有料記事 小田健司 永井啓子 長屋護2024年3月2日 13時00分 福井県職員109人が同県高浜町の森山栄治元助役(故人)から金品を受領していた問題で、県は2月29日、県の調査委員会が2019年に職員から聞き取った内容を記録した調査票を報道機関に公開した。313人分の調査票からは、受け取った金品の具体的な内容や、一部の職員が同氏を警戒しながらも贈り物を断れなかった経緯が読み取れる。 調査は、関西電力の元役員らが森山氏から金品を受領していたことが発覚したのをきっかけに行われた。県が19年に公表した報告書は職員109人が金品を受け取っていたと結論づけた。報告書の元になった調査票の開示を求めた「市民オンブズマン福井」のメンバーに対し、県は大半を黒塗りにして開示した。だが、23年11月、県が非公表としたのは違法だとする名古屋高裁金沢支部の判決が確定。県があらためて開示をやり直したのが今回の調査票だ。 4年前に黒塗りだった、「元… この記事は有料記事です。残り1057文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自民衆院議員の集会、別議員団体が経費負担 報告書の収支が不透明に
独自 有料記事 五十嵐聖士郎 座小田英史2024年3月3日 6時00分 自民党衆院議員の政治団体が2018年に宮崎市で開いた集会で、別の同党議員の政治団体が経費の一部を負担していたことが朝日新聞の取材で分かった。政治資金収支報告書を見ても集会の実際の収支が分からなくなっており、専門家は「透明性を骨抜きにする行為」と指摘。報告書の記載が正しくないとして政治資金規正法違反の疑いで検察に告発している。 集会は、18年8月に自民党の江藤拓衆院議員(宮崎2区)が代表の「飛雄会」が宮崎市のリゾート施設で開いた「安倍総理との懇親会」。首相だった安倍晋三氏が3選をめざす党総裁選の前月で、参加者によると、江藤氏や安倍氏、官房副長官だった安倍派の西村康稔氏、地元の地方議員ら約600人が参加した。飲食を含む会費は5千円だったという。 飛雄会の18年の政治資金収支報告書では、懇親会の収入として会費の計303万円が記載されている。支出は、同年9月にリゾート施設に約225万円が支払われたことなど、計約258万円が記されている。 一方、西村氏が代表を務める「自民党兵庫県第9選挙区支部」の18年の収支報告書にも、同支部が10月にこのリゾート施設に約180万円を支出したと記されている。名目は「飲食代」とされているが、報告書に添付された振り込みの書類には手書きで「宮崎集会負担分」と記入されている。この「宮崎集会」に関する収入の記載はない。 西村氏側「適正に処理」 朝日新聞は江藤氏側と西村氏側の事務所や関係者に集会が同一のものであるかを取材。江藤氏側の関係者は、懇親会は江藤氏側と西村氏側の「共催だった」とし、「西村氏側から懇親会開催を持ちかけられ、西村氏側が45%を出すということでやることにした」と説明。金額は、江藤氏側の約225万円と西村氏側の約180万円になったという。 この説明によると、リゾート… この記事は有料記事です。残り860文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北の炭都・芦別 戦後の隆盛と衰退の学術本 執筆の前博物館長は急逝
北の炭都として栄え、閉山後に急速に人口を減らした芦別市と、戦後石炭産業の軌跡をまとめた『芦別 炭鉱〈ヤマ〉とマチの社会史』(以下、芦別本)が昨年末に刊行された。学術本には珍しく北海道内外から問い合わせが入る。芦別で炭鉱作業員として生活していた家族らから懐かしむ声が聞かれるという。 芦別に移住し、芦別で働き、暮らし、そして芦別を去った膨大な人たちの足跡――。 芦別本の帯は、そう記される。例えば戦後の労働者不足を樺太引き揚げ者が支えたこと。炭坑内部での仕事や多発した事故の記録や写真。賃金や労組活動。住居や教育、女性の活動……。芦別本は戦後の大量移住から人口流出の間に、どんな人が住んでいて、どんな生活をしていたのかなど、多角的に分析している。 主な著者は、社会学者の嶋崎尚子と西城戸誠・早稲田大文学学術院の両教授と、芦別の博物館「星の降る里百年記念館」の長谷山隆博前館長の3人。国内外の炭鉱を調査する「産炭地研究会」の研究者6人も加わった。 主な研究材料は同館に保存される学校や組織、団体が発行した大量の「○○周年記念誌」だ。嶋崎教授は2021年から、芦別など空知地区の産炭地でゼミ活動を実施。元炭鉱関係者の聞き取りや炭鉱遺構の調査などをしてきたが、同館の収蔵品を「研究者からすると宝の山だった」と表現する。 「宝の山」は1993年に開館した同館で、開館準備から展示設計の全てに携わった長谷山前館長が集めたものだ。住民らが芦別を去る際、捨てずに寄贈したものが多く、中には炭鉱に提出した履歴書や日誌といったプライベートな資料も残されていたという。嶋崎教授は「芦別本は芦別市教委に31年間勤めた長谷山館長の学芸員としての集大成と言っても過言ではない」と評する。 構想から8年。コロナ禍では… この記事は有料記事です。残り717文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
親が知らない高校受験の魅力 中受過熱の東京、都立高はお得な留学も
中学受験(中受)の過熱ぶりが話題になるなか、X(旧ツイッター)で、東京の高校受験の魅力を発信している人がいます。高校受験ならではのメリットとは――。約4万3千人のフォロワーがいるアカウント「東京高校受験主義」の「中の人」で、都内の塾で教える男性に聞きました。 ――なぜ発信を? 都内で高校受験対策などの塾講師をしています。以前から中学受験の過熱ぶりに危機感を抱いていましたが、数年前、中学受験生の保護者に最近の高校受験の現状を話したところ、「知らなかった」と大きな反響がありました。そこで、高校受験の現状をもっと知ってもらいたいと思い、発信を始めました。 ――なぜ大きな反響が? 高校受験や都立高校について、多くの保護者は自分の時代の記憶で止まっていて、意外と最近の状況を知らない。でも、東京の高校事情は2000年代以降、激変しています。 当時の石原慎太郎都知事は「都立復権」を掲げ、高校改革を推進。学区は撤廃され、01年に開校した都立科学技術高など、特色ある学校も増えました。私立や通信制、地方の公立高校に進学する「地域みらい留学」なども含めれば、親世代とは比べものにならないほどの選択肢があります。 海外研修のチャンスに恵まれている ――進学後の選択肢という面では、どうですか? 都の留学支援とは?内申点制度の現状は? インタビューで気になる疑問に答えてもらいつつ、記事後半では都立高校の近年の取り組みについても紹介しています いま、円安の影響もあって海… この記事は有料記事です。残り2419文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
茶褐色の温泉、眼下に青芝のフィールド 試合がない日も魅力の野球場
地下1300メートルからわき出るモール温泉。「雪肌の湯」と呼ばれ、茶褐色の湯は、ほとんどにおいがしない。 ふと視線を動かすと、青々とした天然芝が広がっている。 ホームベースも見える。 【撮影ワンポイント】エスコンフィールドHOKKAIDO 気をつけたのは風呂とグラウンドで明るさが違うこと。まずは、グラウンド側をきれいに写せる露出に合わせた。その後、暗くなる風呂側のモデルにストロボをあてて光を補った。(角野貴之) ここは野球場だ。 札幌市から南東に約20キロ。北海道北広島市の小高い丘の上に、プロ野球日本ハムファイターズの新本拠地「エスコンフィールドHOKKAIDO」はある。 目玉の一つが「世界初」をうたう球場3階にある天然温泉。ファイターズの選手が使う浴場にも同じ温泉がひかれており、「選手にも好評」(広報担当者)という。その湯を入場客も体験できる。 覆した「試合がない日」のイメージ 入浴しながらフィールドを一… この記事は有料記事です。残り634文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長野の北アルプス風吹岳で雪崩発生 遭難の2人を救助、8人自力下山
2日午前11時半ごろ、長野県小谷村にある北アルプス・風吹岳(かざふきだけ)(標高1888メートル)で雪崩が発生し、複数の人が巻き込まれたと、脱出した遭難者の1人から110番通報があった。 大町署によると、雪崩に遭ったのは複数のパーティーの計10人。午後1時半ごろ、県警ヘリコプターがこのうち男性2人を救助し、松本市の病院に搬送。この2人は、大阪市東淀川区の会社員(53)と富山県魚津市の公務員(38)。いずれも低体温症で手当てを受けたが、けがはなく、会話が出来る状態だったという。残りの8人は自力で下山した。 同署によると、雪崩は風吹岳の南俣沢付近(同約1400メートル)の斜面で発生した。現地では2日前に大雪が降り、積雪の上に新雪があった。この日は朝から晴れており、日が当たっていたため、表層雪崩の危険性が高まっていたという。 同署は、10人が山中を滑走する「バックカントリースキー」をしていたとみて、当時の状況を調べている。(佐藤仁彦) 長野県北部に雪崩注意報 雪崩の被害を防ぐ活動や調査を続け、雪崩の危険度を5段階に分けて発表しているNPO「日本雪崩ネットワーク」によると、風吹岳を含む白馬エリアの2日の危険度は、標高が高い地域で上から2番目の「4(高い)」、標高が低い風吹岳では「3(警戒)」だったとみている。気象庁も同日、長野県北部に雪崩注意報を出していた。(佐藤仁彦、高億翔) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「同じ空を飛び、苦楽をともに」 海保犠牲者5人の公葬 上司が弔辞
東京・羽田空港の滑走路で日本航空(JAL)と海上保安庁の航空機同士が衝突、炎上した事故から2日で2カ月を迎えた。海保はこの日、犠牲になった羽田航空基地所属の職員5人の公葬を都内で開き、上司の林博之・羽田航空基地長が弔辞で5人を悼んだ。 事故当日は、前日に起きた能登半島地震の支援のため、物資を搬送する業務にあたっていた。 副機長だった田原信幸さん(当時41)は、海保のパイロットとして全国各地の航空基地で勤務。2023年4月に大分県宇佐市の畑に軽飛行機が不時着した際には訓練教官として搭乗しており、「卓越した操縦技術で被害を最小限に食い止めた」とした。23年10月に羽田航空基地に配属されてからは「若手の育成にも力を入れて取り組まれていたところでした」。 整備士の宇野誠人さん(当時47)は当初から航空整備士への強い希望をもっていたという。事故機となったボンバルディア機については「知見は秀でるものがあり、全国各地の整備士が宇野君を頼りにしておりました」。 探索レーダー士の帯刀(たてわき)航さん(当時39)は若手に対して穏やかな人柄で丁寧な指導をしていた。灯台の管理や巡視船の通信士としての業務にも従事し、「将来有望な若手職員の一人として活躍を期待される存在でした」。 通信士の石田貴紀さん(当時27)は、通信士として業務に従事したほか、探索レーダー士の資格取得にも取り組んでいたという。将来は英語力を生かして、「当庁の国際業務、大使館での勤務、国際戦略の企画立案業務に携わりたいという希望をもたれていました」。 整備員の加藤重亮さん(当時56)は、自衛隊で航空機の整備員として約35年間勤務した後、22年に海保に入庁した。自衛隊での経験を元に、「若い職員に積極的にコミュニケーションを図り、技術支援を行うなど、模範的な人材でした」。 林基地長は弔辞の結びに、「部下や同僚として同じ時を過ごし、同じ空を飛び、苦楽をともにした仲間である皆様の姿や将来のこと、ましてご家族のご心痛を拝察いたしますとき、これほどつらく悲しいことはありません」「このような事故を二度と繰り返さないよう、私たちは安全な空へ再び飛び立つため全力を尽くすことをお誓い申し上げますとともに、皆様が残された多大なる功績に深く感謝を申し上げます」と述べた。(角詠之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
被災した日本航空石川、温暖な徳島で選抜直前合宿へ 地元住民も応援
能登半島地震で被害が出た石川県から第96回選抜高校野球大会(3月18日開幕、阪神甲子園球場)に出場する日本航空石川が、徳島県阿南市で5日間の直前合宿をする。 「野球のまち」を掲げる同市が、温暖な地の利を生かして、雪深い地域のチームの合宿を受け入れてきたのがきっかけ。地元の受け入れ準備は万全で、選手たちの到着を心待ちにしている。 太平洋に面する阿南市は、2007年に完成した両翼100メートルを誇るJAアグリあなんスタジアムを核として、全国規模の大会誘致など「野球で町おこし」というユニークな地域振興に取り組んできた。 その一つが、積雪で思うように練習できない、北信越地域の選抜大会出場校の直前合宿の誘致だ。新潟県の高野連関係者から「豪雪地帯で、冬場は外でキャッチボールもできない」といった悩みを聞いたのがきっかけだった。 同様の環境にある日本航空石川は18年の選抜出場直前にも市内で合宿しており、6年ぶり2度目となる。 水害時に義援金、「恩返ししたい」 阿南市の関係者は特別な思いで準備を進めてきた。 「地震が起きた時は選手たち… この記事は有料記事です。残り999文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
宮崎県延岡市や門川町で震度4の地震 県北部が震源、津波の心配なし
2024年3月2日 23時16分 2日午後11時ごろ、宮崎県北部を震源とする地震があった。気象庁によると、宮崎県延岡市と門川町で震度4、日向市などで震度3を観測した。 震源の深さは約10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは4・3と推定される。 この地震による津波の心配はないという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
隈研吾とコラボした地元板金店 屋根と小屋の特大展示場にこめた思い
岡山市南区古新田の国道2号バイパス沿いに「日本最大級の屋根と小屋の展示場」が出現している。ひときわ目を引く外観を手がけたのは、世界的建築家・隈研吾さんだ。地元の板金店とのコラボはどのようにして生まれたのか。 大きな平屋建ての外壁いっぱいに39種類の屋根と外壁が、パッチワークのように貼り込まれている。この展示場を仕掛けたのは、創業48年を迎えた「植田板金店」(同市中区)だ。 自宅の庭や駐車場に小屋を建てる人が増えつつあった2017年にいち早く小屋事業部を設立し、「小屋ブーム」をリードしてきた。小規模な展示場も設けていたが、「2号バイパス沿いでずっと広い物件を探していた」と植田博幸社長(50)は言う。 悪徳商法の被害減らしたい 背景には、屋根業界での悪徳商法の横行があった。突然訪問して「お宅の屋根の様子を見させてもらいました」などと不安をあおって不必要な工事をしたり、高額を請求したりする詐欺の被害が後を絶たない。屋根や小屋の実物を見てもらって、正しい知識を得る場を作りたいと考えた。 見つけたのは20年近く大型飲食店として使われてきた床面積約670平方メートルの平屋で、50台以上の駐車場も込みで約3300平方メートル。「居抜きで簡単にリフォームしよう」(植田社長)と思っていたが、新国立競技場の設計で知られる奇想の建築家にアイデアを求めたことから、事は一気に大きくなる。 若手スタッフの熱意実った 隈さんの事務所との縁は、小… この記事は有料記事です。残り575文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル