金子和史2024年3月6日 20時39分 東芝の不正会計問題で、株主が旧経営陣に、同社への損害賠償を求めた株主代表訴訟の控訴審判決が6日、東京高裁(中村也寸志裁判長)であった。東芝は昨年の一審判決後に日本産業パートナーズ(JIP)に買収され、東京証券取引所への上場を廃止。高裁は、この過程で保有株が1未満になった原告らが「原告適格」を失ったと判断。請求を一部認めた一審判決を取り消し、株主らの訴えを却下した。 2015年に発覚した不正会計問題で、東芝は旧経営陣に責任があるとして佐々木則夫元社長ら5人を提訴。個人株主が他の歴代幹部10人に株主代表訴訟を起こした。 東京地裁は昨年3月、東芝が訴えた3人と株主が訴えた2人の計5人の賠償責任を認め、計約3億円の支払いを命じた。 その後、東芝は国内投資ファンドのJIPに買収された。昨年11月には、JIPによる株式公開買い付けに応じなかった株主の保有株を強制的に買い取るのに必要な「株式併合」の実施を決定。翌月には9300万あった株式が1株に併合され、原告の持ち株も1未満となった。(金子和史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神岡鉱山内に産廃放置、国「不適切」指摘 撤去に1~2年
有料記事 嶋田圭一郎 保坂知晃2024年3月7日 5時00分 岐阜県飛驒市の神岡鉱山内に鉄くずなどの産業廃棄物が放置されていたことが同鉱山を経営する神岡鉱業(同市)への取材でわかった。鉱害防止の観点から不適切だと昨年9月に国から指摘を受け、現場にあった有価物も含めて撤去を進めている。放置が始まった時期や総量は不明だが、作業を終えるのは2025年3月ごろになる見通しだという。 同鉱山は国内初の公害病「イタイイタイ病」の発生源で、同社は「環境保全を経営上の最重要課題」とホームページで掲げる。同社は取材に「現場は地下水が通っておらず、周辺環境への影響はない」としつつ、「環境全体に意識を高くもって取り組んでいたが、管理が行き届いていなかった。反省している」と説明した。 同社によると、昨年12月時点で現場からは廃車や廃重機、鉄くず、ケーブル、廃プラスチック、蛍光灯などが見つかった。要不要の分別を進めており、有価物と産廃が混在していた。ただ、有害物はなかったという。 現場は1990年以降に大規… この記事は有料記事です。残り882文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
なぜそこに住むの? 被災者への問いと「復興」が忘れている人の営み
福島季評 「被災者になる」というのは、難儀だ。 いちいち自分の状況を説明するのが、難儀だ。説明した後に同情を向けられるのが、難儀だ。とはいっても、無関心だったり、見当違いの反応を返されたりするのは、もっと難儀だ。 日々の起居に支援をしてもらわなくてはならないのが、難儀だ。感謝はしている。それでも、何度となく「ありがとうございます」と言い続けるうちに、心が少しずつ擦り減っていく気がする。「被災者」のリアクションを期待されるのが、難儀だ。でも、「被災者」であることを伝えなければ、もう大丈夫だと思われてしまうかもしれない。だから、「被災者」としての模範解答を返す。「応援ありがとうございます。大変助けられています。がんばりますので、今後もどうぞお力添えをお願いいたします」 息をつく間もない慌ただしい日々のなかで、ぽっかりとできた空き時間に、われ知らず大きなため息をつく。いままでどおりの穏やかな生活を送りたいだけなのに、「普通に暮らす」、それがなんだってこんなに果てしなく難しくなってしまったんだろう。 誰もが望んで「被災者」になるわけではない。それでも、ひとたび「被災者」になると、それまでとはまったく違う日常が続くことになる。やがて、すぐに「復興」が始まる。復興が進めば、きっと元のとおりとはいかなくとも、少しは落ち着いた暮らしが戻ってくるだろう。 けれど、しばしば「復興」は… この記事は有料記事です。残り1584文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
能登の被災地で窃盗繰り返した疑い、3人逮捕 故人の形見も被害に
能登半島地震の被災地で空き巣を繰り返したとして、愛知県警は、16~19歳の3人を住居侵入と窃盗の疑いで逮捕したと6日発表した。被害品にはカフスや指輪などがあり、故人の形見も含まれていたという。被災地を狙った組織的な窃盗グループが摘発されるのは初めてとみられる。 逮捕されたのは、名古屋市昭和区の無職少年(19)、ブラジル国籍で愛知県岩倉市の派遣社員少年(18)、中国籍で住居不定の無職少女(16)。3人は1月5日、石川県輪島市内の住宅2軒に侵入し、ブランデーや指輪などの金品(計約6万5千円)を盗んだ疑いがある。認否は明らかにされていない。県警は3人が被災地の混乱に乗じて窃盗を重ねたとみて調べる。 被害住宅2軒は隣接しており、いずれも住人は避難していて留守だった。同5日に輪島市内で「不審車を見つけた」と付近住民から交番に届け出があり、石川県警の警察官が少年らに職務質問。車内からバールが見つかるなどし、今回の事件が発覚した。 被災地では住宅などを狙った窃盗事件が相次いでおり、石川県内では震災後から3月5日までに避難所での置き引きなど51件の窃盗事件が発生。警察が街頭に防犯カメラを増設するなどして警戒を強めている。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 能登半島地震 1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。被害状況を伝える最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
父は送迎、母は死体損壊を容認か 札幌遺体切断事件で親子3人を起訴
有料記事 石垣明真 新谷千布美2024年3月6日 21時05分 札幌市の繁華街・すすきののホテルで昨年7月、北海道内の会社員男性(当時62)を殺害し、頭部を持ち去ったなどとして札幌市の親子3人が殺人容疑などで逮捕された事件で、札幌地検は6日、無職田村瑠奈容疑者(30)を殺人、死体損壊、死体領得、死体遺棄の罪で起訴し、発表した。また父親の修容疑者(60)をそれぞれの幇助(ほうじょ)の罪、母親の浩子容疑者(61)を死体損壊幇助と死体遺棄幇助の罪で同日、起訴した。3人の認否は明らかにしていない。 北海道警は親子3人を殺人や死体損壊の疑いで逮捕し、送検していたが、同地検は父母の関与について、瑠奈容疑者の手助けにとどまると判断したとみられる。浩子容疑者の殺人罪については不起訴処分とした。 起訴状などによると、瑠奈容疑者は昨年7月1日深夜、札幌市中央区のホテルの一室で男性を刃物で突き刺し、出血性ショックで死亡させて殺害。その後、男性の首をのこぎりなどで切断し、頭部を自宅まで運んで損壊し、遺棄したとされる。 修容疑者は、瑠奈容疑者の男性を殺害する計画を知りながらのこぎりなどを一緒に購入。現場から自宅まで瑠奈容疑者を車で送迎したとされる。 浩子容疑者は、自宅内に頭部を隠すことを容認し、その後同月7日夜に瑠奈容疑者が頭部を損壊する際にビデオ撮影を求められ、修容疑者に撮影させたとされる。 地検は、昨年8月末から今年… この記事は有料記事です。残り287文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
親子3人の共謀問えず、母は裁判員裁判の対象外 札幌遺体切断事件
札幌すすきののホテルの一室で頭部のない男性(当時62)の遺体が見つかり親子3人が逮捕された事件で、札幌地検は6日、3人の共謀を問えないと判断した。起訴内容がそれぞれ異なる展開となった。 北海道警が捜査段階から実行役とみていた田村瑠奈容疑者(30)は、殺人罪や死体損壊の罪で起訴。父の修容疑者(60)は、一連の行為を手助けした殺人幇助(ほうじょ)などの罪で起訴した。母の浩子容疑者(61)は死体損壊幇助と死体遺棄幇助の罪とした。 道警は3人とも同じ殺人などの容疑で逮捕・送検していた。しかし札幌地検は、3人の共謀は成立せず、瑠奈容疑者が主体だったと判断した。石井壮治次席検事は臨時の会見で「この起訴内容で立証できるだけの証拠が集まったということ」と述べるにとどめた。 殺人罪とその幇助罪に問われる瑠奈、修両容疑者は裁判員裁判で審理されることになる。一方、浩子容疑者はその対象外だ。 裁判員裁判では、裁判官・検察官・弁護人が事前に争点などを確認し合う「公判前整理手続き」が必須で、初公判までには時間がかかる見込みだ。3人の裁判をどう進めるかは、今後、札幌地裁が判断する。(新谷千布美、石垣明真) 今回の事件の流れ (捜査関係者などへの取材による) 2023年5月下旬 ダンスイベントで瑠奈容疑者と男性が会う 6月 再び瑠奈容疑者と男性が会ったか 7月1日 午後8時ごろまで 瑠奈容疑者が父と刃物などを購入 午後10時50分ごろ 瑠奈容疑者と男性がホテルに入る 7月2日 午前2時ごろ 瑠奈容疑者が1人でホテルを出る 父の車がホテル近くから走り去る 午後3時ごろ ホテル従業員が男性の遺体を発見 7月3日 道警が捜査本部設置 24日 瑠奈容疑者と父を死体遺棄などの容疑で逮捕 容疑者宅から男性の頭部が見つかる 25日 母も同容疑で逮捕 8月14日 親子3人を殺人容疑で再逮捕 8月28日 親子3人の鑑定留置が始まる 9月1日 父母が札幌簡裁に出廷し容疑を否認 2024年2月28日 親子3人の鑑定留置終了 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
除染土の最終処分地、「選定の具体的方針・工程を」 自民党が提言
大日向寛文2024年3月6日 21時24分 自民党の東日本大震災復興加速化本部は6日、東京電力福島第一原発事故に伴う除染で出た土壌について、「最終処分地の選定等の具体的な方針・工程を速やかに明示」するよう求める提言を、岸田文雄首相に渡した。 除染土は福島県内の中間貯蔵施設で保管している。法律では、2045年までに県外で最終処分することになっているが、実証事業すら地元の反対で難航している。提言は、「残された時間は長くはない」とし、「県民及び国民の目に見える形で取り組みを進めることが重要」としている。(大日向寛文) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自宅で父親死亡、刺した疑いで息子逮捕 幼稚園から「不審者」と通報
2024年3月6日 21時40分 父親を殺害しようとしたとして、兵庫県警は6日、尼崎市立花町1丁目の自称アルバイト荒川拳大(けんた)容疑者(23)を殺人未遂容疑で緊急逮捕し、発表した。「殺そうと思って家にあった包丁を使って刺した」と容疑を認めているという。 尼崎北署によると、荒川容疑者は6日未明、自宅の寝室にいた父の征雄さん(49)の胸を刃物で数回刺し、殺そうとした疑いがある。父親はその後、死亡が確認され、署は容疑を殺人容疑に切り替えて調べるという。 同日昼過ぎ、現場近くの幼稚園から「不審者がいる」と110番通報があり、駆けつけた警察官が路上にいた荒川容疑者を見つけた。その後、自宅で父親が倒れているのを発見したという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
トンネル内で塗装中?に倒れ6人搬送3人意識不明 神奈川県伊勢原市
手代木慶 阿部育子 村上潤治2024年3月6日 22時45分 6日午後7時10分ごろ、神奈川県伊勢原市高森の農業用用水路のトンネルで、「作業員が意識のない状態で倒れている」と作業関係者の男性から119番通報があった。同市消防本部によると、20~70代の男性6人が市内の病院に搬送され、3人が意識不明という。作業日誌から、現場にいたのはこの6人とみられ、農業用用水路のトンネルで塗装、防水加工作業をしていたとみられるという。県警が労災事故の可能性があるとみて、原因などを調べている。 現場は片側1車線の道路の真下を通るトンネルで、近くにコンビニエンスストアもある。 現場脇を通りかかった近所に住む50代会社員は「1カ月ほど前から塗装の工事をしていた。意識不明の人が出ているとニュースで知った。どういう安全管理をされていたのか」と心配そうに話した。(手代木慶、阿部育子、村上潤治) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ウィシュマさん死亡から3年 遺族「理不尽に命を落とさない施策を」
伊藤智章 高橋俊成2024年3月6日 20時16分 名古屋出入国在留管理局に収容されていたスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が亡くなってから6日で3年となった。遺族らは愛知県内で法要を行った後、名古屋入管に再発防止などの要望を申し入れた。 この日昼ごろ、遺族らはウィシュマさんの遺骨が安置されている愛西市の明通寺を訪問。本堂に置かれた遺影と遺骨に手を合わせ、スリランカの家庭料理を詰めた弁当を供えた。妹のポールニマさん(29)は「姉が入管を出たら食べたいと日記に書いていたものを作った。悲惨なことがまた起きないよう気持ちを込めた」と話した。 名古屋入管前では、妹のワヨミさん(31)が「被収容者が理不尽に命を落とすことがないよう、当たり前の医療を保障するための具体的な施策を強く求める」などと記された申入書を読み上げた。 ウィシュマさんの死を巡っては、殺人容疑などで告発などされた当時の入管局長らは不起訴(嫌疑なし)となり、捜査は終結している。一方、入管側の責任を追及するための国賠訴訟は続いている。遺族側代理人の指宿昭一弁護士は「この事件をうやむやにしてはならない。この日を忘れず、国と入管の責任を認めさせるべく訴訟をがんばりましょう」と訴えた。 この日は日本で暮らす外国人や支援者らの集会も名古屋入管近くで開かれた。生前のウィシュマさんを支援していた同県津島市の真野明美さん(70)と、2人の交流を劇にした劇団名古屋代表の谷川伸彦さん(61)が企画。外国人を取り巻く様々な問題を改善するよう口々に訴えた。(伊藤智章、高橋俊成) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル