで引き上げた。作業は4月中に完了する見込みという。 この日引き上げられた漁船の所有者で、同市野々江町の漁師濱野慶弘さん(66)は、「やっぱり涙が出るわいね。漁業者にとって船は家といっしょ」と語った。 漁船の名前は「力丸」といい、20年以上漁をともにしたという。引き上げられた船を濱野さんは名残惜しそうに見つめた。この船は廃船にし、残った1隻の漁船で漁師を続ける考えだという。 飯田港については、国交省北… この記事は有料記事です。残り273文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元交際相手に懲役17年判決 相模原の墓地に遺棄した女性への殺人罪
相模原市の墓地で2015年に女性の遺体が見つかった事件で、殺人罪に問われた元交際相手の佐藤一麿(かずまろ)被告(38)に対する差し戻し後の裁判員裁判の判決が27日、東京地裁であった。野村賢裁判長は、被告に求刑通り懲役17年を言い渡した。 弁護側は「被害者が自ら大量に睡眠薬を摂取して死亡した可能性がある」と訴えたが、判決は殺人罪の成立を認めた。 起訴状によると、佐藤被告は13年6月10日ごろ、東京都新宿区にある交際相手の女性(当時25)のマンションの一室で、女性に睡眠改善薬を飲ませたうえ、首を圧迫し、薬による中毒か頸部(けいぶ)圧迫による窒息で殺害したとされる。 高裁、「中毒死の可能性」指摘して差し戻し 遺体は15年6月、相模原市の墓地の敷地内に埋められた状態で見つかった。被告は、女性の遺体を遺棄したことは認めて有罪判決を受けたが、殺人については一貫して無罪を主張している。 検察側は当初、死因を「頸部圧迫による窒息死」として起訴。19年の東京地裁判決は、窒息による殺人罪の成立を認め、被告を懲役17年とした。 だが東京高裁は20年の判決で、「死因を窒息死と認める証拠は不十分で、睡眠改善薬による中毒死の可能性が否定できない」と指摘。被告が殺害目的で薬を摂取させた疑いがあるとはしつつ、女性が薬を使って自殺しようとした可能性についても審理を尽くす必要があるとして、地裁に審理を差し戻した。 その後、検察側は、起訴状の死因を「頸部圧迫による窒息死か睡眠改善薬による中毒死」に変更。女性が自殺するような事情はなく、仮に薬による中毒死だったとしても「被告が殺意を持って服用させた」と主張していた。(田中恭太) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
預けた高級腕時計、シェアサービス終了前に市場流出 「計画的売却」
高級腕時計のシェアサービス「トケマッチ」が1月末で突然終了した問題で、運営会社に所有者が預けた腕時計の一部がサービスの終了前に、中古市場に流出していたことがわかった。複数の所有者が「計画的に売却された」として警察に相談しているが、流出の規模は見通せていない。 このサービスは、所有者から預かったロレックスなど高級ブランド品の腕時計を借りたい人に貸し出すというもの。運営会社「合同会社ネオリバース」(大阪市中央区)が1月末に法人の解散とサービス終了を発表した。所有者らでつくる団体によると、27日時点で約900本(計約19億円)の腕時計が未返却になっている。 ブランド品買い取り大手「バリュエンスジャパン」(東京都港区)には今月初旬、同社のオークションサイトに出品されている腕時計の中に、トケマッチに預けていたはずのものが複数本含まれている、と所有者たちから連絡があった。同社は該当する腕時計の流通を止めたうえで、13日にはホームページに問い合わせ窓口を設置。22日までに約500本の相談があったという。 同社は調査を進めており、27日時点では少なくとも20本以上が自社販路で扱っている腕時計とシリアルナンバーが一致。さらに、その半数はトケマッチが終了する前に流通していたことがわかった。シリアルナンバーが一致した腕時計については、警察が被害届を受理すれば、警察を通じて返却していく予定。所有者から相談を受けたとして、警視庁から提供を求められている腕時計もあるという。 同社の担当者は「中古市場の流通スピードは非常に速く、このままではさらに転売が進む恐れがある」と話す。 事件化に壁も トケマッチをめぐって現在… この記事は有料記事です。残り742文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
災害ごみ置き場に並ぶ「倉敷市」の看板 つながる被災地、生かす経験
地震や台風、水害といった災害のたびに頭を悩ませる災害ごみの問題。能登半島地震の被災地でも、珠洲市では平年量に比べると132年分になると推計されるなど、災害ごみをどう処理するかが課題となっている。実際に災害ごみが集まる仮置き場を訪ねると、気になる物を見つけた。なぜか「倉敷市」の地名が入った看板があちこちに……。 石川県七尾市の中心部から車… この記事は有料記事です。残り1166文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
覚醒剤密売容疑で55歳組員逮捕、81歳の母「かわいい息子のため」
三井新2024年2月27日 12時03分 覚醒剤を販売したとして、警視庁は、指定暴力団住吉会幸平一家の傘下組織幹部で無職の横田信裕容疑者(55)=東京都練馬区=を覚醒剤取締法違反(営利目的譲渡)の疑いで逮捕し、27日に発表した。認否は明らかにしていない。 薬物銃器対策課は、横田容疑者は神奈川県秦野市に住む母親(81)=覚醒剤取締法違反罪で起訴=ら男女3人と共に、違法薬物を送ったり手渡したりして密売していたとみている。 母親は同課に、「覚醒剤を売るのは悪いことだと知っていたが、信裕はそれで生活していた。ダメだとわかっていたが、かわいい信裕のためにやりました」と供述したという。 覚醒剤、大麻、MDMAを押収 末端価格は3千万円超 横田容疑者の逮捕容疑は昨年7月26日、沖縄県に住む男性(38)に、都内からレターパックで覚醒剤のフェニルメチルアミノプロパン塩酸塩を含む結晶約1グラムを送り、3万円で販売したというもの。 同課は、横田容疑者宅から覚醒剤約222グラム(末端価格約1370万円)、大麻約162グラム(同約97万円)、合成麻薬MDMA2692錠(同約1615万円)を押収。同容疑者らが2022年1月~昨年10月、これらの違法薬物の密売を繰り返していたとみている。(三井新) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マンホールふたに「世界一有名なシバイヌ」のかぼす 地元広場に設置
伊藤繭莉2024年2月27日 12時06分 「世界一有名なシバイヌ」として知られる雌犬「かぼす」をデザインしたマンホールのふたが、千葉県佐倉市の佐倉ふるさと広場に設置された。有名になるきっかけとなった写真や風車をあしらった、かわいらしいデザインとなっている。 かぼすは3歳ぐらいの時、殺処分される寸前で動物愛護団体に引き取られ、市内在住の保育士佐藤敦子さん(62)が飼い始めた。その後、佐藤さんがブログにアップした1枚の写真がかぼすの運命を変えた。 かぼすの画像をロゴにした仮想通貨が登場したほか、2023年4月には、ツイッター(現X)の青い鳥のロゴが一時、かぼすに変わるなど、世界的に話題となっている。同11月には、海外ファンが寄付を募り、広場にモニュメントを設置した。 マンホールは、広場の売店「佐蘭花(さらんか)」近くに設置された。市の担当者は「モニュメント寄贈への感謝と恩返しの気持ちを記念した。下水道事業のPRも込めた」と話す。 佐藤さんがSNS上でマンホールについて配信したところ、予想以上の反響があったという。「かぼちゃんの組んだ前脚が、マンホールから飛び出してきそうに見えてドキッとしました。ふるさと広場が、世界中の方から愛される場所になってもらえるとうれしい」と話している。(伊藤繭莉) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
創業110年の葬儀社の「攻めた」CM 死との向き合い方を問う
【愛媛】スーツにネクタイか、ロングヘアにブラウスか。自分の葬儀にどちらの「遺影」を使うか、トランスジェンダーの父親は悩んでいた。娘は笑顔で「いっそ両方、並べちゃえば?」。 昨年12月に創業110年を迎えた「村田葬儀社」(松山市)は、ユーモアと哀感をちりばめたテレビCMを通じ、死との向き合い方を提言してきた。 地域の枠を超え、国内外で評価されるCMの制作を指揮したのは、社長の結城旬さん(55)。「価格や施設を宣伝するだけがCMではない」と言い切る。 ブランディングとリクルートを目的に作った第1作は2015年、昔話「桃太郎」が下敷きのアニメだった。 川で洗濯するおばあさんの前に、大きな桃が流れてくる場面でいきなり「おしまい」と告げられ、「終わりは、突然やってくる」とナレーションが入る。 時代劇「遠山の金さん」をパロディーにした翌年の第2作も同じ趣向。お白州で悪漢らに奉行が片肌を脱ぐ直前、乾いた効果音とともに「終」と表示される。 17年の「旅立ち編」では表現を一変させた。 彼岸への旅路に見立てた列車の乗客同士が主人公。男性編と女性編の各60秒で、家族から託された副葬品を見せ合い、発車ベルに耳をそばだてる姿を描写した。「予算の桁が違う」大手のCMと競い、国内外の広告賞に選ばれた。 「2作目までは『百年企業の村田が何をしている』と心配された」と話す結城さんは、サザンオールスターズをイメージしたという。「デビューシングルからコミカルな曲を2作続け、3作目のバラード『いとしのエリー』で人気を決定的にした」 そして、22年に話題を呼んだのが、LGBTという現代的なテーマをドラマ仕立てで扱った「自分らしく生きる。」だった。 葬儀社として異例のCMを巡っては、社内で「旧来の葬儀観を持つ層の反発を呼ぶ」と慎重論もあり、公開は完成から約1年後。だが、4分のロングバージョンはユーチューブで約3カ月間に15万回以上視聴され、昨年には性の多様性がテーマの映画祭などに出品された。 「百人の故人がいれば、百通りの葬儀」 結城さんは先代社長の娘婿で、10年から社長。冠婚葬祭互助会の利用者が増え、古くからの葬儀社はビジネスの見直しを迫られていたタイミングだった。 実家が呉服屋で、「葬儀社とは違うDNAを持っていた」結城さんは、13年の創業100年を機に、社員が一体感を持って仕事に当たるよう、外の視点も採り入れた意識改革を図った。 社業を「人が人を想(おも)うきもちに寄り添う仕事」と再定義し、4項目の「ムラタイズム」を制定。社会で果たすべき役割や「葬送文化の発展に寄与」とする会社の目標を明示した。 葬儀の担当者に「特別なイベントの企画者」との自覚を持たせようと、「エンディングプランナー」と命名。広い視野を養うため、職人気質のベテラン社員を説得し、県外の異業種交流研修に派遣した。 社員の提案も積極的に採用した。遺族との数日間の対話をヒントに、プランナーが工夫した副葬品を贈るサービスもその一つだ。故人の愛車の模型、世界遺産写真集、好物だった麻婆豆腐……。サプライズで様々な品がひつぎに納められた。 「攻めた」CMの数々も改革の一環だった。 「我々の世代では、カミングアウトできなかった方も多かっただろう。でも、今の若い人たちが寿命を迎える頃には普通にあり得る未来予想図を、短いドラマにした」と結城さん。「百人の故人がいれば、百通りの葬儀があっていい。社会に対して葬儀社が発信できることはまだまだあるはずだ」 次作にも注目が集まるが、構想は白紙だ。「大手と違って締め切りがないのも中小企業の良いところ、という言い訳でご勘弁を」。笑顔で語った。(戸田拓) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「全国トップレベル」の新人教員研修、今年も 志望者減に悩む神戸市
4月から教壇に立つ新人教員の「採用前研修」が、今年も神戸市で行われている。初開催だった昨年に続き2度目。かつて狭き門だった教員採用は近年倍率の低下が続いており、教員の質の確保が課題になっている。(小川聡仁) 「これ、(ディスカウント店の)ドンキで買ったんです。笑って楽しんでくれれば話も聞いてくれる」 2月上旬、市の研修室。小学1年生を担任している教諭(25)がおもちゃを手で持った。「○」と「×」が表裏に書かれブザー音も鳴る。授業で使うと児童たちの反応がいいという。 同じ机を囲んで真剣な表情で聞いていたのは、4月から小学校の教員となる大学生10人。メモを取りながら、学級運営や板書のこつなどを質問した。 神戸親和大学4年の岡村まれいさん(22)は「想像以上に充実していた。4月から教員として働く姿が想像できず、漠然とした不安があったが、先輩教員から具体的な助言をもらえた」と笑顔で話した。 大規模に拡大、受講者には報酬も ここから続き 市の採用前研修は一昨年まで… この記事は有料記事です。残り853文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ひとつの後悔も残さない」 センター末永桜花さんが固めた「決意」
アイドルグループSKE48の32枚目シングル「愛のホログラム」(2月28日発売)で、末永桜花(おうか)さん(22)がセンターを務める。結成16年目のグループを牽引(けんいん)し、2作連続の「大役」に強い決意で臨む。 かつては「ステージの端」 「これまでのイメージにはない、新しいSKE48を見せられると思います」。末永さんは、新曲をこう紹介した。孤独な愛をテーマにした失恋ソングで、シリアスなイメージの楽曲となった。 「無表情の場面が多く、まばたきもほとんどしない。ダンスもミリ単位でそろえなくてはいけなくて、大変でした」と、ミュージックビデオの撮影を振り返った。 ツインテールの髪形がトレードマークで、周囲からは「王道アイドル」と評される。ただ、その道のりは平坦(へいたん)ではなかった。 13歳でSKE48に加入した… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「人助けやねん」貯金箱を差し出した女性 JA職員に迷いはなかった
昨年の暮れ、年末のあいさつもかねて60代の女性宅に顔を出した。 畠山晴年(はると)さん(25)は、JAならけん五條支店(奈良県五條市)の渉外担当。この女性宅を訪問するようになって1年以上になる。 女性がこの日、スマホでユーチューブ動画を見せてくれた。 チェロ奏者の演奏動画だった。「本人とやりとりしてんねん。楽しいわ」 インスタグラムで知り合ったという。スマホ画面をのぞくと、女性は「ハニー」と呼ばれているようだった。 年が明けてから。再び女性宅に顔を出すと、雲行きが怪しくなっていた。 チェロ奏者を名乗る男から「裁判沙汰になっていて、弁護士費用を払ってほしい」と頼まれたという。 畠山さんは、チェロ奏者のアカウントを確認した。トラブルを抱えているはずなのに、新着の動画がいくつかアップされていた。普通なら目立たなくするのに。怪しいと思って「絶対に振り込まないで下さいね」と念押しして、女性宅を後にした。 しかし、1月29日。開店まもない午前9時半ごろ、女性が五條支店に慌てた様子で駆け込んできた。 「30万円を振り込みたい」。対応した畠山さんに、銀色の貯金箱を差し出してきた。50万円まで500円玉貯金できるタイプ。ほぼ満杯だった。 「詐欺でもいい」「自己責任でもいい」 「今すぐ振り込んでくれない… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル